2012年3月8日木曜日

第4回 国会事故調 ~ 参考人 原子力安全委員長 班目春樹 平成24年2月15日

第4回 国会事故調 (参考人:班目春樹)
平成24年2月15日 1時30分~

http://www.naiic.jp/  配布資料 http://www.naiic.jp/about/#
  • 黒川清(委員長)
  • 横山禎徳 委員(社会システム・デザイナー)
  • 石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
  • 田中耕一 委員
    (化学者 株式会社島津製作所フェロー)
  • 蜂須賀 禮子 委員(福島県大熊町商工会会長)
  • 崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
  • 野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
  • 大島賢三 委員(独立行政法人国際協力機構顧問)
  • 田中三彦 (科学ジャーナリスト)

【録画配信】

【配布資料】

【記事録】



アウトライン

参考人 原子力安全委員会 委員長 斑目春樹

参考人 前経産省 原子力安全・保安院長 寺坂信昭 01:40:45 ~

■ 第4回国会事故調 散会後の黒川委員長 記者会見



黒川清委員長 00:00:00 ~
それでは時間が参りました。国会による東京電力 福島原子力発電所事故調査委員会、通常、国会事故調といっておりますが、第四回委員会を開会致します。お手元にありますように、先ず今日の項目の2番目ですが、委員会の運営についてお諮り致します。

先ず、委員会の運営に関しては党委員会の参与として、お手元の資料1に記載の通り、原子力工学がご専門の木村一郎先生、それから放射線医学、その他 分子生物学のご専門の児玉龍彦先生、更に経済学、公共政策がご全問の八田達夫先生の3人が任命されましたのでご報告致します。

次に委員会運営規程についての運営についての運営規程についてお話ししますが、この委員会の運営規程ですが改めてお手元に配布した資料2の案で進めたいと思っておりますが、特に委員の方からご意義ありませんか?はい。ありがとうございます。それでは異議なしと認め、そのように進めさせて頂きます。ありがとうございます。

それではですね。今日の3、4に入りたいと思います。先ず、原子力安全委員会に関する質疑応答ということで、本日の参考人等の質疑応答を開始しようと思っておりまして、本日は原子力安全委員会の班目委員長と、原子力安全・保安院の寺坂信昭院長においで頂いております。

お忙しい中、お二人の委員長、院長に国会事故調の調査にご協力いただきありがとうございます。今般の東京電力福島原子力発電所事故当時、お二人とも最前線の責任者として大変な責任のある立場で、大変ご苦労された二人から、当時の状況、経緯を伺い、原子力災害時の緊急対策について、

事故の被害の軽芸対策について、また、今後の原子力安全のあり方等についてゆう粋な銀をさせて頂ければと思っておりまして、先ず、原子力安全委員会について、班目春樹 原子力安全委員長にお願いいたします。本当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。



参考人 原子力安全委員会 委員長 斑目春樹


黒川清委員長 00:00:00 ~
本当に班目委員長には参考人としてご出席いただき、ありがとうございます。早速ですが、福島第一原子力発電所事故が起きたことについて、これまで原子力安全の総元締めの立場でおられました班目委員長には、過去の原子力安全委員会の活動について、どのように総括されていらっしゃるのか先ずお聞かせ下さい。

班目春樹(原子力安全委員会 委員長) 00:03:14 ~
先ず、原子力安全委員会というところは、原子力安全の確保に関する、基本的な考え方、方針を示すということが最大の任務となっております。従いまして、そういうものを安全審査指針類としてこれまで発行してきた訳でございますが、今まで発行してきた安全審査指針にいろいろな意味で瑕疵(かし)があったということは、これは、はっきりと認めざるを得ないということでございます。

例えばですね。津波に対して十分な記載がなかったとか、あるいは全交流電源喪失ということについてはですね。解説の中にですね。長期間のそういう物は考えなくても良いとまで書くなどですね。明らかな誤りがあったことは認めざるを得ない所で、原子力安全委員会を代表してお詫び申し上げたいと思っております。

そういう事で現在、原子力安全委員会では、このような安全審査指針類に関してはですね。順次海底を進めている所で、原子力安全委員会は一応、この3月末を持って新しい組織に引き継がれるという事ですので、3月末を目指して、色々な中間取り纏めを外部の専門家の方にお願いしている所でございます。

黒川清委員長 00:04:35 ~
ありがとうございます。先生、今仰いましたけど、確かに色々な今までのことでは、今度の福島第一原発で色んな事が明らかになってきたと思いますが、先生は特にご専門の立場もありますし、こういう委員会の委員長もされて、全電源喪失という思いもかけない事故と仰いましたが、このような事はどの程度想定されておられたんでしょうか?

班目春樹(原子力安全委員会 委員長) 00:05:00 ~
あのう、ええっとですね、あのう、、安全委員会としてはですね。だいぶ前に検討した結果ですね。我が国の停電の事情というのから考えて、諸外国と比べて、その頻度が非常に低いだろうという、そういうデータを持ってですね。全交流電源喪失というものは考えなくて良いとしてしまっております。

で、それからですね。外部からの電源というのは基本的には安全系ではないというか、安全確保のためにはディーゼル発電機さえ生きていればいい、という事で、ディーゼル発電機の安全性ばっかりに気を取られていた。しかしながら、ディーゼル発電機が水没してしまえば使い物にならなくなる。

まさにコモン コーズ(共通原因 common cause)といいますか、津波が押し寄せてきたら、数台用意しておいても一辺に駄目になる訳ですよね。そういう物についての配慮は全くなされていなかったという事は大変な問題だと考えております。

黒川清委員長 00:06:02 ~
そうするとそういう事を今になってなのか、やはりそういう事が先生もご専門の立場ですから、特に低い所にあるディーゼルエンジンもそうですけど、想定されなかったんでしょうかね?

班目春樹(原子力安全委員会 委員長)
えーっとですねー。これは、あの、当時から私がずっと安全委員をやっている訳ではありませんので、あくまでも推測になります。しかしながらですね。若干気になるのはですね。あの、ええ、我が国と違って、例えばアメリカなんかを見るとですね。

ステーション ブラック アウトと言いますけど、これについてはですね。あのう、しっかりと、あのう、ええ、こういう風な対応をしなさいと言う方針、文章が作ってあります。そういうのを横目に見ながら、何ら対応をしなかったというのは問題であったと思います。

で、結局ですね。この問題の更に根っこにある所はですね。あの、なんかそういう、ええ、諸外国で検討された時に、その、ややもすると我が国ではそこまでやらなくても良いよ、という、そういう言い訳というか、やらなくても良いという事の説明ばっかり時間を掛けてしまって、いくら抵抗があってもやるんだ、と、そういう意志決定がなかなか出来にくいシステム、この辺りに問題の根っこがあると私自身は考えております。

黒川清委員長 00:07:35 ~
何となく難しいというのは先生のご経験だと、どういう所に具体的にあるんでしょうか?

班目春樹(原子力安全委員会 委員長)
えっとですね。まあ、あのう、私の立場でどこまで申し上げて良いか分りませんけど、ある意味では、これは官僚制度の限界と言いますかですね。例えば、そこの担当の人間が、大体2年ぐらいで日本の場合は変わるんでですね。その時に、ものすごい大きい問題まで、取り扱いに出そうとすると、

自分の任期の間に終らない。そうすると、ややもすると、ええ、まあ、大きな問題に手を出さないで、それで以下にそういう事を議論しなくても良いかという事の説明ばかりをやればいいと。日本の公務員制度というのは、基本的に加点方式よりも減点方式だと思うので、そういう制度を取っている上では、なかなかそこは深掘りが出来ないんじゃないかと思っております。

黒川清委員長 00:08:49 ~
それから安全委員会の委員長の立場、安全委員会としては先生も仰ったように、特に海外で色んな対応によって、非常にspecific(スペシフィック)な、どういう事をするという、割になんて言うんですかね。きちんと記述された指針みたいなものが出てきますよね。

そういう事については勿論、当事者の役所も知っていたと思うんですが、議論している内にそうなったという話しですが、例えば事業者に対してはどういう風にそれが伝わるんでしょうか?

班目春樹(原子力安全委員会 委員長)
えっとですね。あのう、私はあのう、我が国の場合、もっと事業者の責任というのを強く求めるべきだと思っております。そしてですね。事業者と規制当局の間に、これは IAEA なんかの安全基準にも書いてありますが、フランクで、オープンで、それでいてフォーマルなちゃんとしたコミュニケーションがなされなければならない。そこがですね。どうもうまくいってない。

ややもするとですね。護送船団方式と言いますか、あの、一番低い安全基準化なんかを電力会社が提案すると、何となくそれを規制当局としては飲んでしまう。今度はそれが出されるとですね。国が既にここでお墨付きを与えてるんだから安全ですよと言って、安全性を向上させるという努力を事業者の方ではやらなくなってしまう。

なんかそういう悪循環に陥っていたんではないか。で、やっぱり、本来、安全確保の一義的責任はあくまでも電力会社にあります。従って電力会社は電力会社は、国がどういう基準を示そうと、その基準をはるかに超える安全性を目指さなければいけないんです。

# よく分らない。作ってしまった自動車に対して、既にある車に対して、自動車メーカーが頑張って安定性を向上出来る部分には限界があると思うんだけど。物理的な限界はあると思うとイメージしてしまうので、こと原発に関してはそれが出来るとうのが益々理解出来ない。

で、それなのにそれをしないで済む理由として、安全委員会が作っているような安全審査し親類が使われているとしたら、大変心外だと思いますし、これからは決してそうであってはならないと思ってます。

黒川清委員長 00:11:05 ~
委員長は心外という言葉でしたけど、東京電力は今回の事で想定外、いかがでしょうかね?

班目春樹(原子力安全委員会 委員長) 
えーっとですね。これは非常に難しところで、果たして あれだけの大津波をどれだけの人間が想定出来たか分りません。しかしですね。先ず二つ申し上げたいのは、第一にこういう津波自体が想定を超えるものであったとしても、そこで手立てがなくなってしまう、と言うことはあってはならない訳です。

で、津波は想定を超えたかも知れないけど、それの先の防備というか、防護対策が何十にもなされているべきである。これが原子力の安全を守る原則です。それがなされていなかったことは非常に残念だと思っています。それから2番目にですね。

# 起こってしまった後はなんとでも言える。後出しジャンケン フォー!

やはりあれだけの津波を想定出来たかは別にして、ある程度新しい知見というのは出てきていて、福島県沖においてもですね。大きな地震の発生があり得るという知見が出ていた訳ですね。それなのにそれに対する対応が遅れたという事についても大変残念だと思っています。

黒川清委員長 
はい。ありがとうございます。それでは事故後の対応についてと言うことで、野村委員の方からお願いします。



原子力安全委員会 事故後の対応 ~ 政府 ベント助言等

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)00:12:35 ~
委員を務めさせて頂いている野村でございます。今日は大変貴重なご発言をいろいろと頂きましてありがとうございます。今、事故後の対応について、少しお話を伺いたいんですが、

その前に一点だけ。今の委員長とのやり取りの中でお伺いしたいことがあるんですけど、先程、役所の人たちの仕事の仕方についての問題点、あるいは事業者の方が本来一義的な責任を負うべきだという事のご発言。

確かにその通りだと思うんですけど、私がちょっと承知している所では、委員長自身もですね。発電所を2台設けるべきではないかという事が、例えば、訴訟等で問題になった際にですね。「その様なことをやれば、そもそも原発の設計など出来ない。」というような事を発言されたり、あるいは国会でもそういう発言をされたという記録が残っている脂思うんですが、そういう事はご記憶にないでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長) 
えっと、発電機というのはディーゼル発電機だと思いますが、ディーゼル発電機は複数台用意しなければいけない。これは安全指針にも書いてあることなので、多分そうではなくて、ある程度設計において事象を想定します。

