2011年8月10日水曜日

2011年 8月 8日 統合対策本部共同記者会見:福島第一原発 作業員出入り管理問題、経産省 保安院やるきなし。山形県 航空機モニタリング開始。文科省 放射線モニタリングポータルサイト公開。35,000Bq/kg 汚染水田で稲作されている実態。

2011年 8月 8日 共同記者会見 (58回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16515532
2 http://www.ustream.tv/recorded/16515763
3 http://www.ustream.tv/recorded/16516762

フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_17iLo:Oj3


■会見のポイント
細野大臣は遅刻。1時間の遅刻。毎度の18時には退席。会見は 16時30分 スタートなので実質30分しか会見に顔を出さない事が定例化しそうな予感。先週から週2回の会見なので、大臣出席は1週間に1時間。それもドタキャンあったり出席できなかったりで、もはや出席しているとは言えない状況に。

・福島第一原発 作業員出入り管理問題
本会見では東電と経産省保安院から福島第一原発の出入り管理対策とその評価について報告。核物質防護上だけでなく作業員の被爆管理、健康管理の上で非常に重要な核施設出入り管理だが、東電の杜撰な管理と経産省 保安院のやる気のない対応が改めて浮き彫りになっている。

身元確認が出来ない作業員が150名。その内訳が東電社員0名協力企業150名。あくまで緊急時だったので仕方がなかったのだとする東電と簡単な注意だけに留める経産省 保安院。しかし、原発施設への杜撰な出入り管理と被爆管理は40年来の問題。


作業員を厳密に管理すれば、健康調査や補償を行う必要が出てくる。それを避けるため、あいりん地区から日雇い労働者を集める実態があった。しかし、電力会社は協力会社がしていることなので知らないとしてきたし、この会見でも当所から東電はそのように主張していた。

緊急時だから管理できなかったのではなく、これまで管理するシステムが無かった、意図的に管理してこなかっただけの話しだ。勿論、その事実は経産省 保安院も時の自民党政権もその事実を知っている。

経産省 保安院のこの問題に対する扱いがあまりに軽いことから「『生活弱者の犠牲の上に原子力発電が成り立っている事はなんとしても隠し通さなければならない』という危機感をもって対応しているのだ」と言う事を如実に示している会見だと思う。

・モニタリング関連
モニタリングデータに関しては際だった報告はなし。文科省から 8月9日 から10日ほどの予定で山形県全域の航空機モニタリングを実施について発表されている。後、モニタリング情報を一元管理するポータルサイトが新しくオープンした事が発表されている。

詳しい説明はなかったが、これにより、これまで文科省の深い階層でこそこそ更新されていたモニタリング情報は更新されなくなっているので翌日の 8月9日からは完全に移行したと考えてよさそう。

・質疑
質疑では、冒頭に報告のあった出入り管理以外は幅広い分野の質問が。中でも印象に残ったのは ZDF記者(ドイツ国営TV)の質問。80km 地点で 35,000Bq/kg で汚染させれた田んぼで稲作されている事実。現地取材が中心の海外メディアの方が現状をよく理解している事が改めて認識させられた。

食の安全担当でもある細野大臣だが規制について全く承知しておらず、更には誤った内容を伝えるという大失態をさらしている。政府の目の行き届かない地域で既に栽培が始まり稻を付けている事実。この対応では高濃度セシウム汚染米が流通する事は確実。

仮に栽培されても収穫時の検査があるから問題ないという細野大臣の言い訳が凄い。市場に流通してしまったことを考えれば、田んぼで規制する方がはるかに手間が少なく確実。それさえ目が届かないのは、当所からの航空機モニタリングの過小評価と情報を広く伝えてこなかったため。文科省と既存メディアの責任は重大。

作付け前の田んぼで押さえて、確実性を期すため収穫時検査の二段構えの筈。収穫時だけの検査では必ず漏れが出る。銘柄、産地偽装当たり前、事故米さえ流通する日本の米。出荷されれば後の祭り。何れにしても高すぎる暫定規制値いっぱいまで出荷される公算が大きい。どちらにしろアウトに変わりないのだが。


■本日の議題
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:00:00~ / 00:02:05~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:07:00~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:09:55~
  • 東電の福島第一原発の出入管理対策の評価 (経産省 保安院) 00:18:10~
  • 質疑 00:18:10~

2011年8月7日日曜日

2011年 8月 4日 統合対策本部共同記者会見:経産省 保安院「福島第一原発 安全性評価」安全委員会は妥当と評価。併せて「避難区域解除の方針」を示す。文科省から「総合モニタリング計画」発表。河川の底土から 26,000Bq/kg、汚染について安全委員会、評価せず。

2011年 8月 4日 共同記者会見 (57回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16423581
2 http://www.ustream.tv/recorded/16423987
3 http://www.ustream.tv/recorded/16424774
4 http://www.ustream.tv/recorded/16425215

フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_16UWP:O6p


■会見のポイント
今回のテーマは「避難区域解除の方針」と「現在の1Fのプラント安全性の評価(アピール)」と「総合モニタリング計画」の3本柱。何れもステップ2終了後の住民帰還に向けて国が指針を示した重要な会見出席予定の細野大臣は緊急の用事という事でドタキャンに。

