2011年6月4日土曜日

2011年 6月 3日 共同会見 不信任決議案否決後 はじめてとなる統合対策本部共同記者会見はいろんな意味で見所の多い内容に。

2011年 6月 3日 共同記者会見 (27回)

録画 IWJ
http://www.ustream.tv/recorded/15130310


■会見のポイント
今回の会見では重要な案件がいくつかあった。文科省からは月2回集計される空間線量汚染マップの新しい集計結果が公表された。計画的避難区域にある数カ所で積算線量の予測値 20mSv/年を超える高い地域があり、前回よりも更に増加した地点が有ることも明らかに。

つまり、現在も発電所から放出され続け、放射能汚染が現在も進行していることを裏付ける結果となっている。これはあくまで空間線量であり、土壌に降り積もった放射線の影響も含まれると考えられる。政府は IAEA が警告した土壌汚染より空間線量が重要とし土壌汚染の調査については消極的だ。今回、ようやく本格的に土壌汚染調査を開始するとアナウンスした。

保安員の会見で SPEEDI の非公開データが存在していることも明らかになっている。非常に重要な内容になっているが、特に公開されなかったことで大きな問題はなかったようにも受け取れる保安員の発言にも注目。

細野補佐官はアメリカとの協力関係についてアピール。ここで政治が停滞すれば原発事故対応に支障が出ることをアピールしたい思惑があったものと思われるが、確かにこの非常時に協力を拒み、引きずり下ろすことしか考えていない連中は全て自民、公明、民主(鳩山グループ、古株議員)全て原発推進派。

小沢、原口グループは脱原発。(小沢は建前上脱原発) 管総理の原発対応、無能で遅い復興対応に業を煮やして不信任決議に同調したが、管総理が時期を見て退陣すること、若手に託すことで造反を防いだ。現在、民主党で怒っているのは、原発推進派だけ。この時期に地下原発の勉強会をやっている鳩山グループと古株議員。

メディアでは直視するのも恥ずかしいぐらい醜態をさらしている。思惑が外れた大手メディアと一緒になって批判しており、いかにも内容のないお坊ちゃまレベルの批判。原発擁護のために情報を隠蔽、知りながら報道してこなかった、安全デマを流し続けてきたメディアであれば、管総理を躍起になって批判する姿勢は当然のことといえる。

管内閣も同じく原発推進は同じであり、東電を擁護するあまり地域住民の命をないがしろにした対応になった。誰がやっても結果が同じなら方針転換してもらうのが国民にとって最良の方法だと思える。とにかく脱原発を阻止したいメディアの思惑も見て取れる会見となった。

大手メディアの焦点は冷温停止=退陣 時期。プラント関係では逼迫している高濃度汚染水の保管場所が焦点に。250mSv を超える被爆が確実となった事に関連し、同じ作業に従事していた140人に対しても同様の可能性が出てきた。

特に白血病リスクに備えた造血幹細胞の事前凍結保存は、250mSv を超えない対策が重要として政府は必要性はないと否定してきた。しかし大量被爆する可能性が出てきた。コストを優先し人命を軽視してきた政府の対応、責任は重大だ。

質疑では、先日の不信任決議案の採決で造反を丸め込んだ管総理の冷温停止状態を目安にやめるという発言に絡んで、大手メディアは冷温停止の定義についてあの手この手で質問を変え、細野補佐官の口から退陣時期を発言させようという大手メディアの質問内容。非常事態よりも退陣時期以外に興味のない露骨な質問に苦笑。

原子炉を冷やすために注水すればするほど、高濃度汚染水を量産してしまう状況と、先日の台風(低気圧前線)の通過により温泉水の容量が増えてしまいあふれ出る恐れが高まっている事に関して、汚染水を一時保管するタンクに関する質問も多かった。

気になった質問に対しては★で印をつけているので動画を参照されたし。



■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 00:00:45~
  • 海洋生物モニタリング調査 (水産省)00:13:35~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:13:35~ / 00:16:35~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:25:00~
  • 各プラントの状況 (東電)00:27:45~
  • 質疑 00:36:05~

2011年6月3日金曜日

2011年 6月 1日 共同会見 水産庁が約一ヶ月ぶりに参加。過小評価を前提とした水産物検査方法は改善されておらず。

2011年 6月 1日 共同記者会見 (26回)

録画 IWJ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/15091551
後半 http://www.ustream.tv/recorded/15091906


■会見のポイント
水産庁の担当者が共同会見に出席した。5月6日の共同会見以降となる。刺身にしたときの身の部分しか検査しない検査方法に批判が出ていたが検査方法に関する改善については何の説明もなかった。つまり、値が過小評価される検査方法は何も改善されていない。(グリーンピースに対し検査方法について、指示したとおりに行うように圧力をかけている事からも政府が過小評価しようとしている事は明らか。)

