2011年7月28日木曜日

2011年 7月 25日 統合対策本部共同記者会見:福島県民健康調査の検診費用の殆どが子供ガン検診(80億円)として予算計上。文科省、またしても航空機モニタリング(宮城県マップ)を過小評価、隠蔽。

2011年 7月 25日 共同記者会見 (54回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16234172
2 http://www.ustream.tv/recorded/16234777
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_167Bc:NtX


■会見のポイント
統合対策本部共同記者会見の会見が、月曜日と木曜日の週二回にすると発表されてから最初の会見。フリーライター木野さんも情報量がへる事を危惧していたが、閣僚クラスの会議のため、出席を予定していた細野大臣は急遽欠席。

新しい動きとしては文科省が、原子力安全委員会の指定機を受け、宮城県の航空機モニタリングの修正版を公開している。(22日付け資料)大手メディア記者は冒頭のプラント関連で説明のあった Tフォーク(無人ヘリ)によるダストモニタリング結果が主な関心事。

質疑関連
今回の会見で出されたテーマの中で個人的にポイントだと思う議題は以下の4テーマ。NPJ 日隅さんが病気を推して会見に。フリージャーナリスト江川さんも久しぶりに会見に出席している。

1.安全委員会の指針に従わず、内部被爆を考慮しない福島県民健康調査
今、福島県では大変な事が起きている。福島県 佐藤知事は県民の講義を無視し、県の正式な放射線健康管理アドバイザーとして 100mSv/y 問題なしで有名な長崎大学の 山下俊一教授を正式に招き入れた。彼は現状の福島県において何もしなくても大丈夫だとする専門家。

県が国に要求した県民健康調査の県債費用の内訳の殆どが子供のガン検診費用。データは全て県民に開示されず、全て専門機関が管理する事に同意しなければホールボディーカウンターの検査さえ受けられない。福島県に対して何も言わないとう国の姿勢が改めて浮き彫りに。つまり国は一切の責任を負いたくないと。

無用な被爆を避ける、自主避難の権利さえ奪う国。福島県は食品の安全検査や出荷規制等、農畜産物等の経済損失よりも医療保険が利く医療費の方が負担が少ないと判断しているとしか思えない。NPJ & 吉本興業 おしどりさんの最初の質問に注目。

2.10億ベクレル毎時、1日あたり240億ベクレル放出
10億ベクレル毎時、1日あたり240億ベクレル放出に関する質問も多数。どうも東電 松本氏の説明の仕方が不味いのか、記者との間で疎通できていないように感じる。

東電が10億ベクレル毎時を出した計算の元になっているのは、いつも報告している敷地境界、西門にあるモニタリングポストの値。つまり、どの原子炉から、どの建屋からではなく、福島1Fを一つの固まりとして考え算出した値。プールの蒸気や建屋上空の値など、局所的な数値は何も考慮されていない。

なので東電が発表したこの値は計算式も複雑なモデルが絡み合ったとう物でもないので少ない式で求められる。東電がステップ1終了宣言会見の時にこの値を発表したのは、帰還する住民も視野にはいるため、政府からの強い要望があったため、工程表発表時に公表したというのが全体の経緯。

東電 松本氏はこの値を保守的であるとし、実際はもっと低いと考えているとこの会見でも繰り返し発言している。精度を上げるため、今後、Tフォーク(無人ヘリ)を使った測定も考慮するそうだが、この場合はもっと複雑で避難住民が帰還するために重要な値なので正確に把握する模索をしているという段階。

質問する記者が多かったが、1~3号機が評価対象で4号機のプールから毎夜立ち上がってみる蒸気からは考量されていないのか、なぜ、何ヶ月も前から聞いているのに、このような評価方法があることを言わなかったのかと、相変わらず鋭いおしどりさんの指摘(2回目)、東電 松本氏の解答に注目。

何れにせよ現在も大量の放射性物質が発電所から周囲へ放出+拡散されている事実に変わりない。既に事故が収束しているような現在の報道国民の無関心ぶりは相も変わらず。

3.文科省 モニタリング過小評価、隠蔽
NHK 横川記者の質問により、文科省は航空機モニタリングの下のレンジデータを農水省に渡していなかった事が分った。第三次航空機モニタリングで宮城県の土壌汚染資料が公開されたのは 7月15日

下のレンジデータを持っていながら意図的に汚染分布が分らないようにしていた文科省。最初にこの会見で公開された15日以降、文科省のHP には数日間、資料がアップされず私も確認出来なかった。

稻ワラと牛が問題となっているのに下のレンジが10万ベクレル/m2 はおかしいと指摘、既に最初に公開された5月6日の段階から繰り返し問題を指摘されていたが、7月21日にようやく安全委員会が文科省に指導、そして22日に文科省は修正版を公表し、農水省に提供している。

15日以前には宮城県の状況を知りながら公表せず、下のレンジを修正した宮城県の土壌汚染状況マップを農水省に提供したのは先週の22日と言うことになる。つまり、文科省は牛の問題よりも広範囲に及ぶセシウム土壌汚染を隠す事を優先したことになる。

牛のセシウム汚染が問題になり始めたのは7月8日以降。稻ワラがクローズアップされたのも数日後。このような状況の認識しながら、15日以前には宮城県の状況を知りながら農水省に提供せず、汚染状況が認識出来ない宮城県の航空機モニタリングマップを公開、指摘を受け修正が入るまでは農水省に提供しなかった。

たった2日にで下のレンジを修正したマップを公表した事から、文科省がデータを持ちながら、敢えて汚染分布、汚染実態が分らないようにしていた事は明白な事実。これまでも文科省が公開するデータは例外なくどれも過小評価されている。これら文科省の体質、問題はもっと厳しく追求すべき!!

4.電力会社の人命軽視、利益優先は中国鉄道省と同じ
フリーライターの木野龍逸さんの質問に注目。作業員が線量計をおいて現場へ向かった行為を経産省 海江田大臣が賞賛した件について、明らかな違法行為を経産省 保安院が口頭のみので済ますのはどういう事かという質問。電力会社では40年も前から作業員に対する線量計による被爆管理は杜撰だった。


このような実態を政府(当時の自民党政権)は知りながら被爆労働者を闇へ葬ってきた。現在の他の電力会社でどうような事が日常茶飯事となっている状況。

この会見の2日後の記事だが、原発労働者の杜撰な被爆管理の実態が広く世間に知れ渡る前に、政府はこのままでは原発で作業する労働者がいなくなるとう事で作業員の被爆限度上限を法改正で撤廃しようとしている。

作業員、被ばく上限 首相「500ミリシーベルトにできぬか」
自衛隊が東京電力福島第1原発の上空からヘリで放水した3月17日、東京・市ケ谷の防衛省に首相官邸から一通の文書が届く。タイトルは<線量限度の引き上げについて>。政府はその3日前、緊急作業時の被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げたばかりだった。それをさらに国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に合わせて倍の500ミリシーベルトにする--。

第1原発は爆発が続き、高線量の中での作業が必要だった。作業員の安全を守る立場の厚生労働省にすれば250ミリシーベルトが「ぎりぎりのライン」。しかし、細野豪志首相補佐官(当時、現原発事故担当相)から「250では仕事にならない。役所をまとめてほしい」と要請を受けた長島昭久前防衛政務官は関係省庁にその意向を事前に口頭で伝えていた。

原発の矛盾を潰すために、こんな非人道的な行為が「法の名の下」で許されて本当に良いのか??大手メディア各社は、中国鉄道省の情報隠蔽をテーマに総力戦で報じ、日本で起きている現実を覆い隠そうとしている。


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (園田政務官) 00:00:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:07:30~ / 00:09:25~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:14:10~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:18:30~
  • 質疑 00:30:15~

2011年7月26日火曜日

2011年 7月 22日 統合対策本部共同記者会見:停電により水処理システムダウン。ステップ1終了条件安定化に疑問の声。東電加害者意識ゼロ体質浮き彫り。ステークホルダー、現存被爆状況の矛盾。民間大手メディア記者の関心事はストレステスト、プラント関連。

2011年 7月 22日 共同記者会見 (53回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16164666
2 http://www.ustream.tv/recorded/16165614
3 http://www.ustream.tv/recorded/16165654
4 http://www.ustream.tv/recorded/16165954

【自由報道協会】細野原発担当大臣 記者会見
1 http://www.ustream.tv/recorded/16166514
同日、自由報道協会主催の細野大臣の会見がありました。自由報道協会主催の会見に閣僚が出席するのは初めてです。是非見て頂きたい。距離感が違います。エネシフ会見に管総理も出席した。後ろめたい事がないなら、枝野官房長官、海江田経産大臣も出席されては如何か?


フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://www.ustream.tv/recorded/16167833


■会見のポイント
本日の会見では大きな発表はなし。プラント関連では午前 7時10分に発電所内の予備変圧器の遮断機により停電が発生。この停電により水処理システムがダウン。午後3時37分に水処理運転を再開したと報告があるが、停電が発生した経緯については、報道資料に記載がなく冒頭の口頭報告のみに批判。

冒頭、木野さんが出した宿題、現在も大気中に放出が続く毎時 10億ベクレルの根拠、計算機式について、早口で説明しておしまい。質疑で紙面での要求に対しても理由を付けて拒む東電松本氏。この態度に法を犯している自覚があるのかと政野さんの怒りの指摘。

東電 松本氏に改めて示す事を確約させた。冒頭の停電原因の不記述報告にしても、最近の開き直った東電の態度に改めて怒りを覚える会見に。本会見は質疑が中心。政野さんとフリーライター木野龍逸さんのコンビネーションに拍手。

質疑
昨日、この会見でも報告があったストレステストの指示書を正式に受領した旨の報告が東電から。大手メディア記者はストレステストに関する質問多数。修正から数時間の安全委員会の検討で了承。翌日には電力会社に通達と、審議が尽くされと思えない経産省が電力会社に示したストレステストの指針

これにより定期点検中の原発を再稼働が前提のテストが当事者の手で行われる。経産省 保安院も従来の安全対策で問題がないことを説明するために行うストレステストだと明言している。このテストにより廃炉に追い込まれる原発は一基もない。

・飯舘村住民被ばく問題
飯舘村1,080人の子供、甲状腺簡易サーべーの結果を保護者にフィードバックしていない問題。いったい、何ヶ月かかっているのか。政府、県は住民の内部被爆が明らかになることを恐れている。これまでホールボディーカウンターによる検査を受けさせなかった。

ヨウ素の生態半減期が過ぎてから県民調査。これらの問題は NPJ & 吉本興業おしどりさんやNHK 石川記者が追いかけている問題。今回は政野さんと木野さんがコンビネーションで追求。必見!