想定してそこで一旦割り切る。これは設計をする以上はやむを得ないという発言をしているという事でございます。

例えばですね、堤防を設計する時に、どれだけの洪水まで考えなければならないか、それを想定しなければものは作れません。ですから物を作るためには想定は必ず必要なんです。ただし、想定を考えた場合のことは考えておかなければならない。そういう意味での割り切りは必要だといっていると思いますけど、それ以外は記憶にございません。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
わかりました。想定外のことを考えることと割り切りをするという事はどういうご関係になるんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長) 
あのう、これはですね。ええっっと。”Defense in depth” これは多重防護と言っておりますけど、何層にも何十にも深~く守らなければいけない。ですから 物を設計する時には、ある想定の下に設計する。だけれどもそれで満足しないで、今度はそれを超えた時のことについても考えておく。で、またさらにそこに防護柵を用意しておく。更に超えた場合にもそれを難渋にもやっておく。これが多重防護、”Defense in depth” ということでございます。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)00:15:00 ~
あの、そういう意味ではそういった意味での多重防護というんでしょうか、深層防護は十分配慮されていたというお考えでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長) 
いいえ。配慮されていません。国際的な基準から言いますとIAEAなどでは” 五重の防護” という言い方をしてございます。で、あのう、ええ、事象の、ええ、発症防止、進展防止、それから影響緩和、で、その3層までしか考えてございません。

これに対してIAEAなどではですね。更にそこを超えてシビアアクシデントになった時の防護対策、更には最終的には防災対策といいますか、そういうところまで考えなさいよといっている所を、我々の国は3重の所でとっていた。そういう反省がございます。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
では、先ほど委員長が言いましたような事故後の対応について少しお伺いしたいんですが、班目委員長はご自身、国会でですね。安全委員会の非常時体制というのができていなかった発言をされていると思うんですけど、これは具体的にどの点をさしてそのように評価されているんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
例えばですね。発災後、直ちに原子力安全委員会は緊急助言組織を立ち上げることになってございます。緊急助言組織を立ち上げるために、一斉携帯メールシステムを使って非常招集をかけたんです。その招集は私自身の携帯にも届かなければいけないんですが、鳴ったのはいいけど届かなかったんです。

# 鳴ったけど届かない??

結局その、こういう場合にああする、こうするとうことが色々決まっておきながら、そう言う携帯が通じない等々で決められた通りには殆ど何もできないとう状況でございました。従って、ええ、そこは、実は電話もなかなか通じなくてですね。

助言組織をなかなか立ち上げられなかったんですが、あの、むしろ、あの、ええ、自主的に、歩いて集まった方に助けられた形なんですが、そういう意味ではこういう緊急事態に対する想定というのは不十分であったとつくづく感じております。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
そうは言いながらも原子力災害対策特別措置法に基づいて委員長地震は、総理、その当時の災害対策本部長に対して、技術的な助言をするというお役目を果たされた訳ですけど、その役目を実際に果たされて見て、今になって思うともう少し助言すべき点があったんじゃないかということが、もしお気づきの点がありましたら教えて頂ければと思います。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっとですねぇ。これはあの、ええっと、当時の状況では非常に難しいと思います。というのはですね。技術的な助言を与えるにあたってはですね。現状がどうなっているかという情報がないとできないんです。で、私が助言していた場所はですね。

# 質問の意図を飛び越して解釈して、もう、いきなり、言い訳モード全開の春樹ちゃん。注水できていない状況はわかっているのに水素爆発は誰にも予期できない事であったのだとNHKの番組で平気な顔して述べている春樹ちゃん。

10人入ればいっぱいになっちゃうような、しかも 固定電話が2回線しかなくて、携帯電話も通じない場所で、情報がほとんど入ってこないんです。で、そう言う場で、できる助言というのは、もう限界であったのではないかと自分自身ではお思っております。

ただですね。実際問題として私はあの頃、1週間以上殆ど寝ていませんので記憶が殆どすっ飛んでしまっています。どういう助言をしたのかというのも正確には覚えていない状況ですので、その辺は総括できていない状況です。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)00:18:50~
わかりまました。今おっしゃられたのは官邸の5階におられたということでよろしいですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
いえ!ええっとですね。私は、ええ、ずぅっとですね。少なくとも11日の夜の9時の時点から減るコプターで飛び立つまでは、私の記憶では官邸の地下にある危機管理センターの中二階という小さな応接室に居たと記憶しております。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
その中二階におられる、その後は5階に移られたということで宜しいですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっと、現地にヘリコプターで飛んで帰ってきて、一旦、4号館に帰ってますけど、その後はむしろ5階の方に居りました。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
その中二階、ないし5階で様々なことが決定されたと思うんですけど、ご記憶のある限りで結構なんですが、3月11日から12日午後にかけまして、そこで重要な決定として覚えておられる事というのは、どんな事がありますでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
先程もちょっと申しましたように、私は本当に記憶がほとんど生の形では残っていない。それで、あの、その後ですね。色々な、例えば 「政府事故調の報告書」とか、「東電の報告書」とか、いろんなのを読んだり、あるいは安全委員会の他の人と話したりで、補いつつあって出来ているので絶対こうだったという自身はございませんが、最も確からしいことで申しますと、

# 初期の頃は1週間一睡もしていないような状況じゃないでしょ。普通の人なら直後の緊張した状況というのは強く印象に残るものなのに、1週間寝ていないので記憶が飛びました、というは、あまりにも…  保身になるのであれば忘れる前に自分で忘備録を作るとかするものだけど、それすらしていないと言うことは、忘れてしまいたいということなんでしょうね。誰が聞いても知らぬ存ぜぬで通す腹というか。後になって、あの時のこの発言は嘘だと指摘されても、「再構成した記憶にミスがあったので嘘をついたつもりはないんだ」と、最初から退路を用意している。頭のいい狡猾な人間がよく使う手段なので注意。

先ずは11日ですけど、2時46分の地震後、ええっとですね。5時30分頃に官邸に向かっていると思います。それでですね。どうも、会議室の前で待っていてもなかなか会議が始まらないな、といったところにですね。多分、保安院の平岡次長かなんかにちょっと助けて下さいといって一度呼ばれて、あの総理のところに行ってるんじゃないか?という気がします。

# 忘れるか、普通。別に寝不足でもなかったお昼の地震から僅か3時間後。緊迫したその当時の状況を。しかも総理のところへ行ったか行かないか。忘れるかそれを。

そこにもうすでに出ですね。東京電力の方が呼ばれていて、とにかく電源車を運んで欲しいという話になっていて、「これは電源の問題なんです。」と言うことに既になっていたと思います。それからずぅ~っと、今度は原子力災害対策本部が立ち上がるまで、またずぅ~~~ぃぶん、待たされて、それが終わった後、一旦、私自身は安全委員会のある4号館の方に戻ってございます。

で、9時になってから再び、是非来てくれということで、今度は官邸地下の危機管理センターの中二階の方にこもったわけです。で、その時までにはですね。今度はですね。そこであの、いわゆる全交流電源喪失どころではなくて直流電源もなくなっているんだという事態を知って、

その前からちょっとそう感じたんですけど、こうなるともう、あと手は、要するに圧力を下げて消防自動車でも何でもいいからなんか使って水をかけるしか手が無いですよ、で、あのう、東京電力の武黒フェローがそこにいらっしゃいましたので、武黒フェローと相談しながらそう言う助言をしたわけです。

あっ、その前にですね。非常にはっきり覚えているのは海江田大臣がですね。当時の経済産業大臣ですが、

「我々は東京電力という位置プライベートカンパニーからああしてくれ、こうしてくれ、自衛隊を使ってなんかやってくれと頼まれても政府決定できるわけではないので、お前の口から色々助言を聞きたいんだ。」

というふうに言われたことだけは、非常に鮮明に覚えております。で、それで、もう、これは圧力容器の熱を下げる、ということは格納容器の、今度は暑が上がってしまいますから、格納容器ベントをやらざるを得ない。

格納容器ベントをするということは、勿論住民避難が大前提になりますので、というようなことで格納容器ベントについての助言を行った。これは確かだろうと思います。

その後、ええ、あのう、格納容器の熱が上がってますとか、色々あって、とにかくベントを急いでくださいといった後、最後はヘリコプターに乗るまで、何を言っていたかとなると、あの、正確な所はほとんど覚えていないというのが実情です。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)0:23:25~
ありがとうございます。今ベントの話が出てきましたが、ベントについての技術的な説明を行われたのは委員長ご自身という理解で宜しいですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっと、あの、多分、私の口からベントとはこういうものです。ベントということで世の中、通ってしまっていますけど、これはあくまでも圧力容器の燃料に水を入れるのが目的ですので、そのためには、しかし、最終的には格納容器の熱を下げるためのベントをしなければいけない、ということを一生懸命その辺の解説をしていただろうと思います。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
今、水を入れるという話が出てきましたけども、海水注入が行われる際に、班目院長ご自身は総理に対して、海水注入をすると再臨界の可能性はゼロとは言えないと報道ベースでは報じられているわけなんですが、この発言自身は真実と受け止めて宜しいでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
私自身はそういう記憶は、実は全くございません。ただですね。2つ確かなことがございまして、私の方から再臨界の可能性についてまでも言わないだろうと思います。真水を入れるよりも塩水のほうが可能性は低くなりますので私から言ったとは思えません。それが1点。

第2点として、再臨界の可能性があるかと聞かれたら、それはゼロではないと必ず答えます。温度が下がっていくと再臨界の可能性はゼロではないんです。ですから私自身、そう言う発言をしたかどうかという記憶は全く無いけれでも、その2点だけは多分確かだろうということです。

黒川清委員長 
う~ん。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
あのう、委員長の周りで、まさに海水注入が行われていたわけですけど、その時、委員長自身は海水注入はすべきだとお考えだったですか?それともすべきではないとお考えだったですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
もちろん、海水でも何でもいいから水をつぎ込むべきである。当然、海水中で結構ですから注入してくださいと言い続けていたと思います。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
ありがとうございます。それからご1点、最後に伺いたいんですけど。1号機の水素爆発が起こりました後に、(枝野)官房長官が記者会見で「放射性物質が大量にもれるような事故ではなかった。従って直ちに影響はない。」という発言をされているんですが、このご発言について、もし、班目委員長はその当時の事をご記憶がありましたら、その当時どう思っておられたのか?そして、今思えばこの発言は正しかったとお考えでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっとですね。ここもほとんど記憶がないんですが、枝野官房長官の発言に対して何かサジェスチョンをしたことはないと思います。実はですね。聞いた時に直ちに影響がないというと、我々、原子力やっている人間からは晩発性の、いわゆる癌の影響はあるといっているように聞こえるんで、ああいう発言はむしろしないんですねぇ。ですから、多分、私のサジェスチョンはしてないと思います。

# 原子力関係は晩発性ガンに対しては神経質らしい。

それからですね。私自身があの水素爆発のシーンを見てどう思ったかというとですね。先ず第一に、「あっ、これは、格納容器の圧力が上がって、それで、しかしある所でずっとサジってたと言うことは漏れてたに違いない。当たり前だよね。ということは水素は当然出てたね。ということは爆発は考えないといけなかったんだ」と。

殆ど瞬間に思ってます。ただ、爆発のシーンを見た途端に、逆に、実は1号機の爆発はですね。オペレーションフロアの上と言いますか、上の方だけがすっ飛んでますので、逆に格納容器は持ったんじゃないか。事実、周辺の放射線量が非常に高くなって東電が大変な事になっていると入ってきていないな、という事で、半分安心したという、こんな事を行ったら大変良くない事なのかもしれないけど、そう思ったという記憶もございます。

