2011年5月6日金曜日

2011年 5月 2日 共同会見

2011年 5月 2日 合同記者会見(6回)

この会見のポイント
スピーディの情報が公開された。スピーディは気象条件を元に放射性物質が拡散する様子をシミュレーションしネットワークで情報を公開するシステム。スピーディについては、先日辞任した小佐古参与が法律に基づいて運営されていないと指摘していた。

これまでの会見をみて感じる事
全てではないが、一部、合同会見で指摘された問題点についても取り組んでいる事は率直に評価できる。合同会見の意義は大きい。この点は細野補佐官はよく動いてくれていると思う。ただ、20mSv 問題の経緯、根拠の話になると、安全委員会、文科省は明確な解答を避け、政府の立場である細野補佐官も同じだ。

特に細野さんは表情に出る方で見ていて分かり易い。 自分の考えを自由に発言できる立場にないのは理解出来るが、現在、最も強く政府に強く働きかけられる立場にいる事は間違いないので記者の意見をしっかり聞いて行動して頂きたい。


録画
前半 http://www.ustream.tv/recorded/14427026
後半 http://www.ustream.tv/recorded/14428952

配付資料 IWJ Twitter より


本日の議題
  • 統合本部事務局長の挨拶 (原子力災害対策本部)
  • 福島県 学校・校舎利用における暫定的基準における助言 (原子力安全委員会)
  • 各関係機関 環境モニタリングについて (東電・文科省) 
  • 各プラントの状況について (東電)
  • 原子力安全保安院からのコメント


細野統合本部事務局長の挨拶
本日より1号機にフィルタ付き機材の搬入。1週間後に建屋に作業員が入れるようになる。安定的な冷却作業に入れるようになる。2重扉から放射能が外部に漏れる可能性があるため、入念に確認してから開く。結果は国民に公表する。

作業環境について
作業環境の改善は、1ヶ月を一つの区切りとして方針確作業を行うことにした。道筋がどこまで実現出来ているか、記者会見で公表し、新たな道筋を立てる。

http://www.ustream.tv/recorded/14427026 00:02:51
スピーディについて
スピーディによるシミュレーション、約五千件をホームページで公開。既に全てのシミュレーションを公開した。私(細野)はこの存在を知らなかった。国民にお詫びする。全て公開したことをここにお知らせする。

公開に時間を要した理由
5000件と情報量が多く集約に時間がかかった。

# 補足
# 放出箇所が特定出来ないなどの理由からシミュレーションの基準となるデータが複数あった。
# 放出結果から逆推定の計算を行ったものや、計算基準が現実的でないものを含め
# 公開する事は混乱を招くという考えから公開をしてこなかった。
# という理由らしい。(後付け理由じゃないよね??)
# 現実的なデータは非常に高い値を示しており、地域住民、関東広域でも基準値を大幅に
# 超える放射性物質が飛散していた事を示している。データが示しように
# 東京の土壌からも自然界ではあり得ない高い放射線量が検出されていた。
# これらの情報公開をしなかったのは住民の即時行動を妨げる原因の一つになったと
# 指摘されており、先日、辞任した小佐古参与もスピーディの運用が
# 法律に基づいて行われていないと指摘されていた。

社会全体にパニックが起こることを恐れて公開をしなかった。国民は大変冷静であり大変厳しい状態であっても、パニックを起こすことはないと今は考えている。公開が遅れたことはお詫びする。今度からはシミュレーションしたデータは直ちにに公開する。

情報量が膨大であるため、ホームページ公開は明日以降、順次公開する。
本日より、ホームページ公開準備、作業にはいる。明日以降、順次、保安委員、安全委員会、文科省のホームページで公開する。皆さんで見て頂き、情報を評価して頂ければと思う。

スピーディについて全ての情報を公開したという誤った情報を公開したことについてお詫びする。今後はこのような事がないように徹底した透明性の確保に勤める。


http://www.ustream.tv/recorded/14427026 00:07:50
安全委員会
福島県 学校・校舎利用における暫定的基準における助言
スピーディの情報公開について補佐官に間違った情報を伝えたことについてお詫びする。福島県 学校・校舎利用における暫定的基準の考え方の助言を文科省に行った経緯について、文科省は早い段階から検討していた点など若干説明が至らなかったのでその点も含めて説明する。

4月19日の午後2時頃、文科省から助言要請があり、同日4時に助言した。文科省では事前に相談を行っていた(安全委員会は知らなかった)と言うことであり、この点も含めて説明する。

# 補足
# 原子力安全管理委員会は会議を開かず2時間の内輪話で
# 大人、子供の 20mSv/年 3.8マイクロSv/h を示した文科省の被爆限度基準値を
# 問題ないと評価、支持した。
# 20mSv/h は 放射能管理区域エリア(レントゲン室、原発労働者等)と同等の値で、
# チェルノブイリでは 5mSv/h で待避エリア(人が住めない)となる。
# 日本の基準値は 1mSv/h であり、20倍に基準値を引上げた。
# この事実は、メディア大手の殆どが伝えていない。(テレビで報道せず、
# 福島圏内(栃木放送テレビ)の報道では100mSv/h 安全とニュースで流している。
# 福島、東北地方で流れるデマTV放送を信じて行動して子供が被爆しているという実態がある。
#
# 専門家の意見に基づいてと説明しながら、実際には専門家はその値は高すぎると
# 原子力安全委員に助言、それを無視していた事実が江川招子さんの指摘で発覚している。

