2017年2月20日月曜日

特定原子力施設監視・評価検討会 第51回会合

特定原子力施設監視・評価検討会 第51回会合


議事録
日時:平成29年2月20日(月)10:00~12:08
場所:原子力規制委員会 13階 会議室A

出席者

担当委員

更田豊志 原子力規制委員会委員

外部専門家(五十音順)

橘高義典 首都大学東京大学院都市環境科学研究科 教授
德永朋祥 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻 教授
蜂須賀禮子 大熊町商工会 会長
山本章夫 名古屋大学大学院工学研究科 教授

原子力規制庁

櫻田道夫 技術総括審議官
山形浩史 審議官
持丸康和 地域原子力規制総括調整官(福島担当)
荒木真一 東京電力福島第一原子力発電所事故対策総括調整官
今井俊博 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室長
熊谷直樹 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 管理官補佐
伊藤 聖 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 特殊施設審査官
加藤淳也 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 安全審査官
三澤丈治 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 安全審査官
南部卓也 安全技術管理官(核燃料廃棄物)付 技術研究調査官

オブザーバー 福島県

高坂 潔 福島県原子力総括専門員
オブザーバー 資源エネルギー庁
湯本啓市 原子力発電所事故収束対応室長
佐藤幸博 原子力発電所事故収束対応室 室長補佐

東京電力ホールディングス(株)

松本 純 福島第一廃炉推進カンパニー バイスプレジデント
磯貝智彦 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部長
小林義尚 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部 部長
白木洋也 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部 部長
園田裕信 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部 電気・機械設備GM
伊藤雅人 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部 電気・機械設備Gr

課長
滝沢 慎 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部 燃料対策Gr 課長
徳森律朗 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクト計画部 燃料対策Gr 課長






○更田委員
それでは、定刻になりましたので、特定原子力施設監視・評価検討会の第51回会合を開催します。本日、4人の先生方、橘高先生、德永先生、蜂須賀先生、それから山本先生、よろしくお願いいたします。それから、福島県から、高坂さん、資源エネルギー庁から湯本室長、よろしくお願いします。それでは、議事次第を御覧ください。本日の議題は三つ、建屋滞留水における放射性物質の質量低減、これはここ数回議論を続けてきたものの進捗について説明を受けていきます。それから、3号機の使用済燃料プールからの燃料取り出し、これも進捗状況ですね。三つ目は、最近進展があった2号機における原子炉格納容器内の内部調査について報告を受けていきます。以上、予定が12時半までの予定ですけれども、ちょっと次の予定もありますので、できれば少し早めに終了したいというふうに考えております。配付資料等について過不足等があれば、事務局にお知らせください。まず、議題に入る前に、前回からの試みを続けていますけども、リスクマップにおける本日の議題の位置づけについて、事務局から説明してもらいます。

○今井室長
では、事務局のほうから、リスクマップ上の位置づけについて御説明させていただきたいと思っております。お手元資料、参考1でリスクマップ、配付させていただいておりますけれども、今日は、まず第1番目の議題は、液体放射性廃棄物におけます滞留水の処理というところで、ここの分野が今日の対象になります。それから、次ですけれども、使用済燃料プールの分野におきまして、議題2というところで、ここが対象になります。それから、3番目、格納容器内部調査でございますけれども、施設内調査という項目、一番右上にございますけれども、その下の議題3のところに位置づけられるというふうに考えております。大体以上でございます。

○更田委員
よろしいでしょうか。それでは、最初の議題、建屋滞留水における放射性物質量低減、説明を始めてください。

○園田(東電)
それでは、資料1を用いまして、建屋滞留水処理の今後の進め方について御説明いたします。1ページです。現在、今年度中を目標にしてございますけれども、1号機のタービン建屋の床面露出に向けて滞留水処理を進めております。この後も、循環注水を行っている1号機~3号機の原子炉建屋以外の建屋についても、1号機の知見を反映して、2020年までに処理を完了させる計画です。本日は、この進め方について御報告させていただきます。2ページ、参ります。建屋滞留水の処理の進め方ですけれども、各建屋の滞留水の水位を建屋ごとに全部同じにして、一定レベルで管理しながら水位を低下させてまいりますので、必然的に床面レベルの高い建屋から順次床面を露出させていくということになります。先ほども御説明しましたけれども、まずは、今年度に1号機のタービン建屋を露出させまして、順次、矢印二つ書いてございますけれども、二つ目、2020年には、先ほど御説明をした1~3号機の原子炉建屋以外の処理を完了させます。具体的な詳細なステップですとか目標工程については、後ほどA3で御説明しますので、ここでは詳細は割愛します。3ページ、参ります。建屋滞留水の具体的なその作業の内容を簡単にまとめてございます。これは今までも何度か御説明をしてございますけれども、下の絵を見ていただきたいんですけれども、建屋の床面を露出させるということですが、まず、油分回収というのが左上にございますけれども、油が浮いている建屋がございますので、こちらが移送先の水処理装置に悪影響を与えないように事前に油を回収したり、右下のほうに「線量低減」あるいは「ポンプ設置」とございますけれども、床面まで抜けるポンプを設置すると。それに当たって、障害になっている高線量エリアについて線量低減をすると。最終的に、左の下にダスト抑制とございますけれども、床面が露出した後にダスト飛散リスクがないようにダスト抑制という、こういう大きな流れで考えてございますけれども、まず、今、1号機で実施してございますので、この知見をしっかり反映して、後続号機の作業に反映してまいりたいと考えてございます。4ページです。1号機タービン、今までやってきた中で得られている知見、簡単でございますけれども、まとめています。一つ目の四角になりますが、これも何度もこの会で御説明をさせていただいてございますけれども、復水器内に震災初期の高線量貯留水というのがございまして、こちらが放射性物質も多いということ、あるいは先ほど御説明した作業の障害になるような高線量の要因にもなり得ているということですので、これ、下に矢印を書いてございますけれども、1号機は大体希釈が終わりましたけれども、2・3号機についても来年度中、当初、2・3号機のタービン建屋を露出させる2018年ぐらいを考えてましたけれども、それを前倒しして来年度中に実施するということで計画してございます。二つ目の四角になりますけれども、今後、いろんなほかの号機の対応をしてまいりますけれども、当然その現場の、それぞれの現場に合わせた線量ですとか、油の状況ですとか、実態に合わせた工事が必要ですし、後ほど御説明しますけれども、だんだん床面が下がっていくと、複数の建屋が同時に床面を露出させるということで、かなりの作業量が輻輳するということで、下の矢印に書いてございますけれども、1号機のタービンが終わり次第、後続号機の建屋の現場調査を順次実施して、できる限り工程も短くできるように、工法ですとか工程の見直しをしていきたいと考えています。それから、5ページ、6ページに、じゃあどうやって具体的に各建屋を処理するかというのを5ページ、6ページにまとめたんですが、もう少しわかりやすく皆さんに御理解いただけるようにA3の資料、資料1、別添の1/2、2/2という資料を準備してございますので、こちらで御説明をさせていただきます。資料1の別添の1/2のほうから御説明をさせていただきますけれども、上の半分のオレンジのところのグラフに、建屋の滞留水の水位、青色の実線で描いてございますけれども、を描きまして、床面がだんだん水位を下げる都度、露出しますけれども、そのタイミングを赤の枠の吹き出しで書いてございます。例えば2016年度の末に、①1号機のタービンの床面を露出させます。2017年の下期には、②ですけれども、これは最下面ではございませんが、2号機~4号機のタービンの中間階というのが地下階にございますので、こちらを露出させ、2018年度の上半期には③1号機のラドウエストの床面、で、最終的には2020年になりますけれども、先ほど御説明をした1~3号機の原子炉建屋以外について、④で、具体的には2~4号機のラドウエスト建屋とタービン建屋。少し遅れますけれども、⑤として4号機のリアクタービル、こちらは循環注水してございませんので、こちらまで床面を露出させるという計画でございます。この①~⑤の状態のときの断面図を下の絵で描いてございます。少々細かくて恐縮ですけれども、まず、その①の今年度の末の姿ということですが、三つの断面図の一番上になりますけれども、現状、左のほうに「ポンプ設置」「ダスト抑制」と書いてございますが、まさにこれ1号機のタービンで、ポンプの設置は大体できました。ダスト抑制も今やっているところですけれども、これが完了することで、ポンプで水を吸い上げて、最下階の床面を露出させます。その右側に少しオレンジの縦棒がございます。こちらは昨年度の末に、もう既に達成してございますけれども、建屋の水位を下げていくことで、1号機のタービン建屋と1号機の「R/B」と書いてありますけれども、リアクタービルとの貫通レベルを下回ってございますので、1号機のタービン建屋は循環注水のラインから切り離された状態という状態が維持できています。だんだんと、その下のほうに移行してまいりますけれども、例えば①から②についてどういう作業するかというのが、その①と②の間に緑ですとか青の吹き出しが書いてございますけれども、例えば①から②に移行するに当たって、1号機のタービン建屋に入ってございます復水器については、今、希釈はしてインベントリとしては少なくなってございますけれども、水全体を抜こうと考えていますし、次に露出します、先ほど御説明をした2号機、3号機、4号機のタービン建屋の地下1階の中間の床面、こちらについて露出させますので、油ですとかダスト抑制をしますし、復水器につきましては、水位とは直接関係ございませんけれども、少しでもインベントリを減らすという行為をこのタイミングで実施してまいります。こういう形で、①②③とありまして、④と⑤は2/2になってございますけれども、2/2を御覧いただきますと、④というのが下の断面図のほうの上の段にございますけども、ここで2~4号機のラドウエストビルとタービンビルという計六つぐらいの建屋を露出させますので、上に、先ほども御説明をしたようなポンプ設置、ダスト抑制等々がこれだけ複数並行して必要になります。ですので、こういったところをしっかり現場を見て工程を詰めていきたいと思っています。こうやって水位を下げていきますと、先ほど御説明をしたオレンジの縦棒がどんどん増えまして、循環注水からそれぞれの建屋が切り離されるという状況です。最終的には⑤、一番下の絵になりますけれども、水の、ごめんなさい、凡例を御説明しないでずっと説明しちゃいましたけれども、建屋滞留水というのは水色で示してございますけれども、⑤の2020年の断面では、1号機と2号機と3号機の原子炉建屋以外の水をなくして、全体の滞留水処理を完了させるという計画でございます。こちらが全体の進め方になりまして、また、すみません、パワーポイントに戻っていただきまして、7ページの御説明をさせていただきます。7ページは、今、御説明をしたように建屋の水位を下げていって、並行して浄化も実施いたしますけれども、その時系列に伴って、放射性物質がどのように推移するかというのを同じ軸で並べてみたものです。現状、大体ちょっと、この縦軸の単位が下の絵になりますけれども、縦軸の単位が1E15ですけれども、現状、大体3E15Bqある建屋内の放射性物質量が、2018年3月、来年度の末ですね、だと0.6E15、再来年になりますと0.2E15、最終的には、2020年のころには0.03E15ということで、放射性物質を減らしていこうと考えています。すみません、少しここでこのグラフの中に赤い点線がございますが、こちらについて少し解説させていただきますが、赤い点線が前回まで御説明をしていた放射性物質の推移の予測でした。今回、前回の監視・評価検討会から今回までに、3号機の原子炉建屋にございますHPCI(高圧注水系)室というところで新たにサンプリングをしまして、少し濃度の高い水が確認できましたので、その分をこちらで反映してございます。7ページは以上になりまして、最後の8ページになります。では、建屋滞留水を処理した後の状況というのはどうなるかということですけれども、一つ目の四角になりますけれども、新たにポンプを設置しますので床面が露出できます。この結果、建屋滞留水の全量処理は完了いたしますけれども、その床面露出後も雨水ですとか地下水というのは、配管貫通部等まだございますので継続します。ただし、先ほども御説明しましたけれども、ほかの建屋との連通レベルは下回っていますので、ほかの建屋から汚染水の流入はございません。その地下水他流入量というのが大体、平均1m3/h、最大雨の降ったときでも5m3/hですけれども、これに対しまして新しく設置するポンプというのは18m3ということで十分な容量を設けてございますので、大量の流入水が床面に滞留することはないという状態を維持できると思っていますが、1号機の床面露出した後は現場を調査しまして、それが本当にちゃんと排水できるかということを確認するとともに、必要に応じて、止水ですとかスラッジ除去等の措置を実施していきたいと考えてございます。9ページ以降、参考ですので説明は割愛いたします。説明は以上です。