・特定避難勧奨地点
6/16日の統合対策本部共同記者会見で発表された特定避難勧奨地点の矛盾がここにきて表面化してきた印象を受ける。というのも、ステップ1終了の政府発表と共にステップ2以降に政府方針が示した住民の帰還、エリア解除が本格化すれば、特定勧奨地点で避難する側も、どの値を基準に決めるかが焦点になるためだ。

これまでは安全委員会からの説明のみであり、統一した政府見解を国民に対して明確に示した事が一度もない。むしろ自民党も公明党も政権民主党とも発言を避けてきた。社民党と共産党だけがまともに向き合っているという状況。

先の枝野官房長官100mSv/y問題ない発言等、政府部内で共通認識が取れていない事、現に園田政務官も緊急時被爆状況(20~100mSv/y)と現存被爆状況(1~20mSv/y)を数日前まで認識していなかった。

学校20mSv/y 問題以来、質疑での質問回数は大幅に減ったが ICRP 2007年勧告を都合良く解釈してきた事の矛盾がここにきて再燃する事は間違いない。

食品のあり得ないほど高い緊急時における暫定の基準値が、現在も当たり前のように扱われ、それがさも昔から存在している日本の基準値であるかのような報道。厚労省からは見直しについての言及は未だなく、そのままスタンダードになりそうな勢いだ。

(この会見から3日後、7月25日のNHKクローズアップ現代で厚労省 大塚副大臣が国民に食品摂取の我慢を求める発言をしている )

7/20の会見でステップ1終了を踏まえ、原子力安全委員会から現存被爆状況(1~20mSv/y)と緊急時被ばく状況(20~100mSv/y)の指針が改めて示されている。現存被爆状況(1~20mSv/y)の範囲で地元で話しあって決めるようにと安全委員会。

原子力安全委員会はICRP準拠の指針を示すだけで何をするにも押しが弱い。この点は一貫してる。ファクター 宮島記者の質問で、空間線量が高くないのに政府が勧奨して既に70万、100万支払っている地域もある。高い染量の地域がまだ支払われない現状の矛盾を指摘している。

政府が厳格に定めた根拠のないエリアのおかげで線量が高くて避難しても保証されない。エリア内であれば線量が引くても保証される現状を指摘する、フリー政野さんとファクター宮島記者の質問に注目。

1軒単位で20mSv/y を上回れば避難を勧奨し保証し少しでも下回れば保証さえしない、国が一方的に決めた特定避難勧奨地点。大の大人でも問題なのに妊婦や子供に対してまで被爆を強要している現実。現存被爆状況(1~20mSv/y)の範囲は地域住民で決めるものではないのか?

誰もこの矛盾を説明できない。無用な被爆を避ける権利さえ奪う、国、県、行政機関の対応は犯罪。この手の問題を取り上げようとしない原発擁護の大手メディア記者にもあきれる。



■本日の議題
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:00:55~ / 00:03:30~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:05:30~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:08:15~
  • 質疑 00:18:20~

2011年7月25日月曜日

2011年 7月 21日 統合対策本部共同記者会見:原子力安全委員会、文科省の航空機モニタリング 下のレンジ 10万Bq は問題と指導。経産省・保安院 2回目のストレステスト修正案、安全委員会が認証。この内容で各電力会社に通達。

2011年 7月 21日 共同記者会見 (52回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16143405
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_15K7k:NiQ


■会見のポイント
高濃度汚染されたセシウム牛が問題となっている事を受け、以前から指摘されていた航空機モニタリングの下のレンジを細かくするよう安全委員会から文科省に指導があった。

これまで文科省は航空機モニタリングは地上で土壌調査を行うためのサンプルに過ぎず重要ではないと主張していた。10万ベクレル/m2 以下は全て同じであるため、これまで極度に酷い汚染地域しか特定が出来なかった。

広範囲に広がる深刻な土壌汚染を隠したい文科省の意図があることは、全てにおいて過小評価する文科相モニタリングの姿勢を見ても明らか。
今回の会見では、それを意図的見過ごしてきた原子力安全委員会、国の姿勢を浮き彫りにしている。

この問題は先日の会見で木野さんが再び指摘。本日、ワラとセシウム汚染の牛が問題が表面化、広く世間に知られることとなり、ようやく航空機モニタリングのレンジを細かくするよう指導している。


国、メディアが航空機モニタリングの情報を隠蔽せず、同心円による汚染、避難区域を強調せず国民にあやまった先入観を受け付けなければ避けられた可能性が高い。

緊急時被爆と現存被爆
昨日の会見で安全委員会から発表のあった現存被爆への移行。質疑関連では NHK 石川記者の質問からはじまった緊急時被爆(20~100mSv/y)と現存被爆(1~20mSv/y)に関する質問と、ニコニコ七尾さんの ICRP 質問をきっかけにステークホルダーに関する矛盾を木野さんが3回目の質問でぶつけている。

文科省と安全委員会の蒸し返してほしくない空気は必見。ステップ2終了に向けた避難解除、特定勧奨地点など問題は山積で、この問題は必ず再燃する避けて通れない問題。

発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価 ~ストレステスト修正
7月15日に経産省 保安院から原子力安全委員会に提出のあった「発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価 」の概要、いわゆるストレステストの内容にだめ出しがあり修正を求められた経産省 保安院。本日、その修正案を原子力安全委員会に提出、了承された旨の報告と修正箇所の説明があった。

前回と同様、直前まで原子力案園委員会で説明を行っていた経産省 保安院 山田担当課長。今回も同日の本会見での発表となり遅れて登場。会見は深夜まで23時30分ごろまで及んだ。印象としては、経産省の立場はあくまでこれまでの安全対策+アルファ(防潮堤等津波、電源対策)で十分である事を証明するためのテストであるという事を発表の中でも明言している点。

つまり、停止する原発は一台も出ない事を堂々と示唆している。このようなテスト結果で大丈夫と言われて納得出来るはずがない。経産省 海江田大臣と 管総理の考えるストレステストは全く別物であることがよく分る会見となっている。

翌日にはさっさと電力会社に通達された。原子力案園委員会でのチェックはたったの数時間、即時通達。誰が見ても運転再開を前提に国が動いている事は誰の目にも明らか。殆ど議論が尽くされてない。本当に酷い。


■本日の議題
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:01:35~ / 00:06:00~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:20:20~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:32:40~
  • 発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価 ~ ストレステスト
    (経産省 保安員:山田課長) 01:56:20~
  • 質疑 00:28:35~

2011年 7月 20日 統合対策本部共同記者会見:原子力安全委員会、緊急時被爆状況から現存被爆状況へ。ステップ1終了、プラントは安定したとして統合会見を週2回に。

2011年 7月 20日 共同記者会見 (51回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16122199
2 http://www.ustream.tv/recorded/16122775
3 http://www.ustream.tv/recorded/16122805
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_15Ehf:N3h


■会見のポイント

緊急時被爆状況から現存被爆状況へ
原子力安全委員会から、「今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について」という資料が配付された。これは、今後、復旧にむけて避難解除が始まることを受け、安全委員会が新しく示した指針になる。

これまでの ICRP 2007年勧告の「緊急時被ばく状況」20~100mSv/y 適用から、「現存被ばく状況」1~20mSv/y を基準に考える事になると言うこと。

東電の敷地境界線で 1mSv/y に放出量を抑えるいう目標が掲げられたが、現在も 20mSv/y を超える地域、あるいは20mSv/y に近い地域で生活している人は多くいる。枝野の100mSv/y発言や全く政府間で認識が統一されていない状況。

統合対策本部共同記者会見が週2回、月曜日と木曜日に(来週から)
園田政務官の挨拶で、今後、統合対策本部共同記者会見が 月曜日と木曜日の週2回になることが報告された。決定したのは会見当日だったらしい。会見を減らす理由がステップ1で自体が収束したこと(少なくとも政府はそのように認識している)、内閣府のウェブサイトで総合的な情報を公開していること(情報公開していないが政府は十分な情報を国民に提供しているとしている)

もともとプラント関連にしか興味のない大手メディア記者の殆どは異論を唱えず。異論を唱えたのは NHK 記者と木野さん、ニコニコ七尾さんだけ。突然の発表であり、多くの記者が質問しているが評価する記者も。

個人的に聞きたい事は NHK大崎記者が全て質問。会見が減らされる事の問題点についてはフリーライターの木野さんが園田政務官に食い下がっているので、このお二方の質疑は要確認。木野さんのまとめにも注目。

身元不明の作業員更に増加
7月13日の段階で132人だった連絡の取れない作業員が198名に増えていることが記者の質問により明らかに。そもそも、被爆を伴う原発作業従事者は、東電に限らず原発を持つ電力会社は、協力企業と称して外部委託で作業員を集め、使い捨てのように扱ってきた。

先日の会見、相澤副社長は8次、9次下請けの質問の時、笑っていた。人の命を何とも思っていない。そのような体質が垣間見れた昨日の会見を思い出す。

航空機モニタリングの過小評価疑惑
前から言われていることだが、航空機モニタリングの最も低い値は値は10万ベクレルと高く、文科省のモニタリングについて以前から問題視されている。今回、木野さんから指摘。個人的には文科省は実は値をしっていて、5万ベクレル程度の汚染がかなり広範囲に広がって事を伏せているのではないかと疑っている。


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (園田政務官) 00:32:20~
  • 宿題の報告(経産省 保安院 森山) 00:47:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:00:55~ / 00:04:40~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:11:00~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:15:20~
  • 質疑 00:28:35~

2011年 7月 19日 統合対策本部共同記者会見:政府主導となる初の新工程表発表会見。ステップ1終了宣言に疑問発言続出。現在も 1日 240億ベクレルも放出が続いていると東電試算。

2011年 7月 19日 共同記者会見 (50回)