# 議事録を取っていない。

# 正式な会議を開いていない。

# これらの事実が明らかになっている。

4月19日 午後2時頃、文科省の要請があり、原子力安全委員長の部屋で協議した。班目春樹委員長、吹田徳雄委員長代理、代谷誠治委員、久住静代委員、事務局からは私と担当課長が加わり確認した。小山田 修委員はいなかった。(電話で確認したと会見で述べている)

# 補足
# 子供に対して、放射能管理区域エリアと同等の上限値 20mSv/年で構わないと非人道的
# 決定をし、文科省に提言した安全委員会のメンバー。ここに政府の意向があったのかは不明。
# http://www.nsc.go.jp/annai/iin.htm
# 正式な会議ではなく、議事録(証拠)が残っておらず、細野補佐官(政府側)も
# 「記録をとるべき内容の議題ではない」 と 合同会見で発言している。

# 補足
# 文科省が前から検討しており、実は原子力安全委員会と過去4回にわたり協議していたと
# 説明しているが、この協議が存在していた事実を少なくともこれまでの会見の場で
# 安全委員会が知らなかった(説明が至らなかったとしているが)という事実は
# なんら変わるものではない。
# 学校再会に向けての議事録は一切なく、自分たちの聞き取り調査の結果の末の発表、
# と言うことになるため、都合良く、いい訳を作ったとしかいいようがない。

専門家を加え4回の
原子力安全委員会側は委員会と事務局、文科省側は担当部局と専門家が加わり、対面で4回、議論しており、これらを経て原子力安全委員会として、何を重視すべきかのコンセンサスは 4月19日以前には出来ていた。

原子力安全委員会として重視したコンセンサス
  • 非常事態収束後の上限 20mSv/年とし、被爆は少なくする努力はする。
  • モニタリングを強化する。(2週間に1度) 安全委員会に結果を報告する事。
  • 減衰の効果(半減期など)や天候による変化、被曝線量の監視
  • 児童の行動を分析し考慮、被曝線量を推定(測定)し、助言する
これらの経緯を経て4月19日 14時 8分に文科省から暫定的案として原子力委員会(事務局)に送られてきた。その時いた委員に資料配付し、目を通してもらった。いなかった小山田委員に対しては14時 30分頃、(電話)確認して問題ないと了解をもらった。

# 放射能防護の専門家は 20mSv/年 は高すぎると警告。安全委員会は考慮せず。
# 問題ないとしたのは原子力安全委員会の判断

東京にいた4人の原子力安全委員と事務局が加わり、この暫定的基準を検討した。結果、留意事項2点を付け加えて了承する事にした。事務局側で資料を作成し、16時 4分に原子力災害対策本部に送付した。

事故発生直後は間髪おかずに連絡を取るという状況が続いており、議事録をとるという週間がなかった。今後は反省して、トレーサビリティを向上させる。(議事録は取るように努力する)

# この問題は事故発生直後の話ではないでしょうが。
# 学校を再開する事を前提とした決定であり 子供の命、未来を軽視した決定に他ならない。
# 20mS/v を超えない限りは避難指示が出ることもない。モニタリングしているから大丈夫だと
# 安全委員会、文科省は繰り返すが、被爆結果を基に判断という考え方は、
# 「実際に被爆しない限りは何もしない」 と同義であることが彼らには理解出来ないようだ。


http://www.ustream.tv/recorded/14427026 00:15:24
各機関の環境モニタリング結果について

東電
福島第一原子力発電所敷地内における空気中放射性各種物質の検出結果について。
西門 モニタリングポスト1番の二カ所で測定。揮発性のヨウ素131は、法令で定める空気中限度の0.02倍。ここ数日は法令で定める値を下回っている。

海水からの放射性物質の分析結果について
福島第一、第二原発の沿岸部、沖合い 3km、8km、15km地点のサンプリング結果。昨日は天候の影響で3箇所のみの測定。海水の核種分析結果。南側放水口の 330m地点の セシウム134 は9.5E-02 (9.5×10の-2乗)で水中の濃度限度の1.6倍が最高値となっている。

沖合い3箇所の測定結果
小名浜、江名、沼の内、豊間沖、基準値下回る。福島第二の北側の海水放水口の海水放射能濃度は昨日、一時的に上昇したが本日測定した結果は、ほぼ前日の値に戻っている。

文科省
福島県 学校・校舎利用における環境モニタリング結果
スピーディに仮のデータを入れて動かしていたが、細野事務局長に説明していなかった事は申し訳ないと思う。持っているデータは積極的に公開すべきだという支持があったので一つ申し上げる。核種分析の公開対象核種を追加する。

ガンマ線測定による土壌、ダストなど。ガンマ線を分析する事で様々なものの核種を分析する事が出来る。飲食物摂取制限に使用される核種、そういった放射線防護対策に必要な情報を迅速に公開する。

