平成24年1月27日 (1時間30分)
http://www.acsir.org
・肥田舜太郎(被曝医師)・澤田昭二(素粒子物理学、被爆者)
・松井英介(医師、放射線医学、呼吸器病学)・矢ヶ崎克馬(物性物理学)
・生井兵治(遺伝・育種学)・岩田渉(市民放射能測定所・理事)
マイクのそばでクシャミ、咳をする方がいて音がかぶって聞き取れない所が所々あります。
IWJ 4ch http://www.ustream.tv/recorded/20030116
●松井英介(医師、放射線医学、呼吸器病学) 00:02:10 ~
松井英介ともうします。私は放射線医学講座という所で議席をおいて主に呼吸器の病気、肺がんの患者さんとの付き合いが多いのですが、肺がんの早期発見や治療までずっとやってきた臨床の医者です。放射線医学講座に籍を置いていたと言う事で放射線については他の臨床医によりは少し詳しい、と言う事で特に内部被爆の問題に付いて、この間10年ほどですが、いろいろと色んな方と交流を深めて参りました。
それで今度の東電の事故ですが、事故現場から非常に広い範囲に広がった放射性物質、様々な放射性物質がありますけども、その小さな粒ですね。ここにも多分あると思うんですが、その小さな粒が体に入ってくる。そして中から放射線を出す。
これを内部被爆と言いますが、典型的な内部被爆による健康障害の場に生きて行かなくてはいけないという、そういう時代に私たちはたまたま遭遇してしまった訳だが、そういうことで私の資料、手元にありますが、参考資料、こういうやつですが、括弧の付いた低線量とありまして、放射線被曝による、が抜けていますが、健康障害、これをちょっとご覧頂きたい。
このビルがセルビルダーということで何か、因縁めいたものを感じるんですが、命の問題をどう考えるのか。命の健康の問題ですね。これをどう考えるかと言うときに、命というものは元々は一戸の細胞から始まったと。35億年前とも言われていますが、海の中で一個の細胞が生まれた訳ですね。
それは非常に安定した環境、温度の面でも、あるいは水の中の様々な電解質と言っていますが、カリウムやナトリウムなど塩分のバランスも非常に安定した環境の中に最初の細胞が生まれたと。それが多細胞の生き物になり、更にいろいろな臓器、心臓、神経系とか色んな臓器を自分の体につくりながら移動の手段を身につけていくと。
その生物があるとき陸上に上がってくる。そして上がってきた我々の祖先は体の中に海を創ったと言われています。それは今の私たちの体自身もそうですが、体を構成しているのは主に水です。7割以上が水だと言われていますが、だから、水がメガネを掛けたり眼帯をしたり、なにかして最もらしいことを喋っていると言っていいぐらい、水がなければ我々の命はないと言う事ですが。
その水の中の成分がですね。水の成分が海の水の成分によく似ている訳です。そういう意味でそれを内部環境と言いますけど、この内部環境、安定した内部環境の元で体温も36度何分、あるいは心臓のリズムもこの世に生を受けてから土に帰るまでずっとある一定のリズムを刻んでいる。
と言う風にして内部環境を私たちは保つ、いろいろな大事な、言ってみれば神秘的なシステムを作り上げてきた訳ですね。その内部環境をうまく保つためにあるのが、一つは内分泌系です。ホルモン。それから神経系。自律神経系ですね。そしてもう一つが免疫系統。この3つがうまく協力しながら私たちの体を安定した状態に保つ。内部環境を良い状態に保っている。
それを肉体的な健康状態と言っていいと思うんですが。例えば外からウイルスが入ってきますと一気に体温を上げて40数度にあげてウイルスをやっつける。この辺の仕組みも精緻なものだと思う。ところが様々な有害なものが我々の体の中に呼吸、私は呼吸器の病気が専門ですので、呼吸のことを少し申しますと、空気とっしょに肺を介して体の中に色んなものが入り込んでくる訳ですね。
それで空気と一緒に外界から色んな有害なものが入ってくる。それを肺の所で一応食い止めている訳ですが、肺胞という所で我々がやっているというのは、酸素を取り込んで炭酸ガスを出す。いわゆる呼吸をやっている訳だが、その肺の働きにもう人値ありまして、外から空気と一緒に入ってきた有害なものをそこでフィルターに掛ける。
全身に廻らないようにフィルターに掛ける。あるいは気管支の所にそういう粘液があって繊毛に粘液が出てそれに絡めて外へ外へと送り出している。
そういう防御機構を持っている訳ですが、その肺に、肺というのが一番重要な臓器なんですが、成人の場合、大人の場合はちょうど肺胞というガス交換をやる小さな袋を全部広げてやるとテニスコート一面ぐらいの広さになる。そういう点で外部の環境と非常に密に結びついている臓器なんですね。
そういう風に外部環境と内部環境というものを常に我々は考えていかなければいけないんですけれども、外から入ってきた有害なもの、様々な化学物質もありますし、あるいは微生物もありますが、今問題になっているのは放射性物質。
こいつが入ってきて中から放射線を出す。それは小さな小さな粒ですね。場合によってはそれこそ1mmの更に1000分の一の更に1000分の一というミクロのもう一つ下の単位ですね。ナノメーターのサイズ。そこから絶えずα線やβ線が出てくる訳ですが、それによって細胞の中の中心になっている核があるが、そこにDNA、染色体、遺伝子とも言いますが、DNA がある。そこに傷を付ける。
とくにDNAというのは最初の参考資料に図がありますが、2重の螺旋になっている。このらせんの1本が切れただけですと片一方に情報が残っていて修復が出来る。で、放射線はこのα線、β線というのは特にですね、この二本の鎖を同時に切ってしまう。
非常に高密度に傷を付けるというために、二本とも切られると修復が非常に難しくなる。間違った修復をする。異状再結合と言っているが、それが細胞の中に起こる訳ですね。その他にも核の周囲、細胞質というのがありますが、その細胞質に放射線が当たったときにも様々な化学反応が起こる。
例えば水の分子がイオンに分けられる、イオン化と言いますが、イオンに分けられる。そうして分けられたイオンそのものの毒性が強いんですけれども、今度別けられた酸素と水酸基の二つのイオン、分子に戻る,
H2Oという伊豆に戻るのではなくて、H2O2に戻る。となるとこいつがまた凄い毒性を持っている。
それが細胞の中に形成されると言う事で、そのいわゆる化学反応の結果生まれた有害なものが細胞核の中の DNAに傷を付けると。ある人がそれが7割だといっている。と言うようなメカニズムで細胞という場で、様々な有害事象が起こってくる。ところが、なぜここまでこの事を強調したかというと、ICRP 国際放射線防護委員会というのがございますが1950年に発足しました。
この ICRP、その前は NCRP というアメリカ国内のナショナルな委員会があったが、その ICRP が最初の内部被爆の委員会を設置した、外部被爆医院かと共に内部被爆委員会も設置したのに、2年もしないうちにこれを閉じてしまった。その訳がどういう訳か、この委員会の委員長だったカール・モーガンが書いています。
それは一言で言うと、原子力産業から独立していなかった。ここに来ているメディアの方々は、いわゆるインデペンデントの方々と聞いているが、インデペンデントでなかったために原子力産業に委曲するようなICRPだったからだと書いている。
もうちょっと具体的に言うと原子炉を運転する訳だが、原子炉で働く労働者の健康維持、これを考えたときに内部被爆を考慮する事は出来ない。維持は出来ないと言う事がだんだん分ってきてですね、それと原子炉が運転出来ないと言う事は困る訳ですね。原子炉産業にとっては。