録画 IWJ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/16103606
後半 http://www.ustream.tv/recorded/16106014
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_15zUq:MY6


今回の会見は政府主導で行う初めての工程表発表。通常の統合会見とは異なります。資料は以下の通り。

「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」の進捗状況(7月19日)について

■会見のポイント
本会見は 東京電力 取締役社長:西澤 俊夫、副社長:相澤 善吾が出席。社長は早々に帰り非難の嵐。加害者意識ゼロの東電社長の態度に注目。個人的にポイントだと思った点は以下の通り。

プラント関連
  • 現在、発電所から大気中に放出されている放射性物質の量は10億ベクレル/h。1日24億ベクレル大気中に放出している。
  • 1日24億ベクレル、東電としては事故直後の最大値と比べ200万分の1と極めて少ないと強調。
    (社長は200万分の1としか言わず)
  • STEP2 終了時~STEP3の着工目指し STEP2 で地下水漏洩防止の遮蔽壁の具体的な工法、設計検討に入る。国が資金援助するかは明確な解答を避けた政府。
  • 頻繁に停止する水処理システムであってもSTEP1を達成と認識。
  • 冷温停止状態の定義は圧力容器下部温度が100℃以下であることに決定。
  • 高濃度汚染水処理後の低濃度汚染水、海洋放出の目処はまだ。今後、政府、関係省庁と調整。

政府側
  • STEP2 の機関は従来の 6~9ヶ月間から 3~6ヶ月間に変更になった。(従来より相対3ヶ月短縮)
  • 緊急時避難区域の解除が見送られたこと。(明日からはじまるSTEP2から除線活動)
  • STEP2 終了時を目処に緊急避難区域解除したい。
  • 避難住民に戻ってもらうは住民と同意の上で決定する。政府が一方的に行わない事を約束。
    (緊急時避難区域解除)

福島第一原発 施設敷地境界が 1mSv/y という目標を定める一方、特定避難勧奨地点では 20mSv/y を少しでも下回れば、避難の必要はなし。避難しても支援、保証しないという政府対応のこの矛盾。福島第一に常駐してる放射線医療班でさえ、年間 5mSv/yを目標にしている。妊婦、子供を強制的に被爆させている現状はもはや犯罪としか言いようがない。

建屋からの放射性物質抑制は十分に出来ている発言や施設周辺の放射線量低減出来たといった成果強調は、具体的に東電が何かしたからという訳ではなく、単にモニタリング、経過観察の中、そうなったというだけの話しだ。

現に熱交換機による冷却システムもお流れになり、そもそも水をためる施設ではない建屋地下から高濃度汚染水をくみ上げて原子炉にただ水かけるだけ、原子炉から漏れた水が建屋地下へ、という、プラントとしてはあり得ない不安定な状態。地下への高濃度汚染水の漏水は間違いく起きている。

地下へ漏出していないと言い張る東電だが、政府も危機的状況である事を認識しているようで、政府主導の工程表でSTEP2以降、遮蔽壁の建設着手する事になっている。プラント関連の進捗状況は木野さんのいう通り、かろうじて海への高濃度汚染水流出を食い止めただけの話しに過ぎない。(プール支柱の耐震補強は成果として加えてもいいかも。)

施設からの放射性物質量を年1mSv/y に放出を抑える事を目標に掲げる東電。20mSv/y 以下なら避難援助しない政府の掲げた特定避難勧奨地点の矛盾。20mSv/y を下回れば戻ってもらうという発言は今回の会見では出なかった、というより避けた。肝心な部分を曖昧にしたままの工程表発表会見だった。(しかも原災被災者生活支援チーム(政府)発表は省かれた。)

質疑は NHK石川記者の質問に注目。恐らく、今、国民が聞きたい事、言いたことの殆どを質問してくれたのではないかと思う。核心を突く質問は流石。会見に出席している記者の中では間違いなくNo1ジャーナリスト。この手の質問を繰り返し行っている大手民放、新聞各社はこれまで一度も見たことがない。既存メディアの体質が観察できる。

内部被ばく問題
NPJ おしどりさんの2回目の質疑で、如何に 内閣府 原災被災者生活支援チームが、住民の内部被爆を隠そうとしているかがよく分る。もう何ヶ月も検討する、持ち帰る、知らないの繰り返し。見ていて本当に腹が立つ。なめてんのか。見られているという意識がまるでない。


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (細野大臣)
  • 冒頭の挨拶 (東電 取締役社長 西澤 俊夫)
  • 政府としての取り組み
    ~ ステップ1の総括とロードマップについて(園田政務官) 00:24:45~
  • 事故の就職に向けた道筋、進捗状況に向けた取り組み (東電 取締役副社長 相澤 善吾) 00:35:30~
  • 質疑 00:00:00~

2011年7月18日月曜日

2011年 7月 15日 統合対策本部共同記者会見:驚きの福島県内における生活圏の清掃活動に関する指針が内閣府 原災被災者生活支援チームから。経産省 保安院からストレステストの内容示されるも安全委員会から駄目だし。第三次航空機モニタリングの評価、等。

2011年 7月 15日 共同記者会見 (49回)

録画 IWJ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/16004950
後半 http://www.ustream.tv/recorded/16005621
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ http://ustre.am/_159Nb:MIQ


■会見のポイント
園田政務官の冒頭挨拶では主題は一つだが、本会見の主題は3つ。一つ目は内閣府 原災被災者生活支援チーム 放射線班の高畠氏が会見に出席。福島県内における生活圏の清掃活動に関する指針が纏まった事が報告された。

しかし、その内容に驚愕 orz.... 二つ目はストレステストの草案。3つめは昨日に引き続き、安全委員会による第三次航空機モニタリングの分析結果の報告。

1.福島県内における生活圏の清掃活動に関する指針
3号機の窒素封入も始まったばかり。循環注水冷却は頻繁に停止。そんな状況でも細野大臣は STEP1 は殆どクリアしたと考えている。

7/19(火)には月に一度の工程表見直し会見が行われる。今回は政府と東電の一元化により STEP2 への移行が宣言されると思われる。

このSTEP2 では 20mSv/y を基準に緊急時避難準備区域を解除し避難住民を帰還させるプロセスも含まれている。

その関連で連休前には福島県内の清掃活動に関する明確な指針を示したい意図があったと思われる。示されたのは空間線量を下げるための清掃実験の結果と清掃方法。

基準値はこれまで国土交通省が示した脱水汚泥等の処理、環境省が示した福島県内の瓦礫処理に関する指針をほぼ踏襲してる。産廃業者でも対応が難しいこれらの指針をそのまま地域住民に要求する内容となっている。

上の図は、今回、清掃実験を行った家の場所を示している。現在避難している住民に清掃活動をしてもらい戻ってもらいたい政府方針。つまり、その地点で国としての保証を打ち切りたいという意図がある。

これら地域はチェルノブイリでは住むことの出来ない汚染レベルの地域だが、年間の空間線量が 20mSv/y を少しでも下回れば健康上、何も問題がないと政府は主張している。(法令の年間被ばく許容量は 1mSv

関連

国土交通省 2011年 6月 16日
http://ustre.am/_12FO1:KLu 00:00:50~
放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方
http://genpatsu-watch.blogspot.com/2011/06/2011-6-16-iaea8.html#000050

環境省 2011年 6月 20日
http://ustre.am/_132X3:KXF 00:04:10~
福島県の放射能汚染廃棄物の処分指針について。
http://genpatsu-watch.blogspot.com/2011/06/2011-6-20-20-250msv.html#000410

ちなみに国交省や環境省が示している高い基準値は原子力安全委員会が独自に決定して関係省庁を指導している。清掃実験により、家一軒で集まったゴミは遮蔽が必要なレベルの10万Bq/kgを超える40万ベクレル/kg。

通常なら厳密な管理が必要になるが庭に埋めて構わないとし、清掃による内部被爆もバックグラウンドが高いので考慮する必要はないが、念のためとしてマスクや手袋の着用を求めるという信じがたい内容となっている。

今回の 内閣府 原災被災者生活支援チームの報告は、清掃活動により空間線量がさがり、清掃による内部被爆もない。まぁ念のためマスク等をすればいいという、何も問題はなかったという報告となっている。

清掃で集めたゴミのベクレル数を住民が一体どうやって計測するのか不明な点も多い。放射能廃棄物の処理は、当然、それを扱う事業が責任を持って事が筋だが、被ばくを強要する上に処分まで国民に押しつける国の方針に強い憤り意を禁じ得ない。

東電だけで無理なら原子力発電施設を有する電力会社が責任を負うべき。動画に合わせて配付資料のリンクを用意したので確認されたし。


2.既設の原子力発電所に対する総合的な安全評価について (ストレステストの内容)
これまで何も決まっていない状態が続いていたが、本日、経産省 保安院が 原子力安全委員会に提出。内容説明が統合会見でも行われた。しかし事前の安全委員会の会議でも、だめ出し食らった内容で、加藤審議官の口から「全てを理解するに至らなかった」と。

そんな草案でもストレステストの関心の高さから質問が相次いだ。実に8割近くの記者が説明を求めたが、結局、確信部分に関しては明確な回答は何も得られなかった。期待してみると時間の無駄になる。他の質問も含め、一人あたりの質問が長く会見は 3時間22分に及んだ。

ストレステストに関しては受け止め方が二通りある。一部、政治家を除く、自民党、公明党、経産省、大手メディアが考えている、これまで経産省 保安院と電力会社が主張してきた従来の安全対策で何の問題がない事を証明するという位置付け。

「なっ、言ったとおり、今まで通りの安全基準でも大丈夫だっただろ!」と国民に分かり易く説明するためのもの。つまりこれからも原発推進。(なぜ福島の事故が起きたのかとう話しになるが国民はバカなので何も飲んだ意はない。)

もう一つは管総理が考えている今回の原発事故を招いた従来の安全指針をはるかに超える事象に耐えられるか詳細なシミュレーションという位置付け。本当の意味での安全性を検証する位置づけ。普通に考えれば、ストレステストで停止、廃炉になる原発は確実に出てくる筈だが、これを行うのは経産省。細野大臣も独立した安全委員会がチェックするので何も問題ないという姿勢。

このことを踏まえた上で、質疑を見て頂けると腹の底が見える。特に原発を日本に持ち込んだ読売新聞記者の質問の意図は何処にあるかを考えながら見ると良い。とにかく監視が必要。


