2015年3月25日水曜日

原子力規制委員会 田中委員長記者会見 平成 27年 3月 25日(水)14:30~

原子力規制委員会 田中委員長記者会見 平成 27年 3月 25日(水)14:30~



https://www.youtube.com/watch?v=u6ZQq6V3cUA

● 日時:平成27年3月25日(水)14:30~
● 場所:原子力規制委員会庁舎 記者会見室
● 対応:田中委員長 他<質疑応答>



○司会
それでは、定刻になりましたので、ただ今から原子力規制委員会の定例会見を始めたいと思います。早速ですが、皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり、所属とお名前をおっしゃってから、質問の方、お願いいたします。それでは、質問のある方は手を挙げてください。アマノさん、どうぞ。

○記者
産経新聞、アマノでございます。今日の敦賀と東通の破砕帯の評価書について、これまで2年以上かかって、有識者調査団としては、ようやく結論がまとまってきたわけですけれども、これは委員長御自身、どのように受け止めていらっしゃるか、お聞かせください。

○田中委員長
特に敦賀については、紆余曲折というか、いろいろなあれがありまして、最初のこともあったから、随分丁寧にやって頂いたと思いますので、その分、有識者の方には大変御苦労をかけたと思いますが、いつまでも結論を先延ばしにしていてもしようがないので、いろいろな御意見もありますけれども、後は正式な適合性審査の中に入っていく段階にようやくたどり着いたという感じがしています。東通の方は、これも以前にも申し上げたのですか、審査会合の中で意見を1つにまとめようと、島﨑委員とか、できるだけそういう努力をされていたと思いますけれども、専門家同士が意見が違った場合、若干の違いがあると難しいところもあって、それはそれとして、我々が今後、適合性審査の中で判断するための材料になりますから、そういう問題点は問題点としてまとめて頂ければということで、今回まとまったものと理解しています。

○記者
委員長御自身は、丁寧にやって頂いたというお言葉がありましたけれども、今回、原電にしても、東北電力にしても、議論が煮詰まっていない中で結論を出すのは早急だという意見をこちらで聞いております。その辺の事業者側の抗議については、今後どう対応されるのか。審査を申請してくださいという、東通はもう申請済みですけれども、申請の中でやってくださいという形で対応されるのか、その辺の抗議について、どう思われるか、お聞かせください。

○田中委員長
事業者は事業者の立場があるから、いろいろおっしゃると思いますけれども、公的には審査の中できちっとその判断をさせて頂くことにしようと思っていますので、そういう段階に入ったと理解して頂けばいいと思います。

○記者
1点だけお伺いしたいのですけれども、例えば、敦賀については、平成25年5月の段階で、規制委として評価書を了承したという形になっていて、報告徴収命令では規制委が判断したという形になっていたものが、今回、受理したというふうに、これは方針転換と私は受け止めておるのですけれども、この辺はいかがでしょうか。

○田中委員長
皆さん言っているように、有識者会合は法的位置付けがないというお話をよく言われていました。ですから、あくまでも、25年5月も、有力な参考データとしての知見は受領しましたということなのです。ただ、今日もちょっと申し上げましたけれども、とりあえずの安全対策として、使用済燃料プールのところだけの評価をして頂いたという点では、一応、暫定的にそういうふうに判断して、我々としてはやったということで、特に今回と前と、アマノさんみたいな理解をされると困るから、今日は受領したということで、明確に表現をさせて頂きました。

○記者
それは、平成25年5月の段階で最初に出たものは、これは規制委として了承はしていなかったという話になるのですか。単なる受理したというだけになるのですか。

○田中委員長
基本的に了承するというか、我々の判断を他の方に全部委ねるということはあり得ないわけで、それはまず受理して、それをもとに適合性審査をしていくということは前から変わらないと思います。昔の安全委員会みたいな立場はとらないということは前々から申し上げていましたので。