原子力安全委員会が定める指針に核種が書いてある。その中の代表的な指針である ヨウ素131セシウム137 について公表してきた。 環境モニタリング強化計画により セシウム134 も公開対象に追加した。今後、テルル、テクシニウムなどの核種、過去に分析されたものも含めて公開していきたいと考えている。

資料
全国のデータ、福島県のモニタリング値は、絶対的な傾向として低くなっている。

スピーディの計算方法に関する質問の解答
スピーディは 92km×92km の範囲しかシミュレーションできないが、拠点をずらして計算は出来ないかという質問があったが、気象情報のパラメーターの入力が難しく、システムの設計上、出来ない。

# Wスピーディという地球規模のシミュレーションを行える巨額の税金を投入して
# 開発されたシステムがあるが、こちらは研究向けということで、使えないという判断。
# スピーディが一辺 100km というのは狭すぎてモニタリングポストを増やす以外にない
# というのが実情。

原子力安全委員会
4月30日 と 5月1日 に発表されたデータに基づく環境モニタリング結果の評価について

・福島県 空間線量率について
特に大きな変化はない

・空気中の放射性物質 28日 29日
濃度限度を下回っている。推移を注意深く見守る

・環境資料 海洋関係

29日に採取したサンプルの分析結果では30km沖合-8番 の表層でヨウ素、セシウムが出ている点が際だった特徴だ。前回は中層で検出されたが29日のサンプルでは表層で検出された。海上の空間線量率、ダストからは線量は低い値となっている。
が文科省、が東電が計測した数値 、点線が30kmを示す円
沖合30km以遠で採取された海中では発電所に近い の1番、2番がセシウムの限度値を超えている。 の7番、10番も濃度限度値を超えている。

文科省が計測している 30km外側の地点は濃度限度を下回った。全体的な傾向は文科省、東電の測定ポイントは発電所から離れるほど低くなる傾向がある。

全国の空間線量率の状況に関して
宮城県福島県茨城県千葉県、については平常値よりも高い値を示しているが、それ以外は平常値並みの値に収まっている。

・上水(蛇口水)の調査結果について
栃木県東京都で検出されているが値は低い。 (5月1日)


http://www.ustream.tv/recorded/14427026 00:31:12
各プラントの状況について

東電
タービン建屋のたまり水の移送状況は継続中。本日7時現在、移送開始からの上昇量は1377ミリ。昨日から 6号機のタービン建屋の地下のたまり水を架設タンクへ移送中。
・使用済み燃料プールの注水と放水について
燃料プール冷却剤浄化系から淡水注入を実施。2号機に対して10時5分から11時40分まで 55トンの淡水を注入した。

・原子炉圧力容器の注入について
1号機、2号機、3号機に淡水の注入を実施。(データは上記リンク参照)

・窒素ガスの封入状況
4/7から封入を開始。原子炉への注入量を変更後、原子炉圧力容器の値は上昇傾向にある。

# 以前は圧力が上がらなかったが量を抑えると上昇傾向にあると言うことは一定の密閉効果が
# あると考えていいんだろうか?

・その他 作業実施状況について
悲惨防止剤の散布、遠隔操作による屋外の瓦礫の撤去作業は継続実施中。5月2日より作業環境改善のため各所俳風機設置に係わる準備作業を実施中。

建屋内の海水流出に関連して放射性物質の解析結果について
福島第一原子力発電所 2号機取水口付近からの放射性物質を含む液体の海への流出について(続報28)という資料。4月2日以降、高濃度の放射性物質を含む水が流出したため継続監視している。ヨウ素131の最高値はシルトフェンス内側の濃度限度の2500倍という極めて高い値。

・データ集
資料タイトル 福島第一原子力発電所 プラント関連パラメータ(水位・圧力・温度などのデータ)
本日12時現在の1号機から6号機までの各種プラント パラメータが纏められている。
・柏崎刈羽原子力発電所における緊急安全対策に関する実施状況報告書の補正について
本日の16時にプレス発表。記載に誤りがあったため提出した。


http://www.ustream.tv/recorded/14427026 00:38:00
原子力安全保安院からのコメント

保安院
スピーディの試算結果についてはこれからやるものについては国民に分かり易く公表する。細野補佐官にも適切な形で説明していきたい。1号機の建屋内の環境改善について、各所俳風機設置して放射能物質を下げてから作業を行う事になるが、微量の放射性物質の拡散が予測される。

東京電力からの詳細な報告を伺い環境への影響を評価し、発表していきたい。


http://www.ustream.tv/recorded/14427026 00:39:08
質疑

ここから約4時間に及ぶ質疑応答が始まります。こんな事、毎日していたらどちらも体が持たないという事で1日おきになった訳ですが、問題は質にあり。

質問に答えない。答えるまで質問を変えて繰り返すみたいな持ち時間のない国会答弁みたいな状況だわ、メディア大手は同じ質問を繰り返すわ、メディア大手の質問は国民目線でない質問が多いわ、で、無駄が多いように感じるのは私だけではない筈。

後日、重要な質疑のみ興します。

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