なので内部被爆に関する検討がそれ以上やらないようにしようと。そういうことでもって閉じてしまったと言うことです。細胞という人間の命、単位、基本になっている所で事が起こっていることについても、これを軽視、ないし無視をする。細胞レベルで起こっていることを無視する。
特に資料の1ページ真ん中の所にあるが、これはですね。今、先ほど言った角度、細胞核の中にある DNA に傷が付かなくても隣に、直ぐ近くに、あるいは隣の細胞に放射線がヒットしても生物化学的な反応が起こって DNA に傷が付く。それを「バイスタンダー効果」(bystander=傍観者)という風に言っています。
http://legacy.kek.jp/newskek/2004/marapr/microbeam.html
これは最近の分子生物学で研究結果で分ってきた訳ですが、その修復の仮定で生まれた色んな異常な再結合が次々に受け継がれて、その結果、ガンとか、先天障害とか免疫異常、様々な病気を生み出してくる。その元が受け継がれていく、これを遺伝子の不安定性、あるいは「ミニサテライト突然変異」という風に言っている。あと5分で止めなさいと言うお達しが出ましたが。
そこの所で一番にいたい所は ICRP が細胞レベルで起こっている、つまり細胞レベルで内部から放射線が被曝、放射線による被曝を受ける、そこで起こってくる事象、事象というのは一つ一つ、きちっと考慮していない、その防護基準が今、医療現場で広く使われている。
特に日本では。そこの所をよく見ていく必要があるだろうと思います。今のこの図は、実は放医研、放射線医学総合研究所が出した教科書から持って来たものなのでどなたでもこれは見られるものです。
それで次のページを見て頂くと、時間が殆どなくなってきたんですが、大きい問題は原爆と原発の問題で、これは後の澤田さんのお話に出てくると思いますが、非常に今の原発問題で大きいのは、通常運転でも様々な形の有害な放射性物質が環境に出て、それによって昆虫だとか、その他、植物だとか、底にも障害が出てくるんですが、近くに住んでる、原発から5km圏内、あるいは50km圏内に住んでいる人たちの健康障害の問題もあると言う事が既に分ってきております。
子供の白血病の発生率が高いとか、いろいろ分ってきている。もう一つ、今、非常に重要な問題、みなさんが非常に関心の高い食品の問題。2枚目の真ん中を見て頂くと、ウクライナとベラルーシの食品の基準値をここに示していますが、一番右側に秘本の暫定基準値。新たな下げたやつを出してきているようですが、これをご覧頂くと、例えば飲料水の場合、卯くらいの場合、飲料水の基準値が 2Bq/L に対して日本は 200Bq/L 。牛乳でも違いがあるのはご覧頂ける。
しかもストロンチウムについて基準値をちゃんと定めている。ウクライナもベラルーシもそうです。日本の場合はストロンチウムの基準値は全くない。これは牛乳なんかにあるカルシウムに非常に似た動きをするので、牛乳の中に入って毎日岡田:赤ちゃんがそれを飲んでいる訳ですね。
そういう点でストロンチウムというのは無視出来ない。にも関わらず、日本政府と日本の原子力ムラはストロンチウムを殆ど無視する。あるいは一般のメディアですね。大手メディアはあまりこれを報道しないというのが今の現状。
と言うことで2ページ目一番下をご覧頂くと、日本政府は100mSv/y 以下であれば健康障害はないと言う事を繰り返し繰り返しこの10ヶ月あまりこの福島でも説いてきた訳ですが、そうではない。低線量でも健康リスクがあると言う事をヨーロッパ放射線リスク委員会というのが提唱している。
1988年に発足して1997年に一つ大きなエポックを迎えるんですが、この低線量。低線量というのは食品に入ってくると言うのともう一つは瓦礫とか汚泥とか、全国の自治体に処理させようと言う事で、全国的に汚染されたものを広げようというのが今の日本政府の考え方ですが、ヨーロッパではそれは良くない。
低線量でも体の中に入ってきた時は、非常に障害性が高いので良くないと言う事をECRRが言いまして、欧州議会で、EU議会でそれを止めた訳ですね。だからヨーロッパでは低線量、あるいは低レベルの放射性物質が一般の産業廃棄物に混ぜ込まれると言うことは無い訳です。
ところが日本では国会を通ってしまった訳です。"裾きり" とか "クリアランス制度" とか言ってますけども、通っているがために「低線量は問題ない」という事を盛んに言わざるを得ないという事もある。日本政府は 100mSv/y に線を引いてそれ以下なら大丈夫という言い方をしている訳です。
ですから、この ECRR と日本政府の間に挟まっている灰色の部分、やや黒い部分が日本政府が無視をしている低線量の内部被爆による健康リスクであると言う事で。それで終りたいと思いますが。ご静聴ありがとうございました。
●澤田昭二(素粒子物理学、被爆者) 00:20:20 ~
おはようございます。私は専門が素粒子物理学という事で、ミクロの物質の一番、根源的な所をずっと研究してきたんですね。実は中学2年生の時に広島の爆心地から 1.2km という所で被ばくをして、私は助かったんですが、同じ部屋にいた母親と弟は火事の中、助け出す事は出来なかったという、そういう被爆体験を持っているんですが、実は広島大学の学生の時にビキニ事件というのが起こりまして、1950年ですが、それに大きなショックを受けたんですね。
自分がこれから専門にしようとする物理学が、とうとう人類を滅亡させるような、そういう水素爆弾を作ってしまったという事で、これは何とかしなければならないという事で、それ以来、学生原水教を作ったり、科学者になってからは核兵器をなくすという事で、(?)会議とか、科学者京都会議、日本では湯川秀樹先生とか朝永振一郎先生、坂田 昌一先生たちと一緒にお手伝いをしながら取り組んできました。
そして1995年に名古屋大学を定年退職したんですが、その後、広島、長崎の原爆の放射線。ぴかっと光った瞬間にやってくるのが、初期放射線といい、一応、便宜的に原爆から直接やってくるというだけではないんですけど、1分以内にやってきた放射線を初期放射線と名前を付けている訳ですけど、
その初期放射線を広島、長崎で初期放射線が色んな物質に当たっていますと、それを誘導して放射性物質に変えるとか、結晶なんかにエネルギーは高い所にレベルを上げるような、そういう事をやっておりまして、それを調べれば初期放射線がどれだけやってきたか分る訳ですね。
それを測定しているグループに加えて頂いて、そして私は(?)何ですけど 彼等の実験した人たちの測定結果を解析していました。そうすると、その頃、1986年、原爆放射線線量評価という体系があるんですけど、略して DS86 といわれていた訳ですが、それの遠距離が過小評価になっている、という事を実験屋の人たちが結果を解析すると系統的に明らかになった訳ですね。
ちょうどその頃、原爆症の認定を求める訴訟が始まっていました。長崎では松谷英子さん、京都では小西さんという方がやっていたのですが、その裁判の中で DS86 という原爆の初期汚染線量評価が遠距離で過小評価になっているかどうか、という事が論争になっていたんですね。
それで私の研究結果を裁判所に出したのが、私の「原爆症認定訴訟」との関わりなんですね。で、その訴訟は最高裁まで行きまして最高裁で勝利したんですね。だけど、勝利したんですけど松谷さんや小西さんは爆心地からかなり遠い訳です。