# 春樹ちゃんは出来る子。ここでアピールしておくか。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
すみません。後一点だけ。先程、もう最後と申し上げたんですが恐縮ですけども。ちょっとベントに戻って恐縮なんですが、ベントの際に放射性物質が放出される訳ですけど、放出量でありますとか、被爆量についての評価、助言というのを行ったのも委員長でございますでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
いえ。あのう、殆ど記憶がないんですが、これは実は時間と共に変わってきています。で、あのう、ええっと、一番最初、夜の9時過ぎだったと思いますけど、ぐらいの時点では、私はまだ炉心を溶けていない、あ実際まだ、その後、実はどうも溶け出した頃ではないかと思うんですが、

と思っていますので、ベントをしても放射性物質はたいして放出されていないと思っています。これが時間が経つにつれて、これはもう炉心は溶け出しているかなぁと思い出している訳ですね。でも他に手段がないな、という事で、だんだん、だんだん、危機感だけは高まってってるという、そういう状況です。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
炉心が溶けたかなぁというふうに考えをお変えになったのは大体いつ頃のことになるでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっと、あのう、記憶では、はっきりしないんですけど、格納容器の圧力ガですね。設計圧力の1.5倍とか2倍ですという話しが入ってきた頃に、う~ん。そうだろうなぁという思いが、ちらっと頭をかすめたような気がします。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
ありがとうございます。

黒川清委員長 00:28:45
はい。ありがとうございました。先程、ちょっと私最後に安全院会の指針に関わらず、海外で色んな事が起こっていて、リスクをするすくなるようなことをされていると言われましたよね。で、何となく雰囲気で、まぁ、なんとかいいか、と言う話しがあったんですけど、

で、委員長は一義的に事業者が責任を持って常に向上しなくちゃいけないことだと仰いましたが、実際それをチェックしているのは誰ですか?事業者がやっているかやってないか、自発的にやっていることを。それは投資家ですかね?株主ですかね?保安院の責任はどうなのか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
んんと、ですから、やっぱり日本のそういう規制制度がですね、国がとにかくを定めなさい。これをクリアしたら文句言わないで下さい。というふうになっていること自体が問題で、今度、初めて、いわゆるストレステスト、総合的安全評価という形でですね。

国の基準はここまでだけど、それを超えてどれだけ努力しているか、というのを見るような制度が入ってくるんだろうと思っています。で、そういう制度をどんどんどんどん入れないと、なかなか事業者はですね。努力を怠ってしまいがちで、この辺りをしっかり改善すべきだと思っています。



原子力安全委員会:事故後の対応 ~ 避難対応 SPEEDIに関して

黒川清委員長 
ありがとうございます。それでは事故後の対応について幾つか、桜井委員の方から伺わせて頂きます。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)00:30:15 ~
委員の桜井でございます。若干、細かいことをお聞きするようなことになるかも知れません。今、委員長の方から、大変、当時混乱しておられて、記憶がなかなか、あのう、混乱しておられてと言うことを伺いまして、私も良く理解した上で敢えて聞かせて頂きたいんですが。

先程、ベントの関係で、住民の避難という事を一応おっしゃりましたね。その住民の避難についてですね。官邸で見られる5階なのか、地下の中二階なのか、場所は限定しませんが、どんなことが決められるまでに話し合われ、どのような方がどのような意見を言われたかについて、分っている限りでお話し頂きたいんですが。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっとですね。私はどうもですね。一旦、4号館に戻った8時~9時までの間に、福島県が2kmの避難指示を出したとかいう情報を得てから官邸に向かっているみたいです。で、官邸で3km避難でどうかと聞かれて、「ああっ、もう、それで結構ですからそのようにして下さい。」と答えたんではないか、と思います。

で、従ってですね。3km避難という決定がどういう形でなされてか、と言うことについては、私自身は承知していません。ただですね。原子力安全委員会では、実はですね。”EPZ” の見直しで ”PAZ” と言ってますけど、Precautionary Action Zone(予防的措置範囲)という、

とにかく非常事態になったら、何が何でもぱっと逃げて下さいという議論を始めようとしていた所でしたので、3kmと聞いたらば、何となくそれが頭に浮かんで、それで結構ですから是非、といったような気がします。ただ、あまり記憶がはっきりしていません。

IAEA 文書において示された予防的措置範囲(PAZ)について
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/bousin/bousin003/siryo4.pdf

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
くどいようですが、その3kmでOKと理解されたというのをもう少し気持ちの根拠、その時頭に浮かんだことは、例えばどういう物があって、いろんな3kmという根拠はあるんですけど、委員長はその辺はどの辺りとの所を浮かべたんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、ですから、その時点では炉心は溶けていないと思っておりますね。しかしながら、ベントをして下さいと言っている訳です。ベントというのは放射性物質を意図的に外部に出す操作ですから、これは当然、その、ええ、近くにいる方には避難して頂かなくてはいけない。

で、そういう国際的にどうなっているかというのをたまたまそういう議論をやっていたので、よく知っていたので、それに乗っ取った方針ではあるな、という事で結構な方向ではないかと思ったんではないかと思います。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
あの、毎年のように総合避難訓練等をやられておりますが、その時はどんな形で避難区域は
、これはシミュレーションですけど、設定されていたんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええ、あのう、本来、あのう、ええ、やっている訓練の時にはですね。まさにERSSという原子炉の状態がどうなっているかというデータが次々に送られてきて、それを更にSPEEDIという放射性物質の拡散予測モデルに入れて、それでそういうのを見ながら判断するという、そういうシナリオになっています。

で、しかしながら、SPEEDIの計算を一つとっても1時間かかる訳で、今回のような事象にはとても間に合うような計画にはなっていなかった。やっぱり、そういう予測に頼った、予測清算に頼った避難計画自体が間違いであって、発電所の方で大変なことになっていると言う宣言があったら、直ちに直ぐそばの方には、避難して頂くというルールにしておくべき物であるというふうに考えてございます。

で、この辺は現在、原子力安全委員会の方で防災指針の見直しをやってまして、その辺の議論を既に詰めている所でございます。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
委員長のお考えはよく分りましたが、今、委員長の口から SPEEDI という言葉が出ましたが、委員長以外の方がSPEEDI はどうなっているんだ、と、そういうご発言というのは、委員長以外でどなたかありましたでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)00:35:00 ~
当時の官邸に私がいる間に、SPEEDIという言葉を聞いた記憶は全くございません。(断言)

# すご~い。官邸にいた間は記憶が殆どないのにSPEEDI と言う言葉を聞いた記憶がないことは断言するんだ。すご~い。春樹ちゃん、すご~い。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
今、委員長はERSSの事を言われましたけど、我々の理解ではSPEEDI というのは本来、予測のための物であって、その予測をすることで住民の避難の範囲とか、避難される方向というものを、一つの要素かも知れませんが、その時の参考資料にするというために作られているシステムと私は理解していますが、そういう理解でよろしいんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、立て前上、そういう事になっていた。不可能だと私は思います。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
どの辺のところが不可能だというふうに?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっと、今回もですね。まだなかなかご理解頂けてないんですが、SPEEDI が生きていたらもうちょっとうまく避難出来たというのは全くの誤解でございます。というのはですね。ええっと、発災時の3月11日から14日ぐらいまで、殆ど膿に向かって(風が)吹いておりまして、むしろ、安心して良いような風向きだったんです。

それがですね。15日になりまして、あっ、その前にも一回あったかなぁ。北の方に向かったことが一回ありましたね。それから15日になって一旦、南に行って、ぐるっと西の方を回って北に行って、また戻ってきて北西方向に行って、というような風向きなんです。

で、これが、たまたま、北西方向に向かった時に、そちら方向で雨が降ってしまった。んで、従って現在言い他の方まで、ええ、まあ、あのう、ええ、かなり、ええ、土壌が汚染されてしまった訳でして、SPEEDI をもう一回使って当時のことを再現して頂くとですね。これを使ってどうやって逃げろという結果になるか、というのは明らかですので、是非、その辺は追実験してですね。SPEEDIの実力はこんなもんだという事をご理解頂きたいと思います。

# SPEEDI はそういうシステムだから情報出した所で意味はなかったんだ、と力説、責任逃れに懸命な原子力安全委員会 班目委員長。仮にそうだとしても、一体どんだけ開発費に莫大な税金つぎ込んだとおもってんだよ。そんな無駄な物のためにどれだけの税金つぎ込んで、研究機関や企業に税金が流れ込んだんだよ。むしろそれが目的。返せよ。それ。責任をしっかり取らせないと。

原子力安全委員会で、まさに逆算!してですね。現状に合うように一生懸命、その、入力情報を調整してみたら、たまたま、現象が説明出来る図を先に示してしまったもんですから、アレがあれば逃げる方向を間違えなかったと皆さんが思っているとしたら、これははっきり間違いですので、是非しっかりとした説明をさせて頂きたいと思っています。

# 住民を被曝させてしまった責任が我々にない事をしっかり説明させてくれと。この姿勢は統合会見でも加藤審議官から間接的に感じた。

黒川清委員長 
う~ん…

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
委員長の今回についてのご説明というのは、今伺っていた所でありますが、結果的にそういう事であるかも知れませんが、そもそも、立て前はと委員長仰られましたが、先程、私が申し上げたようにSPEEDIというのは、本来、使ってみるための物ではなかったのでしょうか?

結果的にそれで住民避難になったか、ならなかったかという観点ではなくて、何はともあれ、そういうツールがあるんだから、あらゆるツールを使って少しでも何かを考えて行くという考えは如何でしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
これはもう、仰るとおりです!あのう、SPEEDI というのは、確かにその時点では天気予報に過ぎない物ではありますけど、発電所からどういう風が吹いているか、と言うことをきちっとその時点、その時点では示している物だから、それは当然公開されてしかるべき物だったと思っております。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
あの、今、その時点と仰いましたけど、細かい話しで申し訳ないんですけど、予測機能というのが、委員長、十分ご承知の通り、現段階だけではなくて、今、風が回っておられたという事ですが、精度や情報の問題はあろうかと思いますが、使い方によっては雨の時期、方向というのもSPEEDIで何時間か先まで予測することは可能な訳ですね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はい。勿論出来ます。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
そうしますと、委員長は今回のケース、簡単に言うと情報が十分でない時には SPEEDI は十分に機能しないだろうと、纏めるとそういうご見解?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
そういうふうに考えております!