3.第三次 航空機モニタリングの評価
昨日の会見につづき、7月8日に文科省から示された航空機モニタリングの結果に対する原子力安全委員会の見解が示されている。ヨウ素半減期による空間線量の低下は認めるものの、土壌沈着した深刻なセシウム汚染については敢えて触れず。

前回よりも高くなっている場所もあるが、ちょっと無理があるのではないかとう楽観方向への分析と相づち打つ文科省。この点は NHK 石川記者が質問されているので確認されたし。

ちなみに DOE(米エネ省)と協力して行った最初の航空機モニタリングは、DOE がネットで公開してしまったため渋々文科省も公開している。公開したにも関わらず会見では報告せず、記者から質問されるまで文科省、安全委員会はスルーしている。

牛汚染が問題が表面化しているが、都合の悪い情報は敢えて出さない国の姿勢と報じないメディアと杜撰な検査と経済を優先した福島県知事が招いた傷害事件だと言える。

この会見の翌日には新たに福島県の 84頭の牛が、高濃度汚染されたワラを食べていた事が判明、殆どが全国の市場に出回り深刻な事態となっている。福島県に対して20km 圏外は問題ないという報道体制、福島県の杜撰な検査態勢が、関係のない全国の畜産農家に対して風評をまき散らしている。

航空機モニタリングの結果を国、メディアが報道していれば、このような事は防げた。全て同心円以外は問題がないとした政府と福島県、問題を知りつつ報道しなかったメディアに責任がある。立入り調査とまるで畜産農家を犯罪者扱い。

業務上過失傷害の疑いで立入り調査すべきは県庁。7/9(土)に細野大臣は福島県を訪問した時、食品検査の現場を視察している筈だが会見での報告はない。


4.質疑
NPJ & 吉本興業 おしどりさんが、経産省 エネ庁がインターネット上の原発に関する不適な情報を監視する業務の入札広告を出している事について質問。

エネ庁 6月24日 入札公告 http://bit.ly/p8UkPB / http://bit.ly/pdR5Pr

2.事業目的
ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確
な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報
を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に対する風評被害
を防止する。

とても民主国家とは思えないこの動きに対して細野大臣は解答を避けた。

本当にどこまでも腐りきっている経産省。やることなす事、全てがまともじゃない道徳心のかけらもない行為。事故調を経産省内部に置こうと画策し管総理に阻止された経産省。ヤラセ説明会に情報隠し。ついに情報操作まで画策。この経産省が電力会社のストレステストの結果を評価する事に一体何の意味があるのか。

本当に言い加減にしてほしい。いい加減に国民もメディアが報道しない事実に気付くべき。長くなったけど、今、何が起きているのかを知る上で重要な会見。



■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (園田政務官) 00:00:20~
  • 生活圏の清掃活動(除染)に関する基本的な考え方
    (原災被災者生活支援チーム:高畠) 00:03:30~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:15:00~ / 00:08:00~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:20:15~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:27:40~
  • 既設の原子力発電所施設の安全評価について (経産省 保安院 山田) 00:01:35~
  • 既設の原子力発電所施設の安全評価について 補足(安全委員会) 00:15:30~
  • 質疑 00:35:00~

2011年7月15日金曜日

2011年 7月 14日 統合対策本部共同記者会見:放射性物質の海底沈着が進行中。今後、海産物への影響が懸念。安全委員会、全交流電源喪失事象(SBO)経緯を説明。他、第三次航空機モニタリング評価。

2011年 7月 14日 共同記者会見 (48回)

録画 IWJ
http://www.ustream.tv/recorded/15985200
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_154tO:MAa


■会見のポイント
本日の会見、細野大臣は公務のため欠席。特に大きな動きはない。プラント関連では本日からシルトフェンスを外して船が出入りする。モニタリングも強化するとのことだが、1.2兆Bq/L の堤防内の海水が外海へ拡散する事は避けられない。東電は環境に与える影響は僅かで問題ないとしている。どんな状況でも問題ないとしか言わない東電。いつからか会見も半ばあきらめ状態の空気でそれが当たり前に。

また、本日から3号機の窒素封入が始まるが、封入した分、原子炉内の空気が外に漏れる可能性が高く、大気中に高レベルの放射性物質が拡散する事が懸念される。そのため経産省 保安院が東電プランを評価していた訳だが、案の定、17日の STEP1 に間に合うよう直ぐに許可が下りた。経産省のHPでは本日付で資料は公開したものの本会見の冒頭で説明する事はなかった。

安全委員会からは昨日の過去に全交流電源喪失事象(SBO)を検討していた件に関して、現段階で判明している事を 原子力安全委員会 加藤審議官から釈明というか、説明があった。細野大臣がいないこともあり、昨日の管総理の原発に頼らない社会発言に関する質問は少なかった。

他、原子力安全委員会からは 7月8日付けで文科省から公開された第三次航空機モニタリングの評価が発表されている。

個人的に気になる質問は★を付けている。やはり NPJ & 吉本興業 おしどりさんの質問の切り口は良い。記者じゃないのに明らかに何処の記者よりも勉強している。会場に乗り込んだ動機が動機だけに背負っているものが違う。関電お膝元、活動を認めている吉本興業もある意味えらい。企業としてバックアップしてあげてほしい。

NPJ おしどり:「1970~2000年の30年間の間に M5.0以上の地震は、ISCカタログと気象庁発刊の地震年報によると、イギリスは0回、フランスとドイツは2回、アメリカは322回、日本は3954回。しかし日本とアメリカでは面積の関係があるので密度にすると日本はアメリカの1000倍となる。」

地震大国日本には日本独自の発想が必要とする根拠。保安院がストレステストの大半を海外のストレステストのコードを使用する意味の矛盾と、海外を参考にするのは単に再開時期を早める事に主眼が置かれていると確信するには十分な答弁。対する経産省 保安院 の何の根拠も示さない思わず開口してしまう回答に注目。後半のダウジョーンズ 大辺記者の質問も国民目線で必見!!


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (なし)
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:00:50~ / 00:03:10~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:04:50~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:11:05~
  • 質疑 00:25:00~

2011年7月14日木曜日

2011年 7月 13日 統合対策本部共同記者会見:原子力安全委員会が過去に全交流電源喪失事象(SBO)リスク評価を行っていた事実。また水漏れ停止、安定しない循環冷却システム。3号機建屋の耐震評価は基準値振動をクリアしていると評価。

2011年 7月 13日 共同記者会見 (47回)

録画 IWJ
前半:http://www.ustream.tv/recorded/15965240
後半:http://www.ustream.tv/recorded/15965921
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_14ZsR:MuN


■会見のポイント
新しい動きとしては保安院は作業員の被ばく管理について法律に基づいた処分も辞さない旨の指導を東電に対して行ったという発表と、3号機建屋の耐震性検証結果と保安院の評価について発表があった。3号機の耐震性評価について質問する記者は一人もいなかった。

プラント関連では昨日と同じタイプの箇所で水漏れが発生し 5L が漏出。また水処理の運転が止まってしまった。東電は事前に把握していたのになぜ対策を取らずに運転を再開したのかと指摘する記者が多かった。後、協力企業の作業員が現場に向かう途中、車で横転事故、一人が骨折、ヘリで搬送。残り二人は病院へ。何れも命に別状はないとの事。

質疑関連では引き続き、飯舘村の被ばく、内部被爆に対する国の姿勢から目が離せない状況。NPJ & 吉本興業おしどりさんの質疑は要確認。

月刊ファクター宮島記者によれば南相馬市が避難している9,000世帯に19日までに帰還するように通知を出しているらしい。窒素封入の見通しが立ったこともありSTEP1 クリアが近づいた事によるものだと思われるが、細野大臣の以前の発言が尾を引いているようで事実を知らない細野大臣は焦っているように見えた。この先、勇み足が裏目に出そうな予感。

東京(中日)新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011071390091712.html

同日、東京新聞に過去に原子力安全委員会が全交流電源喪失リスクの検討を行っていた事実が報道。その報告書が存在していたことは事故後公表されず。情報公開請求によって明らかになったらしい。

原子力発電所における全交流電源喪失事象(SBO)について。
http://www.nsc.go.jp/info/20110713_dis.pdf

また、この評価を行ったメンバーの中に東京電力と関西電力の人間が外部協力者として含まれており、名前は非公開。見られて不味いデータは自らは出さないという国の体質が改めて浮き彫りに。この問題に関連して管轄の細野大臣に意見を求める声もあった。



■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (なし)
  • お問い合わせの報告 (園田政務官) 00:00:40~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:04:10~ / 00:08:40~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:11:35~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:13:00~
  • お問い合わせの報告 (保安院 森山) 00:25:00~
  • 質疑 00:32:55~

2011年7月13日水曜日

2011年 7月 12日 統合対策本部共同記者会見:3号機 窒素封入準備完了。STEP1 緊急時避難準備区域解除が近づくなか、枝野官房長官 100mSv/y 問題ない発言。年間被ばく限度値、政府見解が統一されていない現実。

2011年 7月 11日 共同記者会見 (46回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/15946687
2 http://www.ustream.tv/recorded/15947165
3 http://www.ustream.tv/recorded/15947350
4 http://www.ustream.tv/recorded/15947378
5 http://www.ustream.tv/recorded/15947427
6 http://www.ustream.tv/recorded/15947457
7 http://www.ustream.tv/recorded/15947506
8 http://www.ustream.tv/recorded/15947545

フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_14UGt:Mna


■会見のポイント
久しぶりに細野大臣が出席。STEP1 をクリアする上で難関の一つだった3号機に対して配管接続作業が完了した事が報告された。3号機は線量が高く被ばく覚悟での作業。10mSv 如何に抑える目標は達成できず、最も被ばくした作業員は 13.5mSv 。

窒素を原子炉に封入すれば、押し出される形で炉内の高濃度放射性物質が環境にでてくる恐れがあり、現在、環境への影響を保安院が検討中。といっても、これまで保安院は東電が示した手順を拒否したことは一度もなく、問題がある場合は緊急事態なので妥当だという結論で実行されることは目に見えている。なので窒素封入は保安院の指示待ち、時間の問題となっている。