○更田委員
これまではインベントリをどれだけ下げるかというところを中心に話をしてもらってきたんですが、インベントリの低下については、計画どおり進んでいるということで受け止めていいんだと思いますが、7ページを御覧いただいて、7ページが貯留しているのではなくて滞留してしまっている水の中に含まれている放射性物質の量、これを減らしにかかることがまず最優先課題の一つであると。現在のところまで来ているわけですが、説明がありましたけども、破線に比べて、前回に比べて予測値が全体に増えているのは、この参考資料にある、参考資料の12ページですか、HPCI室で濃度の高いものが見つかったために、その濃度をもとに全体の量を試算し直したら以前より増えましたと。この上下は多少はあるんだろうと思うんですが、HPCI室の濃度って具体的にどのぐらいの濃度だったんですか。

○園田(東電)
11ページに具体的なサンプリング結果が書いてございますけれども、Cs-137で4.3E+08ということで、今までの原子炉建屋の濃度に比べて約5倍ぐらいの濃度が確認されました。

○更田委員
割と当初の滞留水に似た濃度だということですよね。

○園田(東電)
はい。我々としては、滞留していて、循環注水ラインとは別なのかなと考えてございます。

○更田委員
局所的に濃度が高い部屋があったときに、そこを積極的に攻めにいくということは、方策はあるんですか。

○園田(東電)
まさに、これ全体のバランスを見ながら、我々としては、当然高いものはできるだけ早くとは思ってございますけれども、わかったから抜ける場合と、今回、この場合、この部屋につきましてはポンプがついてございますので抜ける可能性があると思ってますが、あとは、前回まで御説明をしてございますとおり、具体的にはサリーの容量、要するにこれを送ることで全体の濃度が上がるので、その辺りの影響なんかも加味しながら、とにかく、できるだけ早くリスクを低減するという観点でどういう手がいいか、ベストかというのは、ちょっと少ししっかり考えさせていただきたいと思っております。

○更田委員
前回以来、残念なことに濃い状態で抜き過ぎてしまうとサリーが引きつけを起こすという、そういうお話がありましたよね。そうすると、濃度を全体的に、これちょっとよく議論しなきゃいけないですけども、均一化させてしまう。よどんでいるところの濃度が高かったら、積極的に連通させて濃度を全体に均一化させてしまうという手もあるだろうとは思いますけれども、そこら辺は次回以降、少し戦略を考えて報告をしてもらえばと思います。今回新たに議論として、ちょっと焦点を絞ろうとしてるのは、サブドレン強化していって、それから、遮水壁がうまくいけば徐々に下げていけるだろうと。徐々に下げていってドライアップで、これは随分前から指摘されていますけど、1号機のタービン建屋については真っ先に床面が出せるんじゃないかと。このA3の資料がそれらをまとめたものですが、ここにクレヨンみたいな形で立っているのが復水器で、「1T/B」と書かれているのがタービン建屋、その隣にリアクタービルディングがあって、ラドウエスト建屋、2号機という順番で左から並んでますけれども、タービン建屋の床面が出せるだろうと。この床面を出す段階が次の、近々ではありますけども、そんなに簡単にいきなり乾いた面が出てくれるわけじゃないだろうから、ポンプの吸い込み口の高さ分もあるだろうし、それからそこの、さあ除染だって行けるのか、一旦、床面出してみて空間線量はどのくらいかというのがまずわかって、それから除染できるのか、ないしは一時的に表面をコーティングするようなことだってあるでしょうし、以前お話ししましたけども、床の床上げのような手段をとってしまうということも考えられると思いますので、そこが恐らく、この床面を露出させるまでに議論しておけることは多分少ないんだろうと思うんです。床面、まず出してみて、状況を見てからどの選択肢をとるかという議論になろうかと思います。何か御質問、御意見があれば、どうぞ。蜂須賀さん。

○蜂須賀会長
すみません、ちょっと教えてほしいんですけれども、油分回収ということになっているんですけども、この回収した油はどのように処理するのか。その油には高放射性物質は含まれていないのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○伊藤(東電)
まず、油分を一旦回収するのは、建屋内にフロートのようなものを浮かして、まず水と油を少し混合した状態のものを1回取っていきまして、その後、油分を出していきます。その出した油につきましては、最終的には分解したような形で、無毒化したような形で処理を進めていくといったところを考えてございます。

○園田(東電)
少し補足しますと、放射性物質は含まれるかというお話は含まれますので、そういった回収した後の油の残渣みたいなものはしっかりその線量に応じた管理をして保管してまいります。

○更田委員
ほかによろしいですか。

○蜂須賀会長
はい。

○松本(東電)
すみません、ちょっと補足をさせていただいてもよろしいでしょうか。東京電力、松本でございます。最終的にどこか行っちゃうんじゃないのかというような、多分、御心配だと理解しましたけれども、そういう意味では、放射性物質が含まれている廃棄物になりますから、固形化をしたような安定した状態にして、固体廃棄物貯蔵庫という、その廃棄物の貯蔵のスペースにきちっと保管をしていくということになってまいります。最終的な安定化のさせ方というのは手段が幾つかあるかと思いますけれども、不安定な状況じゃない状態にして、きちんとした廃棄物用の建物の中で保管をしてまいるということでございます。

○更田委員
德永先生。

○德永教授
8ページのところですけども、こういう処理をされていくということでございますが、地下水他流入量が平均1時間当たり1m3であって、最大が1時間当たり5m3という推定をされてますが、この最大の推定というのは、どういうことに基づいてやってらっしゃっていて、どれぐらい妥当だとお考えかを教えていただけますか。

○伊藤(東電)
こちらの最大5m3につきましては、大雨が降ったときの降雨時の流入量から考えて1時間当たり最大5m3/hといった。

○園田(東電)
今、切り離されてございますので、1号機タービン建屋だけに移送ポンプがついてます。増えた分をポンプで移送しますので、移送する前に水位が上がるスピードですとか、あるいは移送するポンプの流量の積算をとって、今、大体これぐらい入っているというふうに評価してございます。

○德永教授
平均はわかりやすくていいんですけど、最大をどう推定するかというところについて、これぐらい。

○園田(東電)
そうですね、今までの我々が経験した最大の大雨のときにということですので。

○松本(東電)
ちょっと追加をさせていただきますと、先生、御指摘のとおりの部分がありまして、結局、時間当たりのような数字で我々はデータとしては持っておるわけですけれども、例えば鉄砲水のように降る雨が何回か周期的に襲ってきたりして、前の影響をまだ抱えた状態で、さらにまた短時間にものすごく雨が降るというようなケースというようなのは、多分想定をですね、私どもが今考えている想定を超えるようなケースもあり得るかなというふうには思います。そこはこれから検討していかなきゃいけないんですけど、今は5m3/hに対して18m3/hあるというところの、その3倍の余裕の中で、その少しアンノウンな部分というのは、一定のカバーはできていくだろうと思ってますけれども、ただ、不測の事態に備えて、さらにいろんな増強はしていかなければいけないというふうには思ってございます。

○德永教授
質問させていただいた意図は、どういうことを想定して1時間当たり5m3というふうに考えていらっしゃるのかということをおっしゃっていただくと、我々としても、それがどういうことを考えてらっしゃるのかというのがわかるということですが、数字だけ出されても評価のしようがないということで御質問させていただいたということです。よろしくお願いします。

○更田委員
どうぞ。

○高坂専門員
添付資料の方で具体的にプラントのドライアップというか、床面を出してまでのスケジュールが、具体的な計画で出てきたので、これに従って順調に進めていただきたいと思いますけども。そこで質問なんですけど、資料1の別添の1/2を見ると、今現在のところは②番で、今度はタービンビルの(床面)露出の後、③番目で、1号機のラドビル(の床面)を露出するということになっていますけど、一番気になっているのは、建屋間の貫通部のレベルです。1号機のタービンビル(床面)が一番高かったので先に床面露出のため排水を進めてますけど、それはひとえに言えば、リアクタービルとの貫通口のレベルが非常に高くて、早めに水位を下げることに応じてタービンビルは切り離しができたというのが非常に効いてるんですけど、次にラドビルやるというのは、この③番の図で見ると、もう結構あれですか、貫通口レベルというのは、タービンとリアクタービル間と同じように結構高いので、早めに下げられるかということで計画されているのかということが一つと、それから、次のステップが一番気になってるんですけど、次のページの2/2で、それぞれ④番目で、2号機~4号機までのタービンビルの地下階を、同じように1号機並みに(切り離しを)やるとか、ラドビルを下げると言ってるんですけど、このとき、この絵では簡単にリアクタービルとタービンビルと、それからリアクタービルとラドビルの水位を下げられるようになってますけど、結構、貫通口レベルは高いので、一つ気になるのは、格納容器側(格納容器内水位)からの水の循環というか貯留スペースとしての高さがあって、これで順調に下げられる見通しがあるのか、要は循環注水系の絡みから見て問題ないのかどうか、その辺の検討をされているかどうかをお聞きしたいのと、それから、そうした場合、この状態を、先ほど先生から御質問ありましたけど、8ページに、最初の資料の8ページですか、最終的には各建屋のところ(水位)の、1号機のところもそうですけども、下がった状態で維持すると、平均、外からの(地下水)流入量は平均1m3/h(最大5m3/h)におさまるので、18m3/h(の排水ポンプで対応できる)ということでおっしゃってるんですけど。そうすると、建屋外の地下水のレベルがかなり下がってないといけないので、サブドレンの機能の維持というのが非常に重要になってくる。それから、凍土壁もいつまで運転するか分かりませんけど、建屋の周りへの地下水の流水量を抑制して、それで地下水の水位を下げるということに寄与すると思うんですけど、それの維持をきちんとしていかないといけないのと、それで、そういう意味では不安が残るので、そうした場合に、飛んで申し訳ないですけど、今日の説明資料に5号機の建屋止水の話がどこかに載ってたと思うんですが、13ページですか。13ページに、5号機のほうの建屋の周りはサブドレンが稼働してないということですけども、幸いこれは事故の影響を受けてない、きれいな状態なので、ここに書いてあるような具体的な建屋間の貫通口のところを全部チェックして、そこの止水工事をやった。それによって一番下に書いてありますけど、地下水の流入をサブドレンではなくて、(建屋間)止水工事でカバーできていますという説明がされてました。それで、質問というかお願いとしては、確かに環境の問題があって難しいと思うんですけど、サブドレンによる長期の(地下)水位低下の維持と、それから、凍土壁による(遮水性能の)維持の話もいつまでかというのもあるので、できるだけ早く、この1号機~4号機の建屋間の止水をきちんとやるための工法を確立するための検討を進めていただく必要があると思うんですけど、その取組状況を教えていただきたい。最終的には、やっぱり建屋間の止水をするというのが一番良い対策になるので、(放射線)レベルが高いとか、いろいろ問題があるのは分かるんですけど、それをぜひ検討をお願いしたいと思います。一方、格納容器下部の止水みたいなのは国のお金をかけて堂々と検討しているんですけど、建屋間の止水というのは、ある意味で東京電力さんに任せっ放しみたいな面もあるので、その辺の(建屋間)止水の工法の確立というのは精力的な取組がなされてないんじゃないかと非常に懸念しておりまして、その辺の取組の状況をぜひ教えていただきたいと思います。ちょっとそこまで、とりあえず。

○園田(東電)
一つずつ、ちょっとごめんなさい、御質問、少しちゃんと把握できてないかもしれませんけれど、まず最初のラドの建屋、1号のラドが先に来るのはどういうことかという御質問かと思いますが、私の御説明がちょっとうまくないのかもしれませんけれども、各建屋のレベルを全部同じにして、一定で下げていきますので、必然的に床面が高い上下のラドが次の床面露出になるということです。二つ目の御質問で、循環注水冷却に原子炉建屋だけになった場合に問題ないかということですけれども、循環注水冷却につきましては、炉注量、今しっかり把握できてございまして、十分それ以上の移送ポンプを原子炉建屋に入れて、要するに水バランスがしっかりとれるというふうに考えてます。若干の地下水流入等はございますけれども、その辺りも大体把握できてございますので、かつ今後その原子炉建屋側に入れていくポンプなんかについての容量なんかも、そういった状況を見ながらしっかり循環注水が問題ないようにしてまいりたいと思っています。最後の御質問で、建屋間止水ということですが、ちょっと5号機の建屋の話なんかも少しございましたけれども、我々としては、止水も必要に応じて当然検討してまいりたいと思いますけれども、地下水の水位を下げることで、まずはしっかり切り離しをしたいと。それがちゃんと維持できるかとか、あるいは下げてしまうと流入量が多くなるんじゃないかということを御懸念されておられましたけれども、まず、1号のタービンについては、今の現状として、特にそのサブドレンと現状の水位の差で先ほど御説明をした平均で1m3/h程度、最大5m3/h程度ということで、特にこれ露出させたからといって地下水流入が増えるとは考えてございません。絶対増えないかというと、それは当然確認してまいりますけど、基本的には地下水と建屋の水位を一定の差を設けながら下げていきますので、流入量はむしろ下がる方向に行くというふうに、その根拠といいますのは、水位を下げれば貫通レベルはどんどん下回ってまいりますので、流入量としては減ってくると思います。当然、それを維持する上でサブドレンなんかもしっかり管理してまいりたいと思ってございますが、そのように考えております。ごめんなさい、御質問にしっかり答えられているかどうかちょっとわかりませんが、以上です。