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
ありがとうございます。データがない場合に単位量で入れるということになっておりますね。マニュアル上は。その辺についてお考えは?評価というのは?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
事実、単位量でずっと原子力安全技術センターで計算していた訳ですので、これは当然、逐一公表されるべき物であっただろうと思っております。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
その図、分かり易く言うと図になるんですけど、それについては委員長の元には届いておられましたでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
少なくとも官邸にいた時は、全くそれ(SPEEDI拡散予測図)を見た覚えはありません。

# 官邸にいた時のことは良く覚えていないのにね。保身に関わることはしっかり覚えているんだね。すごいぞ。フランク春樹ちゃん。

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
最後に委員長が仰っておられましたけど、これからSPEEDIをどうするかについて、ご検討されているという事ですが、宜しければその辺をどんなご検討を今されているか、という事をもう少し説明して頂けるとありがたいんですが。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっとですね。先ず避難区域の設定においてはですね。SPEEDI はあくまで参考情報であってですね。もうちょっとプラント状況を踏まえた決定と、更にはモニタリングと言いますか、実測ですね。放射線量の実測に基づいた決定を主とすべきだと思っております。ただですね。SPEEDI が全然使えないかというとそんなことではなくてですね。

予め、発電所のある場所ではですね。どういうふうな風が普通 吹くか、とかですね。そういう事を予め計算しておけば、どういう事を気にしなければいけないか、はっきり分る訳ですね。ですから、そういうのを予めどんどんやって、で、それを防災計画にうまく組み込んで頂きたい。こういう意味ではSPEEDI は大変使いやすいツールではないかと思っとります。

# なにそれ、、リアルタイムツールじゃないのか、、SPEEDI は。莫大なコストを掛けるに見合っていない。これは検証が必要だ。ERSSも本当に怪しい。開発に見合った適正な価格で発注したのか?? 黒川委員長も気になったようだ。(後述)

櫻井正史 委員(元名古屋高等検察庁検事長)
ありがとうございました。

黒川清委員長 00:41:40 ~
ちょっと宜しいでしょうか。原子力安全委員会の方ではSPEEDIについては、今回の事を含めて、正確性など色んな意味があるんでしょうけど、信頼性が低いから使わないというような、今、方向だと仰いましたよね。

畑村委員会からの中間報告ではむしろそうではなくて、予測情報が提供されればと言う条件はあるんだけど、今、仰ったような色んなシミュレーションがあると思いますが、より適切な避難経路を選ぶ指針がある程度、デシジョン(判定)が早いというのが凄く大事ですので、

ある程度のラフなガイドかも知れませんけど、なかなか電源が切れてるとか、実際に避難されている方々の話を聞いていると、殆どはテレビで知ったという話しが多いんですよね。そういう意味では別の対策もあるにしても、やはり、SPEEDIの使い方にもっと工夫がいるなと言う話も出てきますので、それはまた、どうお考えですかね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっとまあ、この辺もですね。是非、あのう、しっかりとした検証をして頂きたいというのが、安全委員会の基本的な立場でございます。


■ 原子力安全委員会: 原子炉の安全基準について

黒川清委員長 
はい。ありがとうございました。それでは宜しいですか?それでは原子炉の安全基準について、ちょっとお伺いしたいんですが、これについては、大島委員お願いします。

大島賢三 委員(独立行政法人国際協力機構顧問)00:43:00 ~
委員の大島でございます。私の方からは原子力安全、あるいは原子炉の安全と言った問題につきましての国際的な側面、国際的な視野、こういった検知から質問をさせて頂きたいと思います。

原子力の平和利用に尽きましては、国際的に世界的に、一方で競争があり、他方で協力、特に安全性、セキュリティーの向上については国際的な協力、基準作りというものが IAEA を中心に進んでおる訳です。

同時に、先程、ちょっと委員長も触れられましたけども、アメリカのですね。B5bの事をおそらくさっきおっしゃたんだろうと思いますけど、いわゆる良き洗礼、Good Practice を取り入れて、そう言う側面もあろうかと思います。

いずれにしましてもそういった国際的に合意されていく、作られていく基準のようなものですね。特に安全なものにつきまして、こういったものに対する日本、特に安全委員会の取り組み、その必要性に対する認識というのをどのように持っておられるかということをお聞きしたいと思います。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あの、これからのことを?(大島委員:今までも)今までですか?先ず先程、暴騰に申し上げましたようにですね。我が国の場合は、国際的にどんどんどんどん安全基準を高めるという動きがある所を、なぜ、日本ではそれをしなくてもいいか、という言い訳作りばっかりをやっていて、まじめに対応していなかったんではないかという思いがございます。

で、B5b なんかにいたってはですね。安全委員会は全く知らなかった。今回、はじめて知って、ああっ、これをもっとちゃんと読み込んでおくべきだったあれがたまたま 9.11、核セキュリティーの方の話としてあったもんですから、安全委員会の所掌ではなく、原子力委員会の所掌で、全く安全委員会は 聾桟敷(つんぼさじき)に置かれたとうことです。

# 聾桟敷(つんぼさじき)に置かれた=蚊帳の外に置かれた(ちょっと違うけど)

これからのことなんですけど、これだけの世界に対して迷惑をかけた国としては、最高の安全基準を定めるのは当然の責務でして、むしろ、先ず世界的な安全基準に追いつかないといけないんですけども、それを追い越して、それ以上のものを定めていく。これはもう、国際的な責務だと思っております。

# ちょとみなさん。ききましたか?地震大国日本でありながら、先ず、世界の安全基準に追いつけですってよ。「直ちに原発止めて解体するしか無い」という思いが強くなるばかり。

大島賢三 委員(独立行政法人国際協力機構顧問)
ありがとうございます。少なくとも今まで、従来においては国際的な動きに対してやや内向きであったと。いろいろな説明も先ほどおっしゃいましたけども、事実としてそういう事があるんじゃないかと、まあ、こういうことであるわけですけども、特に安全基準につきましてはIAEAにおいて、基本、安全原則というきちっとした国際的なルールが出来ておるわけですね。

その作成の過程においては、たまたま日本人の次長の方がリードされてこういうものが出来たわけですけども、こういった安全基準を作る過程において、各国の原子力安全当局の専門家が参加していた中で、日本からはそう言う専門家の参加がなかったというようなこともあったように聞いております。

と同時に、もっと肝心なことは基本安全原則なるものが欧州連合諸国、EU諸国ですね。においては2009年でしたか、採択をされていると。そしてアメリカにおいても翌2010年には採択をされていると。発展途上地域や旧ソ連諸国は義務的に参加していると言ったような状況がある中で、主要な原子力国である我々、この日本だけがですね、入っていない。

言わば、蚊帳の外にあるというような指摘を専門家の方もなされておるわけですけれども、こういった事態を色々と考えますとですね。委員長がおっしゃっているような体質というようなものが、残念ながら、非常にあるんじゃないかと。

これは今おっしゃったように、これからの対応としてはですね。是非、変えていく必要があるんじゃないかと。おそらく多くの専門家はそういうふうに感じておられますが、個人としてもそのようにお感じるわけですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、そのための最大限の努力をしなければいけないと思っております。やはりですね。我が国の、例えば安全審査指針をひとつとってみても、変えるのにあまりにも時間がかかりすぎているというところがございます。

それで大きく幾つかありましたけど、先ず、例えば、そもそも シビアアクシデントを考えていなかったというのは大変な間違いだったと思ってまして、そこについては急遽変わってきていると思っております。それ以外もですね。実はいろんな事象の想定の時にですね。

ちょっと専門用語になって申し訳ないんですが、決定論的な考え方だけではなくて、確率論的な考え方など、色々なものをちゃんと組み合わせてですね。適切に考えなさいよ、というふうに国際的な安全基準はなっていますが、その辺についてもですね。まだ全く追いついていない。

ある意味ではですね。30年前の技術かなんかで安全審査が行われているという実情があります。このあたりはですね。早急に直していかなければならないと考えているところでございます。

大島賢三 委員(独立行政法人国際協力機構顧問)00:49:15 ~
あのう、最後ですけど、今おっしゃったような認識をですね。今、政府の中で日本の安全規制改革が進めれておるわけですけども、安全委員長として今おっしゃったような認識を新しい組織に反映していく上で、どういう助言、指導をされておられるのか、あるいはされようとされておられるのかをですね。その辺の付いてのお考えをちょっと聞きしたいんですが。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
先ず第一にですね。新しい組織についてはですね。原子力安全委員会自体がですね。まさに懸賞の訴状に載っているわけですので、積極的な発言をするべきではないと、先ず考えてございます。で、敢えて、狂はむしろ自有に発言をしていいという場を与えて頂いたと考えておりますので、個人的な意見を述べさせて頂きますとですね。

この問題というのは、最後は人だなぁということをつくづくと思い知らされたということです。つまりですね。あのう、ええ、例えば今日午前中も衆議院の予算委員会に呼ばれてましたけど、その場で産業委員会がいいのか、規制庁という組織がいいのかという議論もありましたけども、それ以上にですね。やっぱり人なんですね。

で、あのう、安全性を高めるためには最大限の努力、どんなに事業者が抵抗しようと最大限の努力をするんだという思いが如何に強いか、それだけで決まってしまいます。そうでないと、また、なにか一生懸命いいか分けだけ考えて、あの、ええ、現状のままでも、まあ、何とかなるからという所に、またとどまりかねない。

# 経産省がどんだけ電力会社と癒着しているのか。官僚、大物政治家の親族の多くが東電に務めている現状。迂回献金絵政治活動が行われている現状で、そんな人の力を期待できるわけがない。

これは組織の形態がどうあるかというよりは、そこを引っ張る人の意欲と知識で決まるんではないかと私自身思っているところでございます。

大島賢三 委員(独立行政法人国際協力機構顧問)
ありがとうございました。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
いままでその組織を引っ張ってこられたのは委員長ご自身なわけなんですよね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はい。さようでございます。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
という事は、先程からですね。官僚の動き方が悪いとか、事業者が悪いと仰っておられるんですけども、その人として最もおかしい動き方をされていたのは委員長ご自身ではないんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あ、それはある程度の所は認めざるを得ませんが、私も実は、原子力安全委員会に来たのは2年弱前、平成22年4月21日だったかな。それから発災まで11ヶ月弱で発災に至っているわけですが、それに至るまでの間にですね。

色々と中で議論をして、例えば、シビアアクシデントの規制要件化は、これは絶対にやろうと。安全指針類についても色々見なおそうと言うことをやろうとしていたちょっと今いってもいいわけになってしまうので、あまり言いたくないんですが、やろうとはしていたという事だけは敢えて言わさせて頂きたいと思います。

# やろうとしていた矢先に事故が起きてしまったんです!!言い訳に聞こえるかもしれないが言わせてもらう!! やろうとしていた矢先に事故が起きたのだと。10人の国民が聞いたら10人は言い訳にしか聞こえないだろう。ただ短い期間で担当がコロコロ変わる行政のあり方そのものにも問題提起。これはそうだと思う。自分の任期では無理があったのだと。でも自分は野郎としていたんだと言う事を主張したいわけ。フランク班目ちゃんは。

黒川清委員長 
先生のところのスタッフについて、先生はどのぐらい満足して何が必要だと思われますか?何人ぐらいいるんですかね?委員だけではなくてスタッフとか。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
原子力安全委員会という組織はですね。100人とは言ってますけど、実際には70名ぐらいが、いわゆる常勤のスタッフです。それ以外に30人ぐらいが非常勤の技術参与を抱えてございます。で、技術参与という方は、例えば昔の原研のOBだったり、そう言う専門家の方ですが残念ながら非常勤です。

それ以外に指針を作るために、例えば 石橋先生なんかにもご協力して頂いたりなんかしてますけど、外部の専科というのをですね。合計300人ぐらい抱えている。ただし、この方たちはあくまでも、本来大学の先生だったり、病院の先生だったりという、そういう方々が、そういう時だけお手伝い頂く。

# 石橋委員 なんかにも、、なんかにも、、フランクすぎるだろ、、春樹ちゃん… orz

で、こういう非常時にも緊急助言組織を立ち上げるわけですけど、そういうところに集まってくださる方も、本職を別に持っている方が集まってくださる。そういう体制になっているということです。

黒川清委員長 
いや、だから普段から常勤の人たちの質はどうだと思っていますかと言うことです。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あっ、質ですね。あのう、ええっと、あの、少なくとも私が着任して、色々とそういう人達と話し合った結果、あの、ええ、随分、意識改革はして頂いて、あの、ええ、ええっと、私の手足となって働いてくださるように成りかけたかな、という所で事故が起こったのが実情でございます。

黒川清委員長 
それでないといくら変えてもその人達が映るだけでは意味が無いですからね。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
え、まあ、あのう、そこを何とか制度をうまく作り込んで頂きたいと思っています。