松谷さんは2450m。そうすると初期放射線は殆ど到達してないんですね。そうすると実験にあわせてそこを改善してやったと。そういう所で髪の毛が抜ける、脱毛現象が起きるという事が説明できない訳です。という事は、これはもっと違う事を考えないといけない。実は、松谷さんは長崎原爆の南、2450mなんですが、渡辺千恵子さんという有名な被爆者は 2,800mですね。それでも髪の毛は抜けている訳です。
長崎の原爆の放射線の雨が降ったのはばく進の東の方、(~誰かのくしゃみかぶって聞き取れず~)ずっと雲仙岳の方へ帯状に伸びている訳ですね。雨が降った所はそういう風に伸びているんですが、南の方は雨が降ってないんです。
とすると、これは放射性降下物、目に見えないものが影響しているのではないかと考えたんですね。それで原爆の放射線の影響を調べるためには物理的な測定ではなくて、被爆者に残った所から逆算して調べなくてはいけない事に気がついた訳ですね。
それ以来、そういう研究をやる事になったんですけど。ところが手元に配っている資料があるんですが、実は 1947年にトルーマン大統領の指示で被爆者の原爆の影響を調べるという事で、原爆障害調査委員会、英語で ABCC といっているんですけど、それが広島と長崎に設置されました。
そして1950年頃から本格敵に研究が始まった訳です。ABCC が調べたのは広島市に在住している被爆者、長崎市に在住している被爆者を調べるという事で、主に死亡したときに死亡診断書を手に入れてどういう病気でなくなったかという事で、被爆者の寿命調査集団というのを作りました。
10数万人規模ですね。調査をしたんですけど、その調査は初期放射線の影響を主に調べる目的で ABCC が設置されたという事はどこにも書いてないが、やってる事は明らかにそういう事になっている。ですけど1950年にそういう ABCC を発足させた後に調査する被爆者の色んな病気はどういうふうに起こったかという事は調べている訳です。
その中でみなさんのお手元にありますけど、1ページ目の上ですね。左側の上、赤い■の印がありますね。これが ABCCが、 LSS というのは life span stady という寿命調査集団ですね。それを調べて脱毛がどうなったか、広島と長崎をそれぞれ調べて、その結果を 1990何年かに発表したのがある訳ですね。
それを見ますと初期放射線は 2km しか到達しない訳です。つまり、2.5kmでも凄く微量です。ところがこの図を見て頂くと、初期放射線が到達しない 4km、5kmでも僅かですけど脱毛が発症している訳ですね。1975年に ABCCが閉鎖されて、そして日米共同運営の放射性影響研究所、今でも広島と長崎にあるんですけど、そこの公式見解はこの遠距離の脱毛発症の影響というのは精神的な影響化も分らないとはっきりと証明はしていない。
そして彼らはそういう事で放射線の影響ではないという事を未だに主張している訳ですね。日本政府もそういう主張をしていますし、アメリカ政府もそういう主張をしている訳です。精神的な影響という事になりますと広島長崎以外の日本は大空襲で焼け野原になっている訳です。
ところが長崎、広島以外にこういう風に脱毛が継続的に凄い人数で発症している事はありませんし、爆心地からの距離と共に系統的にずっと下がっているというような事も他の都市ではないんですよね。ですからこれは放射線の影響以外に考えられない訳です。
そしてこのデータから 1990年代になって放射線影響研究所の科学者が、水野さんという方だが、この赤い■を解析して、初期放射線影響だけを取り出すという研究をやっている訳です。ですが未だに ABCC を継承した放射線影響研究所の初期放射線影響を調べるという事をやっている訳ですね。
元々トルーマン大統領が指示したのは、結局、それから後、ソ連と核戦争になる事を考えた時に、見方の軍隊と相手が湾軍隊が、初期放射線でどれだけ影響を受けるかという事を彼等は知りたかった。それを広島や長崎をある意味でモルモットにして調べようとしたのが彼等の目的だった訳ですね。
それが 1990年代もまだ続いていて、赤い■のデータから放映権の人たちは右側の図、黒丸がありますね。被ばく線量が Gy と書いていますが Sy に直しても殆ど変わらないと思ってもらってもいいんですが、この黒丸のような結果を導き出した訳です。4Gy、4Sv というのが半致死量という訳ですね。
本当は動物実験でもこういう脱毛のような(?)症状は整域分布をしているという事で凄く被ばく線量が多くなっていったら100%になるというのが急性症状の特徴なんですよね。ところが高い線量になると横ばいになったり逆に下がったりという傾向が出ています。
これは調査するときにバックグラウンドが低すぎたという事でバックグラウンドを引き戻すと赤い資格になるんですが、でも100%になってませんよね。これは1950年に先ほどの LSS 集団を作ったというわけですが、これは日本の国勢調査の付帯調査として日本中の被爆者をリストアップしました。
そのリストをABCCに日本政府は渡したんですね。当時、被爆者はすごく苦しんでいましたけど、結局、日本政府はそれに対して何も処置をしなかったんですが。そういうことで1950年までに生き残る抵抗力の強かった人が生まれていることがこの図ではっきりするんですが、この黒丸から逆算しますと左側の図の菱型(◆)の黒い四角になるわけです。ですから初期放射線の影響はこれですよね。
そうすると■とのちがいが放射線硬化物の影響になるわけですね。で、同じように放影研で実験結果、赤い線が被ばく線量との関係だという事が分っていまして、それを用いて赤い■を解析しますと下の図が得られました。長い波線でずっと下がっているのが初期放射線の被曝影響。
それから実線白い○が沢山くっついているのが放射線降下物の影響なんですよね。1,200メートルのところで初期放射線の影響と降下物の影響が交わっています。それを過ぎますと初期放射線の影響は急激に下がります。という事で遠距離の方はずっと伸びていまして、先程いいましたように 6km 離れていても脱毛が発症しているという事は、約 0.6% 発症していますが、約800mSv、0.8Sv の被ばく線量がある事が分りました。
これまで放射線降下物の影響というのは、黒い雨が降ってそれが地面に染みこんで残っていて、そこに放射性物質が残っている訳ですね。それを測定した結果、それが放射線降下物の影響だというふうにいっている訳ですが、それは下の方に×印がありますね。
広島では爆心地から西の 2~4kmぐらいの所に、濃い高い地域があるんですが、0.006とか0.02 Gy とか凄く桁違いに少ない。これがこれまでの国の、今でも厚生労働省は放射線降下物の影響はこれだと言い続けています。ところが被ばく実態から逆算すると、そこの赤いカーブのようになる訳です。
何百倍も過小評価をしているんですね。その影響は主に何かというと、内部被爆によって起こる訳です。放射線降下物ですから体の中に放射線微粒子を取り込む訳です。先程、松井先生がお話になったように、肺胞の中から血管の中に入ってきてそれが全身を廻って被ばくをさせるという事をやって脱毛なんかを引き起こす訳ですよね。
という訳で内部被爆の影響というのは凄く深刻だという事をこれは示している訳ですけど、実は放射線影響研究所はそういう遠距離の所は調査対象医してこなかった訳です。その放影研の研究データが国際放射線防護委員会(ICRP)の基礎資料になってくる。