細野大臣は 工程表通り、17日の完了に強く拘っていることは、この会見でも明らかであり、今回の配管接続が完了した段階での報告は勇み足とも見て取れる。少なくとも窒素封入は17日までには行われるはず。17日以降は、汚染地域に住民に帰れると無責任な事をいって喜ばせて戻し、原発問題はひとまずの決着したと国民に強くアピールする考えでいる事は間違いない。(避難している方々は情報難民でもあるため喜んで応じる恐れあり。)

質疑関連では前日の会見に引き続き、NPJ おしどりさんの飯舘村被ばく問題に関する質疑に注目。飯舘村の住民の被ばくを知りながら、住民の大量内部被爆を隠蔽するためホールボディーカウンターの検査を受けさえず、受診できないように県か国が妨害した疑いも出てきている。

また、枝野官房長の国会での 100mSv/y 発言に絡んで、フリー政野さん木野さんの質問に注目。前日の段階で園田政務官が全く理解していない事がわかったが、政府内ではストレステストと同様、被ばく線量に対して統一した見解がなく理解していない事も浮き彫りに。

というか最初から分かっていた事だが、ステップ1が終了した後の住民を引き戻す段階になって改めて放置できない問題になってきたというのが現状。

取り敢えず、金で御用達学者を囲い込んで、健康被害が出れば専門家に一手に責任転嫁できる。責任が問われることのないよう常に退路作りにいそしむ政治家。知ったかぶりをして、実は何も知らないという事実を周囲に気付かれていないと思っているのは政治家だけ。本当にみっともない。こんなのが国を動かしているのかと思うと本当に情けない。


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (細野大臣) 00:01:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:03:45~ / 00:06:35~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:07:25~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:09:05~
  • 質疑 00:19:15~

2011年 7月 11日 統合対策本部共同記者会見:飯舘村住民 被ばく問題。ホールボディーカウンターの検査を国、県が妨害した疑惑。事実であれば国家犯罪。1.2兆Bq/L 外海へ流出。法令違反、長期、調整運転中の原発2機を保安員、事実上容認。

2011年 7月 11日 共同記者会見 (46回)

録画 IWJ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/15930290
後半 http://www.ustream.tv/recorded/15930355
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_14Qdd:MnE


■会見のポイント
本日の会見は細野大臣は欠席。園田政務官もくれて出席とあり冒頭挨拶もなし。大きな動きがないと思いきや、プラント関連では、外海につながるシルトフェンスを取り外す事で 1テラBq/L の内海の汚染水が外海へ広く拡散するリスクを伴う工事や、ホールボディーカウンターを Jビレッジに12台増設など大きな動きがあった。

今回の会見で確認して頂きたいのは、おしどりさん質疑だけ。それ以外のストレステストに関する質疑は、馬鹿馬鹿しくて見る価値なし。

モニタリング関連
東電が以前から少ないと指摘されていた海底土の測定ポイントを増やすと発表。ただ、月に1度のペースと汚染の拡大を監視するにはあまりに少ない調査頻度。

モニタリング関連では、原子力安全委員会から海底土のプルトニウム調査のしきい値が高すぎるため、判断できないと指摘。安全委員会、仕事してるように見えるけど厳しく指導しているようには見えない。

また、本日、水産庁で公開されている海産物から、半減期の短いヨウ素が検出されており、この点については何の言及もなかった。ヨウ素が検出されると言うことは、新たな汚染水が福島原発から漏出している事になる。そのヨウ素が海産物から検出されるというのは大問題。

プラント関連
2号機の原子炉建屋2階、3階のロボット(クインス)による線量測定の結果を発表。値は10~50mSv/h。取水壁に津波によるヒビから外海へ高濃度汚染された海水が漏れるのを防ぐために鋼管矢板による閉塞工事を実施する事を発表。

この工事により船が入る都合上、拡散抑制のためのシルトフェンスを36回開け閉めを繰り返す必要があり、高濃度ので汚染された海水が外海へ拡散する事に。毎度の環境への影響はないような発表の仕方に注目。とんでもない事を何事もないような説明をする東電。いい加減にしてほしい。

以前から取水壁のヒビは津波によるものであり地震によるものではないと主張している東電。防潮堤が津波がくる前に地震で倒壊するというイメージは持たれたくないらしい。高濃度汚染水が外海に漏れる問題については、保安院、安全委員会は言及なし。海を汚す事に抵抗感がまるでない。酷すぎる。

質疑
会見で枝野官房長官からストレステストの概要が示されたこともあり、質疑はストレステストが中心。経産省 保安院に対する質問が多かった。ストレステスト発表以降、国会とメディアの管おろしの動きが本格化。自民、公明も先ず、党内で脱原発の動きを排除しろよと言わんばかりの生暖かい声援を贈っている状況のなか、先が見えすぎる中での質疑。大手メディア記者の発言にも注目。

飯舘村住民被ばく問題
NPJ & 吉本興業おしどりさんによれば、双葉郡大熊町にある福島県立大野病院にホールボディーカウンターが2台あり、住民の内部被爆を計る動きがあったものの、突然、その担当者が左遷され住民の計測が行えなかったという。国や大きな力が背後で動いたのではないかと園田政務官に調査を依頼。

ヨウ素の生態半減期が過ぎて検出されなくなるまで、台数が限られる、復旧作業員が先だ、簡易サーべーで問題なかったから問題ないなど明らかに住民の検査を避けてきた。被ばくの実態を知りながら東電と原発を擁護、つまり経済活動を優先させるために、住民に被ばくを強いた事が明らかになれば、もう国家犯罪。

その上、一般市民が深刻な内部被爆をした事が明らかになる事で原発に対する国民感情は一気に高まる。自民党、公明党も住民被ばくに対する民主党の対応について一切触れないないのは、後者を恐れているからに他ならない。メディアも原発を擁護する立場から、内部被爆に関する問題、汚染の実態は一切報じてこなかった。

最近では簡易サーべーで検出されなかった牛が、精肉されて市場に出た地点で高濃度に汚染されていた実態が明らかになっている。簡易サーべーで検査しながら素通りした県のザル検査態勢についての調査はせず、牛を出荷した農家に対し立入り調査、あくまで農家側の問題としている。何処までも腐った国家。

ストレステストに関して
枝野官房長官がストレステストの政府共通見解を発表した事に関連してストレステストに関する質問が集中。ストレステストの内容は国の姿勢を示しただけで、ぶっちゃけ何も決まっていない。ストレステストに関しては、NHK 横川記者の質問に全て集約されている。

泊原発3号機と大飯原発の1号機が調整運転に入ったまま、国の検査の合格もないままずっと運転している問題について、ストレステストも稼働中の原発に適用される二次テストが適用と明言しており、保安院 森山氏の発言から、保安院としては問題とは考えていない。

止めると何時再開できるか分からないため、電力会社は法律を無視してまで調整運転を続けている訳だが、それを経産省・保安院が理解を示している。

これまでも今回の福島事故を鑑みても従来の安全対策で問題ないと明言しており、保安院が役割を果たしていない事は森山氏の発言から見て取れるレベル。今後、事故隠しはこれまで以上に横行する事は間違いなく、運転再開を許せば、間違いなく破滅まで走り続けることになる。絶対に再開ありきのストレステストによる運転再開は許してはならない。



■本日の議題
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:01:20~ / 00:05:10~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:06:45~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:05:50~
  • 保安院 これまでの質問の解答 00:22:40~
  • 質疑 00:35:35~

2011年7月10日日曜日

2011年 7月 8日 統合対策本部共同記者会見:原子力被災者生活支援チーム 医療班長が出席。国の指示で飯舘村ヨウ素剤配布を認めるが根拠となるデータ示さず。

2011年 7月 8日 共同記者会見 (45回)

録画 IWJ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/15863768
後半 http://www.ustream.tv/recorded/15865401
フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_14zjz:MaT


■会見のポイント
細野大臣は欠席。土日に福島に視察予定。冒頭、園田政務官から2点。NPJ & 吉本興業 おしどり さんが 予てより要望していた飯舘村、安定ヨウ素剤配布の事情を知る原災被災者支援チームの医療班の方が出席。質疑の場を設けてくれた。もう一点は、作業員の医療体制強化の一環としてメンタルヘルス、精神面でのサポート開始について報告があった。

原災被災者支援チーム医療班の出席は質問時間は10分間と司会者。質問は おしどりさんと NHK石川記者 ぐらいと思ったらフリーランスの記者も。結局、10分の予定が40分に。飯舘被ばく問題は、結論から言えば、国の指示でヨウ素剤の配布がはっきりした以外、殆どが保留、お持ち帰りとなった。

プラント関連では 経産省 保安院から提出を求められていた津波評価の分析結果の説明に30分。冒頭で説明のあったメンタルヘルスのサポートに関する質問は僅かで、多くは東電が保安院に提出した 津波解析結果に関する質問に集中。結果、久々に4時間近くに及ぶ長い会見に。

やはり住民と距離の近い現場の方に話を伺うことは重要なことだと再認識する会見に。得られた回答は少ないが、いろんな意味で状況を把握する上で非常に良いやりとりがあった。昨日と打って変わり内容の濃い会見に。重要な質疑は応答内容もテキストに起こすことにした。

最近、おしどりさんが細野大臣に要望したときはつれない返事であきらめていたけど質疑の場を設けてくれた。縦割り行政の中、記者に知恵を貸してくれた原子力安全委員会 加藤氏、動いてくれた記者、応じてくれた細野大臣。

それぞれの立場があって思うように動けないだろうけど、個々の誠意は おしどり まこさんのツイッターからも感じとれた。会見をオープンにしている点は原発対応のなかで高く評価されるべき点だと思う。

その他、気付いた点は、細野大臣が欠席のためストレステストや経産省との立ち位置に関する質問は少なく、月曜の会見に持ち越し。フリー政野さんも久々に会見に。意味のない文科省の 1mSv/y 目標の矛盾。下がるときはやたらと強調する文科省だが、モニタリング値が上がったときはスルーする文科省。久しぶりに住民被ばく問題に関する質疑が多かった。被爆問題に関して園田政務官はもう少し勉強しないといけないという事。


