録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15727726
木野さん まとめ http://www.ustream.tv/recorded/15729048
■会見のポイント
今回の会見では 原災被災者生活支援チームの担当者が参加し、6月16日に公表した特定避難勧奨地点を決めるための汚染マップを作成するための足がかり、知見を得るための第一段階の調査結果が公表された。記者から連続でだめ出しされる内容。
特定避難勧奨地点の詳細、問題点については 6月16日 の共同会見のアウトラインで述べている。ご存知のように政府は 0~20km エリアを警戒区域、20km ~ 30km エリアを計画的避難区域 とし、同心円を基準に決めている。
しかし一部の計画的避難区域では場所によっては警戒区域を上回る汚染が確認されており、政府は特例として避難させるかどうかの指針を6月16日の共同会見で公表した。それが特定避難勧奨地点という、いかにもごく一部の特異な箇所という印象を与えることを狙った過小評価ネーミングには怒りすら覚える。
指針の大まかな内容は、家単位で計測し年間 20mSv 以上であれば避難を推奨し、支援を行う。20mSv/年 を少しでも下回れば支援の対象にもならない。つまり、妊婦であろうが子供であろうが、19.9mSv/年 の被ばくを強制させるための指針となっている。
ついでを言えば、細野豪志は大臣になってから、20mSv を下回り水素爆発の心配がなくなれば住民を説得して帰還してもらうと発言し、原発事態の終息を急ぐ姿勢を見せている。
昨日の会見では福島第一に緊急医療に対応出来る医療施設と放射線医療の専門家が配置された事が伝えられたが、その会見の場で前川先生は医療スタッフの年間被曝量を 5mSv/年 以下には抑えたいという旨の発言しており、政府主張の 20mSv/年は矛盾している。日曜日に書いているのだが、先ほど、NHK スペシャルでも 1mSv/年 が被ばく許容値と報道されるようになった。
今回の調査は2kmメッシュ(2kmマス)に区切り、そのうちの 2箇所 400ポイント を原災被災者生活支援チームが依頼した東電と電力中央研究所調べた結果が公表された。ここで得られた知見を元に今後のマップ作りを行うというのが趣旨であるが、記者団からだめ出しの嵐。
配られた資料は測定場所と測定結果(数値)のみであり、土地の利用形態が分からない。測定場所、測定結果に加え土地の利用形態の併記を記者から求められるものの、「計測ポイントと土地の形態か全て把握できているか分からない。」と発言するなど、今回の調査が知見として生かせるのか自体、疑問に思える。しかも調査そのものは国の原災他作本部が 東電 と 天下り先の公益法人に丸投げして行う。
また、福島市の子供の尿からセシウムが検出された問題で早々に回答があった。回りくどく説明しているが、とどのつまり、福島原発事故との因果関係はないという放医研の見解。これは前日前川先生が過去の核実験の影響によるものという旨の発言と同じ。
ちなみに飯舘村の住民2名が放医研で内部被爆検査、ホールボディーカウンターによる検査を受けたが、放医研は結果の公表を拒んでいる。政府(細野)、文科省も公開すべきだといいながら何もしない。この問題は今回もこの会見で NHK石川記者が指摘している。
一体何度目の質問だろうか。既に過去のデータから推測する以外になくなった。全く進展しない、取り合う気すらない政府。
NHK石川記者、NPJ おしどりさんが再三指摘、政府の迅速な対応を要求してきた。特に上記の立ち寄っただけで作業員の内部被爆が明らかになった状況からみて、飯舘村住民、子供達は大量に内部被爆している事は ほぼ間違いなく、会見のやり取りを見ていても、政府の対応は住民から放射性ヨウ素が検出されなくなるまでホールボディカウンターの検査を拒んでいるようにしか見えなかった。
結局、6月末、事故から約4ヶ月経過して福島県で飯舘村住民のホールボディーカウンターによる内部被爆調査が始まったものの、時間がたちすぎて半減期8日の放射性ヨウ素は検出は無理。遅くなっても逆推定出来るという安全委員会の説明だったがガス状ヨウ素が殆どでセシウムが少なくそれも難しい状況。
放医研は 大丈夫と診断結果を伝える。→ 住民:検査結果の内容を教えてほしい → 放医研:個人情報だから公開できない → 細野(補佐官時代):本人に対し個人情報はおかしい公開すべき → 放医研:読み取れないほど小さな画像(スペクトルデータ)を渡す。→ 数字が一人歩きするのは怖いので教えられない。とう結論。
住民の被ばくの可能性を知りながら政府は隠蔽、問題ないとし、その後もメルトダウンの事実を隠蔽し続けた。このことで住民の被ばくが明らかになれば、間違いなく政権批判は高まる。メディアも 自民党、公明党はこの問題については全く触れず原発対応だけを批判する。
なぜか。住民の大量被ばくが明らかになれば、政権転覆はおろか原発に対する国民感情が一気に高まる、ただそれだけの理由。今回の共同会見は、政府 と 放医研 のこのような経緯を事前に知った上で見ると現状が理解できる。
後、放射性セシウムに高濃度で汚染された海底土に生息する魚介類から 数千Bq/kg を超えるセシウムが検出され、原子力安全委員会から警告が出ている。水産庁のサイトを調べるものの情報見あたらず。水産庁のサイトは酷い。国民に情報を公開する意志があるとは思えない。
■本日の議題
- 細野原発相のあいさつ 挨拶 00:00:00~
- 警戒区域及び計画的避難区域における基礎データ収集モニタリング結果の公表について 00:02:15~ 原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チーム 放射線班 高畠正明室長
- 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:11:55~ / 00:15:10~
- 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:22:15~
- 各プラントの状況 (東電)00:25:05~
- 質疑 00:34:55~