そこで内部被爆の影響を無視したそういう国際基準が作られてくるというのが 今の状況なんです。福島の原発事故というのはそういう放射線降下物の微粒子を体の中に取り込んで色んな病気をする内部被爆が主な訳です。ですから、本当は広島、長崎の被爆者の内部被爆の影響を明らかにする事によって、福島原発事故についても予想しなければいけない訳ですが、それが出来ていないのが現状なんです。
ですから、こういう専門の科学者の間で内部被爆問題に付いて色んな問題が違うというのは、原因がここにある訳ですね。長崎でも同じです。次のページに長崎で、これは1999年に長崎と長崎県が12kmまで調べたのがあります。
爆心地から 4km ぐらいの所までは長崎医大の人たちが被爆直後に調べた訳ですが、ずっと離れた 12km に近いデータは、これは長崎県と長崎市が調べたデータです。その結果は聞いて欲しい私たちの所も(聞き取れず)その中から引っ張り出した訳ですが、それを見て頂きますと、これは青い色が脱毛です。それから赤紫のやつが、紫色の反転が体中に出来る紫斑(しはん)というやつです。
それから緑色の三角が下痢です。この下痢を見て頂くと爆心地に近い所、1km未満の所はデータの誤差が大きいんですけど、下痢の発症率が低いんです。ところが1kmを超えると下痢の発症率が多くなってくる。という事を考えると、これは爆心地に近い所はぴかっと光ってやってくる初期放射線です。
初期放射線はγ線とか中性子線とか棟火力の強い放射線がやってくる訳です。それが下痢が起こるのが腸の粘膜、長の壁に放射線が当たる訳ですが、腸の粘膜に入ってこれるという事は、透過力が強くないと入ってこれないわけです。
透過力が強いというのは先程、松井先生の話しがありましたが、まだらな電離作用をしてダメージを与えていくのでエネルギーがなかなか走っている間に失わないから、エネルギーは失わないので透過力が強いわけです。だから腸の粘膜は薄いですから、まだらな電離作用だと腸の粘膜にダメージを与えないで通り抜けてしまう。
だから下痢を発生させるためには、ものすごい高線量のγ線や中性子線を宛てないと下痢が発症しないということで、近距離が主に初期放射線だった訳ですから、近距離の発症率が低いというのはそういう外部被爆の影響という事なんですね。
所が遠距離の方は放射線降下物による内部被爆。内部被爆の方は腸の粘膜に放射性物質が付着しますと透過力が凄く弱いβ線が凄くダメージを与える訳です。そうするとものすごく僅かでも下痢が始まるという事になるわけですね。
ということでこのカーブはそういう事を示しているわけです。それでそれぞれの影響についてちゃんと仮定して調べ見ますと右側の図のように初期放射線の影響が休息に距離と共に下がっていって 2kmでゼロになっています。3つの急性症状を全部調べてみるとほぼ共通して被ばく線量が分る訳です。
これを調べてやりますと爆心地から12kmぐらいの所までは1.2~1.3Sv。ですから 1,200mSv や 1,300mSv という影響ですね。広島より 1.5倍多い訳です。それは長崎の方が爆発力が1.4倍ある事が色んなそういう影響で合理的に説明出来ます。
ですからちゃんと広島、長崎の被爆者から被ばく線量を推計すればこういう事は分る訳です。しかも下痢は先程説明したように明らかに内部被爆でないと説明できないわけです。ですから脱毛や紫斑についても内部被爆の影響だという事が分る訳ですね。
そして下の方はですね。そういう内部被爆の影響を無視した研究が放影研で行われている訳ですけど、これは広島大学の放射線医科学の放射線医科学研究所が広島県民と広島県に在住している被爆者を調べた結果です。
で、私の「内部被爆から命を守る」という本の中の所にかなり詳しく説明しておきましたし、表も付けてありますけど、先程 ABCC が調べた遠距離の放射線(聞き取れない)影響も含めた被ばく線量という事で全被ばく線量を Sv で出したのが下の図ですね。
そして広島大学で調べたやつが、2km以遠も調べておりまして、それぞれの爆心地からの距離後とのやつが青い○で示してあります。そして広島県民の非被爆者が一番(聞き取れず)一にしました。割り算しました。1ですよね。それを引っぱると青い線になる訳です。
放射線影響研究所がどうやっているかというと 2km 以遠の遠距離被爆者を比較対象外にしている訳です。だからこれで今度はこれを割り算してやると下の黒い点線のように×印のようになってしまう訳です。ということでこれは晩発性の悪性新生物?の発症ですから、凄く番発性の障害ですよね。
これを見て頂くともう、ぜんぜん過小評価になるという事は明らかですよね。このデータが国際放射線防護委員会に行っている事になる訳です。ですから遠距離被爆者を比較対象外にするような事をやっていたら凄い過小評価になる。それが今、国際基準になっている。
だからちゃんと内部被爆の影響もきちんと考えて、そして遠距離被爆者も放射性降下物の影響があるんだという事をちゃんとやれば、凄い深刻な影響があるという事が分かる事になると思うが、そういう研究を今日まできちんとやっていって、そして科学的に事実に即して内部被爆の問題を研究していって、それを市民のみなさんと一緒になってやっていこうというのが私たちの「市民と科学者の内部被ばく問題研究会」を発足させる一番大きな需要なんですね。
だから市民のみなさんも協力して科学者が事実を踏まえてそれをみなさんに伝えていくと。そして国際基準も変えていくという事をやっていきたいというふうに思っています。以上です。
●矢ヶ崎克馬(物性物理学) 00:40:45 ~
みなさんおはようございます。私は矢ヶ崎克馬ともうしまして内部被爆に関しては劣化ウラン弾の危険性、それに続いて2003年の原爆症認定集団所掌では内部被爆の危険性を系統的に証言する事をしました。ただいま、松井と澤田から内部被爆が、医学的、生物学的にどんなに危険であるか、
また、どのように隠されてきて犠牲者が見えなくさせられているか、そういう話しも致しましたが、本日は市民と科学者の内部被爆研究会の発足という事でみなさんにお集まり頂いております。
私どもの研究会が内部被爆研究会ではなくて、内部被ばく問題研究会と銘打っているのは、今の2人の話で明確にご理解頂いたと思うんですが、今の被ばくの学問は政治的にアメリカの核戦略に従って、それに基づいて科学的な装いを持って本当の科学をやっていないという、そういう問題になります。
先ず、政治的な支配を受けている、そういう分野がありまして、それはアメリカが核戦略の遂行、及び、原子力発電の推進のために被爆の実態から内部被爆、すなわち内部被爆の犠牲者が隠されているというそういう政治的側面です。
もう一つは本当に命を守る被ばくの科学そのものをきちっとやっていない。内部被爆を隠しているという科学人の問題があります。ですから、私どもがここで発足する会は第一に、今までに政治的に支配されてきた(?)をきちっと明らかにする。これが第一点。
第二点は内部被爆を隠したりせずに、ありのまま正々堂々とした被ばくの学問を展開する。第3番目が命を守る。それが我々の主権在民という日本の市民と科学者が行うべき一番大きな課題であるという事で、「市民と科学者の内部被ばく問題研究会」という事にしております。
今、私がこれからみなさんにご説明したいと思う事は、私たちの研究会の発足に当たりまして、政府にいろいろな低減をして試作を速やかに正常化していって頂きたいという事がありまして、これを皆さんにご紹介させて頂きます。