■本日の議題
  • 園田政務官 冒頭の挨拶 00:01:05~
  • 1F 2F における作業従事者におけるメンタルヘルスサポートの強化について (東電) 00:05:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:07:50~ / 00:11:40~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:21:25~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:25:25~
  • 原子力被災者生活支援チーム 福島医療班長 質問の解答 00:48:10~
  • 質疑 00:53:25~

2011年7月8日金曜日

2011年 7月 7日 統合対策本部共同記者会見:福島第二原発 電源板の遮断機から火花。修理のため数時間、電源消失状態に。

2011年 7月 7日 共同記者会見 (44回)

録画 IWJ
http://www.ustream.tv/recorded/15844701


■会見のポイント
細野大臣は国会のため欠席。冒頭の園田政務官の挨拶もなく特におおきな進展はなし。海江田辞任ほのめかし、九電メール等々質問は多かったと思われたが細野大臣がいないため、1時間30分の短い会見。フリーライター木野龍一さんがまとめるほどの内容もなかった。

プラント関連では、冒頭、福島第二原発で配電盤から火花、修理のため、数時間の間、福島第二原発1号機の原子炉とプールの冷却が停止する状態になることを東電松本氏がさらりと報告。一時的とはいえ電源消失状態に陥る事に。後、3号機への窒素封入、建屋内のロボット作業がうまく言っていない問題。

これは 17日のSTEP1終了に伴う緊急避難区域解除の条件の一つに水素爆発の可能性をゼロにするという条件があり、細野大臣が意欲を見せる17日 解除を守る場合は、時間的にも逼迫しているためプラント関連は主にこの2点に関する質問が多かった。後、250mSv を超えた社員 3名の最終被ばく線量が確定した報告がありうち2名は20代。

健康上問題ないと言うことでバックオフィスで福島第一の復旧作業に従事させているということだが、指摘する記者はいなかった。


■本日の議題
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:00:45~ / 00:04:30~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:06:30~
  • 各プラントの状況 (東電)00:08:10~
  • 質疑 00:29:10~

2011年7月7日木曜日

2011年 7月 6日 統合対策本部共同記者会見:海底土の高すぎる検出限界値 0.8Bq/kg の理由は土壌(陸)のモニタリング結果を参考に決めたと文科省。質疑の中心はストレステストに。

2011年 7月 6日 共同記者会見 (43回)

録画 IWJ
http://www.ustream.tv/recorded/15826396
木野さんによるまとめ http://ustre.am/_14pas:LYV



■会見のポイント
特に際立って大きな報告はなし。東電社員用の単身寮が完成し入居が始まったという報告。作業員の環境改善という冒頭の園田政務官だったが、実は東電社員専用だったいうオチ。後、作業員1名が怪我、2名が熱中症。20代の若者2名。現場の厳しい状況と未来ある若者が前線で戦っているという現状を再認識。

冒頭の報告で気になったというより頭に来たのが文科省 坪井審議官の先日の 海底土 過小評価に関する言い訳。無理矢理後付けしたような耳を疑うような 0.8Bq/kg に決めた経緯の説明。(後述)文科省人間は全て首を切って入れかえないと駄目だろうとつくづく思う。

質疑はストレステストに集中
本日、海江田経産大臣から全国の原発に対しストレステストを行うと発表があり、関連する質問が相次いだ。記者から質問ではじめて知ったが、組織改革も行わず原発を推進する経産大臣が堂々と発言する事なのかと思ったら、共同通信 岡坂記者が個人的にはど・ストライクな質問。

これまで細野大臣は経産省 海江田大臣の意向を尊重するような発言をこの会見でも繰り返してきたが、案の定、保安院はずぶの素人ではないと経産省 保安院の正当性を主張している。特に何も問題を感じていない様子。答えたくない質問に対しては「あのー」を連発する癖のある細野豪志の発言に注目。

また、(毎日新聞58:40~)毎日新聞記者によれば海江田大臣はストレステストを新生保安院の初仕事と発言したようだ。原発にしても IAEA から勧告を受けても政府は屁理屈をこねて、これまで通り、原発を推進する経産省が原発を取り締まっていくんだという強い意思表示。

こうなれば 九電が社員に対し経産省・保安院のやらせ玄海原発説明会が番組中受け付けるメールで住民の立場でしかも自宅のパソコンを使い社員一丸となって再稼働賛成メールを送れと指示していた件について国会中継で国民に見せた海江田経産大臣の怒りはただのパフォーマンス。ああは言ってるけど結局、厳重注意と原因究明と再発防止に終る。

NHK国会中継は国会劇場に過ぎない。原因究明って・・・海江田経産大臣は本気で言ってるのか小一時間問い詰めたい気分。

特に注目したいのは (毎日新聞58:40~)の質問に対する細野大臣の回答。「ストレステストは世界中で使われている言葉であり保安院が勝手な判断でなれ合いのものが出てくることはあり得ない」という細野大臣の発言。

そのあり得ない事ばかりをして来て本来の役割を果たしてこなかった経産省・保安院(しかも親族の多くが東電社員)に対して原発大臣がいう台詞ですか??大臣に立場が変わると発言内容も180度変わる細野豪志は大臣以前に政治家としての資質を疑う。

取り敢えず組織はそのままで名前だけ変えれば良い、というこれまでの政治の定石を強く予感させる細野大臣の発言。以前は野党時代から民主党は経産省に原子力安全・保安院があるのはおかしいと主張してきたと熱弁をふるっていたけど大臣になった途端にこの態度。信念ないのにあるように振る舞うのが政治家だが細野豪志もその一人に過ぎない。

ストレステストという言葉は一般的には耳慣れない理解し難い言葉である事も記者の質問からも見て取れた。私は仕事柄、通常のパソコンよりも高い性能を要求するコンピューターを使っており、自分で部品を組み立てる事もあってストレステストという言葉に特に違和感を感じないが、おそらく製造業においては至極当たり前の言葉だと思う。

原発では実物を用いて出来ないので、物理特性を入力しコンピュータによるシミュレーションになると思われる。どちらにしろ、ゼロからのスタートだと準備や検証にソフトウェア開発に相当時間を要する事は想像に難くない。時間をかけないとなるとシミュレーション結果は何の信頼性を持たないデータとなってしまう。

テレビ朝日 吉野記者の痛すぎて笑えない質問
ストレステストにより原発が動かせなる事に焦っているのか、本会見に初めて出席。会見は時間が限られるので質問者は質問をまとめろと指南。司会者にいつもしてることだと駄目だし。質問まとめろといった本人が質問をまとめないで質問し、質問をまとめてくれと司会者に注意される。直視できないほど見ている側が恥ずかしくなる。

話し方と言い、質問の内容が下心丸出し。せっかく地元の合意が得られて再開間近だったのにストレステストにより原発再開がおじゃんだよと言いたげ。なんでこう、原発推進はこういう理論的な話しの組み立てが出来ない人が多いのか。目先の結果が全て(金が全て)でプロセスはどうだって良い思考回路の持ち主に他ならないからなんだけど。

今回の共同会見はストレステストが質疑の中心になった訳だが、質疑の流れ、総まとめとして NHK横川記者、フリーライター木野さんの質問に対する細野大臣の発言、この2点に集約されるので動画に目を通して頂ければ良いかと。全く何も決まっていないということと細野大臣の無責任っぷりが答弁からよく伝わってくる。

住民被爆問題
最後の NHK石川記者の質問に注目。7月4日の会見の石川記者の質問に対する解答が7月4日にあったが、石川記者は出席できなかったため確認の質問。簡潔に言えば、石川記者のデータと保安院 森山氏(原災被災者生活支援チーム)が調べたデータが大きく食い違い、しかも、全国から応援に駆けつけた殆どの作業員が福島第1の敷地内で作業を行っているので、住民被ばくの調査には役に立たないというしどろもどろな主張。

これまで東電から情報を得ながら隠し続けてきた保安院。(発災直後のプラントパラメータやSPEEDIなど)とても住民の内部被爆が明らかになる調査に協力するとは思えない。事実が発覚する事は犯罪行為が証明される事に他ならないからだ。とうとう事実の歪曲まで始めたかと思えるような答弁。一部の記者しか問題視しない異様な事態。



■本日の議題
  • 園田政務官 冒頭の挨拶 00:00:15~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:02:25~ / 00:04:15~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:07:55~
  • 各プラントの状況 (東電)00:09:20~
  • 質疑 00:22:30~

2011年7月6日水曜日

2011年 7月 5日 統合対策本部共同記者会見:文科省がまたモニタリングを過小評価。意図的に検出限界基準値を高く設定。ストロンチウムは検出されずと公表。

2011年 7月 5日 共同記者会見 (42回)

録画 IWJ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/15809925
後半 http://www.ustream.tv/recorded/15810339
木野さんによるまとめ http://www.ustream.tv/recorded/15811407



■会見のポイント
本日、細野補佐官は公務のため欠席。本日は特に大きな報告はなし。冒頭、保安院 森山氏から、「全国の原発で働く作業員が福島に立ち寄っただけでホールボディーカウンターで大きく内部被爆していた事態」に関する報告があった。おそらく昨日の会見でNHK石川記者が保安院森山氏に要望したとものと思われる。

冒頭の説明であったためか、その他の記者からも質問が相次ぎ、質問内容からこれまで住民の内部被爆問題に対してあまり関心がなかった事が伺えた。しかし、住民比婆縛に対する直接の質問ではないものの、関連する立ち寄った作業員が内部被爆していた件について、他の記者から質問が出たのはよい傾向。

ここ数日、テレビでも内部被ばくを取り上げる兆しが見えてきたので、住民被ばくの実態と国の責任、国の責任逃れの無責任な対応、原発事故の行き過ぎた過小評価が明るみになってほしいと思う。

文科省 またモニタリングの不正評価
今回の会見では文科省の意図的な過小評価が明らかになっている。今回は 30km 以遠の回程度で毒性の強いストロンチウムの分析に対し、しきい値を不正に高く設定。0.2 とすべき所を 0.8 とし、まるで検出されなかったような報告をしている。これに対し原子力安全委員会の加藤審議官も冒頭の評価説明でスルーしている。

記者に 0.8 の意味を聞かれ妥当性がない事が発覚するという始末。会見中の坪井審議官の表情に注目。会見直前の話しで原子力安全委員会 加藤審議官から指摘があったらしいが、会見では黙っておこうということになった事に。