原子力安全委員会:安全審査指針、ストレステストの位置付け

黒川清委員長 
ありがとうございます。石橋先生。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授) 00:54:20 ~
委員の石橋です。あの、今の話と関連することですけど。ちょっと次元が下がるかもしれませんが、冒頭、委員長が指針類を今、見なおしている最中ですと仰った。そのことに関して具体的に伺いたいと思います。原子力安全委員会ではですね。現在、「安全設計審査指針」と「耐震設計審査指針」。

これの見直しをなさっているんだと思いますけど、現在の進捗状況と今後の見通しをこの2つの指針について、改訂に向けてのですね。簡単に、簡潔にご説明頂きたい。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はい。原子力安全委員会自体がですね。3月末になくなりますので、3月末までに中間とりまとめをおこなって頂こうと思っています。それで、「安全設計審査指針」の方に関しましては、あのう、残念ながら全面的な改訂にいきませんので、全交流電源喪失対策と、


最終ヒートシンク対策あたりについて、これはむしろ、あのう、深層防護で言うと、第3層よりも第4層まで踏み込んだような話になるんですが、今での、ええ、までの含んだ形の取りまとめをおこなって、後は新組織に引き継ごうと思っております。

それから「耐震設計審査指針」の方ですけど、こちらについては 確かに津波に関する記述が非常に少なかったので、津波に関する記述を付け加えた上で、更にそれに対する手引きなども作って、これもですね。ええ、あの、安全委員会自身がなくなってしまいますので、指針として策定するということではなくて、あくまでも中間とりまとめという形で寄生行政庁に送ろうと考えています。

これは指針の改訂ということになってしまうと、実はパブリックコメントを受け付けなくてはならなかったりですね。日程的に間に合わないということから、中間とりまとめで受け継げば、これは新組織の方でしかるべき引継ぎをして頂けるものだというふうに考えているということでございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
ということはですね。まだしばらくの間、この2つの指針に関しても現行の不備を抱えたままのものがまだ使われるということですよね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、現実問題として、昨年、発災後、原子力安全委員会の方で緊急安全対策を打てということを指示を出してございます。このための例えば、省令の改正等もおこなっていらっしゃる筈です。従って、実態としてはそちらに基づいた形で行われているというふうに認識してございます。

ただ、耐震の話については、例えばですね。安全委員会なんかも今回の地殻変動が相当起こってまして、応力分布もだいぶ変わっていますので、そういうのも含めて色々と再調査をしてくださいというお願いを保安院に出している所で、そういうものの答えを待っているという状態でございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
ただ、あの3月31日の保安院の緊急安全対策の指示、こういうのは応急的なもので、要するにプラントの基礎体力をきっちり安全を担保する、そう言う観点では まだ移行途中だということですよね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、勿論そういう意味では、その通りでございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
次にですね。安全審査指針類の根底にある「原子炉立地審査指針」のことをちょっと伺いたいのですけど、これは原則として大きな事故の誘引となるような事象が、過去は勿論、将来もない、そう言う場所に原則立地しなければならないことになっていますし、

それから重大事故の発生を仮定しても、あるいは仮想事故の発生を仮想しても、ちょっと表現が違いますけど、両方共、要するに周辺の著しい放射線障害、あるいは放射線災害を与えないことを目標にしていますよね。で、この指針に関して、福島原発事故を目の当たりになさって、どういうふうに今、評価なさっていますか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
正直申し上げてですね。全面的な見直しが必要だと思っております。私が聞いている限りはですね。これまで原子力基本法が、そもそも改訂になると聞いています。で、これまでの考え方というのは、どちらかと言うと人への被害、ということだったのですが、今度、基本法が改正されて、人と環境ですね。に、ええ、の被害を、あの、ええ、、防ぐということになるというふうに伺っております。

で、今までのですね。例えば立地指針に書いてある事だとか、そういう事と言いながらもですね。実は、非常に甘々の評価をしてですね。あまりでないような強引な計算をやっているところがございます。ですから、今度の原子力基本法が改正になれば、その考え方に則って全面的な見直しがなされてしかるべきものというものが、これは私の個人的な考え方でございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)01:00:00 ~
先生個人としてはできるだけ早急に、そう言う根本的な海底をすべきだとお考えのわけですね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はい。その通りでございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
ですけれども、現在はですね。宙ぶらりんな状態の訳で、この3.11以降ですね。この指針類全体の不備が誰の目にも明らかになって以降、稼動している、一時的に止まっているけど再稼働しようとしている、そう言う既設の原発はですね。

安全性に関しては適正な安全神話指針で保証された安全性がないままにですね、動いている格好になっている訳で、国民の中にはですね。「適正な車検を受けていない大型ダンプカーが市街地をつっ走っている様なもんじゃないのか、怖くてしょうがない。」そういう声もある訳ですけど、この辺りは如何お考えですか?この現状に関して。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
まさに仰るとおりで、現在の所出来ているのは、例えば、原子力安全・保安院の方から出された緊急安全対策に対しての手当がなされているとか、或いは指針類の見直しも大変残念ながら、全交流電源喪失とか、津波に対する配慮が足りなかった所、そういう所を直す暫定措置に留まっているのは事実です。

従って石橋先生がおっしゃるように、これは全面的な見直しを早急に進めて、残念ながら、原子力安全委員会は、後、一月ちょっとでなくなってしまうので、新規正庁の方でしっかりとした物に乗っ取って、今度、バックフィットが法律化されると伺っていますので、審査をもう一度し直されてしかるべきだと思っております。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
はい、わかりました。ですが一方で斑目委員長はですね。7月6日に原子力安全・保安院に、経産大臣に宛てた文書ですけど、実質的には原子力安全・保安院に既設の原発の安全性に関する総合的評価という物の実施を求められた。

まあ、これが現在行われているストレステストの出発点になっている訳ですけども。で、このストレステストと、今おっしゃった安全審査指針類が、今のところ不備があってと言う事とは、どういう関係にあるんでしょう。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、それぞれ、えっと、両方とも必要だと思っておりまして、要するに、あのう、ええ、国が最低限の基準というのは当然決めないといけない。これに瑕疵(かし)があったことも確かだから、これもきちんと直さなきゃいけない。

それと同時に、ええ、まあ、あのう、ええ、色々な緊急安全対策を打った結果としての、その、ええ、実力がどうなっているかと言うのを事業者自らがしっかりと調べるという、これも当然やらなきゃいけないので、まさに車の両輪だろうというふうに考えている訳です。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
いや、ただ、あのう、先程もちょっと仰いましたし、今も仰いましたけど「国は安全基準について最低のレベルを決めて、プラントの安全性を本当に保証するのは事業者が努力すべきだ。」という事をおっしゃいましたけど、

一方で「世界の規制の水準は非常に高くなっている。それに対して日本は非常に遅れている。それをもう十分に高めて追いついて追い越さなきゃいけない。」とも仰ってるんですけど、ちょっと、その両方は矛盾するような気がするんですけど。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、これはですね。両方を進めなきゃいけないんです。つまりですね。あのう、ええっと、日本と違ってアメリカなんかの状況を言いますとですね。事業者が自主的にどんどんどんどん安全性を高める努力をすると、ええっと、その結果、あの、全体的に国が、ええ、縛る範囲というのを高めても良くなる。そうすると更に努力をする。

要するに Good Practice があれば、Good Practice を褒め称えると同時に、なぜ、他のプラントでそれはできないのということを問いかける形で、どんどんどんどん全体を高めていく。ですから国の基準も高めていく。それに先行して事業者自身が自らのプラントの安全性を高めていく。

これを常にやり続けなきゃいけない。継続的改善というのはそういう形で進むべきもので、あのう、ええ、いきなりですね。とんでもない基準をぼんと示せばいいという訳ではない。というふうに我々は考えてございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
それは我々と今、おっしゃいましたけど、斑目委員長個人のお考えではなくて、今の原子力安全委員会としての方向性、考え方なんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、原子力安全委員会は5人の合議制ですので、5人の合意を取ったという事ではございませんけれども、原子力安全委員会の中では、結局は、この継続的改善への道を開くことが一番大切なことだなぁという事では、大体意見が一致していると思っております。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
はい。ですが、アメリカのNRCはですね。去年の7月に福島原発事故を踏まえた21世紀のリアクター セーフティーに関してレコメンデーションというのを非常に高めるためのレコメンデーションを出していますよね。

ですから、そういうのに比べると日本の国の基準、指針は非常に低くて、それは一方で高めていって両方で競争していくべきだという事ですね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
その通りでございます。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
ちょっとストレステストに戻りますと、ストレステストを始めたヨーロッパではですね。これはクリフエッジとか施設の弱点を見つけて、それを改善していくための手法としてが主眼になっていると思うんですけど、それはそれで日本でもやったらいいことだと思いますけど、一応現状では国の安全指針類が非常にレベルが低い段階でですね。

このストレステストに合格したら、それは再稼働したらいいという事になるんですか?その辺の関係はどうなんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ですから、ストレステストというのは安全審査基準に則って行われる物ではなくて、(石橋委員:そうですよね。黒川委員長:ううん。)あのう、もっと上を目指してやる物なので、それを見させて頂きたい。あのう。安全審査指針に則ってるから文句ありませんねというふうに事業者が行ってきたら文句ありますと答えようと思っております。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
ただ、ちょっと細かいことになりますけどね、このストレステストはかなり、その応急的なというか、基礎体力を高めるという話しではなくて、例えば具体的に大飯原発 3号、4号で言えば、基準値振動 700ガルの何倍まで大丈夫だという話しで、

これのテストの方法も、今、結論で報道なんかされているのは700ガルの1.8倍、1260ガルまでは大丈夫ですという事になってますけども、地震動が大きくなれば、当然、地震が大きい、ソースが大きい訳で従って振動の継続時間とかですね。

スペクトル、とか周波数成分が変わってくる訳で、指針類に基づいて安全審査、バックチェックをする時にはその辺もきちっと見て、要するにプラントの基礎体力という物が高まっていく訳ですよね。ですけど、現在、日本で行われているストレステストは、単に倍率をかけるだけで、基礎体力を高める物ではないと思うんですけど、その辺は如何お考えですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、原子力安全委員会が、あのう、ええ、経済産業大臣宛に出した文書ではですね。あのう、ええっと、あのう、まさに、あのう、ええ、自らのプラントの弱点を脆弱性をちゃんと把握して、で、頑健性を高めるような、そういう評価をやって下さいという事になっています。

それに対してですね。「一次評価」「二次評価」という形でやりますと言ってきたのは、これは(経産省)原子力安全・保安院の方で、(黒川委員長:ふんふん)取り敢えずそれでやりますという事なので、(黒川委員長:ほぉ)あのう、ええ、それでやること自体は了承してございます。

ただ、最終的な目標は、まさに全体としての頑健性を高めることなので、どうも原子力安全委員会が存続する間に二次評価の結果を持って来て下さるような気は、だんだんしなくなってしまってるんですが、最終的には石橋先生がおっしゃるような形での事をやって頂きたいと原子力安全委員会としては願っている所でございます。