ちなみに会の発足に当たる説明などが内部被爆から命を守る、このパンフレットに全て詳細に書かれているのでどうぞこちらをご覧下さい。それから、これから政府に提言する中身については2枚のプリントがありますのでこれをご覧下さい。
私が読み上げる事によって、説明、且つ、ご提案をさせて頂きたいと思っております。内部被爆と健康被害を防ぐために政府が取るべき安全対策、提言。市民と科学者の内部被爆問題研究会。東日本震災に際して起こった東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故は深刻な事態をもたらしています。
広範な地域が汚染され、多くの人々が被ばくして命と暮らしを脅かされています。これに対して私たち、「市民と科学者の内部被ばく問題研究会」は日本政府に対して、核、原子力と共に生きていけるという考えを根本的に改め、汚染地位金は住めず農林水産業は出来ないという前提で、国家100年の計を策定する事を求め、緊急に幾つかの提言を行いたいと思います。
原発事故による放射線被ばくの主要なものは、呼吸や飲食を通しての内部被爆です。政府に助言する専門家は被ばく影響の評価を1人で測定しやすいγ線に頼っています。しかし、内部被ばくの量はβ線やα線がγ線よりもはるかに大きな影響を与えます。
政府と東電はβ線を放出するストロンチウム90や、α線を放出するプルトニウム239などの測定を殆ど行っていません。内部被爆の特性とその健康影響を意図的に無視しているのです。その背景にはアメリカの核戦略や原発推進政策があります。
これらの政策の影響化で組織された国際放射線防護委員会 ICRP 、国際原子力機関 IAEA、国連科学委員会 UNSCEAR など機関は、広島、長崎原爆の放射線降下物による被ばく影響を無視した放射線影響研究所の研究に依存しています。
日本政府は福島原発事故の被ばくに関して、100mSv 以下で病気を引き起こす優位な証拠はないなど、事実を覆い隠し、被ばく限度に高い占領地を設定して市民の命を守ろうとはしていません。また、世界保健機構 WHO が IAEA と放射線被ばく問題を除外する協定を結んでいます。
東電事故以来、政府は ICRP の勧告を受けて被ばく限度値を通常の年間1mSv の所を突如 20mSv/yにつり上げました。事故があったからといって人間の放射線に対する抵抗力が20倍になるような事は金輪際ありません。本来は事故を引き起こした東電と原発推進を図ってきた政府の責任で住民の被ばく回避に当たらさなければなりません。
逆にその措置は住民の保護を放棄し、住民の長期にわたり被爆者性に任せて事故に起した事の責任と負担を軽くするためのものです。住民の命を犠牲にする犠民政策です。
日本国憲法第二十五条には主権者として保障されるべき権利として、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活をおくる権利を有すると明記され、国は全ての生活行為において社会福祉、社会保障、及び公衆衛生の向上、及び増進に努めなければならないと記述されているのです。
事故後10ヶ月を経過し、事故の被害は全住民に広がろうとし、今でも拡大の一途を辿っています。放射能汚染は福島に留まらず日本全域に広がっています。陸だけでなく海の放射能汚染も深刻です。放射能汚染は長期間続き、被ばくの被害は益々深刻になる事が予測されます。
中でも深刻なのは放射能物質を含んだ食物が全国に流通している事です。原則的な考え方、根本的な方法で食物を通しての被ばく回避を測らねば、全住民が被ばくを受け続ける事となります。こどもの「安全な環境で成長し、教育で受ける権利」が犯され続けます。
野田義彦首相の首の時が間違っておりますのでお詫びして訂正して下さい。原子力が冷温停止状態二達し発電所の事故が収束に至ったと判断し、事故収束に向けた道筋 STEP2が完了したと宣言しました。しかし、圧力容器株にはメルトスルーで生じた穴が開いており、核燃料の状態も把握されていません。
4号機(使用済み燃料プール)の倒壊も懸念されています。汚染水を垂れ流しながら安定客出来ているとするにはあまりにも不安定な状態です。何時、また核分裂暴走が起こるか分りません。今、幕引きが出来る様な状態では全くないのです。私たちは次のような提言を行い、政府が速やかに実施する事を求めます。
1.住民の安全を保証出来る体制確立。
原発を安全神話で進めてきた原子力ムラによる委員、組織ではなく、公正な立場から客観的に判断出来る委員会を構成し、原子炉の破壊状況と原因を究明すると共に住民が安全を最優先する立場から情報の迅速な全面公開をする事を求める。
2.子供と被ばく弱者の疎開
少なくとも法定の年間1mSv/y 以上の放射能汚染の高い地域に在住する事どもを即刻集団疎開させる。乳幼児、妊産婦、病人等の被ばく弱者を即刻安全な地域に移す事。全ての保育園、幼稚園、学校の給食しょく罪の安全を確保するために産地を選び、きめ細かく精度の高い放射能測定を行う。
3.安全な食品確保と汚染のない食糧大増産
住民に放射能汚染のない食料を提供する事。健康を維持出来る限度値(現在の限度値の100分の1程度)を設定して限度値以上の汚染食品を市場に出さない。東電、政府の責任で生産者や消費者にも生活保障と健康保証を行う。
これからずっと続く食料汚染を避けるために、休耕地を利用するなどして、非汚染地域で食糧大増産を行う。高汚染地の生産者には移住して精算の担い手になる権利を保障する。水産物の汚染も非常に危険な状態に入っている。全ての漁港、市場に放射線計測器を設置し、汚染されたものが流通しない体制を作る。漁業者にも保証を行う。
4.除線、瓦礫などの汚染物処理
杜撰な除線は非常に危険であり、効果も期待出来ない。一般住民に除線作業による被ばくをさせてはならない。放射能格差を防ぐため、汚染瓦礫などは放射性物質を出した東電の責任において収集し、原発敷地内に戻す。
5.精度の高い挺身、移動体制の確立
内部被爆を軽視する ICRP 等による現状の医学、医療現場は放射線の影響を過小評価している。体のあらゆる部位にあらゆる疾病の出現が懸念される。これらを丁寧に治療出来る医療体制を即刻実現する。保証対象の疾病を制限する事なしに放射能被害者の無料の検診医療制度を確立する。
以上でございます。どうぞ宜しくお願いします。
○自由報道協会 司会
ありがとうございました。それではこれより「市民と科学者による内部被ばく問題研究会」の記者会見を始めさせて頂きます。先ず冒頭に肥田さんよりご挨拶を頂きたいと思います。
●肥田舜太郎(被曝医師) 00:55:20 ~
肥田俊太朗と申します。広島の原爆を担って当時から被爆者の診療をやってきた医師は、現在、日本で生き残っているのは私1人になりました。ですから実際に原爆を浴びた人間が、外部被爆、内部被爆を通じて、それをずっと診療して事実を見てきた人間は私1人になった訳です。
66年間、ずっと被爆者と付き合ってきました。全国の医師団という団体のたった1人の医師で中にいまして日本全国の被爆者の相談を一手に引き受けてきました。そんな訳で私、現在まで顔を知っている被爆者でわたくしが聴診器を充て相談した人間は、少なくても6,000人はいます。
その中には外部被爆を受けて大変な思いをして今日まで生き延びてきた者もおりますし、内部被爆で説明の出来ない非常に困難な症状を持ちながら、世間からは被爆者として認められなくてというのは、外から見て何にもないからですね。