○司会
よろしいですか。次の方いらっしゃいますか。その後ろの方。

○記者
東京新聞のキシモトと申します。今日の定例会合で、もんじゅについて、第4四半期の保安検査の結果、概要ですけれども、問題点が幾つか報告されたかと思います。その中で、冷却系の点検に不備があったとかいう話がまた改めて出てきたのですけれども、もんじゅについてはこれまでもいろいろな点検漏れの話とかがある中で、今回また新たな報告が出てきたことについて、委員長として、率直に、まず、どのような感想を抱いたというのと、改めて原子力機構に対して、どのような対応が今後必要かというのをお願いいたします。

○田中委員長
今日、私が話したとおりの感想を抱いたということですね。一応、保安検査の中身は3つぐらいに分かれていて、安全上、一番重要なものはクラス1なのだけれども、そこに検査の抜けがあったという話をお聞きすると、これはなかなか重症ですねということです。逆に言うと、保安検査の中でも、余りにも天文学的な数ですから、きちっと重要度分類をして、そこの重要なところを見ていくという方針で臨んでくださいと、今日はまずお願いしたわけです。本来ならば、そういった品質管理とか、検査というのは事業者の責任で全部やるべきことでありますから、こちらから強制してとか、こちらに見られるからやるというような姿勢は根本から改めなければいけないし、そんな姿勢を改めることができなければ、原子力事業をやっていく資格がないと私は思います。

○記者
分かりました。ありがとうございます。もう一点、大変お答えしづらい質問になるかと思うのですけれども、恐縮なのですが、来週にも福井地裁で高浜3、4号機の運転の差し止めの仮処分決定が出るのではないかと言われていまして、担当している裁判長は、昨年5月に大飯原発の差し止め判決を出された方と同一なので、その決定内容はマスコミ的にも、いろいろな方にも注目されておるのですけれども、仮定の話で恐縮なのですが、仮に差し止めの決定が出ますと、新規制基準を満たした原発が動かせないという事態になろうかと思うのですけれども、そのような司法判断が出たとすると、規制委の今後のお仕事に何らか影響するのか、それとも、行政と司法は独立したものですから、粛々と進めていかれるのか、そのあたりの御所感をお願いいたします。

○米谷総務課長
総務課長の米谷ですけれども、司法判断に関することでございますし、ましてや私どもが当事者でもございませんし、私どもがコメントするべきものではないと承知しております。

○記者
委員長は何かありましたら。

○田中委員長
同様です。

○記者
同様ですか。分かりました。

○司会
他はいかがでしょうか。シズメさん、どうぞ。

○記者
共同通信のシズメです。先ほど石渡委員にもお尋ねしたのですが、今回の敦賀と同様の、前例として大飯原発があると思うのですね。大飯の場合は新F-6ということで、重要施設直下の断層は活動性がないという評価が出ました。その評価を受けて審査が進んでいるわけですけれども、大飯の場合では、新F-6と言われて問題になった断層について、審査会合では、公開の場ではほとんど審議していないのですね。そうなると、同じような対応を敦賀でも行うことにならないと、同じ扱いですと言われても、ちょっと疑問が残るのですが、どうですか。

○田中委員長
大飯の審査会合では島﨑委員がやっていますし、そこに争いがなければ、そこの部分についての議論はそんなにないというのは当然だと思うのです。ただし、3連動については随分もめたというのは御存じのとおりですね。ですから、当然そういうことはあると思いますが、今回は大飯の新F-6だったかな、ああいう問題が残っているわけですから、そういうところをまず解決するということの審査も随分あるのだろうとは予測しますけれども、石渡さんがその辺はさばかれると思います。

○記者
事業者にとって有利な判断であったから、争いがなかったというのは当然だと思うのですけれども、改めて敦賀で一から判断をし直すべきだと委員長はお考えになりますか。

