2011年6月29日水曜日

2011年 6月 27日 統合対策本部共同記者会見:循環注水冷却が本格スタートと思いきや1時間30分で水漏れ停止。海底土の汚染、河川の汚染は深刻。レスポンスに疑問。

2011年 6月 27日 共同記者会見 (37回)

録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15654822
木野さんによるまとめ http://www.ustream.tv/recorded/15656159


■会見のポイント
今回は前向きな報告が一点あった。会見が始まる10 分前、16時20分 についに循環注水冷却が本格敵にスタートした。久々に明るいニュースであったものの、会見終了間際に連絡が入り、ホースから汚染水が漏れだしたため、僅か1時間30分で循環注水冷却がストップ。よって特に進展なし。(翌日28日の14時頃に再開している)

今回の会見で印象的だったのは、ここ数日、原発再稼働に向けて形振り構わぬ経産省の動きに対する手痛い質問の数々。もちろん、民間の大手メディア記者はそんなこと質問しない。

経産省 保安院へ厳しい質問
6月に入ってからの経産省はメディアが報じない事を良いこと原発運転再開のため形振り舞わない行動に。特にここ数日の動きは本性むき出し。NHK石川記者やフリー伊藤さん他、数名の記者が経産省 保安院に対して手厳しい指摘が印象に残った質疑に。細野補佐官のコメントに注目。

以前、細野補佐官はもんじゅは実験炉といいながら、もんじゅの運転再開に関しては、福島に残った核燃料を処分しないのは無責任であると発言している。

やりたい放題の経産省

飯舘村 住民被爆問題 隠蔽疑惑
石川記者、NPJ & 吉本おしどり さんの質問に注目。飯舘村の被爆問題。これまでの会見を数珠つなぎすれば、誰がどう見ても被爆隠蔽、責任逃れを画策しているようにしか見えない。「結婚して子供産みたい」とう飯舘村の女子高生の言葉がいつも脳裏をよぎる。

これまでの状況からみて大量被爆している事は間違いない。彼らの対応は犯罪に等しい行為。本会見や質疑の内容は映像として記録に残るので状況を立証する上で証拠になり得る。将来、司法の場で被告側の席に立つ覚悟はあるのかと聞きたい。特に NHK 石川記者の質問にしどろもどろする原子力安全委員会 加藤審議官の発言は必見。

ブルームバーグニュース稲島記者の質問 ここに注目
原子力安全委員会 加藤、重要だと言いながら水産庁が何やっているか知らない。ここでただ数値を発表しているだけか?文科省は文科省で原子力安全委員会に評価を求めるだけで自分の口からは数値を公表するだけ。

縦割り行政というか関係省庁でちゃんと連携が取れているのか不安になる。原発事故担当相で問題の取り纏めに大きく寄与することを期待したい。それだけの権限を持つのだから。

NHK 大崎記者の質問 ここに注目
テロ対策、作業員の身元まで把握する必要はないという政府の見解に注目。彼らが身元を特定したくない理由は、単に作業員の被爆管理を行いたくないからに過ぎない。原発事業者のずさんな管理、下請け労働者、人材派遣、これまでも被爆従事者はずっと自民党政権下において隠されてきたという事実。

フリーランス 木野さんの質問
最近、汚染水処理が山場だったこともあって、久しぶりにモニタリング、汚染に関する怒濤の質問。海域のモニタリングは不十分と指摘。海産物のモニタリング方法についても。過小評価の検査手法もこの2ヶ月進展しておらず。ストロンチウムなど水産物の分析さえままならない状況で魚が消費されている現状。

特に海産物に関する水産庁の調査でストロンチウムなど主要三核種以外の放射性物質の調査は、4月上旬に採取して、結果が出たのが6月27日ととてもやる気があるようには見えない。

食品検査にしても自信で行えない県、自治体が多く、専門機関に依頼している現状があり、これまでの一貫した過小評価の国の姿勢を鑑みて流通している食品が本当に安全なのかという不信感が強くなるばかり。同日の原辞書力安全委員会のブリーフィングで摂取制限値の暫定的な値を見直す動きもある。

明日は東電の株主総会のため、統合対策本部共同記者会見は休み。次回は明後日、29日。最後の日本インターネット田中記者の質問にも注目。関西では大株主も脱原発を訴えているだけに全国でも関心は相当高いと思われるが、公開されるのは最初の30分のみであり原発事故により被害者や国民に対する特別な配慮はないようだ。(大株主の賛成多数で原発推進という結果)



■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 ~ 循環注水冷却開始の報告 00:12:10~
  • 循環注水冷却の説明  東電 00:14:10~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:22:20~ / 00:24:15~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:28:20~
  • 各プラントの状況 (東電)00:33:05~
  • 質疑 00:41:15~

2011年6月25日土曜日

2011年 6月 24日 統合対策本部共同記者会見:茨城県の浄水から放射性セシウムが検出される。基準値以下で問題なしと安全委員会

2011年 6月 24日 共同記者会見 (36回)