これまでも計測器のしきい値を引上げ、検出限界未満であり検出されなかったと報告したり、土壌サンプリングでも(地表を避け)15cm付近の土壌を採取して計測しろと指示したり、魚にしても身の部分以外は検査しないし、グリーンピースの海産物調査に対し検査方法に圧力かけたり、空間線量の測定を大学に対し地上20mで計測を指示したり、自治体の計測で広く過小評価がばれそうになると慌てて1mで計測し出したり、言い出せばきりがない。

問題が指摘された何れの手法も、値は低く計測されるという点は共通している。既に文科省、国が安全だと公表する値、調査結果は信用に値しない。意図的に過小評価、事故による影響はなかった事にようとしている事は誰の目にも明らか。大手メディアがテレビ、新聞で報じないため問題が表面化しないだけ。

今回の会見で特に印象に残った質問
40:16 ~ ブルームバーグニュース稲島記者の質問。5月4日の会見 で共同通信社の記者から質問のあった、日本原子力学会の声明に関する質問。このなかに不適切な情報開示が住民被ばくを招いた可能性について言及があり、この点についてどのように考えているのか非常に痛い質問。政府は比婆自体存在しないとして、内部被爆調査さえ行おうとしていない。

51:50 ~ 新潟日報 五十嵐記者の 2007年の中越沖地震で4回線ある内の2回線が地震によって止まった事に対し、東電 松本氏は、地震の停電により停止したのではなく自分で止めたという表現で、如何にも事故は大したことがなかったように発言。

その後、五十嵐記者に地絡事故による停止ではないかと指摘され、発言を訂正する様は、東電の事故に対する今の姿勢をうかがい知る事が出来る。過小評価の姿勢は文科省に限った話しではなく東電も同じ。


■本日の議題
  • 細野大臣は公務のため欠席
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:01:15~ / 00:04:10~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:06:15~
  • 各プラントの状況 (東電)00:08:00~
  • 保安院 森山 前回の質問の回答 00:15:00~
  • 質疑 00:19:10~

2011年7月5日火曜日

2011年 7月 4日 統合対策本部共同記者会見:国、大手メディアが総力を挙げて飯舘村住民 被ばく隠蔽。住民の被ばく証明、福島県の健康調査結果が重要と安全委員会。

2011年 7月 4日 共同記者会見 (41回)

録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15793372
木野さんによるまとめ http://ustre.am/_14gzO:LP1



■会見のポイント
同日の午後、第一回目となるモニタリング調査位会議が行われた。主なメンバー構成は細野大臣、環境省の近藤副大臣、園田大臣政務官、林大臣政務官。17日の以降の緊急避難準備区域を解除するために、現在行われている汚染実態の調査を強化する目的で開かれた会議となる。前回 7月1日の共同会見で報告された特定半勧奨地点をきめるための2km単位での調査計画もこの計画に包括的に含まれる。

昨夜のNHKスペシャルで 年間被ばく許容量が 1mSv と全国ネットで放送されたためか、20mSv というキーワードを避けていたように感じられた。第一ステップ終了の目安として、水素爆発の可能性がなくなった、安定して炉が冷却できた、これに併せて、20mSv/年 を下回った地域から、避難している地域住民を説得して戻ってもらうと以前、細野大臣は発言している。

飯舘村住民の被爆問題に関する質問に注目。NPJ おしどりさんによれば、国の指示で県が、3月16日に飯舘村住民にヨウ素安定剤を配布していたという事実を細野大臣に調査を以来。これまで政府、文科省、安全委員会は飯舘村のホールボディーカウンター調査に対し、あれこれ理由を付けて調査を行おうとしなかった。

以下は 5月31日 の共同会見。(発言を聞いていると分かるけど、5月31日以前からずっと同じ指摘を繰り返している。如何に政府が不誠実に対応してきたかよく分かると思う。)


全国の電力会社では社員に対してホールボディーカウンターによる定期検診は行っているのに飯舘村住民に対しては行わない。結局、ヨウ素は生態半減期をとっくに過ぎてしまい検出されなくなった。被ばく関係の因果関係を調べる術は、事故東証のモニタリングデータから推測するしかなくなったが、この調査に対しても消極的な姿勢は現在も変わっていない事が明確になった会見となっている。

大手メディアが報じないため飯舘村住民の内部被爆問題をご存じない方も多いと思うが、この会見の NPJ おしどりさん、NHK石川記者のやり取りを見ることである程度、認識出来るのではないかと思う。この犯罪に等しい国の対応、問題に関心を持ってほしい。




■本日の議題
  • 細野大臣のあいさつ ~ 第一回目のモニタリング調査位会議について
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:00:00~ / 00:00:40~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:05:50~
  • 各プラントの状況 (東電)00:08:15~
  • 質疑 00:12:00~

2011年7月4日月曜日

2011年 7月 1日 統合対策本部共同記者会見:20mSv/年が前提、特定避難勧奨地点、考え変えない政府。高いセシウムが検出された海底土周辺の海産物から数千Bq/kg レベルのセシウム検出。

2011年 7月 1日 共同記者会見 (40回)

録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15727726
木野さん まとめ http://www.ustream.tv/recorded/15729048



■会見のポイント
今回の会見では 原災被災者生活支援チームの担当者が参加し、6月16日に公表した特定避難勧奨地点を決めるための汚染マップを作成するための足がかり、知見を得るための第一段階の調査結果が公表された。記者から連続でだめ出しされる内容。

特定避難勧奨地点の詳細、問題点については 6月16日 の共同会見のアウトラインで述べている。ご存知のように政府は 0~20km エリアを警戒区域20km ~ 30km エリアを計画的避難区域 とし、同心円を基準に決めている。

しかし一部の計画的避難区域では場所によっては警戒区域を上回る汚染が確認されており、政府は特例として避難させるかどうかの指針を6月16日の共同会見で公表した。それが特定避難勧奨地点という、いかにもごく一部の特異な箇所という印象を与えることを狙った過小評価ネーミングには怒りすら覚える。

指針の大まかな内容は、家単位で計測し年間 20mSv 以上であれば避難を推奨し、支援を行う。20mSv/年 を少しでも下回れば支援の対象にもならない。つまり、妊婦であろうが子供であろうが、19.9mSv/年 の被ばくを強制させるための指針となっている。

ついでを言えば、細野豪志は大臣になってから、20mSv を下回り水素爆発の心配がなくなれば住民を説得して帰還してもらうと発言し、原発事態の終息を急ぐ姿勢を見せている。

昨日の会見では福島第一に緊急医療に対応出来る医療施設と放射線医療の専門家が配置された事が伝えられたが、その会見の場で前川先生は医療スタッフの年間被曝量を 5mSv/年 以下には抑えたいという旨の発言しており、政府主張の 20mSv/年は矛盾している。日曜日に書いているのだが、先ほど、NHK スペシャルでも 1mSv/年 が被ばく許容値と報道されるようになった。

今回の調査は2kmメッシュ(2kmマス)に区切り、そのうちの 2箇所 400ポイント を原災被災者生活支援チームが依頼した東電と電力中央研究所調べた結果が公表された。ここで得られた知見を元に今後のマップ作りを行うというのが趣旨であるが、記者団からだめ出しの嵐。

配られた資料は測定場所と測定結果(数値)のみであり、土地の利用形態が分からない。測定場所、測定結果に加え土地の利用形態の併記を記者から求められるものの、「計測ポイントと土地の形態か全て把握できているか分からない。」と発言するなど、今回の調査が知見として生かせるのか自体、疑問に思える。しかも調査そのものは国の原災他作本部が 東電 と 天下り先公益法人に丸投げして行う。

また、福島市の子供の尿からセシウムが検出された問題で早々に回答があった。回りくどく説明しているが、とどのつまり、福島原発事故との因果関係はないという放医研の見解。これは前日前川先生が過去の核実験の影響によるものという旨の発言と同じ。

ちなみに飯舘村の住民2名が放医研で内部被爆検査、ホールボディーカウンターによる検査を受けたが、放医研は結果の公表を拒んでいる。政府(細野)、文科省も公開すべきだといいながら何もしない。この問題は今回もこの会見で NHK石川記者が指摘している。

一体何度目の質問だろうか。既に過去のデータから推測する以外になくなった。全く進展しない、取り合う気すらない政府。
NHK石川記者、NPJ おしどりさんが再三指摘、政府の迅速な対応を要求してきた。特に上記の立ち寄っただけで作業員の内部被爆が明らかになった状況からみて、飯舘村住民、子供達は大量に内部被爆している事は ほぼ間違いなく、会見のやり取りを見ていても、政府の対応は住民から放射性ヨウ素が検出されなくなるまでホールボディカウンターの検査を拒んでいるようにしか見えなかった。

結局、6月末、事故から約4ヶ月経過して福島県で飯舘村住民のホールボディーカウンターによる内部被爆調査が始まったものの、時間がたちすぎて半減期8日の放射性ヨウ素は検出は無理。遅くなっても逆推定出来るという安全委員会の説明だったがガス状ヨウ素が殆どでセシウムが少なくそれも難しい状況。

放医研は 大丈夫と診断結果を伝える。→ 住民:検査結果の内容を教えてほしい → 放医研:個人情報だから公開できない → 細野(補佐官時代):本人に対し個人情報はおかしい公開すべき → 放医研:読み取れないほど小さな画像(スペクトルデータ)を渡す。→ 数字が一人歩きするのは怖いので教えられない。とう結論。
住民の被ばくの可能性を知りながら政府は隠蔽、問題ないとし、その後もメルトダウンの事実を隠蔽し続けた。このことで住民の被ばくが明らかになれば、間違いなく政権批判は高まる。メディアも 自民党、公明党はこの問題については全く触れず原発対応だけを批判する。

なぜか。住民の大量被ばくが明らかになれば、政権転覆はおろか原発に対する国民感情が一気に高まる、ただそれだけの理由。今回の共同会見は、政府 と 放医研 のこのような経緯を事前に知った上で見ると現状が理解できる。

後、放射性セシウムに高濃度で汚染された海底土に生息する魚介類から 数千Bq/kg を超えるセシウムが検出され、原子力安全委員会から警告が出ている。水産庁のサイトを調べるものの情報見あたらず。水産庁のサイトは酷い。国民に情報を公開する意志があるとは思えない。