○高坂専門員
すみません、いいですか。

○更田委員
どうぞ。

○高坂専門員
すみません、最後の御回答で、別添の1/2にありますように、上に上がって、建屋内の床面露出に向かって、それ以上に下がってきますので、できるだけ屋外からの地下水の流入を防ぐために、この紫の線で少し、これ800mmですか、1m弱の差をつけながら水位を下げてきているということをやってるんですけど、これは外からの流入量を減らすということだと思うんですけど、そうした場合に、これを担保しているのが、サブドレンによる地下水の流入抑制なり、それから、あるいは凍土方式の遮水壁による流入量抑制に依っているものが大きいと思うんです。そうした場合に、それをずっと維持するとか、。何かあったとき止まるということがあると流入する可能性もあるので、早めにやっぱり建屋間止水をきちんとやる必要があるんじゃないかと。そうした場合に、結構、今度は、本数が5号機の建屋間貫通口であったように非常に多数ありますし、それから場所によっても違うし、環境条件も違うので、早めに(建屋間)止水の工法を確立していただくようなことを検討していただかないとまずいんじゃないかということで、その辺の御検討はどうされていますかという質問だったんですけど。

○園田(東電)
先ほど、8ページでも御説明をいたしましたけれども、床面を露出させた後、できるだけ現場を見て、あるいはポンプでのくみ上げ量なんかも見ながら地下水流入の状況を確認して、必要に応じて止水等も考えてはまいりたいと思いますけれども、まだちょっと床面も出してないですし、先ほども5・6号の話がございましたが、完全な止水というのはなかなか難しい中で、環境がよくてもこの程度ということもございますので、できるだけ努力はいたしますが、止水だけではなくて、サブドレンですとか、そういったものも組み合わせながらしっかりコントロールしてまいりたいと。これは1号機のタービンの床面が露出した後に、しっかり状況を見て、また御説明させていただきたいと思っています。

○更田委員
最後の高坂さんの質問に対しては、まだお答えできる段階にないということだと思います。露出させてみてから状況を見て、先ほどちょっと申し上げましたけども、線量にもよりますから、どのくらいの作業ができるかできないかも露出させてみないと。予想外に線量が低ければ、少し作業のしやすさもあるでしょうけれども、それは露出させてみないとわからないと。もう一つ、高坂さんの御指摘で重要なのは、建屋間の切り離しを、これは水位が下がることによって、貫通部よりも水位が下がることによって切り離されるのであって、積極的にそこのところを埋めにいってるわけではないんですけども、それを積極的に埋めにいく、連通部を塞いでしまって再び水位が上がっても水が行き来しないようにしていくということは望ましいですけども、それができるかどうかも恐らくこれからなんだろうと思います。繰り返し申し上げているのは、一つの手段としては、海側の海水配管トレンチを埋めたみたいに、場合によっては、もう床面を上げていくというやり方。そうすると、比較的低い部分のところは目で見えない、捕捉できてない貫通口があったとしても、そこへ流し込んじゃえば固まりますので、そういった意味では恒久的な対策にはなるでしょうけど、一方で、最終的には固形廃棄物を増やすことになるので、これも程度問題なんだろうと思います。ただ、非常に低い亀裂であるとか、流入孔みたいなものは必ずしも捕捉できるとは限らないので、最終的な手段としては、私は海水配管トレンチにとったような手段をここにもとらざるを得ないかもしれないと思っています。これは状況であろうと思います。あと、建屋間の塞ぐ手段って、これ、つい立てか何か立ててコンクリ流し込むとかということってできるんですかね、この辺りって。

○松本(東電)
現状ここ、13ページに参考で止水その他ということで、5/6号機の間とかも含めて、5号機と6号機の関係をここにお示ししてます。ちょっと表現ぶりがわかりづらくて、ちょっと誤解を招いたかもしれないんですけれども、5/6号機は比較的地下階も自由にアクセスができる環境で、いろいろ直接的にトライアルをしているんですけれども、そこでも完璧に号機間で水が行き来したり、あるいは直接流入してくるものというのを完全に止め切るということが、自由にアクセスができても難しいという状況でございまして、なかなかこれという決定的な今対応策がないような状況でして、結果的にはサブドレンで周辺の水位をコントロールするようなこととあわせて抑制していくということが現実的なのが現状のレベルでございます。

○更田委員
ただ、それだと、トーラス室の水位は上げられないですよね。ですから、トーラス室の水位はこれで、その後のステップはこの水位でやっていかなきゃならないということになるわけですけども、であるからこそ、場合によっては、線量を下げるためにも一定量の撥水性のコンクリートみたいなものを入れていくというのは手段としてどうしても出てくるのではないかと思います。それから、この資料1、A3の細い線で構わないから地下水水位を入れてもらったほうがわかりやすいですね。

○松本(東電)
承知しました。

○更田委員
①のステップというのは、もう来月末という話のようですけれども、これは何、サブドレンで地下水水位下げていって、来月末ぐらいには床面出ると、そういう意味ですか、これ。

○伊藤(東電)
いえ、サブドレンの水位はこちらの資料の別添のほうの1/2のほうを見ていただきたいんですけども、まず、青い線のところで、上の表のところで「建屋滞留水水位」と書いてございますけども、こちら全体的にこういったレベルで行きまして、①のところ、1号機タービン建屋のみ水位を下げていきます。サブドレンの水位としては一緒なんですけども、タービン建屋の残りの水を抜いていくといったところを考えてございます。

○更田委員
だから、周辺はT.P.2000程度なんだけど、ここだけは外との連通がないから、中をがんがん引いてって床出してやろうと、そういうことですね。

○伊藤(東電)
おっしゃるとおりです。

○更田委員
恐らく関心は床を出して、ドライアップといっても、そんなに急にドライになるわけではないんだろうけども、関心はそのときにどう監視されているかということだと思いますので、「ダスト抑制」と書いていただいているけれども、まあダストモニタにしろ、それから空間線量にしても少し慎重にはかりながら持っていってもらいたいと思います。ほかに御質問。じゃあ、橘高先生。

○橘高教授
今のことに関連するのですが、この床面を露出した後に、これは全部コンクリート面ですから、コンクリートというのは水を遮水するわけではないので、中に浸透している状態になっていると思いますので、汚染水の汚染濃度自体の低下というのは想定どおり行くのでしょうけど、実際に床面を出すと、そこがかなり汚染されたコンクリートの状態になっているというのは想定して作業を行ったほうがいいかなと思います。

○小林(東電)
東京電力の小林です。御指摘のとおり、床面が出た時点で、そこをよく観察するというのが大切だと思ってます。ちなみに、床面は一般的なプラントではエポキシ樹脂という、床面に塗装を塗っておりますので、そういう意味で、直接しみ込むというのは直接にはないというふうに考えておりますけども、ただし、その状況でよく観察して対処していきたいというふうに思っております。

○更田委員
山本先生。

○山本教授
別添資料に非常に今後の推移がよくまとめていただいておりますが、これ見ますと、基本的には、現在は非常に広い領域が連通している状態で、ある意味、水位が下がりにくくて上がりにくいという、比熱が大きい状態になっているかと思います。今後、先ほど建屋の止水の話がありましたけれども、水位を低下していって、建屋間の止水が進みますと、コンパートメントが増える形で、先ほどの比熱の話で言うと、個々のところの比熱というんですかね、容量が小さくなって、水位が上がりやすくて下がりやすいという、そういう状況になるかと思います。それは制御しやすいというふうに見るか、それとも何か外乱があったときに水位が上がりやすいと見るかというのは、要するに表裏一体になっているというふうに考えておりまして、そういう意味では、今後水位が、何か外乱があったときに現在よりもかなり速いスピードで水位が上がり得る状態に移行していくんだというのをまず頭に入れた上で、例えばそういう状態になったときに、それは緊急に水をどこかに移すとか、くみ上げるとか、そういう手順もあわせて検討していく必要があるかなというふうに思います。以上です。

○伊藤(東電)
先生おっしゃられた点も踏まえて検討してまいりたいと思います。

○高坂専門員
先ほどの御説明で7ページのところに、前回あったよりも赤い破線から上に黒いところで全体の放射性物質量が増えましたというお話で、これはHPCIの部屋ですか、その話があったんですけど、これは今考えている建屋滞留水の値が多分平均的な値でやっているので、また今後とも、こういう高濃度のところが見つかると、また放射性物質量がその度毎に流れる可能性があるということで、何か今後懸念される場所があるのでしょうか、まだ分からないという御回答でしょうけど。それと、このHPCIのところの処理のカーブを見ると、これは全然何もしないで、そのままずっと放っておいて、やがて全体の建屋内の滞留水の処理の中で処理していくということで、先ほど先生からも御質問ありましたけど、このエリアだけ特別に希釈するとか、特別な手当てをするということは考えてないんでしょうか。その確認だけです。

○園田(東電)
まず、ほかにもあり得るかということにつきましては、あり得ると思っています。全てのエリアのサンプリングがまだ今できているわけではございませんので、できるだけ全体を早く把握をしたいとは思ってございますけれども、ちょっとやっぱり、特に原子炉建屋は線量が高いので、現場とよく調整をして、できるだけ早く状態が把握できるようにしたいと思っています。あとは、早期に処理しないのかということにつきましては、先ほど更田先生からも御指摘ございましたとおり、リスクとして我々としてはできるだけ早く下げたいということで、これも優先順位は高いと考えてございますが、ちょっと全体の、先ほども御説明した水処理ですとか、そういった現場の作業の可能性ですとか実現性ですとか、そういったことを、全体よく見ながら考えさせていただきたいということ、ちょっと今の断面でいつやるという御回答はできないんですけれども、重要な問題としてしっかり検討してまいりたいと思っております。

○高坂専門員
すみません、ちょっと、この高いところというのは今回の事例を見ると、HPCI室とか三角コーナーもそれに準じて高いことになっているので、全体の滞留水の原子炉の注水がサプレッションプールの部屋からタービン建屋とか、ほかに流れていくときの、その流路になってないところの下側との近いところの部屋には高いものが残っている可能性があるということだと思うんですけど。そうすると、ほかのプラントも三角コーナーとか、こういう流れにのっていないところ(の線量)が高い可能性もあるので、そうすると、逆にそれを想定に入れると、もっとこれ(放射性物質量)は、ずっと上がる可能性があるということじゃないかと思うんですけど。それは今後よく調べていただいて、評価に入れておいていただければ良いと思いますが。

○園田(東電)
はい、おっしゃるとおりですので、しっかり検討してまいります。

○更田委員
決して好ましいことではないんですけども、復水器のときに、見込みよりもずっと少なかったって、がんと下がったときもあれば、こういう澱んでいるところで濃いのが見つかったら全体の見通しが上がるって、これは多少はいたし方ないのかなとは思うんですが、おっしゃるように、例えばトーラス室にしてもそうですけど、よどんだところにスラッジみたいな形のものでいてもらったりすると、やっぱり全体の量というのは、それも含めると高くなってしまうので、これは一つ一つドライアップを進めていって、さらにサンプリングができるような、できる箇所を増やしていってもらうしかないだろうと思います。まあ、この見通しが違うからといって責められないところがあるというふうに私たちは思ってますので。一つ目の議題ですけど、ほかに御質問、御意見ありますでしょうか。よろしいですか。じゃあ、今井さん。

○今井室長
総論のほうは、処理ステップの概要、資料1に基づいて着実に実施していただくということだと思うんですが、若干その各論になりますが、今日、資料1の一番最後に残水処理時の対応というところで、ここはちょっと紹介というか、透明性の確保から今お考えになっているところを御説明いただくことが必要かなと考えております。

○伊藤(東電)
それでは、スライドの18ページ目を御説明いたします。今後なんですけども、建屋の水位を下げていく中で、サブドレンを下げていくと、当然残されていくエリア、残水エリアというふうに呼んでいますけども、そういったことが発生してくることも予想されてございます。こちらの残水が確認された場合と、あと、既に下のほうでは、既知の残水エリアがあった場合はどういうふうにしていくのかといったところを書いてございますけども、基本的に残水を確認した時点で速やかに抜くように努力していきます。ただ、なかなかすぐに、線量等もございますので、すぐに抜けないときには、その水位を確認して、漏えい等がないことを確認した上で、それも準備が整い次第、抜いていくといったところを、こちらのスライドの18ページ目のほうに示させていただいてございます。

