2011年4月28日木曜日

原発事故 公開質疑 後半

2011年 4月 26日
福島原発事故に関する公開質疑の後半です。
後半の 20mSv/年 という原発作業者レベルの基準値にした理由についてが焦点に。

ライブでは音声がかなりの分で消えていました。録画もそうみたい。
http://www.ustream.tv/recorded/14302736
http://www.ustream.tv/recorded/14303604
http://www.ustream.tv/recorded/14303674
http://www.ustream.tv/recorded/14303811
http://www.ustream.tv/recorded/14303959 ←
http://www.ustream.tv/recorded/14304071



20mSv/年について

文科省が保安員からきけと言われ、保安員は文科省に聞けという。
2時間で決まったという事実について。

補足質問
スピーディーとの線量とはかけ離れている。郡山も福島も全員疎開。
これを重んじてそのような数字にしたのか?


保安員
4月19日 原子力対策本部、助言をもとめられる。助言した。早急にとりまとめるという必要があり事前に薦めてきた。

10mSv/年が消えたのはなぜ?

保安員
10mSv/年はとりまとめの過程で出た値で重要な意味はない。

大人と子供と同じというのはどういう事か?原発労働者と同じレベルで子供も安全、というのは理解出来ない。

福島瑞穂議員
大人と子供が同じでいいという見解か?

保安員
下手に説明するとまずいので、説明できない。

個人的な完走でいいから答えろよ。

保安員
ICRP では大人と子供区別していない。

大人と子供と同じ量の薬でいいわけないだろ。
個人的にどう思うか。(あなた個人の良心はどう思うか?)

答えない。

福島瑞穂議員
水道水は乳児を区別してるのになぜ区別しないのか?

保安員
防災という立場がうんうん、意味不明。
ちゃんと説明できないのは申し訳ない。今回はこの辺で勘弁してくれ、といった説明に、会場苦笑。

被告席にすわる立場にある人がいっている数値だ。ちゃんとした立場にある機関が数値をだして判断しないと先に進まない。会場拍手

今後、告訴、告発という観点ですすめていく。

保安員は、東電を擁護ばかりしている。そういう役割ではなく、あなた方は正す側の立場。安全管理委員会のような役割を果たすべきなのに。対策本部のトップが総理はいいとして副代表が東電会長というのはおかしい。

民主議員
民主党も保安委員が経済産業省にるのはおかしいと以前から指摘している。ちなみに保安員は職員。多額な報酬をもらっている安全委員会のような独立した組織ではない。

ついでを言えば東電副社長が経済産業省幹部の天下り指定席となっている。電力会社、政府、メディアの結びつきはこのビデオの通りであり、私自身も関電、広告代理店がらみの仕事を受ける事があるのでメディアと電力会社の結びつきは実感している。

全て当事者ばかりで固められた現状。特に東大の専門家などメディア、政府に結びつきの強い連中が取り巻いている。存在する委員会に、一人でいいから民間の専門家を入れろと言う意見。

とまぁ、こんな状態で、議員も何もわからない状況。


■共同会見
同日、26日の合同会見でも同様の質問があったのでここに書きます。

江川 紹子
20mSv年を決定の経緯とメンバーを問い正す。

専門家2名 保安委員5名 の7名、2時間で決定。やはり議事録なし。
そして、本間委員 と 成田委員 が明らかに。放射能防護の専門家らしい。

ちょっと検索してみると以下が検索結果のトップに表示された。
震災前日の原子炉設計許可申請書の中に
成田委員、本間委員の名前がそろって記載されている。電力会社お抱えの専門家である事は間違いなさそう。保安員によれば、この専門家が最終的な数値決定に対するアドバイスを行ったと言う。助言をもとめて結果的に 20mSv/年に決めたそうだ。

しかし、一体どのようなやり取りがあったかは21日の文科省の説明通り、議事録は作成しておらず不明。質問しても明確に答えられる人物がこの場にいない。いずれにしても、たった2時間で、1mSv/年 の安全基準値を 20倍に引き上げ、児童を学校に通わせて良いとした。

チェルノブイリで言えば、完全に避難区域(人が住めない)に入るレベルだ。

また、これまでの積算は考慮されておらず、内部被爆に関しても一切考慮がされていない事はわかっており、本当に適当に決めました、といった印象だ。あり得ない。

文科省「児童の被曝基準20mSvはぶっちゃけ適当だから」「え?この線量って労災レベル?」「知らない」

以前から聞いている通り、議事録はなし。どのようなやりとりがあったかは不明で明確に答えようとしない。この決定に要した時間は 2時間。

江川 紹子
乳児は水の摂取制限するのに、大人、子供は 20mSv/年に引き上げて安全だと通達するのは、非人道的行為としか言いようがない。この点について、細野に聞いても明確な解答を示さない。