そういうために社会から差別を受け、一人前の人間として生きていけなくなった、そういう患者も沢山診てきました。最近、外国の人から「広島と長崎の経験をした日本が、何で地震の多い国で海岸にずっと53機も原爆を作ったんだ。こんな事どうして起こるのか?」というはなしが沢山あります。
また、日本のテレビでしゃべられる専門家もそういうお話しをされます。これは事実です。でもなぜそうなったということをお話になられた方は誰もおりません。わたくしは現地からずっと見てきてこの原因はたった1つ。
占領したアメリカ軍が被爆者の病気すらもアメリカの軍事機密という声明を出して、被爆者に一切被害をしゃべってはいかん、書いてもいかん。また、医師はその職業柄被爆者が来れば診療はしてもよろしい。しかし、その結果を書き残したり、それを論文にして論議をしたり、日本の医学会が放射線の事を研究する事を一切禁ずる。
これに違反するものは占領軍として重罪に処すという声明を発表して以来、被爆者は沈黙を守り、医師は自分の診察した症状を記録もしなくなった。ですから、当時の被爆者が戦後ずっと経験してきた放射線被害の実情はどこにも正確に記録されていない。だから今の政府も、今のお医者さんも誰もこの当時の事を学ぶ資料が全くありません。
わたくしは30カ国ぐらい歩いて、向うの人の医師や学生に内部被爆の事を話してきました。「そんな大事な事を貴方という医師が個人でここに来てなぜ話すんだ。政府の発表した資料はないのか?」と聞かれます。これは全くありませんと答えます。
なぜ、そんな事になったのか。アメリカの占領が7年間続き、その後受けた日本の政府が安保条約を結んで軍事条約の除外、アメリカの核兵器に関する事は一切、記録をしないという事になっているために出来ないんです。こういう話しをして歩きます。
私が福島の事故の話を聞いたとき、一番始めに思った事は、これは大変な事になった。あそこの子供も親も、あそこで当然、放射能の影響を受けた人は放射線そのものが広島長崎で使われたウラニウムとプルトニウムを混ぜ合わせた、そういう放射線ですから。
あそこの人たちに将来、広島と長崎の被爆者が経験した事がそのまま起こってくると考える方が常識なんです。これが何時起こるか。広島と長崎の経験でいうと内部被爆を私たちが沢山見てどうしようもなくて、理屈が分らなくて困ったのは、ちょうど1年ぐらい経ってからだ。
最初に現れだしたのは半年後でした。ですから、恐らくこの3月頃から、彼らの中に医師が診ても診断の付かない非常に不思議な症状でいろいろ苦しむ人が出てくると思います。残念ながら、現在の日本の医療界には、この患者を診て新設に相手の出来る医師は1人もおりません。
恐らく見ても、「あなたは病気ではないよ」とほっぽり出す。ちょうど広島と長崎の患者がどの医者に係っても大学の医学部にいっても、あなたは病気ではないとほっぽり出される。しかし、本人は働けない。ぶらぶら病という名前で社会から抹殺されました。
これと同じ事が起こるのではないかとわたくしは心配しています。日本は上から下まで、あの大きな被害を受けた原爆の放射線被害について全くの無知です。
何にも知らない! 今、広島と長崎の原爆の被害にあった事は大人は知っているでしょうけど、あのキノコ雲の下で人間がどのように殺され、また、内部被爆で体の中に放射線を取り入れたものが、その後、26年間、どんな苦しい生活をしてきたか。このことも誰も知りません。
これは全部、わたくしはアメリカの責任だと思っています。私は当時からアメリカの先兵が日本の警察に追い回されながら、広島の現地で寝ている被爆者を助けてきました。わたくしははっきり申し上げて、別にアメリカの国民が憎いとは思っていません。
しかし、あの爆弾を作り、あの爆弾で最初に殺人を考えたこの連中は許す事が出来ない!そういう意味で日本は福島の原発だけで終る訳がない。必ず事故が起こってきます。だから、後もう2つ、3つ起これば日本は恐らく滅亡するでしょう。そういう危険な状態なんだという事を犠牲者が誰1人考えない。
呑気に大丈夫ですよといっている専門家というものも、わたくしは本当に軽蔑しております。どうか、マスコミのみなさんは放射線の被害というものが下手をすれば人類が生き延びる事の出来ない、大変な代物だということをお腹に持って、どんな小さな情報でも大事に扱っていって頂きたいとお願いして、私のお話を終ります。
○司会
ありがとうございました。それでは記者会見でございます。質問のある方は挙手の上、使命のされた方は所属とお名前を名乗った上で質問頂きたいと思います。ここで繰り返しになりますが、より多くの方に質問の機会を提供させて頂くため、質問は完結に1人1問でお願いします。
時間のある場合は2問目以降も可能でございます。また、ゲストスピーカーが話しをしている最中にそれを遮るような発言はおやめ下さい。また、持論などは展開しないようにお願いします。
●田中龍作 01:05:40 ~
今、神奈川県の放射線瓦礫の受け入れを巡って、行政側は 100Bq/kg 以下だから大丈夫だという風にいってるんですが、それはどう思われますか?
○松井英介(医師、放射線医学、呼吸器病学)
ベクレル数が8,000Bq/kg とか、場合に四手は10万Bq/kg とかいろいろ揺れる訳ですが、本来、この事故によって排出された放射性物質。これは東京電力、あるいはそれと一緒にいろいろ、この間、事業を行ってきた東芝、日立、三菱、スーパーゼネコンといわれる様々な企業、大手銀行、そういういわゆる東電を中心とした、それが出した産業廃棄物と言っていいもので、底が本来処理をするべきものであって、地方自治体にそれを押しつけるという考え方は根本的に間違っていると思います。
特にガス化溶融炉とか高温で1,000何百℃かで処理をすれば良いという考え方もありますが、色んなフィルターを通って、有害な放射性物質がどんどん大気中に出てくる、あるいは非常に高濃度に汚染された肺が残る。それの処理方法が決まってない訳ですね。
ですから今の段階では、それを地方自治体に持ち込んで、しかもお金が付いてくる。お金を付けて地方自治体に押しつけるやり方は根本的な間違いで、そのことであなたが放射線による健康障害を広げる事になると思います。
●IWJ 岩上 01:07:50 ~
肥田先生、澤田先生、そして矢ヶ崎先生、お三方に。アメリカの影響、そして廃線、その後の占領。そして独立いう形を取った後も尚続くアメリカの核戦略、政治支配の影響化に我々はあるというお話しでした。という事はですね。
日本の政府、為政者、日本の医学界、科学会というものにそのまま提言しても、そのままでは状況は一向に変わらないという事になりますが、この内部被ばく問題研究会というものを立ち上げて、実際に海の向うのアメリカにアピールする。アメリカよ。この支配のあり方を変えよ。
という、何らかのアピールをしなければならないと思われます。具体的にどのような道筋という事をお考えか、ちょっとお三方に一言ずつお願いしたい。
○肥田舜太郎(被曝医師) 01:09:00 ~
大変難しい問題なんですが、1つはアメリカの国内に医師や学者で私たちと同じ考えを持っている方が沢山おられます。現在のアメリカの政治情勢の中ではこの方達は黙らされている。出す本も売れないという状態になっているんですが、アメリカの国民の中の核兵器に対する反対勢力というのは碌々あるんですね。
これが結束してアメリカの世論を変えて下さって、今沈黙している医師や学者が必ずおられるので一緒になってですね。特に英国の学会はアメリカから完全に離れて内部被爆は危険という考えに変わってきています。ですから、国際情勢は大変厳しいけれども一歩一歩、事実に基づいた所に足をかけ始めている。