○今井室長
本件、申請でいただいているところでございますので、実際の中身については審査の中で確認をしてまいりますけれども、残水エリアの水が、汚染水が外に出ないと、それから、仮に水がたまったとしても、それがまた元の汚染水に戻ることがないような観点から、きちんと確認をしていって、いわゆる水位逆転が起きているといった状況が、残水エリアの場合は、きちんとそういう場合等はちょっと除外しますといったところをきちんと確認していきたいというふうに考えております。

○伊藤(東電)
よろしくお願いします。

○更田委員
これは残水の量にもよるし、残水の濃度にもよりますね。濃度が高くて量が多いんだったら、これは何としてでも抜いてもらわないと水位を下げちゃだめって、そういうことになるだろうし、これは一概にここに書かれているように整理できるとは思わなくて、ケース・バイ・ケースで見ていく必要があるし、それから、捕捉できてない残水だって出てくるだろうから、それも完全に残水がないことがない限り水位は下げられないといったら、いつまでたっても下げられないでしょうから、それは施設の図面等々を確認していって、残水がある可能性のところを潰していって、あっても少量だと思われるのと、それから、周囲と連通性を持ってないということが確認できるんだったら水位を下げると。これはぜひ注意深くやってもらうしかないですけども、一概にこの整理だけだというわけではないということだけは申し上げておこうと思います。それでは、二つ目の議題へ行きましょう。二つ目の議題も、これ進捗状況ですけども、3号機の使用済燃料の取り出しについて。

○徳森(東電)
それでは、資料2、3号機の燃料取り出し用カバー等設置工事について御説明をさせていただきます。東京電力の徳森と申します。昨年の11月に除染・遮蔽等の進捗状況を御報告いたしましたので、それ以降の進捗の御報告に本日なります。おめくりいただきまして、1ページ、進捗状況でございますが、オペフロの線量低減対策として除染・遮蔽、これらにつきましては昨年の12月に全て完了いたしました。その後、線量測定を12月のときに実施いたしました。後ほど御紹介したいと思います。それから、今年の1月からはその次の作業になります、カバー等についての設置作業ということで作業を進めてございまして、今、1ページの下のほうにございますのは、そちらの作業の状況になります。それから、次のページ、2ページのほうをよろしくお願いいたします。こちらのほうが、遮蔽体の設置の実績ということでございます。一番左のほうにございます大型遮蔽、それから、真ん中にございます、この大型遮蔽と大型遮蔽のすき間を埋めるような補完遮蔽、それから、原子炉建屋と周りの構台との間の構台間遮蔽、こういったものを順次設置をしてございまして、12月までに完了いたしまして、線量的には有人作業が十分継続的に実施できるところまで線量低減ができたというふうに考えてございます。おめくりいただきまして、3ページでございます。こちらは、以前にも御紹介いたしましたが、その遮蔽設置後の6方位の線量測定ということで、立方体の水が入った水ファントムというものに個人線量計(APD)を水平方向4カ所、それから上と下、こちらに設置いたしまして、測定を実施してございます。4ページでございますが、従来、遮蔽の上1.2mの高さに加えまして、大きい赤丸で示してございますが、今後の作業が予想されます、3.2m、7m、こちらの高さについても線量のほうを12月に測定をいたしました。おめくりいただきまして、5ページのほうをよろしくお願いいたします。12月に測定いたしました1.2m高さでの線量の測定結果になります。プール上のほうに一部50mSv/hを超えている部分、あるいは黄色、グリーンの部分はございますが、多くの部分で青、あるいは白ということで、5mSv/h以下というところにかなり低減できているというふうに考えてございます。それから、6ページのほうが3.2mの高さになってございまして、ここは大きい赤丸の部分が3.2mのデータになりますが、3.2mの高さで一番高くなってございますのは、SFPプールのすぐ上側にございますが、赤い丸にグリーンのところがございますが、これが5mSvを超えている、6.9ということでございますが、これ以外の部分につきましては、概ね5mSv/h以下になっているというような状況にございます。おめくりいただきまして、7ページでございますが、先ほど3.2mで御紹介した点についても、7mでは3.4mSv/hということで、全ての点で5mSv/h以下になっているというような状況でございます。8ページが、全体のコンター図ということになりますが、大型遮蔽を設置する前、昨年の3月のデータではまだ100mSv/hを超えているようなところがございましたが、炉心中心部で、現在は、右側のように大半の部分、プールの辺りは一部黄色とか、ピンポイントで50mSv/hございますが、多くの部分で青、あるいはグリーンということで低く抑えられてございます。それから、今ほどのは下方向の線量でございますが、9ページのものも水平方向、4カ所のうちの最大でございますが、傾向として同じような傾向になってございます。いずれも平均値で申しますと、大体1.7 mSv/h、あるいは1.8mSv/hということで、95%程度の低減が3月の時点から比べてできたというようなことでございます。10ページのほうをお願いいたします。今、御説明いたしましたまとめになりますが、オペフロ上の線量率につきましては、平均で1mSv/hオーダーということまで低減できましたので、今後、継続的に有人作業できるレベルになっているのではないかというふうに考えてございます。それから、一部まだ新燃料貯蔵庫、機器ハッチ等のところ、先ほど御紹介しましたが、プールの上で7mmとか近くございましたが、3.2mの部分で、そこについては、今ストッパ等の設置作業を実施してございますので、これによりまして、さらに低減するというふうに考えてございまして、後ほど御紹介しますが、7mの高さのところには作業床等も設置いたすということで、さらに線量が下がってくるのではないかというふうに考えてございます。それから、10ページの三つ目のところの、プールの一部線量が高い部分がございますというのがございます。これについては、ちょっと恐縮ですが、40ページを御覧いただきたいと思います。参考としてお示ししてございますが、これ横からのイメージ、ポンチ図になりますが、左側の原子炉の高い部分の上については25cmの遮蔽体を置いてございますが、ここの遮蔽体とのすき間の部分から出てくる放射線については、やはりこういうものが影響してプール上のほうが一部高くなっているんではないかというふうに推定をしてございます。それから、ちょっと次のページも続けて御覧いただきたいと思うんですが、一部1.2m、3.2m、7.0mで、線量が逆転している部分がございます。これは41ページの原子炉建屋リアクタービルの隣にタービンビルとございますが、この部分に低層部がございまして、この瓦れきについては十分取り切れていないところがございますが、1.2mよりも3.2m、7.0m、こういったところの高さのほうが、むしろ瓦れきからの直接の線量の影響があるということで、絶対値としては3.2m、7.0mでも1mSv/h程度でございますが、1.2mより低い部分、より高い線量が出ている部分というのはございますが、先ほど申し上げましたように、7.0mの高さには作業床等を設置いたしますので、今後も線量については確認をしてまいりたいというふうに考えてございます。線量の測定データについては、御説明、以上になりまして、11ページからが、今年から実施してございます、燃取用カバー、こちらのほうの御説明になります。11ページの右上にございますイメージについては、以前から御紹介してございますが、その下にありますように、このカバー内で燃料プールからの燃料取り出しを実施していくわけでございますが、このクレーン燃料取扱機、これが載りますのが、真ん中の下にございますが、赤いところでございます。FHMのガーダというのがございます。このFMHのガーダというのは東と西の脚部、これを地面のほうから設置しておるわけですが、この上に、東西の脚部の上にガーダのほうが設置されると。その上にクレーンとFHMが搭載されるというような構造になってございます。この上には、ドーム屋根というグレーの部分がございますが、今後はこういった設置作業について取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。12ページのほうを御覧いただきたいと思います。現在、実施してございますのは、右の写真にございますが、SFPというプールの上側、長方形で白い点線でございます、①のところ、新燃料貯蔵庫、それから、プールの下側②でございますが、機器ハッチ、この2カ所に今申しましたガーダのストッパというものを設置する作業を現在実施しているというようなところでございます。こういったドーム屋根ができますと、燃料取り出し時の作業環境の整備、あるいは放射性物質の飛散抑制と、こういったことを目的にドーム屋根のほうを、この後、設置していくというようなことでございます。おめくりいただきまして、13ページになりますけれども、今後の作業は、主に施工というふうに書いてございますが、小名浜港のほうに今、部材を置いてございますが、これを1Fのほうに持ってきますが、できるだけ大型のユニットに組み立てて持ってくると。それをリアクタービルの周りにございますクローラクレーン、これで遠隔操作で上のほうに吊り上げますけれども、今後は精度も非常に重要になってまいりますので、据付精度が、オペフロのほうでは有人でこういった据付の設置の位置合わせ、それから、大型ユニットをヤードのほうで玉掛けいたしますが、オペフロのほうで玉外し、こういったものは有人で、あとは大型ユニット同士の接合部についてはボルト締め・塗装と、こういった作業を今後予定をしてございます。14ページのほうは、ちょっと全体の配置図ということで省略させていただきまして、15ページでございます。こちらも以前から御紹介しておりますけれども、左上Ⅰ番が遮蔽体の設置、それから、Ⅱ番として移送容器支持架台というもの、青い部分でございますが、こちらまでは完了してございまして、現在Ⅲ番のストッパの設置作業というような、2カ所と申しましたが、こちらの作業を実施しているところでございまして、今月ぐらいまでに、できれば作業を終わらせたいというふうに考えてございます。ストッパ後は、この2段目になりますが、FHMのガーダⅣ番、あるいは作業床・走行レールの設置、こういったものを約半年ぐらいかけて実施していくと。それから、その床面、6mですけども、のところまで、できたらその上のドーム屋根以降について、およそ1年ぐらいで実施していくというような予定でございます。次が、16ページ以降がそれぞれの各作業になりますけれども、移送容器の支持架台の設置作業というのは11月に実施してございましたが、大体10人ぐらいの作業で、1日で実施してございますが、線量についても十分計画よりも低い値で作業することができたということでございます。これは仮設遮蔽等を設置いたしまして、16ページ、17ページにもございますが、こういった仮設遮蔽を設置いたしまして線量低減に努めてまいったということでございます。18ページが、今のストッパの設置作業ということになりますが、今はまだ途中段階でございますが、やはり6人~10数人ぐらいで1班でございますが、2班ということで作業を実施してまいるということでございまして、計画線量に対してまだ終わっておりませんが、今のところは計画線量内で十分作業ができるというような見込みでございます。おめくりいただきまして、19ページはガーダ等の作業になりますが、こちらも今の状況を踏まえて、今後も作業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。それから、20ページから線量低減対策ということで、今までも御紹介してまいりましたが、21ページのほう、以前にも御紹介いたしましたが、小名浜のほうでストッパ、ガーダ、こういったものについては一度組み上げてございまして、動作確認、それから、あるいは作業を効率的にできるようにということで、被ばく低減と作業が後戻りしないようにというようなことで取組をしてございます。今後もオペフロの作業では、タングステンベストの着用とか、一時待避エリア、低線量エリアで待機する等で線量低減には努めてまいりたいというふうに考えてございます。22ページは、先ほどステップ図で御紹介したとおりになりますので、ちょっと割愛させていただきます。それから、23ページのほうですが、今後も施工計画のほうを検討してまいると。それから、線量低減については、引き続き継続的に低減するように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。それから、プール上の高線量箇所については、近傍での作業の影響をちょっと検討した上で、追加遮蔽が要る場合には設置というような検討をしてまいりたいと思います。それから、並行しまして、燃料取り出しの準備ということでは、操作訓練等についても準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。御説明のほうは、以上になります。参考でちょっと御紹介、以前もしておりますが、26ページのほうでございますが、原子炉建屋の周りの線量率モニタについては、以前も低下傾向を御説明してございますが、一番上の26ページのグラフ、今、150μSv/hということで、11月の時点では163(μSv/h)でございましたので、さらに低下傾向が確認できているというような状況でございます。それから、28ページのほうをお願いします。こちらのほうはダストのほうでございますが、瓦れき撤去、除染、そういったフェーズではなくて、もうかなり進んだ状態になってございまして、2桁程度、警報設定値に対して低い値で推移をできてございます。こちらについては、従来5×10-3Bq/cm3ということで管理をしてございましたが、先回ちょっとお話がございまして、その5×10-3の手前、1×10-3の段階でも警報の設定できるようにということで、事前に今までも作業管理をしておったわけですが、明確に警報を鳴らすということで、作業管理のほうも万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。御説明のほうは以上になります。

○更田委員
概ね計画どおり進んでいるところですが、ステップⅢ、Ⅳ、Ⅴが一番その作業をする方の被ばくが危険視されるステップなので、ここは慎重にということだろうと思います。ちょっと一つだけ簡単な質問で、41ページ、低層部屋上からの放射線が強いので、東側の作業構台を置くと、それを遮蔽できるということなんですけど、これ普通のL字型の構台を置けば遮蔽できるはずなんだけど、わざわざその低層部の屋上のところのほうに向けて面取りしてあるのは、これ何でですか。L字型の構台を置けば、この面取りしてあるところの放射線は遮蔽できると思うんだけど、わざわざ放射線を通るように面取りしてあるのは、角を面取りしてあるのは何でですか、これ。