総理とこのことについて話をしたのか?という問いに対し、細野はしていないと解答。

前日の合同会見で、

「私(細野)と官邸は密に連絡をとっている。物理的な距離はあるが官邸とは近い状態にある。」

といっていったばかりなのに。20mSv/年の話になると、とたんに曖昧な歯切れの悪い解答になってしまうという印象はぬぐえない。この文章をタイプしていると流れてきた NHKニュース。


NHKニュース
NHKのニュースでは 3ヶ月 5mSv の基準を大幅に超えたと報道した。女性が被爆した事を報道した。積算17mSv 。敷地内で誘導していた女性職員らしい。

大手メディアはネットでも報道しているが、具体的な数値を出している所は少ない。NHKのニュースではちゃんと値を報道していた。今後、具体的な値は一切報道されなくなるのではなかと思うと怖い。

原子力従事者やレントゲン技師など放射能管理区域で従事する女性は 3ヶ月で積算 5mSv を超えてはならないという基準値が定められている。(他は20mSv/年、18才以下を働かせた場合、労働基準法違反=犯罪、また、癌、白血病の労災基準値となっている)

NHKはじめメディアは 20mSv/年へ基準値を引き上げた事実は一切報道していない。誰が見たっておかしい。NHKで解説していた報道記者もこの会見の場にいるのに、情報を押さえ込もうとしているようにしか思えない。

2011/04/28段階の大手メディアの記事はない。この問題を一切取り上げていない。

Googleニュース検索 ではヒットしない(右図)。

通常の検索結果では多くの人が声を上げている事がわかる。今回の事で私はメディアが信用できなくなった。民法は電力会社を、NHKは国を擁護している。

午後の公開質疑では、刑事告発について踏み込んだやりとりがあった。危険と知りながら、人命を尊重しない非人道的な行為は犯罪であり、あなたたちは加害者だ。

司法の場で裁かれる覚悟はあるのかと、今一度良心に問いたい。

「組織ではなく、あなた個人としてどう思いますか?」

という旨の質問はこれまでの会見でも何度も聞いた。でも答えない。決してそんなことはないと思いたいが、連日の会見を見ていると、上司、上層部はたとえどんな理由があっても個人的な見解は述べるな、と、そういう所だけしっかり指導して、下っ端を会見によこしているのではないかという印象を受けてしまう。命を軽視するその姿勢、どうしても感情的にならざる得ない。

テレビに出ている放射能は安全だ、体に良いと繰り返したり、やたら過小評価して安心を煽ろうとする評論家、今、まさに子供が殺されそうになっているこの現状を知りながら見ないふりをする人も同罪だと思う。声を上げるべきだ。

http://genpatsu-watch.blogspot.com/2011/04/blog-post_26.html
で述べたように、彼らの根拠とするICRPの
「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル(※1)として、 1~20mSv/年の範囲で考えることも可能
という解答は、チェルノブイリの教訓を考慮していない値であり、チェルノブイリでも 5mSv/年 を超える地域には人が住めない管理区域にされている。日本は狭い島国だ。安全基準の上限を 5mSv/年 にしてしまうと、どれだけの地域に人が住めなくなるか、調べてみるといい。

国の示す値は、あくまで同心円が基準となっている。放射能は遠くへ行くほど影響が小さくなるのは当然だといい、誰もが気象条件を考慮すればそうではないことはわかる。ホットスポットさえ、最初は考慮しようとしなかった。

葉物野菜や土壌調査をみてわかるように、葉物野菜は洗って検査、土壌は地中15cmの値、と少なく見積もることしか考えておらず、空間線量も地上20m。実際の線量計の値は、公表されている値よりも高く、公表されているデータは低く見積もられている。

正しい値で計算すれば、おそらく諸外国が日本に滞在する外国人に指示している 50~80km になる可能性が高いと思われる。政府は東電を保護して賠償額を抑え、また、経済が混乱する事を恐れている。

参考
自分たちは非難するばかりでさっさと政権譲れと。食べても安全、出荷制限はおかしい。 国が独自に決めた基準だし、農家は死活問題だから規制値をいまから変更して農作物の出荷制限をやめよう。

今年、娘は東電に入社。自民きっての原発推進派。その基準値を作り、世界の2倍の安全基準、だから原発は安全だといって原発を推進してきたのは他でもないあなたたち自民党ではないか。民主党は更に20倍に安全基準を引上げ、自民党も反発しない。メディアも報道しないこの事実。

エネルギーシフトは選挙の重要なテーマ石原ファミリーも東京都副知事も原発推進派。東京湾に原発作ってもよいとする石原慎太郎が再選した事について、東京の電力のために犠牲になった福島県民はどう考えているだろうか。

東電サイトを検索

政府・東電 統合会見議事録から検索

規制庁・経産省・文科省から検索