# 利益相反学者が司会進行を勤めるストレステストの意見聴取会でも、井野委員、後藤委員がストレステストの本体である二次評価を抜きにろくな評価もしないと批判。反対の委員が指摘する技術てきな問題に対してさえ明確な回答は一切示さないまま、利益相反の御用学者だけの意見を尊重し、委員の反発を押し切ってストレステスト妥当評価を示した経産省・保安院。そして再稼働の条件の一つが揃ったとしか報じないメディア。この意見聴取会が荒れて警察が乗り出す騒ぎになった事についても一部の熱心な反原発運動家が起こした騒ぎのように事実を歪める報道を繰り返すテレビ、新聞。利益相反学者によるあり得ない一方的な結論ありきの茶番に激怒して紛糾した原因については一切報じようとしない。また、ストレステストに二次評価があることも一切、報道しようとせず、再稼働の条件であるストレステストの妥当性が確認されただけを報じている。殆どの国民が一次評価だけがストレステストだと思っている筈だ。恐らく多くの国民はEUで行われているストレステストとは全く異なる安全性を確認出来ない簡易テストである事実すら知らない。IAEAも一次評価だけでは判断出来ないと勧告を出しているのに、それさえも報道しなかった。国家とメディアが一緒になって情報隠蔽。もう、無茶苦茶だ。この国会事故調が持つ意味について、本質は一切、伝えようとせず、NHKに関してはまるで斑目委員長の謝罪会見のように報じている。呆れた保安院の実態については一言も触れず、斑目委員長は謝罪しました、と物の数秒伝えただけ。つまり、経産省・保安院が寄生庁になればどうせご破算になるので、一次評価と二次評価に分けて取り合えず一次評価だけで再稼働する口実を4月の寄生庁発足までに再稼働ありきの作業を進めている事は、そこまでやるかと言うほどのあからさまぶりで、それさえ報じない記者クラブメディアは一体どうなっているのかという話し。国会事故調が憲政初の重要な委員会であるにも関わらず、そこで得られる結論は誰の目にも明らかで、目も当てられないものであるから、国民から遠ざけたい意図、事実を歪めるような報道しかしようとしない。原発という金づるがなくなっては困る、新聞、テレビ、大手メディアの大本営発表の状況は未だに続いている。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
最後に伺いますけど、一昨日ですか。保安院から大飯3号、4号に関しては原子力安全委員会に報告が出たそうですけど、報道によると斑目委員長は、この原子力安全委員会が存続している間に結論、検討結果を安全委員会としても出したいとおっしゃったみたいですけど、それは今でもそういうお考えですか?

# 言ってる事が支離滅裂。無理だから引き継がせたいと言ったり、安全委員会の会見では大飯原発以外の結果も出してしまいたいような、まるで原発再稼働側、保安院の立場とも受け取れるような発言をしたり。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、やっぱり出来たら出したいと思ってますけど、これは原子力安全・保安院の回答次第ではそうでない場合もあり得るというふうに回答していると思います。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)01:09:55 ~
すみません。何度も質問で恐縮なんですけど。今、ストレステストは安全指針類との関係について、これは次元の違う物だという事は良く理解出来たんですけども、その元もと安全審査指針類の中に、仮想事故という概念がございますよね。

これは起こらない事故という事で、起こった場合にどのぐらいの放射線量が出るのか等々考えながらその周辺の避難住民の健康被害との関係で検討をしていくという考え方だと思うんですが、今回ですね。


実際、福島の事故では仮想事故で想定していた放射線量の何倍の放射線量が出たんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ああっ~、ええっとですねぇ~、100倍近く出てるんではないかと思うんですけど、もっと出ているかもしませんねぇ~。1000倍出ているかも知れませんねぇ、ちょっとすいません。計算ちょっと出来ないんでごめんなさい。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
私が間違ってなければ1,000倍ぐらいの、(春樹:じゃぁ1,000倍だと思います。はいっ。)(黒川委員長:一万倍ぐらい。あ、ごめんなさい。一万倍でした。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
(;´д`) じゃぁ、もう、とにかくすごいです。ぜんぜん考えたことも御座いませんした!

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
ww 桁が違ったので1万倍ですけども。ね。(春樹:はいっ)起こりえない事故として計算していた放射線量の1万倍も出てしまっているわけなんですが、元々の基準はとんでもなく計算間違いと言うことではないんでしょうか。そのことについての責任というのはないんでしょうか?

# 知らないことがバレてしまった春樹ちゃん。あ~あ。(ノ∀`)アチャー 数を知っていながら質問する野村委員。しかもフェイク。あ、一万倍でしたww このやりとりおもしろすぎる

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
とんでもない計算間違い地というか、むしろ、逆に、ええ、敷地周辺には、、(黒川委員長:うん)被害が及ばさないということの結果になるように考えられたのが仮想事故だと思わざるを得ない。申し訳ございません。定めた時、私、安全委員であったわけではないので、想像ですけど、このあたりは、もう、根本的に、反省して再出発するしか無いと思ってます。

# 再出発って3月で終わりだろ。安全を偽装していたとしか思えないと認める班目委員長。つまり、騙していたわけね。安全だと偽りを言って国民を。しかも、自分は作られた時いなかったんだから私自身に罪はないよねと。放置していたのは何処の誰だよ。官僚には全て責任をとって頂く必要がある。誰も責任を問われないから、いつまでも官僚、政治家の好き勝手、やりたい放題が続くんだよね。今の保安院を見てごらん。反省するどころか、原発再稼働に向けて手段を選ばずやっきだよ。どうで新組織、寄生官庁へ以降した時点で全てがご破算になるんだから、今のうちにやっとけと言わんばかりに。

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
あの、今おっしゃったことというのは、結局、1万倍出るという計算から始めてしまうと、日本のこの国土の中では全てばなくなっちゃう、そう言う計算になっちゃうんですよね。おそらく。距離から行けば。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はいそうです…(小声)

野村修也 委員(中央大学法科大学院教授)
ということは、逆に言うと、このぐらいまで人が住んでもいいというふうに逆算すれば、これしか出ないという計算をしたんじゃないか、というご推察だという理解で宜しいですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
そのとおりです…(小声)

黒川清委員長 01:12:00 ~
それは多分、そういう事なんでしょうね。立地の指針ということがですね。過程が何処かでずれてきてしまった。元は多分、アメリカと同じルールでやったんだと思いますけど。いくつかの過程の設定がしっかり見なおさなきゃいけないんじゃないかなと思いますけど。それはやるんですかね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あっ、だいたい立地指針なるものが必要になるかどうか、ちょっと良くわからない。というのは、立地指針というのは、ひっっじょうに!変な構造をしてまして、(黒川委員長:そうですよね。)基本的なことを考えた後、今度はいろんな詳細設計が済まないと最終的な解が出てこないという、になっていますので。もうちょっと抜本的な構造が必要なんだろうなと思っています。

黒川清委員長 
それは専門家としてなんかありますか?石橋先生や田中先生。いいですか?立地指針の話は。一番最初の。一言?どうぞ。専門家だから。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
田中と申します。えっとあの、ちょっとベントの事についてお伺いしたいともいますが、

黒川清委員長 
いや、今立地指針のこと聞いたんだけど。1万倍の話。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
あっ、すいません。ごめんなさい。(黒川委員長:だめ?)今ちょっと別のことを…

黒川清委員長 
質問どうそ。

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
確かに根本的に考えなおさなきゃいけないという、原子力安全委員長がお考えという事は大変心強い訳ですけど、要するにどういう所なら建てていい、どういう所なら建ててはいけないんだということが、もっとはっきり分かるように、明快なことをですね。ズバッと決めればいいと思うんですよね。

# 石橋先生の話しをよく聞いて心に刻んでおきましょう。原発立地指針というものがデタラメである事は原子力安全委員会もここで認めてた。そのデタラメな指針の元、原発が建設されている現状。アメリカでは事故があった場合に直接危険の及ぶ地域に居住区があれば建ててはいけないことになっているけど、狭い国土の日本ではそれができないのに作ってしまった。10000万倍もの過小評価をして。しかも、地震大国でありながら、そうでもないEUのストレステストとは全く異なる、一次評価と二次評価に分ける事を強く安全委員会に要求した経産省・保安院。簡易評価の一次評価のみで原発の安全性が確認されたと同じ規模の地震が来ても福島と同じようなことは絶対おこらないと利益相反御用学者を集めて意見聴取会を開いて強引に結論を出した保安院。原発再稼働の条件がまた一つ揃った。後は政治判断だと報じる糞メディア。当然、この国会事故調のこのやりとりがニュースになることはない。

しかも、あれは1964年、昭和39年ですよね。ですから、あれが未だに生き延びていて、それの改訂を誰も責任ある側が言い出さなかったということが、それがある意味では、そういう事が積もり積もって福島の事故が起こってしまった訳ですよね。ですから、今後も組織が変わっても ご要職にあたられる可能性が高いと思いますから、是非、お願いします。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
多分、その可能性はゼロだと思ってます。Wwww(満面の笑み)



原子力安全委員会:ベント、水素爆発の認識について

黒川清委員長 
田中さん、1つだけ?あっそう?はい。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)01:14:20 ~
すいません。田中です。ベントのことで確認をちょっとだけさせて頂きたい。ベントというのはやっぱり放射性物質を出すか出さないかという非常に重要な問題だと思いますが。格納容器をですね。聞き間違いでなければ、先ほどのご説明の中で、

あのう、先ず、ベントのことを思いついた、というのが3月11日の夜の事だったと想いますけど、減圧の注水のことを考えて格納容器の圧力を下げようと思ったと仰ったように聞こえましたが、それで宜しいですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
そういうふうに考えていたと思います。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
と言うことはその時は水素発生は考えてなかったということですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
その時点では、あのう、ええっとですね。あのう、水蒸気がどんどんどんどん、要するにSR弁から吹いて格納容器の圧力が上がっているんだと思い込んでました。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
ただそれは、水蒸気はSR経由だとどうして上がるんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、どんどんどんどん、あのう、ええっと、ええぇ、吹いて、(田中委員:露出してしまいますよね。)ええ。ですが、だんだん格納容器のサプレッションプールの水温が上がっていって、それで蒸気発生が起こっているのではないかと推察していました。明らかに間違いでしたけど。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
そうすると東京電力が、その後、夜中に考えて主導し始める、準備をし始めるベントというのとは、ちょっと意味が違ったベントを考えていらした?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
その通りです。(田中委員:ああ、そうですか)はい。時間が違いますので。ですから格納容器の実際の圧力が上がりだしたのは、多分夜中を過ぎていたと思いますけど、そのあたりから私自身は相当に、なんか、いろいろ、頭の中でいろんなことを考えて不安になっていたと思います。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
そうすると水素はまだ、その時は発生していなかったんだけど、というご理解をされておられて、その後、だんだん水素のことが頭の中に巡ってきた、そんな感じでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
う~ん。もう、ちょっと、その時、とにかくいろんなことを考えていたんで、なんとも言えませんけども、当然水素が、これは炉心が溶ければ水素が発生するのは、これはもう自明ですから、あのう、ええっと、水素のことに頭が行かなかった訳では絶対ありません。ただ、それがどの時点だったかというと、ちょっとはっきり言えないというのが実情です。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
もう一つだけすいません。あの、水力学的動荷重の研究を多分なされていると思います。今回は地震動と水力学的動荷重が重なるとか、そういうようなイメージは一瞬でもお持ちになった事はございますか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
今回に関しては特にはなかったですね。そういう事よりも、あのう、ええ、全電源喪失という話しをぱっと聞いて、そちらの方の対策として、どういう事が打てるのか、と言うことにばっかり頭が言っていた、と言う状況です。

田中三彦 委員 (科学ジャーナリスト)
ありがとうございました。


原子力安全委員会:安全審査指針 - 立地審査指針について

黒川清委員長 01:17:19 ~
はい。今、ちょっと一つ戻って、さっき言った、今、石橋先生がおっしゃった立地審査指針の所がね。仮想の事故にしろ、重大事故にしろ、今回は全く想定外じゃないけど、全くレベルが違う訳ですよね。だから そういう所まで戻さないと、今度のさっきおっしゃった新しい法律を作ろうとしているというのは、そこまで考えているんでしょうね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、要するに、今までに日本ではシビアアクシデントは、これは事業者が自主的に対策を打って置けば良くて、規制の対象外だったんです。