○徳森(東電)
すみません。ちょっと、今、申し訳ございません、確認できておりません。

○更田委員
この絵で見たら、ここからの放射線が来ますというので、ここ、面取りしてあるけど、面取りしないで、普通にL字型のものを置けば、この線だって遮ることができるんだから、まあ、重量とか構造とかの都合があるんでしょうけど。ここからの放射線、これ、面取りしてなくてL字型だったら遮れると思うんですが、重量を軽減なのか何なのか、何か理由があるんだろうと思いますけども、わざわざここの部分を面取りしている理由がわからないので、これはちょっと確認してください。

○松本(東電)
かしこまりました。申し訳ございません。確認して、また御報告いたします。

○更田委員
御質問、御意見ありますでしょうか。

○高坂専門員
20ページを見ていただきたいんですけども、更田先生からあったように、今後、ステップⅢ・Ⅳ・Ⅴが一番線量の高い作業になると思うんですけども。それで、これ、随分色々遮蔽したり、それから自動化したり、色んなことを工夫していただいていると思うんですけど。一つ、お聞きしたかったのは、とにかくボルト締めのために作業員の方が(オペフロ)上に上がらないといけないというのは、かなり支配的だと思うんですけど。ここに、中央ほどに、写真の上ですね、5万本あったものを、ボルトを1万6,000本に減らしたということなんですけど。これなんかもう少し、自動化とか、作業にかなり時間がかかると思うので、さらなる工夫か何か無いか。ありわは、このうちで大半のもの(ボルト)は、1回セットすれば自動でRPVの蓋のスタッドテンショナーみたいに、全部が自動的に締まって、その間は作業員の方は遮蔽壁の避難エリアに待機できるとか、そういう工夫はされているんでしょうか。要は、この辺が一番大きな作業員の被ばくのもとになると思うので、さらなる御検討をしていただいていると思うんですけども、その辺のところの工夫をぜひお聞かせ願いたい。それから、そうして見た場合に、(燃料プールが)露出している状況が、どこかに、スケジュール、全体のステップの絵がありましたけども、ガーダの設置が終わった後、床面を貼るので、貼る作業がどこかに書いてあったと思うんですけど、その段階になると、直接遮蔽効果もあって、作業エリアは(線量は下がり)楽になるんでしょうかという質問が次なんですけど。それから、22ページ、最後なんですけど、そういうことで順調に経過していただいて、、燃料取り出しが2018年の中ごろから始まるということなんですけど、これは前にも御質問していたんですけど、このとき、共用プール側というか、キャスクを増設して、今、共用プールの方は、ほとんど99.8%で、満杯とお聞きしているので、それのスケジュールが間に合うようにやられているかどうかですね。それは、ここに入れるかどうかはわかりませんが、ちょっと簡単に明示していただくと良いと思います。多分、キャスクの増設も、許認可マターですし、それだけの時間もかかるし、製作もかかるので、それで、この3号機の燃料取り出しで共用プールを開けておかないといけない。その前に、共用プールの中を減らすために、キャスクに古い燃料を移動すると思うんですけど、そうすると、キャスクの増設がきちんと間に合っているかどうかというのは、作業がスムーズにいくかどうかの一つの大きな話になると思うので、ここに、工程に書いていないんですけど、どこかにちょっとそういうことを、間に合うように手当てしておりますということが分かるように、ぜひ表示していただくとありがたいとと思いますが、よろしくお願いいたします。

○徳森(東電)
まず1点目のボルトのほうですけれども、こちらは、ボルト締めは、ある意味、半自動のような冶具を使っておりまして、今、計画では、大体1本3分ぐらいというふうに考えてございますけど、実際には、厳しい環境でなければ、2分ちょっとぐらいでできる作業になってございますので、今後、習熟効果等もあろうかと思います。19ページの右上に、ちょっと写真の例でお示ししてございますが、接合のところについては、こういった、かなり密な形でボルトを、耐震上のこともございまして、締め上げていくということになりますので、作業の手順については大体決めてございまして、あとは習熟効果で、できるだけ早く被ばくを低減していくというのが1点になろうかというふうに考えてございます。それから、2点目の、作業床というところは、やはり御指摘のとおりで、当然、作業床が貼られますと、7m高さの部分については線量は下がってくると思います。それから、ストッパーが今ついてございますので、2月の末ごろからはちょっと線量を、また、3m、7mのところでは、確認したいと思ってございます。作業床は、6mm、あるいは16mmぐらいの鉄板を貼るということですので、もう少し下がるというふうに考えてございます。それから、最後、キャスクの件でございますが、こちらについては、現在、9機のキャスクを製造中でございます。1機当たり69体入りますので、この9機があれば、3号機の燃料は566体だったかと思いますが、共用プールで受け入れが可能な状態でございまして、御指摘のように、キャスクについては製造がかかりますので、一番最初の、9機製造中の一番最初のものは、今度の3月、4月ぐらいから、1カ月ないし2カ月ごとに1機ずつできてまいりますので、今度の3月、4月ぐらいから1年ぐらいかけて、9機のほうは1Fに持ってくることが可能な状態になりますので、一部、場合によれば作業がラップする可能性がございますが、基本的には、燃料取り出しまでに共用プールの空き容量については、十分確保できるというふうな見通しでございます。

○更田委員
最後の点は、少し中長期的な計画というのは、共用プールへ入れたらおしまいではないので、先行的に共用プールにあるものを乾式に移せられたら、それにこしたことはないわけなので、で、3号機、既に取り出しを終えた4号機のものもあるでしょうけども、最後は乾式キャスクなので、全体的な計画、しかもキャスクの製造は前倒しにやってもらったほうがと思いますので、これはどこかの時点で、中長期的なものを示してもらえばと思います。よろしいでしょうか。これは、ガーダ取りつけの辺りで、作業安全の観点では、ある種ポイントを迎えるので、その時点でまた改めて状況を説明してもらえばと思います。それでは、三つ目の議題、2号機、原子炉格納容器の内部調査について、まず説明をしてください。

○滝沢(東電)
廃炉推進カンパニーの滝沢と申します。では、資料3を説明いたします。まず、1ページを御覧ください。1ページは、調査の背景を説明したものでございまして、事故進展解析の結果、溶融した核燃料の一部がペデスタル内に落下している可能性があることから、この調査を行いました。2ページでございます。調査の概要でございます。左隅でございますけれども、X-6ペネというのが書いてございます。ここのX-6ペネから調査装置を投入しまして、そして右側のところ、赤くハッチングがしてありますけども、ペデスタル内のプラットフォーム上を調査するというのが今回の調査でございます。この二つのX-6ペネとペデスタルのプラットフォームですけども、それをCRD交換レールという橋状のものでつなぐような構成になっております。続いて、3ページでございます。今回の調査のステップを示したものですけれども、今回、御報告するのは、下に書いてあります、ステップ4.~ステップ7.でございます。ステップ4.なんですけども、こちらのほう、ガイドパイプと言われる、その金属製の棒を差し込みまして、そして先端のカメラでペデスタルの状況を確認するという目的で行いました。ステップ5.ですけれども、先ほどのガイドパイプにかえて、今度は伸縮式のガイドパイプを差し込みまして、それをペデスタルの内部、入り口のところまで挿入しまして、そして内部を確認することができました。ステップ6.をちょっと飛ばしまして、ステップ7.でございますけれども、最終的には、自走式の調査装置をペデスタル内まで進めまして調査をする予定でございましたけども、今回、結果的にペデスタル内に到達することができずに、CRDレール上に残置することとなりました。先ほど飛ばしたステップ6.ですけども、CRDレール上に堆積物が確認されたことから、この堆積物を除去するために実施したものでございまして、除去装置を使って除去をしています。4ページを御覧ください。ここからが調査結果でございます。部位ごとに、その調査結果を示すようにしています。まず、左の2枚の写真でございますけれども、ペデスタル内部にケーブルが見られたということ。それとあと、ペデスタルの入ったところに足場が見られたということでございますけども、こちらのほうに関しましては、想定どおりでございまして、特に異常はございませんでした。続いて、CRDレール上の状況でございますけれども、先ほど申し上げたように、堆積物が見られました。堆積物は、黒いペースト状のものと、それとあと薄い破片状、あるいは小石状といったものが混ざり合った状態になっておりました。左の写真なんですけども、CRDレールのやや上のところなんですけれども、柔らかいものが多くて、堆積物除去装置が有効に働いて、ある程度除去ができました。写真の中、左から3番目の写真ですけども、金属様のものが下のほうに見えていますけども、これは堆積物除去装置の先端でございまして、ここから水を噴射しまして、クリーム色のCRDレールが見えてきているということがわかります。一方、それより少し奥に入ったところの堆積物なんですけども、一番右側の写真ですけれども、かなり固着していて、なかなか取れなかったという状況が見てとれます。続きまして、5ページを御覧ください。こちらのほうは、さらに奥に進んだところの状況でございます。もともと、上の写真でございますけど、CRDレールの端部からプラットフォームに装置を移動させるという意味から、ここのすき間をしっかりと確認しようと思っておったんですけど、これは想定どおりでございまして、150mm~40mm程度の幅がございました。一方、その移るところのグレーチングが一部脱落しているということ、堆積物が多く堆積しているということがわかりました。下の写真でございますけれども、CRD交換レールの先端部分でございますけども、ここにはやはり堆積物がたくさん積もっているという状況が見てとれています。続いて、6ページでございます。ここからの結果は、先ほどの伸縮式の調査装置による結果でございます。この6ページは、CRDハウジング部を見上げたような形になっております。上のほうなんですけれども、CRDハウジングサポートというのが見えておりまして、原形をよくとどめているということがわかります。さらに、その下なんですけども、U字状に垂れ下がっている物体が見えますけども、これは、LPRMケーブル、あるいはPIPケーブルという、計装系、制御系のケーブルだと考えられます。こういったものが見えています。さらに、下に視点を移していきますと、そうすると、少し、外観の形状があまりはっきりしないような形状になっておりますけれども、こちらのほうは堆積物等が付着しているものだというふうに考えられます。続いて、7ページを御覧ください。先ほどの写真の続き、それより下を見たところでございます。まず、左下の写真をちょっと御覧ください。これは、2号機の定検中の写真でございますけれども、ここに青く囲ってありますように、TIP案内管サポートという構造体がございまして、それが、事故後の今の状況の中でも見てとれます。右側の写真ですけれども、青い線で結んでいるところですけども、TIP案内管自体を確認できまして、その表面が何かちょっとごつごつしているというか、何か付着しているように見えますけど、堆積物が付着していると考えられます。続いて、その下を見ますと、CRD交換機がございますけども、ここもやはり何か表面で覆われているように見えるという状況です。続いて、8ページでございます。これは、プラットフォーム上の全景を示したものでございまして、注目すべき点としましては、まず、グレーチングが見える範囲で3カ所、脱落していることが見えます。この中で、右上のところについて拡大したのが、その左下に写真が描いてあります。1m×1mぐらいのところでペデスタルが脱落しているのがわかりますけれども、このときに、奥のほうをちょっと見てみると、グレーチングがちょっと落ち込んで、グレーチングの格子状のものがちょっと落ち込んでいるというふうに見えると思います。さらに、左側のところには堆積物が比較的厚く積もっているように見えます。先ほどの大きな写真のほうに戻ってもらいまして、もう一つ注目すべきところは、「グレーチングの歪み」と書いてあるところです。通常、グレーチングは長方形の格子で構成されていますけども、見てみますと、その格子がちょっと乱れて曲がっているというところが見てとれると思います。続いて、9ページは参考でございますので割愛しまして、10ページでございます。温度と線量の測定をしてございます。ここに示している値は、自走式の調査装置による測定結果でございまして、CRDレールの中央付近で約210Sv/hと。それとあと、温度に関しましては、16.5℃という測定値が得られております。画像による推計から650とか530といった値が出ておりましたけども、こちらのほうは、自走式の調査装置で線量計を備えているものですので、ここでは、そういった専用の計器で測定した結果を示しております。11ページはまとめでございまして、先ほど口頭で申し上げたことがまとめて書いてございます。12ページなんですけども、参考ではございますけれども、調査時の周辺環境、現場の環境について説明をしています。左の絵ですけども、これは建屋の1階の絵でございまして、中央左側のところにX-6ペネというのがあります。ここが調査の場所です。その前に、赤字でダスト測定点というのと、あと、線量測定点と書いてありますけども、ここでダストと線量の監視をしています。右側に目を移しますと、1月26日から日付が四つほど書いてありますけど、各調査のステップごとのダストと線量の測定値が書いてあります。ちょっと各調査のステップを続けて通しで見てみますと、ダスト濃度なんでございますけれども、最大で9×10-4Bq/cm3という値でございますけども、概ね10-4程度の値になっていると。このダストの大きさなんでございますけれども、通常、作業をする範囲と同等でございます。続いて線量でございますけども、ざっと各工程を見てみますと、最大値で5m~7mSv/hぐらいだと。2月9日のところは7mSv/hと、ちょっと大きくなっているんですけども、これは堆積物除去装置を回収する際に、堆積物が付着していたと見られまして、そこを通過するときに若干高い値が出ていたというものです。2月9日のところにちょっと追記事項がございまして、堆積物除去装置の回収後の線量について記載してありまして、回収したアクリル容器の表面で120mSv/hというような値が出ております。こちらのほうに関しましては、今、養生をして保管してございまして、今後、その堆積物が分析できないかということで、今、保管しているところでございます。下のところ、「ダスト対策」と書いてありますけども、何を対策したかというのが書いてありまして、これは、装置を出し入れする際には、ガイドパイプ等を二重のO-リングを使って密封することで外へ漏れないようにしていると。さらに、そのO-リングの間に窒素を加圧して、さらにそういった漏れがないようにしている。さらに、連続ダストモニタを設置して、ダスト濃度を監視してきました。線量低減策なんですけれども、基本的には遮蔽で線量を下げるというコンセプトでございまして、隔離機構に厚い遮蔽を設けておりまして、これで全体のエリアの線量をコントロールしています。以上でございます。