私はこの機に大きな希望をかけて、そして日本の中から黙っている良心を持った学者達を出来るだけ掘り起こして力を作りながら世界の世論にしていく事が大事で、また、出来ない事ではないと思っています。
○澤田昭二(素粒子物理学、被爆者) 01:10:35 ~
わたしは原爆症認定で集団訴訟に係わってきたんです。これはかなり病気で大変な被爆者が、意を決して自分の病気が放射線影響であるという事を国が認めて欲しい、という事で立ち上がった訳ですけど、私の中で何回も証言台に経ったんですけど。
そういう法定の中での論争は、圧倒的に被爆者側の科学者が医学者も含めて圧倒的な勝利をもたらしたんですよ。逆に国は説明出来ない。これは事実に基づくかどうか。被ばく実態に基づいているかどうかというのは凄く大きな影響を与えている訳です。
わたしは今、原爆体験者訴訟にも係わっています。これは長崎の原爆の影響がかなり広島より、先程説明したように大きかった訳ですが、今、原爆手帳もらっている長崎市の被爆者は、「旧長崎市内にいたこと」となってしまっているものですから、長崎原爆の爆心地が長崎市の北の方の外れに落ちた訳です。
そのために細長い長崎市の南の方は 12、13kmまでは原爆手帳もらっている人はいるんですが、北の方の数km離れた所は原爆手帳がもらえない。自分たちも原爆手帳が欲しいという事で、今、裁判を起しています。500人ぐらいが訴訟に係わっているんですが、その一番大きな影響というのは、先程いった放射性降下物による被ばくな訳です。特に内部被爆ですけど。
それを私が裁判で証言をするという事で意見書を書きました。その意見書に国が、科学者が反論を書きました。その反論を書いた人が、先程の図の最初の脱毛発症カーブがありますよね。この■は放射線の影響ではないとその人も反論してきている訳です。
そして普通、疫学調査というのはバックグラウンドをやって本当に被ばくをしていない人たちの発症率を調べる訳です。そうすると私は恐らく、円形脱毛を除けば精神的な影響を除けば日本中探しても殆どいませんから、ゼロ%になると思うんですが、その人は1%をさっ引くべきだと横に線を引っぱっている訳です。
疫学調査というのはそういうバックグラウンドを引き算するというのは一定の値を引き算するのが常識なものですから、彼はそういう風にやった訳ですね。そして協調者を20人ぐらい名前を連ねている訳です。それは日本の放射線影響研究のそうそうたる学会の方、そして ICRPの委員だったり、国連の科学委員会の委員だったりしているような人がずらっと名前を連ねている訳です。
そしてそういう大きな過ちをしているのに、それに気がつかないで協調者になっている訳です。という事は、そういう日本の放射線影響研究者の殆どが、被ばく実態から真実を明らかにするという経験はあまり持っていなくて、国際的だ、学会の常識だといってそれを鵜呑みにしてやっている人たちが多いなと思っています。
ですから、私は本当に放射線の影響を調べている科学者達が事実に踏まえた研究態度を持ってもらうようにやっていきたいなと思っています。私がこういう論文を書いても、イギリスのロンドンの雑誌に出したりいろんな所に投稿するんですけど、これを雑誌に載せると大混乱が起こるという事で掲載を拒否してくる、というのが世界中の雑誌編集者の今の構造なんです。
日本の学会に出しても同じ事が帰ってきて、これは凄く政治的な論文だから掲載出来ない。どっちが政治的か分らないんですが、そういう現状があったんですけど、やっと昨年の12月に社会医学研究という雑誌に英文の雑誌が載っかりました。という事で少しずつ頑張っていけば事実が広がっていくだろうと思います。
それは事実ですから。という事で学会を民主化していく事は凄く大事だと思いますが、同時以降いう研究をマスコミのみなさんや日本の政治家のみなさんが国民にちゃんと伝える、そして内部被爆はこういう深刻な影響を与えるんだよという事をみんなに伝えていく。
そして民主的な議論を踏まえて原子力発電所をどう考えるか、今、日本で止めた方が良いという方がかなり多数を占めていますが、それを政治に反映させていくような、そういう意味で、今、日本は黒船やってきて明治になって、そして15年戦争やって平和憲法が出来た。
今度の東北大震災や原発事故をどう日本が克服していくか問われている。凄く大きな民意意識がどうなっていくか問われている事だと思うので、そういう意味で市民の皆さんと協力しながら、日本の影響、被ばくの影響について科学的に明らかにしてきた事を世界に伝えていく。そして科学的に国民の皆さんに伝えていく、やっていく必要があるなと思っています。
○矢ヶ崎克馬(物性物理学) 01:16:30 ~
回答させて頂きたいと思います。内部被爆が隠されたというのは アメリカが原爆を投下して被害者を隠し続けてきたという事であります。この姿はアメリカが核戦略の都合で日本政府がそれに全くアメリカの言いなりに追随して日本の括弧付き科学者を動員して、それで被爆者を、日本国民を苦しめてきたというそういう構造を持っております。
この構造はですね。今、私は沖縄在住人ですが、普天間地域を中心にしてアメリカが日本に米軍基地を押しつけて、それで日本政府がアメリカの言いなりになっている。そして住民を苦しめている、その構造と全く同じ構造でございます。
それでやはり ICRP体系というものは、日本国だけでなく世界中を支配している犠牲者隠しの人道に反する体制です。それに対してはですね。科学的な意味できちっと解明していくという事と、何はともあれ、市民がちゃんとした歴史的、科学的に認識を持って市民がきちっと日本を独立国にしていくという、市民の見識を養成しない限りどうしようもないとそういう側面があると思います。
そういう意味で内部被爆研究会というのが、日本国民の主権を獲得する1つの分野であるし、本当の意味で主権国家にしていく、そういうプロセスの歴史的な答えになるんじゃないかなと。そういう風に思っています。
○澤田昭二(素粒子物理学、被爆者) 01:18:40 ~
一言だけ追加で。今、世界中で、特に国連も核兵器禁止条約をやらなければいけないというのが大きな世界の潮流になっているんですね。私はこれが実現すれば、今の核不拡散条約というのがあります。これは核兵器を持っている国々は一応核兵器を持っている事を認めている。それ以外の国は核兵器を持たさない。
その不平等な、それを埋め合わせるために核エネルギーを利用させるというシステム。その中に IAEA もその中にあるし、国連科学委員会もその中にある訳ですよね。ですから私は、こういう不平等な条約を撤去する。不平等な条約なんですが、
この条約を使って再検討会議で核兵器禁止条約を作れという世界世論が結集しているのは、世界世論が不平等性を補っているんですけど、そういう条約を止めて核兵器禁止条約をちゃんとやっていけば、こういう核エネルギーを利用させるという世界的に変な体制はなくなっていくと思うんですね。こういう非常にひん曲がった人類社会を早く直していきたいなと思っています。
○自由報道協会 司会
お時間が残り10分となって参りました。後質問は2つとさせて頂きたいと思います。
●アップリンク あさい 01:20:05 ~
先生のお話を聞いていると、今、正確にはご指導頂きたいんですけど。沖縄とか離島を除く日本国民全員は内部被ばくを多かれ少なかれしている状況と自覚した方が良いでしょうか?その上で肥田先生が仰っている、個々の免疫力のさによって私たちは今生きながらえる方法を選ぶという状況なんでしょうか?