# シビアアクシデント(過酷事故対策)は事業者が自主的に行うもの。何かが起きても一義的な責任は事業者にある。事故が起これば国策責任だと税金で救済。都合の良い法体系を作り上げた自民党は村を維持するため政権を奪還する事しか頭にない。民主党が求めていたのは自民党がむさぼってきた利権である事は公約違反を見て明らか。なんの反省もなく経産省・保安院がルール(ストレステスト)を作って身内で採点。経産省・保安員の評価を再稼働の条件が揃った都市か報じないメディア。IAEAですら疑問視する保安院の一次評価での再稼働。同じく難色示した安全委員会を原子力ムラ総出で批判する。民主国家としてあるまじき行為が堂々と行われている事にすら気付かないおめでたい日本人。

黒川清委員長 
あ、そうなんですか。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
しかし現実にシビアアクシデントが起こった訳です。(黒川委員長:うん)従ってこれからはシビアアクシデントもちゃんと規制の中に入れますという事に今度の法律改正案はなっていると理解しております。

黒川清委員長 
事業者の責任?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
いやっ、違います。今度は規制もちゃんと関与します。

黒川清委員長 
では今までは事業者の責任だったんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええ!ですから非常に変なことが起こっていまして。多分、田中先生は詳しいと思いますが、あの、ええ、例えばベントのための配管というのは、これは設工認の対象すらなっていないんです。

黒川清委員長 
それは最近ですよね。もっと後の話でしたね。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっと、今も多分なってないんです。(黒川委員長:あそう。)根本的に見直さなきゃいけない所です。



原子力安全委員会:被ばく、健康被害について、ヨウ素剤指示経緯

黒川清委員長
わかりました。ありがとうございました。その次にそれでは健康被害問題に付いて崎山委員と横山委員、お願いします。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )01:18:50 ~
委員の崎山です。宜しくお願いします。安全委員会では住民の健康被害の防止について、どの程度の優先順位で考えられていたんでしょうか?







班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ど、どの程度のと、ま、まあ、住民の健康被害を起こさない事、それはもう第一優先順位だと考えております。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
第一、、それでそのためにはどういう施策というか、指示をなさったんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっと、あのう、例えば住民避難の話しはですね。(黒川委員長:うんうん)これは、あのう、私がしたかどうか、ちょっとホントに分らない形で行われています。で、しかし、あの、3km、10km、20kmという形で行われている。

これが第一点ですね。後はですね。原子力安全委員会というのは、こういう、その、事故が起こった後は基本的に助言機関と言う事になります。それで、原子力災害対策本部の方から色々な技術的な質問事項がやってきます。

それに対して、どんどんどんどん回答しているという事をやっています。で、その中にはですね。例えばヨウ素剤なんかの服用の質問についても、多分あったと思う。

それから、例えばスクリーニングと言って色々放射性物質を汚れている人をどう対応したらいいかという事の質問もあったでしょうし、そういうような沢山の質問に次から次へと答えていた。これが原子力安全委員会の対応でございます。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
ヨウ素剤の配布という事について、助言なさった訳ですね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はい。していると思います。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
それは末端までちゃんと届いたんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、未だ持って原子力安全・保安院に問い合わせていますけど回答がございません。えっと、原子力安全委員会としてはですね。やっぱり、そういう、緊急時助言組織の鈴木元先生が、ヨウ素剤を服用させなさいよという助言を与えているらしいんですが、それがどこかで消えてしまっているという、、

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
それはどうしてなんでしょう?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
原子力安全委員会の方では分りません。申し訳ございません。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
そういうシステムですね。避難所で渡すと。そういうシステム事態の問題という事にはならないんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
まさにおっしゃるとおりで、こういう時にヨウ素剤を一度集まってもらって渡すというのは机上の空論に過ぎなかったと思っております。

そういう意味ではですね。少なくても発電所の方の状況が差し迫った時にすぐ逃げていただくような範囲の方には、各戸配布を予めしておくとかですね。そういうような事も含めて、現在、防災指針の見直しをやっているところでございます。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
見直しをやってるって…。一番初めに安全委員会はヨウ素検討会でも、そう言う案は出ていたはずなんですけどすぐ消えてしまった。私はヨウ素剤検討委員会で傍聴していたことがあるんですけども。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっと、いつの、いつのですか、(;´д`) きっきいてな、、

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
一番初めのヨウ素剤検討委員会です。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ヨウ素剤検討委員会というのは、安全委員会の?防災委員会の?

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
安全委員会が、

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
医療分科会でしょうか?

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
ええ。そうです。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
いえ、聞いていないと思います。各戸配布。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
その時は消えて、今、 各戸配布してませんよね?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はいっ!今はしてません。はい。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
それからですね。4月11日に安全委員会は100mSv は健康への影響はないというふうにしていました。で、衆議院の科学イノベーションの委員会で、安全委員会の委員が100mSvで被曝すると、障害、0.55%のガン死率が上乗せになるということをおっしゃいました。

で、4月の時点の見解とそれを5月に変えて、それで10月の修正ということをホームページでですね。修正してある訳ですけど、こういう基準のアドバイスというのは、どなたがなさっているんでしょうか?


班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
えっと、あのう、基本的には原子力安全委員会では、久住静代(専門:放射線影響学)先生が、その分野の専門家ということになってございますが、当然、その後ろには多くの専門委員の方が付いて、そういうような文章を作成してございます。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
では、現状、原子力安全委員会の中の専門委員がそういう事を考えてらっしゃると?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええ、原子力安全委員会、ええ、専門委員というのが、他に職業を持ってらっしゃる方ですが、そういう方に一緒になって考えてもらっているというのが実情でございます。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
4月の時点の ”発がん” はないというような見解というのは過小評価だったということですよね。そうすると。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
4月の地点?がんの発生がない…

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
健康への影響はないということはホームページにあった訳ですけど。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あっ、すいません。わたし、ちゃんと把握してないんですけど、もしそういうのがあったとしたら、当然それは間違いだと思います。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
今度、労働者の被爆のことに関してですけど、東電の幹部から労働者の放射線作業従事者ですね。それの線量限度を100mSvから250mSvにあげると相談されて、250mSvにあげられましたね。その根拠はどういう?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっっと、あのう、根拠は、これは、あのう、ええっと、ICRPの勧告によります、あのう、ええ、こういう非常事態の場合にはですね。500MSvから1000mSv というのが基準になってございます。更には 志願者については上限なしというルールを適用している国もございます。

で、あのう、私がやったことといいますか、原子力安全委員会というのは、結局、助言組織ですからあのう、そういうふうな東電からの申し出に対して、ええ、それに対しては ICRP などではこういうふうになってますということを説明して、実際の省令改正等々は、これは規制行政庁(経産省・保安院)の方で行われたもんだと理解してます。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
線量を上げる以外にですね。方法を検討されたのでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっと、その場では、ど言う状況になっていたかというとですね。あのう、実は、ええ、非常事態の場合は100mSvまでだと法律違反にならないように、東京電力としては50mSvで運用せざるを得ないと。そうするとですね。一切作業ができなくなってしまいます。

ということで、あのう、ええ、是非、国際水準に合わせて頂けないでしょうかという申し出があったので、国際基準はこうなっているという解説をしたのだと記憶しています。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
と言うことは、放射線作業従事者の数が少ないと。技術者の数が少ないということなんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
いえ、違います。1回の作業でですね。下手をすると50mSv以上を浴びてしまうような作業は無視さえ出来なくなるということなので、そ、ま、万万が一にですね、万万が一に時でも法律違反になるようなことはできないとなると、本当に手足を縛られてしまってどうしようもなくなるので、国の方で法令を少し考えてくれないかという申し出があったんだと理解しております。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
それで250mSvに上げてからですね。労働者の放射線管理というのが、少し杜撰になったという声も聞こえるんですけど。きちっと250mSvというのが守られるようにどういうような指導をされているんでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
結局、あのう、具体的な指導というのは、これは規制行政庁(経産省 保安院)の方にお尋ねいただきたいんですけれども、あのう、ええ、作業者の放射線管理というのは大切なので、いろんな形で原子力安全委員会の方から、原子力災害対策本部の方に、あのう、ええ、助言はしている筈だと思います。(黒川委員長:ううん、なるほどね)

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
次に食事のことについてなんですけど。3月17日に厚生労働相が決めた食品と飲料水に対する基準ですけど、その基準値についてどういう評価をされていらっしゃいますか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
どういう評価?まあ、原子力安全委員会としてはですね。いつまでも暫定基準が使われている、暫定基準値等のは、これは原子力安全委員会が定めたところの防災指針に書かれている値なんですが、それがですね。

第47回 原子力安全委員会 ~2011年6月27日で暫定基準見直し、厚労省側で決めるべきと議論していました。 http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2011/genan_so47.pdf これは良く覚えてる。

何時までも使われるということは好ましくないと思っておりましたので、ええ、ちゃんと厚生労働省の方でしかるべき値を決めて下さいとずっと申し上げていた所、値が出てきた物ですから、それはそれで結構だと思っている所でございます。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
それで下げるという事に関しては、この間 答申が出た、それはずっと方針としては守っているという事なんですか?100Bq/kg と。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
原子力安全委員会としてどう考えるかですか?(崎山委員:ええ)原子力安全委員会としてはちゃんと、その、ええ、厚生労働省の法で定めたのだったら、それに従ってきちんとやって頂きたい。それに尽きるという事です。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
この暫定基準なんですけど。現在与えられている500Bq/kgの基準ですね。それは放射線障害防止法でクリアランスレベルというのがあると思うんですけど。原発を解体した時に 100Bq/kg という事ですと、暫定基準値というのはクリアランスレベルよりも高いと言う事ですよね。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ええっとですね。ちょと、その、、私自身が良く理解出来てませんけれども、あのう、要するにクリアランスレベルというのは、もう管理を外しても結構ですよという値でございます。で、あのう、色々な工業製品、農業製品、色んな物がありますけど、そういうのに対して管理を外しても良いという基準でございます。

# 放射能廃棄物の再利用も環境省はクリアランスレベルを高めに定めて市場に流通させようとしている。福島の経済復興のため、強いては東電賠償負担を国民の健康負担で補うため。原発事故過小評価、東電擁護に他ならない。瓦礫だけではなく日常のありとあらゆる物から被ばくをする事に。従来のクリアランスレベルで定められている値よりも口に入れる食品のほうが高いじゃないかという指摘。チェルノブイリ事故以降、国が輸入品に対して定めている値よりも福島事故以降、国民に対して提供されている500Bq/kg より低い。様々な分野でいくつもの基準値が存在し、それが矛盾を極めている。瓦礫処理のため瓦礫8,000Bq/kgまで埋立てOKとした政府決定にしてもあまりに従来の規制値と開きがある上、被ばく線量を過小評価してきた背景がありながら、その過小評価に対して安全だと主張しているから、信用しろと言う方がどうかしているというのが実情。もっと国民は関心を持つべきだが、県や地方自治体は国が大丈夫と言ってるから大丈夫だと瓦礫受け入れを住民に十分な説明をすることなく進めようとしている。

それから食品の方の安全性に関しては、これは、天然の放射性物質、カリウム40などが、私自身にもあって、私自身も放射線源になってございますので、それとの比較で議論しなきゃいけないというところなので、ちょっとその、比較が違うんではないか、と言う気がしますが。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
それは自然放射線よりもプラス分けですからね。カリウムなんかよりは。食べる分で入る物は。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
ですから、従って十分カリウム40による影響に比べ、十分無視出来るほど小さい値に定めて頂ければ結構だという事で、そういう風になっていると私は理解しています。