○更田委員
この検討会でというか、私たち規制をする側としては、こういった調査について、三つの視点で見ていかなきゃならないので、その視点について、まず申し上げます。最後のほうに、二重のO-リングであるとか、ダストモニタについての話がありましたけど、こういった作業に伴って、隔離をどこまでとるべきか。非常に厳重に隔離をとったら、調査がなかなか進まないだろうし、一方で、調査のためだからといってリスクを冒していいというのも、これは程度の問題ですので、作業に当たっての隔離をどの程度とるか。今、非常に小さなペネを使っていますけども、だんだん開口部を大きなものを使っていかざるを得なくなるでしょうから、そのときに、隔離をどの程度とるのがふさわしいかというのが一つ目の視点です。安全に係る視点。二つ目は、これは現状保全に係るものですけども、今回、水を吹きつけて堆積物を動かしてみるというのがありましたけど、当然、その調査に関して言うと、そこの見に行った先の状況をある程度変えざるを得ないケースが今後ますます出てくるだろうけども、これはやっぱりしかるべきプロセスで、こう変えるというところを見せながら、公開しながら進んでいかないと。東京電力が勝手に現場を変えていいというものではないので、その点は十分に報告を受けて、調査が現場をどう変えるのかというところを見ていく必要がある。三つ目の視点は、これは事故の分析でありますので、事故の分析として、例えば、今回のペデスタルの状況、それからペデスタル上部のグレーチングの状況から、何が推察できるのかと。これは必ずしも規制当局だけが持つ関心ではないですけども、事故の進展がどのようなものであって、それからもう一つは廃炉作業に対して、今後の廃炉作業の戦略に対してどういう影響があるか、というところが三つ目の視点になるだろうと考えています。今の観点からいうと、一つ目の隔離に関しては、今後、御相談ですけれども、これ、非常に密封性を高く持とうとすると、なかなか作業は難しいだろうし、これはその都度計画を示してもらって、相談としか言いようがないところがあります。それから、二つ目、現状を変えるということに関して言うと、今回ちょっと水を吹いてみたという程度なんですけども、堆積物、特に金属なり酸化物と見られるような堆積物があった場合には、これも、現状をどういじるかというのは相談ベースになるだろうと思います。それから、三つ目ですけれども、三つ目は今回ちょっと、じゃあ細部に入りますけども、グレーチングがひん曲がっているところ、大きく1m×1mであいているようなところを見てやると、そこを通過したものの融点ってそんなに高くないんじゃないかという疑いを、疑いというか、ふうに思ってしまうのは、ぐにゃっと曲がっているんですけども、酸化物が溶融したような状態であそこを通過したんだったら、あんな形状にもならないんじゃないか。割とゆっくり曲がったんじゃないかなと思わなくもないんですけど、最大の関心は、最初に下部ヘッドを通過したものが、金属リッチなのか、それともコリウムがコリウムの組成を持って通過したのかなんですけども、もうちょっと少し広く、下部ヘッド全体の絵が見れるといいですね。今の段階では、そんなに大きな穴が見られそうもなくて、CRDの周りを伝って出てきているような感じがありますけども、それだとするとなおのこと、2号機は長く割と冷えていましたから、下部ヘッド上部に一旦デブリベッドが形成されて、金属成分が再溶融して、金属リッチのものが先に来たんじゃないかというような、いろんな憶測が立てられるので、本当言うと、耳かき一つでもいいんですけど、どこかほじってこれると一番いいんですが、こういったものに関しては、なるべく、東京電力の中でも議論をされているでしょうけども、できれば公開の席で、これは資エ庁のほうでもそうでしょうし、ここでもそうですけれども、公開の席で、スペキュレーションにすぎないといえばスペキュレーションにすぎない部分はあるんですけれども、それも、できれば公のところでやっていただきたいというふうに思います。これ、御質問いろいろあると思うんですが。山本先生。

○山本教授
ちょっと2点ほど教えていただけませんでしょうか。まず1点目が、6ページ目ですかね、CRDのハウジングのところの写真が写っていて、ここにLPRMケーブルが写っているんですが、これのケーブルの被覆材の耐熱温度がどれぐらいかというのを教えてください。あと、もう一つが、10ページ目ですね。こちら、空間線量分布を測定した結果を載せていただいておりまして、今回、はかった点が1点しかなかったと、そういうことですかね。例えば、ペネを出たところですね。格納容器に出たところの空間線量がどれぐらいだったかとか、そういう、もう少し連続的な情報があれば教えていただければと思います。

○滝沢(東電)
まず、ここで、今、矢印で指しているものは、PIPケーブルだと思われます。このPIPケーブルでございますけれども、材質はシリコン系のゴムというものでございまして、耐熱温度は、シリコンゴムにはいろいろ製品によってばらつきがございまして、200℃~300℃程度というものでございます。それとあと、もう一つの御質問でございますけれども、線量の測定ですけれども、1点で測定をしています。これは、積算式の線量計を使っておりまして、あるときの読みと、その4分ほどたったところの読みの差を比較しまして、そこの線量を出すという形式のものなんですけども、ここの場で静止をして、それで同じ場所で、時間による積算値具合を見たというわけで、停止をして測定したのは、ここ1カ所だけになります。

○山本教授
ありがとうございます。それで、このデータが出る前に、カメラのノイズによる推定値が3点ほど出ていたと思うんですけれども、先ほどの御説明では、このCRDレールの真ん中の測定値が、そのノイズに基づく値だと500Sv/hを超えている値で、それは過大評価だったという、そういう御説明だったと思います。一方で、カメラのノイズを使った推定値が、ペネを出たところと、あと、ペデスタルの近辺でかなり低かった記憶があるんですけど、これは正しいですか。

○滝沢(東電)
カメラの線量の値ですけども、あくまでも推定値でございまして、それで事前の評価で、線源の関係と、あとノイズの関係を評価したわけでございますけども、そういった推定の範囲内では、たしかガイドパイプを出たところで30Sv/h、そしてあとプラットフォームに入ったところで20Sv/hという値でございましたけれども、その推定方法に基づけばそういった値であったということであって、その真偽自体に関しては、ちょっと現在ではわからないという状態だと思います。

○山本教授
ありがとうございます。

○松本(東電)
すみません、ちょっと補足をさせていただきたいと思います。まず最初に、ガイドパイプの先にカメラをつけて、ある空間位置に持っていったときのノイズを見たと。その値をダイレクトに事前に、これは実は線源そのものの構成とか、そういう問題もいろいろございますけれども、セシウム線源とか、事前に調査ができてなかったというようなところがございます。そういう意味での正確性には欠けるんですが、まずは、空間の位置が、実際、ロボットがレールの上をはって進んでいくときと、それから上をガイドパイプで行ったときには、空間の高さの位置とかが異なりますので、必ずしも同じものを別の方法で比較したという数値ではございません。それから、先ほど積算の線量計、累積の線量計を積んでいって、それで測定をしたということでございますので、これは少し分析をいたしますと、その進んでいく経路のたびに累積値がどう変化してきたかということを、少し細かく分析をいたしますと、1点のデータのみならず、ほかにもう少し情報量が提供できるのではないかというふうには思っております。現状、止まっていた時間帯がはっきりしているところで測れば、それは、簡単に出てくる数字を、今、御報告申し上げているんですが、もうちょっと時間をいただいて、細かく御報告をさせていただくということは今後できるのかなと思います。ただし、累積の線量計を積んで、それを走らせていっているものですから、だんだんだんだんその線量計の周りも、ロボットが走ると汚れがついてきます。ですから、その位置その位置の正しい値を本当にはかっているのか。そこに線量計そのものがだんだん汚れてくる部分が上乗せされたような数字ではございますので、そういったことを少し評価をして、また御報告をさせていただきたいというふうに思います。

○更田委員
一つちょっと、線量の質問が出たので、申し上げておきますけれども、線量を公表するときに、530 Sv/hとか210 Sv/hとか、有効数字が二桁で出てきていますよね。そんな精度があるはずがないんで、あたかも正確にはかれているかのような誤解を与えるから、あれは有効数字一桁どころか、このオーダーにありますという情報だと思うんですね。このオーダーというのは、要するに100 Sv/hと1000 Sv/hの間ですという情報が今回わかったことであって、それを530 Sv/hとか610 Sv/hとかなんとかと言ってしまうことって、物すごく誤った情報を伝えていることになると思う。もちろん、幾つなんですかと問われるのに応じざるを得ない東京電力の立場はあるのかもしれないけれども、一般からしたら、530 Sv/hといったら、520 Sv/h、530 Sv/h、540 Sv/hの530 Sv/hなんだなと捉えられるけど、そんなはずはないわけで、100 Sv/h~1000 Sv/hの間ということはわかりましたというふうな情報の出し方をぜひ心がけてほしいと思うんですけども。

○松本(東電)
かしこまりました。その点は、私どもも、御指摘のとおりでありまして、大変反省をしているところであります。±30%の誤差があると言いながら、二桁の有効数字で出すというのは、もう既にその時点で技術的に矛盾したことをしておりまして、そういったことのないように、今後、努めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○更田委員
ただ、もう一つは、空間の、1点での空間線量をはかることって、どこまでの意味があるかというと、100 Sv/h~1000 Sv/hの間だということがわかって時点で、あとはコリメートして方位でもわからない限りは、そんなに有益な情報じゃないですよね。だから、ここの精度を上げていくということがそんなに重要だとは思えない。100 Sv/h~1000 Sv/hの間の環境なんだと。で、今後、それから、その方位なりなんなりが捉えられるようになったら、例えばグレーチングから下を向いたら非常に高いとかというんであれば、有益な情報と言えるけれども。非常に線量に関心が高くなってしまうのは致し方のないことかもしれないけれども、調査の力点としては、これは十分わかっておられると思いますけども、ここの精度を上げることが調査の目的ではないと。すみません、高坂さん、お待たせしました。