■本日の議題
  • 細野原発相のあいさつ 挨拶  00:00:00~
  • 警戒区域及び計画的避難区域における基礎データ収集モニタリング結果の公表について 00:02:15~ 原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チーム 放射線班 高畠正明室長
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:11:55~ / 00:15:10~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:22:15~
  • 各プラントの状況 (東電)00:25:05~
  • 質疑 00:34:55~

2011年7月2日土曜日

2011年 6月 30日 統合対策本部共同記者会見:福島題意原発 構内の救急医療体制強化 前川和彦先生も出席。矛盾する国の 20mSv/年基準。子供の尿からセシウム他。

2011年 6月 30日 共同記者会見 (39回)

録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15708943
フリーライター木野さんによるまとめ http://ustre.am/_13UC3:LI2



■会見のポイント
この会見で夏に向けて福島第一原発の医療体制が大幅に強化された事が報告された。これまで Jビレッジでの 風邪、ケガ等の往診から、地理的に北側にある5、6号機の間の建屋内に救急被爆医療施設を設置。心筋梗塞、熱中症など命に関わる緊急医療体制の充実が図られることになった。周辺の医療機関へ搬送するかどうかの判断も ここで的確に決定される。

熱中症による死者を出さないことが重要視されており、併せて現地での被ばく医療に対する強化、作業員の安心へつながる点で評価はあるが時間がかかりすぎだという声も。このような会見は見ていて恥ずかしいほど政府(大臣)の発言は自画自賛。口裏合わせで自画自賛。反面、失態は反省より言い訳説明が長く、見ていて見苦しい。

診療所開設期間は7月~9月の3ヶ月間と言うことになっているが、後の運用は状況を見て判断するとのこと。土日も含め、常に2人の医師が常駐し放射線医療の専門家、放射線管理の専門家など非常事態に備えた医療体制がようやく整ったことになる。

また、この医療環境を構築するため、細野大臣のもと調整役をおこなった園田康博 内閣府大臣政務官も出席、医療ネットワーク、医療体制づくりに尽力した放射線被爆医療の権威である前川先生が会見に出席し、緊急医療体制を構築するまでの経緯を説明している。

肩書きは 放射線医学総合研究所 研究被ばく医療ネットワーク会議 委員長 前川和彦 東京大学名誉教授。JCO 臨界事故における被爆者治療の最前線で戦ってこられた方。ビデオ1~5参照



後述するが、NHK石川記者の前川先生に対する質問に注目。

プラント関連
プラント関連ではメガフロートに6号機の汚染水への移送が始まったと報告。東電会見にも出ずっぱりの木野さんの話では前触れもなく突然の報告だったらしい。既に仮設タンクが満杯になり低濃度とされる6号機のメガフロートへの汚染水移送に関して保安院の評価が酷い。

モニタリング関連
海洋汚染、特に海底土に関しては汚染が深刻だが、東電、文科省、それを評価する原子力安全委員会からも危機感が全く感じられない。特に文科省は高い値が検出されても何も言わない。自己評価すらせず、聞かれるまで答えないとう姿勢。取り敢えず安全委員会が評価する。

特に海域モニタリングは発電所近海は東電、それ以外は文科省と水産庁が分担して行っているが特に近海、東電担当のモニタリングポイントが圧倒的に少なく汚染の広がりを監視するつもりは全くない。最初から指摘されているが既に3ヶ月以上、何の進展も見られない。

海産物にしても身の部分以外は検査対象ではなく、グリーンピースの調査に対しても圧力をかけた。海産物の摂取は国がモニタリング方法を改めるまで避けるべき。 現に空間線量も最近になって1m計測を始めた。理由は自治体が調べ文科省の過小評価が広く知られるようになったため。

質疑
前半は前川先生に対する質問という進行。これまで飯舘村 住民被ばく問題を追っている NPJ &吉本 おしどりさん、NHK石川記者が再三にわたりヨウ素安定剤の服用など質問してきたがまともな回答は得られなかった。今回、既に放医研側の前川先生が出席された事により明確な答えが聞けると期待。

薬の服用に関しては専門医の観点から、認証されていない薬、扱いの難しい薬を多くの住民に対して服用させるのは慎重に行う必要があること、ラディオガルダーゼにしても大量被ばくした際の治療剤としてということで今回の作業への必要は低いと専門医らしい回答。

ただ、何時、何が起こるか分からない現場で緊急時に服用する必要に迫られる事は考えておく必要があることは間違いなく、現場の服用チャートというおしどりさんのこれまでの指摘は正しい。今後は緊急医療体制が現場に整い、放射線被曝の専門医が常駐することになるので心配も解消されるのではないかと思われる。

ただ、自己造血幹細胞の保存に関しては強く否定しており、理由が JCO の経験から骨髄だけ救っても人命が救えないという理由だった。大量被ばくならそうだろうが、将来起こりえる白血病に対する治療、延命では大きな意味がある筈と個人的には思えるのだが腑に落ちない。他にも腑に落ちない点が多く見受けられた。

NHK 石川記者が前川先生に医療班の年間被ばくについて尋ねた際、前川先生は 5mSv/y 以下に抑えたいと回答。同心円20~30km圏内で高い汚染の飯舘村や並榎町住民に対する救済策として決められた 特定避難勧奨地点(6月 16日の会見で報告)では年20mSv が基準となっている。

学校の 20mSv/年 問題もそうだが、医療団の被ばくは 5mSv/年 に抑えたいと放射線医療の専門家が発言し、住民は 20mSv/年 未満で問題ないとする国。細野大臣は 避難住民は 20mSv/年未満になれば戻ってもらう、説得するとまで発言。誰もこの矛盾について追及する記者はいなかった。20mSv は経済活動を最優先に国が決めた値だ。人命を最大限重視したと繰り返し発言する細野だが一体どの口が言うのか人間性を疑わざるを得ない。

福島市の子供の尿からセシウムが検出された報道に関する質問にも注目。前川先生の発言を聞いたとき子供の尿のセシウムが1970年代に頻繁に行われた核実験の影響を引き合いに出した前川先生の発言に疑問。江川さんも後に細野に質問している。細野大臣も余程気に入ったのか前川先生のこの発言を度々引用している。薄っぺらさがよく分かる。個人的には不信感のぬぐえない放医研、前川先生、細野大臣(国)の姿勢を見た気がした。

他には、7月1日から東電エリアで大口事業者に対しては罰則、強制力を伴う夏の 15%節電実施される。関連する質問が多かった。田中優氏の講演で電力会社はデータを開示しないという事実を聞いて知っているが、非常に不透明。強制力が伴うのは今のところ東電だけだが、関西電力でも根拠となるデータを開示しないため、橋本知事、大阪市平松市長も関電を強く批判している。後半の江川さん、ブルームバーグニュースの稲島記者の質疑に注目!


■本日の議題
  • 細野原発相のあいさつ 挨拶 ~ 医療体制の充実について 00:00:40~
  • 福島第一原発内での診療所の設置、及び、医療スタッフの派遣ネットワークについて
    (園田康博 内閣府大臣政務官) 00:03:05~
  • 福島題意原発 構内の救急医療体制の展開、経緯について (前川先生) 00:07:35~
  • 医療体制の充実・強化について(東電) 00:14:30~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:19:35~ / 00:21:50~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:22:50~
  • 各プラントの状況 (東電)00:24:35~
  • 質疑 00:38:50~

2011年7月1日金曜日

2011年 6月 29日 統合対策本部共同記者会見:東電株主総会、東電新社長就任、細野大臣就任の翌日となる共同会見。西山審議官突然の交代と人事面で大きな動き。海底土 汚染深刻。

2011年 6月 29日 共同記者会見 (38回)

録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15690322
まとめ http://www.ustream.tv/recorded/15691734


■会見のポイント
昨夜に細野豪志氏は内閣官房補佐官から 原発相 大臣に任命、就任してから最初の統合対策本部共同記者会見となる。直前には東電新社長 西沢社長の就任会見があった。また、本日、午前中の保安院の会見で何の引き継ぎもなく徳前、保安院 西山審議官から森山原子力災害対策監への突然の後退もあり人事面で慌ただしい動き。

記者の質問の受け答えを見る限り、細野豪志は大臣となってから従来と殆ど替わらない印象。省と言っても細野大臣が従える担当部局も存在しない。もんじゅに対する発言や株主総会、玄海原発など意見を求められても細野大臣は原発を推進する立場の回答。

同日、朝の保安院の会見で西山審議官から森山原子力災害対策監に変わった。西山審議官については1週間前、女性問題で海江田大臣から厳重注意を受けている。大手メディアはスキャンダルによる事実上の解任と報じているが、実際はそうではない。

原発大臣を据え、経産省が原発再開・推進を進める上で経産省生え抜きの西山審議官をおいておくのは支障があるという政治判断があったと思われる。以前、中村審議官はメルトダウン発言により海外左遷、更迭。原子力の専門知識は隠蔽する上で不味いという政治判断で経産省から原子力の知識のない人材、西山さんを充てた経緯がある。

今回は原発を推進する経産省と取り締まる保安院が経産省内部署が行っている問題を IAEA からも指摘され世界に広く知られてしまった。原発の運転再開、推進をしていく上で経産省生え抜きの西山審議官を何時までも安全保安院に当てるのは不味いという政治判断があり、このタイミングでの後退となった。女性スキャンダルが事実なら政府にとっても都合が良かったはず。

現に西山審議官の娘は東電社員だし、経産省の上層部親族の多くが東電に就職している。なるべく経産省と電力会社との癒着は国民にさらしたくない。今回の会見は多くの質問が予想されたが、記者は少ないものの質問数が多く、今までの共同会見の中では最も一人あたりの質問時間が長い会見になった。

細野大臣となったことで今後は原発事故収束だけでなく脱原発とエネルギー政策を国がどう考えているのか注視していく事に。大臣という権限ある立場の人に直接摂するというのは、そういう事だと思う。



■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 ~ 循環注水冷却開始の報告 00:00:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:03:35~ / 00:06:55~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:11:20~
  • 各プラントの状況 (東電)00:13:25~
  • 森山原子力災害対策監 自己紹介 (保安院)00:31:00~
  • 質疑 00:36:00~

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