録画 IWJ
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フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_16UWP:O6p
■会見のポイント
今回のテーマは「避難区域解除の方針」と「現在の1Fのプラント安全性の評価(アピール)」と「総合モニタリング計画」の3本柱。何れもステップ2終了後の住民帰還に向けて国が指針を示した重要な会見。出席予定の細野大臣は緊急の用事という事でドタキャンに。
「避難区域解除の方針」では、内閣府 原子力災害対策本部の依頼を受け、原子力安全委員会から・緊急時避難準備区域・避難区域・計画的避難区域の解除条件が示されている。
この原子力安全委員会が示した指針にはプラント状況の安定性も条件に含まれており、経産省 保安院からは今回と同じ規模の地震、津波が来ても現在の福島第一プラントの健全は保たれる、問題ないという信じ難い評価が示されている。しかも東電から受領して1日で経産省が評価、当日には原子力安全委員会が経産省の評価は妥当だと結論を出して本会見で発表している。
併せて・緊急時避難準備区域・避難区域・計画的避難区域の解除条件においては、ステップ2(現在)で実施される除線、モニタリングについても重要になる。
そこで文科省からは「総合モニタリング計画」が発表されている。文部科学省、原子力安全委員会、原子力対策本部、関係府省、自治体、原子量事業者が、それぞれ役割分担を行い、情報を統括してポータルサイトで情報を一元的に公開する計画が示されている。(これまで幾度となくあった指摘)
ステップ2で行われる除線活動はどうなっているのか、具体的な指示が必要ではないかという疑問も聞かれたが、除線活動については具体的には示されず、福島県と南相馬市で除線マニュアルがあると聞いていると報告があっただけ。この点は内閣府 原災被災者生活支援チームが出席しないと見えてこないのは相変わらず。
ステップ2終了以降の・緊急時避難準備区域・避難区域・計画的避難区域の解除に向けて、関係省庁、関係機関が足並みを揃えたというのが 8月4日 の統合対策室共同会見。質疑の前半は、これらの議題に対してのみ行わた。一つの節目となる重要な会見と言える。
【福島第一原発 安全性評価に関して】
現在の福島第一原発の安全性に関しては疑問だらけ。前回と同じ規模の地震、津波が来ても安全性は確保されるという東電分析と保安院の評価、安全委員会の評価。
- 水素爆発は起こり得ないという前提で保安院は評価。
- 最悪の事象は注水停止は15時間で評価。それ以上の注水停止はあり得ないと考えている。
- 福島第一は今回と同じ規模の地震、津波でも問題ないと評価。
あり得ない東電と経産省保安院の評価。ストレステストで止まる原発など一基も出る訳がない。 - 津波警報で戻れない事は想定していない。
今回のケースでも津波警報が長時間続いたが、結局津波は来なかったので作業が出来た。だから問題はないと呆れた回答をする東電 松本氏。 - 上記、最悪の事象でも20km以遠で放射能により住民が危険にさらされることはないと評価。対応するだけの十分な時間があるため。
- 原子力安全委員会は、これら経産省 保安院の評価を翌日には妥当と評価。
【避難区域解除の方針に関して】
上記、福島第一原発の安全性を前提にした原子力安全委員会避難区域解除の指針
- 意見を求められその日に回答。安全委員会が検討に入ったのは7月19日ステップ1終了時。何れは求められるだろうと事前の準備は出来ていたので即回答出来た。
- 解除条件を満たしているかどうか、今後も安全委員会が評価に関わる。
- ステップ2(現在)に平行して行われる除線活動が現状どうなっているのか伝わってこない。
- 統合対策本部は戻れないというケースは全く想定しない。必ず戻ってもらうための努力が重要、とこれまでの主張の繰り返し。
- 晩発性のガン、健康リスクについて国は全く考えを持っていない。
(現状では、因果関係が証明されないということで将来、保証される見込みはない) - お米に関しては農水省。統合対策本部と密に連携はしていない。HP公開情報しか知らない。食品に関して情報が伝わってこない。水産庁もしかり、連携が取れていない。
以下は定例会見のポイント。
プラント関連
特に大きな発表はなし。相変わらず停電、水漏れ、トラブルは尽きないといった状況。
モニタリング関連
河川の汚染が深刻さを改めて確認。河川の底の砂土から、最高地点で セシウム134が12,000Bq/kg、 セシウム137が14,000Bq/kg、合計 26,000Bq/kg の汚染。この点については原子力安全委員会の評価はスルー。河川の水の検出限界値が 10Bq/L と高い事を指摘。
実際にアユなどの淡水魚からも高い暫定基準値すら超える汚染が確認されている。海洋モニタリングの検出限界値や食品の暫定基準値についてもそうだが、原子力安全委員会の指摘にも関わらず、それに従わない関係省庁、県、の姿勢が表面化しつつあるように思えた。
質疑関連
数日前の江川さんの質問で帰れない場所に何時までも帰れるというのは、という質問に対して、えらい剣幕で帰れないということは念頭にないと反論していた園田政務官。本日の会見でも、新しい地域で新しい生活を踏み出そうとしている方々を傷つけている、といった厳しい指摘が相次いだ。
フリー政野さんもこの会見に出席。今回の矢継ぎ早と思えるステップ2以降の避難区域見直し指針についてかなりの不信感を持っている事が質問内容から伺える。
■本日の議題
- 冒頭の挨拶 (園田政務官) 00:01:20~
- 1F 原子炉施設の安全確保状況(経産省 保安院 森山対策監) 00:07:00~
- 「1F 原子炉施設の安全確保状況の安全委員会の見解」と「避難区域解除の指針」
(原子力安全委員会 加藤審議官) 00:17:00~ - 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:29:15~ / 00:32:50~
- 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:00:00~
- 各プラントの状況 (東電) 00:03:40~
- 宿題の回答 ~補足(園田政務官) 00:12:35~
- 質疑 00:15:35~