○高坂専門員
すみません、最初にこういう格納容器(内部)の調査みたいのが、更田先生から三つの視点をお話しされまして、隔離については、要は安全上、どのように考えるべきかということは、個別に色々考えながら対応していきたいというお話だったんですけど。それで、やはり格納容器(内部)調査は非常に重要なんですけども、県民としては、今日の資料の12ページにダスト対策がありますけど、御説明していただいたような、O-リングを二重にするとか、窒素を封入して中から漏れないようにするとか、ダストの監視をきちんとするということは非常に重要なので、これは、個別の対応になるとは思うんですけど、特に県側としては重要視しているので、これはぜひ厳重に、慎重にやっていっていただきたいというお願いでございます。それから、二つ目の現状保全の話をされましたけど、これは私も気になっていまして、今、1号~3号機は原子炉の注水量の低減をしています。ということは、原子炉の格納容器内に余分な水が入るとか、それから、格納容器の、別な意味での冷やす効果が出ちゃうとかいうことが非常に大きな影響なので、要は、今回の調査と、それから2号機の原子炉注水量の低減の操作については、非常に、こちらの操作の影響がないような、調査の影響がないような安定した状態で評価するようなことを、考えていただいていると思いますけど、ぜひお願いしたいということです。それから、事故分析のお話では、色々申し上げて申し訳ないけど、一番気になっているのは、画像の分析とかして、より鮮明な情報が分かるかということで色々努力していただいているんですけど、今、日本の画像処理技術というのはすごくて、映像処理ですね、色々、もっと明確に見えるんじゃないかと。せっかく撮った貴重なデータなので、進めていただいていると思いますけど、画像を先鋭化した処理をもっと色々、幅広く技術を導入して、より見えると、もっと確実に事象がつかまえられると思うので、ぜひそれをお願いしたいと思います。それから、先ほどありましたけど、あまり問題にされないというお話をされていましたけど、一番気になっているのは、10ページの、先生からも御指摘があった、CRDのレールの中央部のところですね。ペデスタルに近いところですけども、ここで線量が高くなっているというのが実測されまして、それから、前の、あまり精度がないとおっしゃっていましたけど、映像への放射線の影響から見たら、これよりもっと空間レベルだと思うんですけど、ガイドパイプから見たカメラの影響なので、もっと高いリーチで、530Sv/ hとかで出ていましたので、これが、ペデスタルの入り口と、それから格納容器の貫通部のところの出たところに比べて高いということは、特にこのCRDのガイドレールの上に堆積物が随分見られているということは、それが、このエリアのやつがどこから来たのかとか、事象の解明にも必要、関係していると思うので、それはぜひ、どこから来たのかというのは県側でもあって、この近くにシャットダウン系のRHRの配管があるので、それが事故時の影響でたまっているんじゃないかとか、それから、(CRDレール上に)これだけ堆積物があるということは、中に落ちた落下物が何かの拍子にはねて、このレールの上のほうにくっついたんじゃないかとか、色々あるので、せっかく貴重なデータなので、そういう分析もやっていただきたいと思います。そうすると、大事なのは、ここに、レール上にあった堆積物の分析を、先ほど除去装置の一部にくっついたところの分析を検討されているという話がありましたけど、それから、先生のほうから、この辺のところの堆積物について、一部を取ってこれないかというような御意見がありましたので、分析して、これが何なのかというのを究明するというのは非常に大きな、有意な方法だと思うので、その辺の検討もお願いしたいと思います。特に、分析については色々問題があると思うんですけども、前にTIPの管の中にたまった異物ですね、固着物の分析も色々検討されているみたいなので、同じようなことでできなくはないと思うので、ぜひ分析の方も進めていただきたいたいなと思います。ちょっと、色々申し上げましたけど。

○滝沢(東電)
御指摘のところで、隔離をきちんとするということと、あと、現状の保全についてしっかりやるようにということでございますけど、承知いたしました。それとあと、画像の分析でございますけれども、貴重な映像でございますので、各方面と協調しながら、できるだけよい処理というのを目指してまいりたいと思います。あと、線量の測定結果でございますけれども、御指摘のように、堆積物が原因である可能性もありますし、さらに、空間、どこかしらに何かくっついているという可能性もございますけれども、そういったことの可能性についても考察をしていきたいと思っています。堆積物に関しましても、今、装置を現状保存してありますので、今、どこで、どういうふうに分析するかというのを検討しているところでございますけど、これも進めてまいりたいと思います。以上です。

○高坂専門員
追加の採取は、次のステップでは考えていないということですか。

○滝沢(東電)
次のステップで何ができるかというのは、これはまだ検討の途上でございますので、何かしらできるかというのをちょっと検討していきたいと思っています。

○松本(東電)
すみません、ちょっと補足をさせていただきますと、もう1点、1~3号機の注水量の減少との関係というお話でしたが、年末に1号機をやらせていただいて、今、3号機を徐々に下げているところでございます。来月に入りまして、2号機のほうはもう、一旦落ちついた状況になりますので、その段階で2号機のほうをやらせていただくということですので、そこが連携してよくわからなくなっちゃうと、連動してですね、というような状況ではないというところでございます。あと、画像は、これも相当、初日にすぐに出させていただいている画像からしますと、随分鮮明に実はなっておりまして、ここまでのところで、できる限りの画像処理はさせていただいているものを取り入れておりますけれども、さらに、何ができるのか考えてまいりたいと思います。それから、一番最初にダスト対策がいろいろ心配なので、いろいろ、きちんとやっているよというところはきちんと示してほしいということでございましたので、それもしっかりやってまいりたいと思います。あわせて、線量の問題で、中が非常に高いというのが心配じゃないかというようなお声とか、あるいは、場合によっては、値が、サイトの中も含めて、上昇したとか、いろんな報道等につながっていた部分がございます。そういった部分も、もう少し今後丁寧に説明をしてまいりたいと思います。セシウムが主体の線源でありますと、コンクリートが15cm~20cmぐらいの厚みがございますと、大体、放射線量が、γ線は10分の1ぐらいになります。1.5m~2mぐらい、格納容器の周りにはコンクリートがございますので、10分の1が10回繰り返されるような形になりますので、ある意味、計算上は100億分の1のような数字に、中の状況から見て、格納容器の外側ではそれぐらいの影響になりますので、もはや中から来ているものの影響よりは、その周辺に漏れて、くっついちゃった、事故のときにくっついたようなものが線源になっておりまして、中の状況の、今回見たようなところの影響というのは、それほど外側では大きくないというようなことは、きちんとお伝えし切れなかったかなというふうに思っております。もう少し、そういったところも含めて、きちんと説明してまいりたいと思います。

○更田委員
蜂須賀さん。

○蜂須賀会長
今、松本さんからの説明と更田委員からの質問で、同じくダブると思うんですけど、地元として、大きな数字が出たとき、それほど心配なかったんです。というのは、当たり前だろうなというふうな理解が、やはり地元というのが、あったので、それを出さないでほしいなとか、要するに閉じ込めてとか。ただ、温度というんですか、安定していますよというふうな、安定材料も私たちに、昨日でしたか、テレビ報道があったので、そういうふうな安心材料を多く発信していただきたいなと思います。広報の仕方としては、昨日、東電の広報さんが、「今回のあれは失敗ですか、成功ですか」と質問されていて、かわいそうになと思いながら見ていたんですけど、やはり報道というのは、私たちに直に来るものなので、数字には、私たち、固定していないんですね。ですから、地元に対する広報、全国に対する広報は、共通であるべきと思うんですね。NHKのトップニュースで、530 Sv/hとか、600 Sv/hとかと出されちゃうと、「ああ、すごいな」というふうに思っちゃうんで、まずは比べながらの報道というか、説明をしていただければ、もっとほかの人たちに、理解がしていただけるんじゃないかなというふうに思っております。以上です。

○松本(東電)
ありがとうございます。

○更田委員
先ほどの松本さんの説明を聞いていても、いかに説明するかということが難しいか。中へ入っていけば線量が高いのは当たり前だけど、その当たり前のことが、きちんと伝えるのは難しいということなんだと思いますけども。今、ちょっと蜂須賀さんの御指摘があったので、特に、後で申し上げようとは思ったんですけども、今回の調査に関して、これは規制委員会としての見解じゃなくて私の見解ですけども、こんなに早く下部ヘッドが見れるとは思ってなかったので、最後に狙いどおりのことはできなかったかもしれないけど、私は、大成功と言うと褒め過ぎかもしれないけど、成功だと思っていますし、これだけ早く、シビアアクシデント、炉心溶融を起こした下部ヘッドを、5年を迎える前に見に行けたというのは、これは随分な技術だと思いますし、努力だと思います。本当を言えば、グレーチングの下がのぞけると、それはよかったんですけれども、今回の調査に限って言えば、これは、東京電力は十分成功なんだと胸張っていいと思いますし、狙いが全て果たせなかったからといって、戦おうとしている相手は生半可な相手ではありませんので、これは十分成功であったと思っています。ですから、ぜひこの努力を続けていってほしいと思いますし、繰り返しますけども、お願いは、耳かき一杯で結構ですので、ぜひつまんできて。ですから、そういう意味では、今回、入れたものに付着してきたものというのには関心がありますし、これの分析に関して、輸送等々についても、規制委員会はずっと協力する旨をお話ししていますので、ぜひ分析が進むように計らってほしいと思います。ほかに。橘高先生、お願いします。

○橘高教授
今のことに関連して、最後の、その原因といいますか、今の状況、デブリがどうなっているかというのは、東電さんで解析されるのでしょうが、せっかくこの写真が出ていますので、グレーチングが脱落したということしか結論がないのですけれど、この9ページの平面図を見ますと、一番重要な真ん中の部分ですよね、デブリが落ちているとしたら真ん中に落ちていると思うのですけど、図が半分しか描いていないんですが、この真ん中が重要なわけですよね。ここに落ちているとしたら、ここには、H型鋼が横に走っていますよね。だから、ちょっとすき間があるんですけど、万が一デブリが落下すると、このH型鋼がまず熱の影響を受けてたわむということが何となく想定されるという前提だとしましたら、その前の写真を、8ページとか見ると、その辺の下地のH型鋼がほとんど健全なようにも見えますよね。その辺の見解というのは何か。せっかく、この写真の成果として、(周辺のグレーチングにはデブリが落下していないなど)、何かその辺が言えるのかなと思ったものですから。全く個人的な意見ですけれど。デブリの落下が(周辺に)起きると、当然、この下地のH型鋼が何らかの変形を受けるということがあるのかなと思ったものですから。

○滝沢(東電)
おっしゃるとおりだと思います。溶融物質が落ちてくると、2000℃を超えるようなものが落ちてくるわけですけども、一方、鉄の融点というのは1500℃程度ということで、もろに大量に当たれば変形してもおかしくないだろうと考えておりますけれども、しかしながら、そのようには見えていないということで、その辺、なぜそうなのかというのは、今、この段階ではわかりませんけども、そういったことは検討していきたいと思っています。

○更田委員
どうぞ。

○橘高教授
これは慎重に、当然、分析しなきゃいけないことだと思います。わかりました。

○更田委員
ちょっと細かい話になりますけど、今の点でいうと、グレーチングに、その1m×1mの穴があったところが、炉心の中心からずれていると。

○滝沢(東電)
そのとおりです。

○更田委員
ですね。炉心のちょうど、旧、もともと炉心のあったところの周辺部に相当するようなところへ来ていると。そうだとすると、これも憶測にすぎないけれども、溶融酸化物がそのまま通ってきたと考えるよりは、2号機、下部ヘッドにはかなりの長い間水があったと考えられるので、下部ヘッドの上部にデブリベッドを形成して、一旦固化して、ただし、ドライアウトして溶けて、その次に出てくるものは、酸化物というよりは、むしろ金属や共晶の融点の低いものがまず周辺に出てくる。それが通過してきたと考えると、溶融酸化物より溶融金属のほうが粘性も小さいし、ある意味、細かいすき間からの透過性、当然、凝固点も低いから、途中で凝固することも考えられるわけだけども、ただ、金属リッチのものが流れてきてと考えると、周辺部にという。ですから、これも、今の段階では憶測にすぎないんだけども、最初に通過してきたものが金属リッチなのか、それとも溶融酸化物なのかというのは、周辺部かどうかだけでも、少なくとも憶測だけはできる情報なので、そこに非常に最初に関心を持ちました。できれば、お願いなんですが、これを示していくときに、例えば5号機のペデスタルというか、グレーチングの写真で、この部分を見ていますよというので参照されているんだけど、5号機のグレーチングを見て、僕、2号機のグレーチングってアルミなんだと思ってしまったんだけど、これ、鉄なんだそうですよね。ですから、グレーチングの素材であるとか、それから、下部ヘッドのもともとのCRDであるとか、TIP管の配置図であるとか、そういったもののもとの状況とあわせて、こういった写真を出してもらえると、より理解が進むし、炉心の周辺部から来ていることの意味で、あまりに憶測ばかり並べるのは問題だけども、炉心中央ではなくて周辺部であったということが、今回、非常に大きな情報だったと思いますので、炉のスペックや材質とともに、こういった情報を出すようにお願いします。

○松本(東電)
ぜひ、そういう形で、追加的な情報がございますので、あわせてお出しをしていきたいと思います。先生おっしゃられるとおりで、橘高先生の御質問にもお答えすることになるかもしれないですけど、ど真ん中の位置は、真ん中が落っこちて、なくて、もし少量のものが落ちると、ここの上には何も影響がなくて、下へそのまま落っこちちゃうというような構造にはなっております。ただ、その脇のH鋼が変形していないというのはおっしゃるとおりでして、つまり、真ん中から、だんだん真ん中のダメージが大きくて、周辺が健全だということではなくて、こう何かむらむらに、そのダメージの大きいゾーンが存在しているというのは、そのとおりでございます。まさに、そういったところで突き合わせて、上部の構造との間の連携も見ているところですので、また整理をして、御報告をどこかでさせていただきたいというふうに思います。