○田中委員長
一からとか、改めてとかというのではなくて、今回は一応、専門家だし、島﨑委員、石渡委員と、ずっと入っていますから、そこはおのずとそれなりの重要なデータとして、知見として、それは配慮していくことになるのだろうと思いますが、私自身が審査会合をどうこうするわけではありませんから、石渡委員会、グループでそういう議論をしていくことになろうと思います。

○記者
最後の質問にします。今回の敦賀も含めて、有識者の方にお話を伺いました。有識者会合の判断は判断で、審査では改めて、改めてというか、あれですけれども、判断をしますということについてどう思いますかと何人かの方に伺ったのですけれども、こういう反応がありました。そもそも規制庁側に、保安院も含めてですね、国の方に知見がないから有識者に依頼をして調査をしてきたはずなのに、規制委員会が結論をひっくり返せるような立て付けにするというのは非常に残念であると。使命感があったからこそ重い負担にも耐えられたのに、一体何のためにこれまでやってきたのだ、もう規制委員会に協力するのはごめんだという気分になるという声が何人かから出ています。そういう立て付けであるということの当否は別として、委員長、どうお感じになりますか。

○田中委員長
いろいろなお考え、感想を持たれたということについては、それはそのまま受け取ればいいと思いますが、判断について、今回、2つの事例について、どういう最終的な判断になるかについては、まだ私から予断をもって申し上げることはできませんので、立場が違う人がいろいろいますから、いろいろな御意見があるかもしれませんけれども、それはそれとして、だからこそ最終的には規制委員会の責任で判断しますと申し上げているところです。

○記者
ちょっと言い方が分かりにくかったので、こういうことです。最初からそのようにしっかり明示しておけばいいものを、後になってから覆せるということを言うのは大変失礼だという声なのです。

○田中委員長
そういうお考えの人もいるでしょうけれども、大飯のときには意見が割れたことがありましたけれども、調査の過程で大体、皆さん、合意できたわけですね。今回はなかなかそこまでたどり着かないところもありましたので、そういう意味もあって、そういう御意見が出ているのではないのでしょうかね。

○司会
他の方、いかがでしょうか。では、ツカハラさん、どうぞ。

○記者
電気新聞のツカハラです。まず、1点目が、今の共同さんの質問と関連するのですけれども、有識者の先生方にそういう立て付けであるということはきちんと事前に説明されていたのでしょうか。

○渡辺課長補佐
原子力規制庁の地震・津波対策担当の課長補佐でございます渡辺と申します。よろしくお願いします。有識者の先生方に事前に、こういう立て付けであるということをしっかり説明したかということですけれども、まず、有識者会合を行うときには、最初にメンバーを選んだ後に事前会合をやりました。その中で、これこれ、こういう議論が今まであって、今回、評価をお願いしますという話をしていますけれども、そのときに、原子力規制委員会でこういうふうに有識者会合を組織してやると。当然、最後は規制委員会の判断になるということについても御説明はしていると思います。ただ、詳細に、こうなるからこうだとか、そこまで詳しい説明をしていたかということについてはあれですけれども、いずれにしても有識者から御意見を伺う場だということについては御説明しているということです。

○記者
詳しく説明していなかったから、そういった意見が出ると受け止めましたが。

○渡辺課長補佐
いずれにしても、有識者の方から御意見を頂いて、最後は規制委員会なりが判断をする場であることは申し上げているかと思います。

○記者
分かりました。もう一点、東通なのですけれども、実質的な審査会合の場での審査というのはもう既に入れる状態になったと理解していいでしょうか。

○田中委員長
今日申し上げたとおり、審査を進めて頂きたいということをお願いしましたから、これからそういう審査のプロセスに入ると思います。

○司会
次の方、いかがですか。ハナダさん、どうぞ。

○記者
NHKのハナダと申します。東通の評価書の関係で、先ほど石渡委員にもお伺いしたのですが、f-1とf-2の関係なのですけれども、今回、結論は出ていない形なのですけれども、今後、審査の中で議論されると。その中で、なかなか結論が出るのが難しい問題だということなのですけれども、一定の時間までに判断をしなければならないので、そのときは安全側に立って考えるという御発言を石渡委員の方で先ほどされていたのですけれども、この点については委員長も同様のお考えということでよろしいでしょうか。