「避難区域解除の方針」では、内閣府 原子力災害対策本部の依頼を受け、原子力安全委員会から・緊急時避難準備区域・避難区域・計画的避難区域の解除条件が示されている。

この原子力安全委員会が示した指針にはプラント状況の安定性も条件に含まれており、経産省 保安院からは今回と同じ規模の地震、津波が来ても現在の福島第一プラントの健全は保たれる、問題ないという信じ難い評価が示されている。しかも東電から受領して1日で経産省が評価、当日には原子力安全委員会が経産省の評価は妥当だと結論を出して本会見で発表している。

併せて・緊急時避難準備区域・避難区域・計画的避難区域の解除条件においては、ステップ2(現在)で実施される除線、モニタリングについても重要になる。

そこで文科省からは「総合モニタリング計画」が発表されている。文部科学省、原子力安全委員会、原子力対策本部、関係府省、自治体、原子量事業者が、それぞれ役割分担を行い、情報を統括してポータルサイトで情報を一元的に公開する計画が示されている。(これまで幾度となくあった指摘)

ステップ2で行われる除線活動はどうなっているのか、具体的な指示が必要ではないかという疑問も聞かれたが、除線活動については具体的には示されず、福島県と南相馬市で除線マニュアルがあると聞いていると報告があっただけ。この点は内閣府 原災被災者生活支援チームが出席しないと見えてこないのは相変わらず。

ステップ2終了以降の・緊急時避難準備区域・避難区域・計画的避難区域の解除に向けて、関係省庁、関係機関が足並みを揃えたというのが 8月4日 の統合対策室共同会見。質疑の前半は、これらの議題に対してのみ行わた。一つの節目となる重要な会見と言える。

【福島第一原発 安全性評価に関して】
現在の福島第一原発の安全性に関しては疑問だらけ。前回と同じ規模の地震、津波が来ても安全性は確保されるという東電分析と保安院の評価、安全委員会の評価。
  • 水素爆発は起こり得ないという前提で保安院は評価。
  • 最悪の事象は注水停止は15時間で評価。それ以上の注水停止はあり得ないと考えている。
  • 福島第一は今回と同じ規模の地震、津波でも問題ないと評価。
    あり得ない東電と経産省保安院の評価。ストレステストで止まる原発など一基も出る訳がない。
  • 津波警報で戻れない事は想定していない。
    今回のケースでも津波警報が長時間続いたが、結局津波は来なかったので作業が出来た。だから問題はないと呆れた回答をする東電 松本氏。
  • 上記、最悪の事象でも20km以遠で放射能により住民が危険にさらされることはないと評価。対応するだけの十分な時間があるため。
  • 原子力安全委員会は、これら経産省 保安院の評価を翌日には妥当と評価。

【避難区域解除の方針に関して】
上記、福島第一原発の安全性を前提にした原子力安全委員会避難区域解除の指針
  • 意見を求められその日に回答。安全委員会が検討に入ったのは7月19日ステップ1終了時。何れは求められるだろうと事前の準備は出来ていたので即回答出来た。
  • 解除条件を満たしているかどうか、今後も安全委員会が評価に関わる。
  • ステップ2(現在)に平行して行われる除線活動が現状どうなっているのか伝わってこない。
  • 統合対策本部は戻れないというケースは全く想定しない。必ず戻ってもらうための努力が重要、とこれまでの主張の繰り返し。
  • 晩発性のガン、健康リスクについて国は全く考えを持っていない。
    (現状では、因果関係が証明されないということで将来、保証される見込みはない)
  • お米に関しては農水省。統合対策本部と密に連携はしていない。HP公開情報しか知らない。食品に関して情報が伝わってこない。水産庁もしかり、連携が取れていない。
# 東電の自己評価 → 経産省 保安院、良い評価だ。→ 安全委員会、問題なかろう。という一連の矢継ぎ早感が否めない流れ。質疑では本当にちゃんと議論しているのかとう疑問の声が相次いだ。福島第一が全く問題ないのならストレステストで止まる原発なんて一基もあり得ない。おちょくられているとしか思えない。NHK 横川記者の質問に全て集約されているので、壇上の回答者の回答になっていない回答は必見。NHK横川記者、核心を突く良い質問をします。

以下は定例会見のポイント。

プラント関連
特に大きな発表はなし。相変わらず停電、水漏れ、トラブルは尽きないといった状況。

モニタリング関連
河川の汚染が深刻さを改めて確認。河川の底の砂土から、最高地点で セシウム134が12,000Bq/kg、 セシウム137が14,000Bq/kg、合計 26,000Bq/kg の汚染。この点については原子力安全委員会の評価はスルー。河川の水の検出限界値が 10Bq/L と高い事を指摘。

実際にアユなどの淡水魚からも高い暫定基準値すら超える汚染が確認されている。海洋モニタリングの検出限界値や食品の暫定基準値についてもそうだが、原子力安全委員会の指摘にも関わらず、それに従わない関係省庁、県、の姿勢が表面化しつつあるように思えた。