録画 IWJ
本編 http://www.ustream.tv/recorded/15581405
木野さん まとめ http://www.ustream.tv/recorded/15583068



■会見のポイント
久しぶりに細野補佐官から冒頭の挨拶があったが、特に目新しい報告はなし。事故当初から東電から保安に提出された報告書の原文全てが 経済産業省の HP で公開される事が決まった旨の報告。東電と保安院のなれ合いは会見で見て取れるレベルなので今度から 経産省保安院 と表記することに。

プラント関連では、毎日、どの程度の放射能が大気中に放出されているか調査するため、無人ヘリを使って測定を始めているが、そのヘリがエンジン不調で屋上に不時着し、回収の見込みが立っていない旨の報告。

後、汚染水浄化システムの問題でバルブ解法ミスが発覚したが期待した性能の 1/10 程度しか放射性物質(セシウム)を取り除けていない事に対する質問が多かった。IAEA 外遊から帰国後、重要な報告は沢山あった。避難勧奨地点問題や汚泥処理の基準など。関連する質問もなし。

大手民放、新聞メディア記者の関心事はプラント関連と作業員の健康管理や作業環境に関する質問が中心であり、国民目線の指摘、質問は殆どない。自由報道協会、フリーランス記者をはじめ一部の NHK記者しか質問しない状況は変わらず。

質疑関連では 国の玄海原発運転再開の強引なやり方に対する NHK 記者の質問に注目。

茨城県の水道水から放射性セシウムが検出
茨城県の浄水からセシウムが検出された。この件に対し、原子力安全委員会は 「基準値である 200Bq/kg に比べれば 1/500 であり全く問題のないレベルだ」 と評価を纏めているが、安全委員会が定めた暫定基準値は摂取規制、出荷制限を最小限に抑えるために策定された値であり、国際的にみてもあり得ない数値となっている。

アメリカの摂取制限値と比較した場合、約40倍のセシウムが検出された事になる。内部被爆を一切考慮しない原子力安全委員会の定めた 20mSv/y は、法律の 1mSv/y の 20倍だが緊急時だので問題ないとし撤回しない。

1000Bq/kg を超える静岡のお茶が輸入時の水際で発覚したが、静岡県はお茶にして飲めば問題ないと相手国を避難する始末。国内ではメディアが報じないため、食品汚染の実態は知らず全て風評被害扱いになっている。

福島県では深刻な土壌汚染が明らかになっているが、国は農地に対して事故後から現在まで一切対策を示しておらず、現在では福島県全ての農産物の出荷制限が解除されている。経済を維持するために口径摂取による内部被爆は福島県だけでなく広く国民負担してもらう考えだ。


■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 00:00:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:00:00~ / 00:00:00~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:01:10~
  • 各プラントの状況 (東電)00:02:50~
  • 質疑 00:23:35~

2011年6月24日金曜日

2011年 6月 23日 統合対策本部共同記者会見:目新しい発表なし。本日23日 情報が開示されない中、もんじゅの復旧作業。福島県、最後まで制限されていたカブ、ほうれん草が出荷解除。

2011年 6月 23日 共同記者会見 (35回)

録画 IWJ
http://www.ustream.tv/recorded/15560893



■会見のポイント
昨日に引き続き大きな発表と進展はなし。汚染水浄化システムの性能が出なかった問題が単純なミスであった事が判明し、既に高濃度汚染水の試験運転に戻っている。

東電が行っている発電所沿岸部4カ所と沖合の海域モニタリングでは、沖合の海底土の新しい核種分析が出ている。この中で主要三核種以外のテルル129M、セシウム136 に、新たにプルトニウム238239240 が分析対象に追加された。

後、毎日、どれだけの放射能が大気中に放出されているのか、不明なのは問題、概算を出せるはずという指摘がこれまでの会見でもあったが、政府指導の下、東電が上部の測定箇所を増やして放出量を算出するためのモニタリングを開始する事がアナウンスされた。

後、十分な情報提供を行わず、高速増殖炉 もんじゅ の危険な復旧作業を本日から開始した事に関連した質問があった。このなかで細野補佐官は、福島原発に残っている核燃料の処分を引き合いに出し、もんじゅの必要性を訴えている。(もんじゅ復旧作業はマスメディアは報じず。)

原発事故が収束しない中、最も危険な原発 "もんじゅ" の年内稼働を目指すという事に問題を感じないのかという指摘も。もんじゅに関してはジャーナリストの江川さん朝日新聞記者が質問している。特に朝日新聞記者の質問に注目。ここ最近、朝日新聞記者はいい仕事していると思う。

その他
本日、厚労省よりこれまで福島県で出荷制限を受けていたカブ、ほうれん草の出荷制限が解除された。

これで福島県のほぼ全ての地域で野菜の生産、出荷が可能に。元々、国が定めた暫定基準値はあり得ない高さ解除されても福島県のセシウム土壌汚染の現状を見れば、とても摂取する気にはなれない。




■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 00:00:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:03:30~ / 00:07:10~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:12:35~
  • 各プラントの状況 (東電)00:14:05~
  • 質疑 00:24:00~

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