前回の5月6日の会見では 江川紹子さんがこの点について追求していたが、水産省は1時間で帰ってしまい、遅れて会見に出席した江川さんが質問する事は出来なかった。

450程度の水産物(検体)から5%程度が規準値を超えただけと大した問題ではないように説明しているが、水産物は野菜と同じ2000ベクレルというあり得ない暫定規準値となっているため、国際的な基準でみると大半が汚染されている可能性がある。

これはグリーンピースの調査結果を見ても明らかだ。低レベル放射性廃棄物を超える2000ベクレルという事故後に決めた安全規準値を超える物は出荷されていないから安心だと言われても安心出来る訳がない。

また、この会見では以前から指摘され調査に消極的だった毒性の強い ストロンチウム90 の検査について、文科省はようやく始める意向を示した。しかし、検査ポイントは地上10カ所、海洋6カ所と少ない。

週間金曜日の方も質問されていたが、0~50、50~100、100~500、500~1000、1000~1999ベクレルは全体の割合でどれだけ汚染されているか、骨、内臓、影響の受けやすい部位もしっかり調べなければ本当に信用できない。水産省の担当者はそそくさと会見場を去っていった。

消費者が国際基準に照らし合わせ、例えば 1999ベクレルの魚を摂取するかしなないかの当然の権利さえない。国が勝手な都合で決めた規準値より上か下かでしか、判断できないというのはどう考えてもおかしい。

静岡の茶葉が問題になっているが、食品と毎に全体の消費量としてはこれぐらいだろう問い事で事細かに規準値の上限が異なるが、これも国際的に見てあり得ない数値だ。野菜に関しては説明がつかないほど高い2000ベクレル。

ドラム缶に入れて保管しなければならないような放射性物質を含んでいても、食べても大丈夫というのは誰が見てもおかしい。政府が次にとろうとしている対策は、ドラム缶に入れて保管する必要がある低レベル放射性廃棄物の規準値を大幅に引き上げる事であり法律を改正する動きも出てきている。

こうなれば食品だけでなく汚染された放射性物質を含む建材やコンクリートなど日本中に放射性物質が蔓延することを意味する。

その他、気になった点は、相変わらず飯舘村など被爆した地域住民に対する詳細な内部被爆調査については消極的という点。ここ数日、繰り返し NPJ、NHK石川さんが指摘しているが、住民に対してどれだけ被爆したか数値を伝える事について消極的な姿勢は変わらず。

被爆した事実を証明する事さえ困難にしようと考えているようにしか見えない。あり得ない程高すぎる規準値にしても、将来、健康被害が出た時に自ら保身するための口実、既成事実を作ることしか頭にない原子力安全委員会の態度に憤りを覚える。


■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 00:01:00~
  • 海洋生物モニタリング調査 (水産省)00:05:50~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:09:40~ / 00:11:30~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:14:25~
  • 各プラントの状況 (東電)00:16:40~
  • 質疑 00:22:50~

2011年6月1日水曜日

2011年 5月 31日 共同会見 急がれる住民へのホールボディーカウンター被爆検査、政府は消極的

2011年 5月 30日 共同記者会見 (25回)

録画 IWJ
http://www.ustream.tv/recorded/15074158


■会見のポイント
プラント関係では4号機作業中に起きた爆発と5、6号機の取水口シルトフェンス付近に油が浮いている事が見つかっている。何れも大きな問題ではなかった。あと、本日から東電によるライブカメラの運用がスタートしたが、4号機の使用済み燃料プールが壊れていると予てより噂になっているが、4号機のカメラは意図的にプールの要すが分からない場所に設置されておりこの件で懐疑的な質問もあった。

先日、NHK石川記者の質問にあった福島原発に立ち寄った作業員がホールボディーカウンターの結果、とんでもない内部被爆をしていた件だが、間違いなく飯舘村の住民も被爆しており、ホールボディーカウンターによる検査の催促に関する質問が気になった。

この件については政府は消極的で、ヨウ素が消えて検出が難しくなるまでの時間稼ぎをしているように見える。原子力安全委員会は簡易検査の結果、被爆はなかったとし、政府にも検査の必要性を示唆する事はなかった。後、東電 松本と NHK石川記者のやり取りに注目。石川記者の質問の意図を理解していない。前日にも地域住民の被爆について質問しており、住民被爆の事はてんで頭にない事がよく分かる。


■本日の議題
  • 細野豪志事務局長  挨拶 00:01:30~
  • 環境モニタリングについて (東電・文科省)00:03:20~ / 00:07:00~
  • 環境モニタリング結果の評価 (原子力安全委員会)00:08:00~
  • 各プラントの状況 (東電)00:09:55~
  • 質疑 00:22:00~

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