○記者
逆に危険性があってもいいという判断はあり得ないと思うのです。結局、わからないから安全だ、いいのだという判断をしたことが福島の事故の教訓ですから、原則はそれでいいと思っています。ただし、わからないままに判断するのではなくて、いずれにしてもできるだけの知力を尽くすということは大事だと思っています。

○司会
では、ハマダさん、どうぞ。

○記者
ロイターのハマダです。先週に引き続き、福島第一のトリチウムの海洋放出について質問があります。2点あります。1問ずつお願いします。まず、委員長が主張されているようにトリチウムを海に出す際に、告示濃度を守るのは当然として、一定期間内に総量を制限しなくていいのか。過去に出ていた質問かもしれませんが、改めて聞きたいと思います。よろしくお願いします。

○田中委員長
総量規制は、多分、現段階では無理だし、そういうことをする必要もないと思います。

○記者
2点目なのですが、福島県漁連の幹部の方を取材すると、東電と経産省がトリチウムの海洋放出をまだ決めていない中で、本来、事業者に対してより厳しい規制を課す立場の規制委員会がそうしたことを主張していると。そこに不信感を覚えていると主張していますが、こういったお話の受け止めをお願いします。

○田中委員長
繰り返し言ってもしようがないのだけれども、今、1Fの状態は並みの原子力発電所ではない。だから、リスクのマップを作ったように、あれだけいろいろな課題がある。あの中にはリスクの非常に大きいものもたくさんあります。例えば、水一つとってみたって、海側のトレンチだと大体10万倍ぐらい高いし、RO水だと、多分、1万のオーダーで濃度が濃いわけですね。そういうのが山のようにたまってきているわけです。御覧になったかどうか分かりませんけれども。そういうのが無管理状態で放出されるという事態を招きますよと、そういう可能性がだんだん高まっていますよということなのです。これから1Fの廃止措置の中で、水がため切れるかといったら、そんなことは全体不可能ですよ。100%不可能です。トリチウムを出さないで。そのことをきちっと説明して、当然、そういうことをすれば、いろいろな問題が起こりますよ。福島の方たちが言っているように、風評被害が起こったり。そういうことはきちっと対応しなければいけないのだけれども、ひとつひとつのことで、これはだめだ、あれはだめだ、これもだめだと言っていたのでは、結果的にはリスクをどんどん大きくしていくだけになるということなのですよ。だから、あなたたちも、もう少しそこはよく考えないといけないのです。

○司会
マイクをお願いします。

○記者
…言っているわけではありません。ただ、今のところ、経産省のタスクフォースで、例えば、浅地層処分とか、CCS(carbondioxide capture and storage;CO2を地下へ圧入・貯留する技術)とか、二酸化炭素を地下に注入するといった工法も一応、検討されているのですけれども、JAEAの方が浅地層処分のプレゼンをされたということなのですが、そうした代替の手法というのはまるで現実味がなくて、海洋放出に向けたアリバイづくりみたいなものを経産省が今やっていると、そんなふうに見ていらっしゃるのでしょうか。

○田中委員長
経産省は経産省の立場でいろいろおっしゃっていると思いますけれども、私もここで申し上げたと思うけれども、例えば、2TBqというのは35ccぐらいのトリチウム水です。その10倍だとしても350ccのビール缶1個ぐらいですよ、トリチウム水にしたら。それをあの大量の水の中からどうやって分離するか。100ccを1ℓや2ℓから分離するのとはわけが違うわけですから、そんなこともわからないようでは科学的ではないと言うしかないのですね。トリチウムは絶対分離できないから、アメリカの場合は蒸発させてばらまいた。空気中に出ていって、あとは下に落ちるだけですから、結局はそういうことになるだろうし、いかにもできそうなことを言ったからどうだということではなくて、もっともっと真剣に勉強して、本当にフィージビリティとか何かをよく考えた方がいいのです。