○矢ヶ崎克馬(物性物理学) 01:20:40 ~
先ず、前半の部分を私が一言でお答えして、次に肥田先生にお答えして頂きたいと思いますが、今ですね。空気中の放射能の埃を通じて日本が汚染される。この局面はかなり低くなっております。しかし、食べ物の中に放射能汚染物質が入り込んで、これが日本の極めて敏速に働く流通機構によって日本中を覆い尽くしております。ですから、日本国中の住民が汚染されるという危機に瀕している、こういうふうに思います。
(オーディエンス:矢ヶ崎さん、魚の話しして下さい。沖縄で焼き魚の話しを)
これはねぇ、まだ。(オーディエンス:ww)ただ、非常に深刻な状況がありまして。すいません。まだ、プレスリリース出来ません。
○肥田舜太郎(被曝医師) 01:21:55 ~
どうしたらいいかという事について、専門家という方は口を揃えて原発から遠くへ行けと。それから汚染された疑いのあるものは食うな。必ず大丈夫なものを手に入れて食べろと。この2つが安全な道だという事をみなさんおっしゃる。
確かに出来ればその通りなんですが、実際に福島の色んな方にあってみて、出来ない人はどうしたらいいのという事が聞きたいという訳です。それがあまり強いもんだから、私は自分の経験から日本中の被爆者に、被爆した事は間違いないんです。外部であれ内部であれ。
どうしたら長生き出来るかという相談を受けると、発病を防げばいい。放射線が原因になって病気になって、それで命取られるんだから、病気を起さないという、我々生活を工夫しようじゃないかという運動を起したんです。みんなでどうしたらいい、どうしたらいい、その中で昔からの腹八分目で飯を食えとか、早寝早起きが医院だとか、色んなのが出ますよね。
それを一つ一つ点検してやれるものとやっても無駄なのかも知れないものとずっと集めて。大体20年ぐらい全国で論議をした結果、これが良いというのが1つ柱が出来た。本当の馬鹿馬鹿しいような事だけど、我々の祖先が免疫を作ったときの条件は明かりもなければ熱もない。エネルギーも何も持たずに太陽と共に生き、太陽と共に寝て、そして目に見える果物を取ったり、魚捕まえて食ってきたと。
その時に出来た免疫なんだから、その時の状態をあんまり壊したら、持たないんじゃないか。やっぱり、そのためには太陽と一緒に起きて、太陽と一緒に寝るのが正しいんじゃないか。夜中まで孝行と電気を付けて仕事はもちろんの事、遊ぶのはとんでもない話しだと。
という事になって、じゃあ、それを一生懸命やりましょうと、何万という人間が実際にやったら、その結果、今、80歳過ぎ、90歳過ぎまでの被爆者が生き残っている。だから道は遠いようだけど、みんな頑張れば出来るんだからそこですよね。先ず、そこから話を始めよう。
誰かがよい薬を作ってこれ飲めば放射線がどっかへでいっちゃう世の中が来れば、これは御の字だと。それまではしょうがないから、そういう未知で頑張りましょう。その中で一番大きな抵抗があったのはタバコなんです。これは絶対に駄目というと、なんと勘弁して吸わせろという人が沢山いて、なかなか結論が出ないんですけど。(会場笑)
そういう事を被爆者はやってきたんですよ。具体的にね。それで1人1人が命を守って今日まで来た。これはやはり、現在、福島で被害に遭っている方々が参考には聞いた方が良いだろうというので、あちこちで話します。そうするとね。他に何もないもんだから。
たった1つ、これやればなんとかなるという希望が1つ出来たら、とみんな喜んで帰る。それほど彼らは行き詰まっている。どうしたらいいか分らない。だから、わたくしは、そういう努力をみんなでしていくべきであろうと。誰か偉い人が教えて何とかなるという状況ではないというふうに思っています。
○澤田昭二(素粒子物理学、被爆者) 01:26:15 ~
ちょっと今のご質問に対してですけど、広島、長崎への原爆投下、それから1960年前後に核実験を大量にやりました。そういう事を含めて世界中の人たちが被ばくをして、そしてガンとか色んな病気で被ばく線量がほぼ比例して色んな事が発症するという事になりますと、どういう事になるかという事を国連の科学委員会が世界中で 1945~1990年までに 117万人が死亡したという風にいっています。
ですけど、それは先程の死者の図のように約50倍ぐらい過小評価した図なんですね。ですから ECRRはそれを50倍にする。そういう風にしますと約6,000万人になる訳ですね。世界中の人口の1%がそういう事でやったということになりますね。
それはチェルノブイリまで入っているんですけど、今度は福島原発事故によってそれが世界中に広がっていますから、それを加算しますとそういう物がどんどんどん増えていくという事になる訳ですね。という事でおそらく地球人口の1%をどのくらい上げるか、という事を今回の福島原発事故で世界中の人たちの死亡率を上げる事に繋がっていってるのではないかとも思います。
○松井英介(医師、放射線医学、呼吸器病学) 01:27:35 ~
短く1つだけ。通常運転でも期待の核種、トリチウム、三重水素等々が出ている。5km圏内が危ないというのはそれですね。色んな健康障害にも出ている。人によっては50km圏内だという人もいる。で、それともう一つ忘れてならないのは六カ所。
私の資料の2ページ目の一番上、ちょっと忘れたんですが、大量の資料済み核燃料が年間 800トンといわれるものが青森の六ヶ所村にどんどん溜まり続けていっている。これの処理は全く手が着いてない。棚に上げている訳です。このことに全く振れずに、またこれからもイケイケどんどんという所に来ていると言う事を忘れてはいけない。
これが3kmのパイプを引っぱって海に垂れ流されているのは、六カ所から出ているものは凄くあるんですね。これは今までのイギリスのシェフィールドやフランスのラーグでもそうだったんですが、そういう海の汚染も広げていた所に新たに今度の大量のものが加わったというふうに見ないといけないので、その証拠は昆虫学者の研究成果も出ていますし、様々な健康障害についての研究もあるので、それを是非、いろいろ確かめて頂きたいと思います。
○自由報道協会 司会
先程、2問と申し上げたんですが、残りの時間10分全て使い切ってしまいました。大変恐縮ではございますが、今の質疑応答をもちまして終了とさせて頂きたいと思います。
ネット界隈 大手記者クラブメディアは毎日新聞のみ報道。
内部被曝:危険性訴え研究会設立へ 年内にも国際会議開催
市民と研究者が協力して内部被ばくの危険性を訴えようと、被爆者で内科医の肥田舜太郎さんらが27日、東京都千代田区で記者会見し、「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」を4月に設立すると発表した。年内にも海外から研究者らを招き、国際会議を開く予定。
国の原爆症認定に携わった沢田昭二・名古屋大名誉教授らが「国は低線量被ばくを無視している」と批判し設立を呼びかけた。市民と研究者のネットワークを築き、内部被ばくの実態解明などに取り組む。設立に先立ち、汚染地域に人は住めないことを前提とした今後100年の国家計画策定を政府に求める提言を同日発表。▽年間1ミリシーベルト以上の汚染地域からの子どもの集団疎開▽農業、漁業生産者への補償--などを強く要求した。
毎日新聞 2012年1月27日 19時32分