崎山 比早子 委員(元放射線医学総合研究所主任研究官 )
でも今の基準ですと、4月で変われば別ですけど、放射線廃棄物扱いにしなければならないような物を国民が食べさせられているという事になるんじゃないかと思うんですが。その点はいかがですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
いや、ちょっとすいません。ええっと、そこまでちゃんと計算してないので分りませんけど、そうはなっていないと思います。

黒川清委員長 01:31:35 ~
これは、それじゃあ、また後で、あ、横山さん、どうぞ。はい。

横山禎徳 委員(社会システム・デザイナー)
あの、こういう議論がありますとですね。何mSv 以下だ、以上だという。ただ、放射線というこういう議論をするとあたかもしきい値があるように思う方も御希るんじゃないかと思うんですが、この辺は委員長はどのようにお考えでしょうか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
原子力安全委員会としてはですね。しきい値はないという事で、ずっと発言しているつもりでございます。それで、あの、ええ、結局、その、不幸にして現在、「現存被ばく状況(1~20mSv)」という状況にある訳で、あのう、ええ、しかしながら、これを、あの、ええ、計画被ばく状況と言いますか、年間1mSv 以下になるように努力し続けなければいけないとなっておりますので、

# おい、ちょとまて。政府はICRPの「現存被ばく状況1~20mSv/y」ではなく、「緊急時被ばく状況20~100mSv/y」を適用している。住民側の事情を考慮して、現存被ばく、緊急時被ばくのその範囲で話しあって決める事、とされているにも関わらず、政府は一方的に20mSv/yを国民に押しつけ、最も安全側にたった値(20mSv/y)を適用しているから安全なのだと説明している。つまり詐欺。細野大臣は紛れもなく犯罪者。本来であれば、1~20mSv/y の間で住民と話し合いの上決めなければならないのに、都合良く ICRP勧告で示されている値をつまみ食いする政府。国民を欺いている、つまり政府は詐欺という犯罪を堂々と犯している。自らIAEAを招いて評価してもらったストレステスト評価で示された一次評価だけでは判断出来ないという勧告でさえ無視する政府。(以前もIAEAに規制官庁が推進する経産省にある事は問題だと指摘されながら放置してきた自民党政権)今回のIAEAの勧告事実を知りながら保安院はストレステスト妥当評価を出したので再稼働条件の一つが揃ったと一斉に報道するメディア。IAEAと同様に二次評価が不可欠だと示した事は一切伝えず、安全委員会がIAEAと同様に二次評価不可欠と判断した結果を、政府組織でありながら政府と足並みが揃っていないと、堂々と批判報道するNHK。この報道によって二次評価の名前が出てきたので、初めてストレステストには二次評価がある事を説明するNHK。民放ニュースステーションも同様に二次評価について説明するという自分たちに都合の良い部分だけを報道してきた現実。多くの国民が自分の頭で判断出来る情報を与えられていない。事故直後から何も変わっていない。経済を理由に安全評価を無視する現状。正しく安全評価が行われていないのは明白な事実。

しきい値がもっと高い所にあるかも知れない等議論は一切なしに、やっぱり最終的には年間1ミリシーベルトを目指して最大限の努力をすべきである。これが基本的な考え方であります。

# 政府は現存被ばく状況ではなく、緊急時被ばく状況の20~100mSv/yの最も低い値を適用しているので、便宜上、それ以上は目指す必要はないという防衛ラインを引いている。その上で、更に低減を除線によって目指すんだというのが細野原発相が描くシナリオ。そこに住んでも問題ないけど、国が除線もするから戻ってこいよと。実際には雇用創出は住民を大手ゼネコンに使わせて被ばく除線を住民自らにさせる腹。警戒区域地域がありながら帰村宣言した川内村を高く評価する細野大臣。自分の親も同じぐらいの年だ。もっとこのことを考えないといけないと子供はどうでも良いのかと思える発言する細野大臣。

横山禎徳 委員(社会システム・デザイナー)
ということは、先程、決定論から確率論へとおっしゃったという事はですね。ここから以下は良いんだ、と言う事ではなくて、どの場合にも、それとはちょっと違うお話しなんですか?

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
全く違う話です。すいません。健康影響の方とは全く別に、あのう、ええ、どういう事故を考えないかいけないか、と言う時にですね。あの、なんか、あの、ええ、直径が60cmもあるような配管がバカッと切れる事まで考えてるんだから、もう良いでしょ、とは言わないでですね。

もうちょっと現実的にどういうことが起こりうるのかというのを全部洗い出して、そういうのの確率もちゃんと計算して、そうした上でこういう事故に備えるようにしましょうと。そういう風な方針に変えるべきであるという事を申し上げていたつもりでございます。

黒川清委員長 01:33:35 ~
今の多分、一つはですね。放射性の廃棄物ですね。放射性廃棄物を処分する時に、セシウムで言うと100Bq/kg 以上であれば、これは放射性廃棄物だと定義する事になっているんですね。ところが食品について今回の厚労省が出したのは、同じ放射性セシウムで言うと、飲料水、牛乳、乳製品は200Bq/kg 以上はやめなさいと。

それから野菜類、その他では500Bq/kg(暫定基準値)放射性廃棄物よりはるかに高い、食べても良いのかね、と解釈される、とまあ、後で調べて頂いてご返事頂ければいいかなと。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
はい、ちょっと勉強します。

黒川清委員長 
そうだと思いますので、その辺、またちょっと書いて頂ければ宜しいかと思います。早急に訂正しなくてはいけないかもしれないなと、ちょっとこちらも思ったので、そういう質問が出たんだと思います。最後に石橋先生から一つ。



原子力安全委員会:安全審査指針 - 立地審査指針について

石橋克彦 委員(神戸大学名誉教授)
このお話しの最初にですね。原子力は勿論、住民の健康被害の防止を第一に考えていますという趣旨の事をおっしゃったと思うんですが、いや、それが本当かなといったら失礼ですけど、というのはですね。また、立地審査指針に戻りますけど、

立地審査指針の基本的目標という所にですね。万一の事故時にも講習の安全を確保し、とかいてありますが、その次に、且つ、原子力開発の健全な発展をはかる事を方針として、と書いてあって、やっぱり、これはこう、はかりにかかってですね。健康第一ではこれまで必ずしもなかったんではないかという、これは多くの国民が思っていると思うんですよね。

これは斑目委員長個人に申し上げている訳ではありません。やっぱり、この辺も福島の事故を踏まえて痛切に反省して頂かなければいけないと思うんですけど。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、原子力基本法はですね。まさにそういう書き方をしてございまして、ここも含めてしっかりと国会でも議論がされる物と期待している所でございます。

黒川清委員長 
本当に今日はありがとうございました。委員としても先生のフランクな意見を交換出来て非常に良かったなと思います。今回の事故というのは、本当に皆さんも予想しなかっただろうと思いますが、委員長として、原子力安全委員会としては、そのある目標をそれによって何か達成されたとは言い難いのかも知れないけど、その次に色々変わってきましたよね。

社会も変わってきたし、今度、法律も変わってくると言う話しですが、これをどういうふうに先生としては、委員長としては引き継いでいくのか、今の先生のスタッフもそうですけど、どうやってそれぞれの適材適所というのは凄く大事だと先生おっしゃったけど、そうだと思うんですよね。私も。

そういう意味では、どういうふうにお考えかなあ、というのをザクッと言って頂けると良いと思うんですが。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)
あのう、ええっとですね。これだけの事故を経験して、世の中が変わっている、と言う事をとにかく踏まえると、その今までと同じようにですね。「外国では気にしているけど日本では起きませんよ」と言う、そんな言い訳が通用しなくなっている。これは明々白々です。

で、そういう中で、あのう、ええ、きちっと機能するような組織であり、制度であり、それを支える人であって欲しいし、そういうふうになる事をまさに国民全体できちっと監視して行かなきゃいけないというふうに思っております。

私自身は、(黒川委員長:そうですね。)立場は全然変わってしまいますけど、それを色んな形で見守っていきたいと思っております。

黒川清委員長 
それから今日の先生の話を聞いていると、私もこの委員会も非常に今議論している意を強くするというか、同じ認識をしてるんですけど、日本は今まで原子力も技術立国であるという評判があって、日本でこんなことが起こってというのは非常に信じられない、という話は随分聞きます。

で、しかも、お互いにこれから、こういう事故からどう学ぼうかという事で委員会の問題、独立性の問題、人材の質の問題という事が非常に問われている訳で、そう意味では確かに技術はそうだけど、マネジメントその他のシステムの問題が、かなり あからさまになってきた訳ですね。

# 新しい原子力規正庁には、これまでやりたい放題やってきた経産省保安院の面々が何の責任を取る事もなく、反省する事もなく、そのまま新しい組織へ移行する。名前とトップを変えただけの寄生庁に。電力会社に多くの親族が勤め癒着している保安院。人材の質も何もあった物じゃない。

そうすると日本の原子力の推進の基本にあるのは何なのか、という事は、向こうも日本語で書いてあってかなり調査してますから、そういう事から言うと、先程も一時でましたけど、立地審査基準というのは昭和39年ですか、作られた事の問題も先生のご意見を伺いましたが、

そういう事から言うと、かなりその、今から考えてみると日本がそういうのを作ったのは明らかにアメリカのルールを最初に採用しながら、先生がおっしゃったように色んな事故から学んでどんどん潰していくプロセスがあったんだけど、


実はそれが結構緩かったんじゃないかという話しは、日本だけではなくて世界が注目して実は知っちゃっている事ですよね。(班目委員長:はい。)それに対応出来ない限り、日本の国の信用がなかなか大変だろうなと思うんですが、そういう事から言うと、あの設置基準そのものから言うと、以外に元の所からは あわない所が結構あるんじゃないかと。

# 日本だけではなく、世界が知ってしまっているという黒川委員長の話し。日本の殆どの国民はこの事実を知らないから。報道によって殆どの、しかも当事者である日本人は、一部の熱心な反原発の運動家による騒動程度としか国民は見ていない。政府の事故収束宣言で既に事故は過去の事。これからは復興だと。経済が混乱するより国民の健康の一部が害される方が良いんだという政治判断。大本営報道や被ばく作業員、戦争と例えられるけど、政府も同じく戦争犯罪を犯している。それすら気がつかない。わからない。ネットというツールがありながら、単に道楽ツールとしてしか見ていない日本人の愚かさが世界に路程。恥ずかしい日本人。

もう立てられちゃってるんじゃないかという話しも、あるルールの下では出来てるかも知れないけど、実際にはかなりモディファイされた物を入れただけで、そこからちっとも進んでないという事は結構分るんじゃないかと思うんですが、そういう事から言うと、発電所がいくつもあるかも知れないなと言う事などは、先生のご専門から言うとどう思われますかね。

班目春樹 (原子力安全委員会 委員長)01:39:40 ~
えっと、あのう、まさにこれから、あのう、ええ、しっかりと、あのう、ストレステストというのも行われるんでしょうし、指針類の根本改正も行われると思いますけど、それに合わない物は、当然廃止していく、そういう中で本当に(管)総理がおっしゃったように、世界最高の安全水準というのを目指すんだという所の、ええ、決心をもう一度し直す必要があると思っています。

黒川清委員長 
ありがとうございます。その世界一の安全と言う事もそうなんだけど、事故が起きた時は国民なり、住民の安全と避難という事をやっぱり考えないといけないという話しも、もう一つ出てくると思いますが。そんなことで、本当に今日は、班目委員長のフランクな意見を伺わせて頂きまして、どうもありがとうございました。

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