○高坂専門員
今の議論、ちょっと非常に危険だと思ったのは、9ページに絵があって、今回、要は、前に写真が撮れた、ガイドパイプでペデスタルをのぞいた状態なので、見られた範囲が、あくまでも開口部に近い範囲の半分しか見れてないんですよ。だから、その右側に、残っているところに、また同じような穴があるとか、たくさん落っこちているという話も分かっていないので、今の中の情報だけで多分判断するのは非常に危険なので、やっぱりこれから先の調査をやらないといけないと思うんですけど、そうした場合に、10ページに絵がありますけど、多分、今、堆積物とかがあるし、あそこを乗り越えるというのが、今の研究室レベルの自走式のキャタピラで動くかというと、非常に不安があるので、例えば、分からないですけど、このガイドパイプのところでのぞいているところが、今、既に、ペデスタルののぞくところまで行っているので、これに近いものを、さらに言えば、下を這うんじゃなくて、空中で延ばして見るようなことを、まあ検討されているんでしょうけど、今後、次のステップで考える場合は、自走式にこだわる必要がなくて、やるなら、自走式はもう確実に、堅固な、どこでも走れるような形に直す必要がある。そうすると、多分(現状の)ペネから入らないような大きさになっちゃうとか、色々あると思うんですけど、上手くいったのは、このガイドパイプで、これを延ばしていって見れたので、これをもうちょい、2.5mぐらい延ばせば、ペデスタルの真下ぐらいに近づくので、それを広げるようなことも検討されたほうがいいんじゃないかと思うんですけど。今日の監視・評価検討会のテーマじゃないかもしれませんけど。そうしないと、左側の入り口だけの判断でやっちゃうと、今、色々、それで分かる範囲もあると思うんですけど、危険も、判断を誤る可能性もあるので、お願いというか、そういうことも検討されたらどうかなと思います。

○更田委員
今お話ししていたのは、判断ではなくて、スペキュレーションなので。ただ、東電の中でもいろいろ議論されていると思いますので、そういった東電の中での議論を紹介してもらうことにも一定の価値があると思います。あと、ちょっと最後、私からは最後になりますけど、次に使うペネというのはあるんですか。

○松本(東電)
一つは、今回のX-6と言われている、制御棒駆動機構の出し入れのためのペネトレーションそのものの、直径は60cmほどございます。この真ん中に10cmぐらいの穴をあけて、そこをしっかりリークタイトにして、その中で、今、パイプを差し込んで作業をさせていただいたと。次のアクションとしては、一つは、X-6ペネ全体をあけてしまえば、今度は60cmのアクセスということにはなってまいります。ただ、そのときにきちんとどういうふうに、そのダストの管理ができるかということになります。これは、原子炉の真下に向かって直進できるという意味では、非常に有利な、いろんなことの観察のためには有利な穴でございます。ただし、もっと大きなアクセス孔もあることはございます。機器ハッチですとか、あるいは、人間がもともと定期検査のときに入るパーソナルエアロックと言われているようなもので、大きなものはございます。ただ、こういったところの遮蔽をどう切り取って、大きなところをあけますと、中から来るものも大きくなりますので、そういったところの幾つか検討はしておりますけれども、まだ、実現性が今のところあるなというふうに思っておりますのは、やはりこのペネトレーションを拡大して使うというのが一つのオプションかなというふうには思ってございます。

○更田委員
まずは、ペデスタルと、それから下部ヘッドを外側から見るということだと思うんですが、それから、トーラス室のほうを見に行くというのもあるだろうと思いますし、まあ、でも、当面はペデスタルを見に行くというくらいのところでしょうね。あとは、サンプルを取りにいけるようになるかということだと思いますが、そうすると、このX-6ペネを使うときの隔離の仕方、これについて少し紹介をしてもらって、議論だと思います。口径を広げることができれば非常に有利でしょうから。ただ、その外側に、60cmあくようになったら、遮蔽であるとかも考えなければならないとは思いますので。ほかに御質問、御意見ありますでしょうか。

○熊谷管理官補佐
原子力規制庁から1点。安全管理という意味で、ちょっと確認させてもらいたいことがありまして。12ページの真ん中のほうに、除去回収ユニットが、現在、アクリル配管内に密閉保管されているという記述があるんですが、今日のお話ですと、今後、分析に回す可能性があると。この装置についた付着物ですけども。その間、このアクリル配管というもので保管されるのでしょうか。それとも、規則(東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則)に規定されているような、密閉とか遮蔽がされているような容器に保管されるのでしょうか。ちょっと、一応確認をお願いします。

○滝沢(東電)
当面の間、アクリル容器をきっちりと密封して、さらに養生をして、それで建屋内に置いておきたいと考えています。

○松本(東電)
今のお話は、まず、テンポラリーの話としては、現状の保管になりますけれども、当然、輸送を考えるわけですから、輸送には耐えられるような容器をなるべく早く、準備ができ次第移して、その上で手続をして、しかるべき分析に回していくということを、できるだけ早くやりたいということでございます。

○更田委員
運ぼうと考えている、そのかさはどのくらいですか。

○松本(東電)
これも、付着物ですので、極めて……。

○更田委員
付着物だけ。

○松本(東電)
はい。ということですので、量的には非常に小さなものになるかと思います。

○更田委員
それは、付着物をサイトで取り出して、それだけ輸送しようとしているわけですか。

○松本(東電)
幾つか手段があるかと思いますけれども、放射線量等によりますけれども、そういったことも一つの方法かなというふうには思っております。

○更田委員
ひょっとするとですけども、装置から付着物を取る作業が難しいかもしれないですね。ですから、場合によっては、かさが大きくなかったら、丸ごと運んで、運んだ先はセルの中だったらいかようにでもなりますから、そこはちょっと考えてもらえば。

○松本(東電)
かしこまりました。

○更田委員
よろしいでしょうか。それで、およそ一月程度で次の監視・評価検討会を開催しますけども。

○小林(東電)
すみません。資料2で御質問をいただいた件にお答えしたいと思いますけども、3号機のリアクタービルの東側の構台ですね。低層部からの直線で、資料2の41ページになります。その構造として、ちょうど角が欠けたような設置になっていると、そういう御質問だったと思いますけども、これ、設置したのが、震災後早い時期でございまして、やはり軽量化、現地の作業を減らしたいということで、要は作業の被ばく低減ということで、極力物量を減らすということで、こういう形状になったということでございます。今日、御説明したカバーの設置についても、結局そうなんですけど、現地の作業を極力減らすための、そういうことで計画したということで、当時から、この遮蔽を見込んでいた設計ではなかったということでございます。以上です。

○更田委員
ただ、それがあだになったということですよね。

○小林(東電)
おっしゃるとおりでございます。

○更田委員
わざわざ、ここから放射線が出ていますと。通り道をわざわざつくってありますという構造になっているので。

○小林(東電)
当時、そこまで予想をちょっとできなかったというところだというふうには思っております。

○更田委員
これをL字型にしている時間的余裕はありませんと、そういうことですか。

○松本(東電)
ちょっと何ができるのか、何ができないのかというようなところは、整理をさせていただきたいと思います。

○更田委員
スケールはわからないけど、鉄板1枚ここへ立っていれば、という説明をされたんだと思いますので。一月ぐらい先に、次の監視・評価検討会を予定をしていますけれども、滞留水に関しては、計画どおり進捗しているのであれば、もうこの進捗だけという話ですし、それから3号機の使用済燃料プールも、一月内で大きく変わるとは思いませんけども、一月先ごろになると、大体、作業上の被ばくが高くならざるを得ない状況に入ってきますので、そこで改めて確認しておくことがあればという形になると思います。それから、そろそろ、ちょっと次の段階を見た議論に入っていこうと思いますし、それから、少し規制の仕方ですけども、実施計画を通じた規制の仕方についても、1Fの状況が大きく変わりつつありますので、これまでの実施計画を通じた規制当局の確認のあり方についても、これは、こちらからも提案をしたいと思いますし、東京電力からも提案があればということですけれども、戦う対象が変わりつつありますので、実施計画を通じた規制についてを、どういうふうに進めていくかという議論はしていきたいと思います。それから、処理済み水の議論、これは東京電力としての判断を促してきたところですけれども、これについて、東京電力の中での議論なりに進捗があるようであれば報告を受けたいと思います。資源エネルギー庁のほうでも、これは、今、議論が進んでいるところであるというふうに承知をしていますけれども、これはまだ、3月の段階でどうであるか、そのときに大きな進捗があれば、紹介をしてほしいと思います。全体を通じて、確認をしておきたいことは何か、御意見、御質問があれば。よろしいでしょうか。蜂須賀さん。

○蜂須賀会長
すみません、メガフロートの件なんですけど、穴があいているというふうな情報があったんですけど、説明をお願いします。

○伊藤(東電)
先週の2月16日の木曜日でございます。概要でございますけども、ちょっと、すみません、資料のほうはございませんが、メガフロートって、中にバラスト水という、箱で区切って、9ブロックに分かれてございます。そのうち、北側にございますVOIDのナンバー5番といったところ、あるブロックがあるんですけども、そちらの水位というのが、海水面と同等のレベルまで、約45cmほど上がったと。もともとは少し水量が低い状態だったんですけど、その中に海水が入り込んできた状態になってきていると。現在、まだ現場の状況、原因の特定までは至ってございませんで、今、調査をしているところでございます。また、ちょっと、そういった状況等がわかりましたらお伝えしていくようにしたいと思ってございます。

○松本(東電)
多分、御心配は、その中に入っているものとか、そういったことも含めて御質問かと思いますけれども、一時、低濃度の汚染水を中に保管しておったことがあるんですが、現状は、その水は一回全部外へ出しまして、それで、全体が軽くなってしまうと、動きがちょっと不安定になるということで、全く新たに持ってきた、放射性物質のない水を中に入れ直しているというのが現状でございます。したがいまして、残水が少しあるところへ、新たに、バラスト水と呼んでいますけれども、そういった水を入れておりますので、放射性物質の濃度は、ゼロではございませんけれども、かなり低い数値でございます。ちょっと、個別の数値を、今、記憶してございませんけれども、基本的には海水が中へ入るというような状況にはなっていますけれども、出入りが全くないかというと、そういうわけでもないかもしれません。ただし、そこのもともと入っている水そのものの放射性物質の濃度は、相当程度低いものだということだけは御説明をさせていただきたいと思いました。以上です。

○高坂専門員
すみません。次回、また1カ月後ぐらいということで、次の段階の進め方をお話しいただくということなんですけど、ただ、気になっているのは、今、継続検討している事項の進捗の状況は、進捗した段階で、最後の時間の報告だけでもいいと思うんですけど、ぜひ、この中でフォローをお願いしたいと思います。例えば、原子炉注水量の低減が、今度、3号機が進むとか、それから、2号機の海水配管トレンチ立坑閉塞充填閉塞することになっていますけど、それが順調に進んだのかどうかとか、タンクの基礎の、漏えいしたタンクのH-4エリアの汚染土壌の撤去という話とか、それから、今、相変わらずE-1の観測孔の濃度が、雨が降るたびに上がっているので、汚染土壌の撤去の状況とか、前にお願いしたコンクリート基礎の割れがなかったという話は、一部、別なところから聞いておりますけど、その状況だとか、それから、凍土式が、色々新しい段階に入っているんだけど、どこまで行ったとか、そういう継続して検討していることを、その度に、まとまったものから、最後の報告マターでも良いと思うんですけど、かけていただきたいと思います。

○更田委員
ありがとうございます。次回、まだこれは仮決めではありますけど、3月22日を予定しています。ここでは、3月11日をまたぐ形になりますので、3月22日の検討会のときには、6年たって何がどうなったかというのを、1回ちょっとおさらいをしておきたいと思います。1Fのサイト、福島第一原子力発電所のサイトは、もう、各燃料に関して、あるいは、燃料のデブリに関して言うと、再びシビアアクシデントを起こすような元気は、燃料にはないと。そういった意味で、例えば再臨界であるとか、そういったもののリスクというのは、限りなく小さくなっている。ただ、これはやはり、先ほど松本さんの説明にありましたけど、説明の難しいところであって、そうであっても、1回ちょっとまとめておきたいと思います。それから、直接線に関しても、格納容器の中へ入っていけば、それはめちゃくちゃ高いですけれども、それがどのように遮蔽されているか。スカイシャイン等々もそうですし、今、敷地境界における線量に関しては、きちんと制御、それは、この監視・評価検討会の初期の議論であったわけですけども、敷地境界における線量もきちんと目標に達して、それが制御されている。懸念すべきことは何で、懸念しなくてもいいことは何なのかという、ちょっとまとめめいたことはやりたいと思いますし、それから、仕掛かり中のもの、例えば排気筒もここのところちょっとやっていないですけども、スタックをなるべく切りたいという話を、どこまで行っているかというような、仕掛かり中のものに関して少し説明を受けていこうと思います。排水路もそうですね。排水路の枝管なんかも、ちょっとまだ関心の残っているところですので。ほかによろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、一月後ぐらいに次回の監視・評価検討会を開催したいと思います。それでは、以上で本日の監視・評価検討会を終了します。ありがとうございました。

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