質疑関連
数日前の江川さんの質問で帰れない場所に何時までも帰れるというのは、という質問に対して、えらい剣幕で帰れないということは念頭にないと反論していた園田政務官。本日の会見でも、新しい地域で新しい生活を踏み出そうとしている方々を傷つけている、といった厳しい指摘が相次いだ。

フリー政野さんもこの会見に出席。今回の矢継ぎ早と思えるステップ2以降の避難区域見直し指針についてかなりの不信感を持っている事が質問内容から伺える。


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (園田政務官) 00:01:20~
  • 1F 原子炉施設の安全確保状況(経産省 保安院 森山対策監) 00:07:00~
  • 「1F 原子炉施設の安全確保状況の安全委員会の見解」と「避難区域解除の指針」
    (原子力安全委員会 加藤審議官) 00:17:00~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:29:15~ / 00:32:50~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:00:00~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:03:40~
  • 宿題の回答 ~補足(園田政務官) 00:12:35~
  • 質疑 00:15:35~

2011年8月4日木曜日

2011年 8月 1日 統合対策本部共同記者会見:遮蔽壁、海側の遮水壁の先行開始を発表。会見終了間際 10Sv/h=10,000mSv/h=致死レベルの汚染発見の報告。

2011年 8月 1日 共同記者会見 (56回)

録画 IWJ
1 http://www.ustream.tv/recorded/16370703
2 http://www.ustream.tv/recorded/16372293

フリーライター木野龍逸さんによるまとめ
http://ustre.am/_16Hbf:NVh


■会見のポイント
細野大臣は遅れて出席。出席したのも束の間(テレビ出演のため)5分程で退席。特に際だった動きのない定例の共同会見に思えたが、会見終了時の東電の本日の実績発表で 10Sv/h という高い空間線量を示す場所が施設内に見つかったと報告。記者騒然。

通常なら「本日の実績」発表で会見が終了するところ、この報告に対する質問が殺到。ここから45分間も質疑が延長。この質疑で印象的だったの東電の信用のなさ。記者からは何時入った報告なのか、質問が相次いだ。重要な事象を「ぼそっ」と発表し流そうという事これまでに何度もあったからだ。

東電松本氏なりに、大切なお知らせとして扱ったようだが、天然とも言える淡々とした変化のない口調が、事の重大さがまるで理解出来ていないように見えてしまう。10Sv/h 、10,000mSv/h 発見は、その日のテレビと翌日の新聞報道各社報道でトップで扱われている。

この値は数分で死に至るレベルであり、仮に短時間あびたとしても間違いなく死は訪れるであろう値。作業員が常に死と隣り合わせの環境で復旧作業をしていることを実感するのと同時に、先日の線量計を持たないで作業する作業員を賞賛する海江田経産大臣人命軽視も甚だしい今の原発行政に憤りを覚えた会見に。

モニタリング関連
何か新しく始めた、検出限界値を変更した、食品のサンプリング方法を見直したなどの動きはなし。何か突出して高い値が検出されたという報告はなし。核実験による放射能環境調査の一環で、文科省が福島事故前から毎月行っていた定時降下物に含まれる1ヶ月ごとの合算値が発表されている。

震災により集計が遅れているものもあり、3月、4月分が発表された。前年度と比べると当然ながらとんでもない値であり、この差から福島原発事故で放出された放射性物質を推測できないかと興味深い質問もあった。

プラント関連
ステップ1終了を宣言した工程表発表会見で既に遮蔽壁検討は発表されていたが、海側から先行して行う事が決定した事が報告されている。冒頭、園田政務官からも説明がある事からもわかるように政治主導によるものであり、遅れて会見に顔を出した細野大臣もそのことを強調している。

これが言いたいがために顔出したようなものだが、緊急を要すことであり、率直に評価してよい事だと思う。後は冒頭述べた 10Sv/h 発見の2点。

質疑関連
特に重要な質疑は答弁含め文字に起こした。特に NPJ 日隅さんの質疑に注目。病気を押して会見に挑む姿勢を見て頂きたい。これまでの心ない壇上の対応に怒りすら覚える、魂のこもった訴えを見て頂きたい。

NPJ おしどりさんの福島県住民被爆問題と原点に立ち返った質問は現状を理解されていない方には必見。NHK石川解説員の食の安全、現在の暫定基準値の矛盾を追及する質問に注目。国民目線の重要な質問については★で評価しているので参考にされたし。国民生活に最も近いこの会見で、各メディア記者がどのような質問をしているか監視、観察さたし。


■本日の議題
  • 冒頭の挨拶 (園田政務官) 00:00:50~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省) 00:03:10~ / 00:04:50~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会) 00:07:55~
  • 各プラントの状況 (東電) 00:17:00~
  • 東電 福島第一原発 出入り管理関する厳重注意 (経産省 保安院) 00:28:05~
  • 質疑 00:34:15~

東電サイトを検索

政府・東電 統合会見議事録から検索

規制庁・経産省・文科省から検索