○記者
今、タスクフォースで議論になっていることは、別にトリチウムの水を海に流すことが安全か否かということがメーンのテーマにはなっていないと。ただ、社会的な影響をどう受け止めるのかということについて、もう焦点が移っています。そうした中で、それでも海に流すのがベストだというのであれば、そうした主張は当然あると思うのですけれども、そういう合意形成の仕方がどうなのかということが、今、現実問題として、難しいテーマとして浮上しているわけです。ですから、委員長には、例えば、こういう会見でお話しされるだけではなくて、先週、漁業者の方に説明される御意思があるのですかと聞いたのはそういう意図があって聞いたのですけれども、そうしたところに出向いていって、今みたいな主張をされていく御用意があるのかということはいかがなのでしょうか。

○田中委員長
それは私の立場でやるべき仕事ではないので、廃止措置を進める責任は東京電力にあるわけだから、東京電力がそういう覚悟を持ってやる以外は方法がないのです。

○司会
それでは、ホンダさん、どうぞ。

○記者
日本経済新聞のホンダです。昨日、文部科学省で発表があったようなのですけれども、JAEAの松浦理事長が4月に退任されると。その御後任に三菱重工業の兒玉元副社長という方が就かれると。松浦理事長御退任への受け止めと、新しい理事長、御面識があるかどうか分かりませんけれども、期待されることを一言お願いします。

○田中委員長
松浦さんは私の上司だったし、長いおつき合いだから、もう80ですね、私より一回り上。御苦労さんというしかないと思います。兒玉さんは、さっき新聞を見たら、会ったこともないから全然分かりません。きちっとしたマネジメントをして頂ければと思います。

○司会
はい、他に。では、ミヤジマさん、どうぞ。

○記者
月刊誌のFACTAのミヤジマです。先週中部電力の社長さんとの意見交換があって、これで関電、東電、大どころ一通り終わったと思うのですけれども、こういう中で、意見交換というので何か非常に有益だったということがあったら、それを1つ教えて頂きたい。それから、ここ数回伺っていますと、やはり石渡先生の方から、技術だけではだめなのだ、科学力なのだということをおっしゃっていて、私は、それは浜岡というのは、科学と向き合ったら、やはり最もハードルが高い原発なのだろうと世の中の人の多くは思っていると思うのですが、そういう意味で、やはり中部電力のそういう取組というのは私はちょっと疑問があったのですが、逆に事業者に対して規制委員会が言うところの科学力。これというのは、田中先生のイメージではどういうものをこれから求めていこうとお考えになるのか。石渡さんの考えは大体わかるのですけれども、田中先生はどんなふうにお考えになりますか。

○田中委員長
非常に難しい質問ですよね。科学と科学技術と技術と、いろいろ人によって捉え方が違うのですね。石渡さんは理学系ですから、科学、サイエンスとか学術研究とか、そういう言い方をされると思うのですが、科学というのは一つの自然の摂理みたいなものだとすると、我々人間はいろいろ学んではいるけれども、なかなか十分にそれを理解できないところもあるというのも、これも事実なので、そういう意味で、島﨑さんがよく自然の声に耳を傾けるべしというようなことをおっしゃっていたと思うのですが、多分それと共通のところも1つあると思います。1つはね。それから、具体的には石渡さんとか島﨑さんの分野というのは、まだまだわからないところが多い分野という意味では、まだ科学のレベルというのかな。工学技術というようなレベルではないということで、そういうことも、でも大事ですよということを言いたかったんだと思うし、私もそのとおりだと思います。新しい規制基準では、外的要因としてそういう自然からの、自然現象に対して、結局コモンコースフェリアというか共通要因でいろいろなものがばたばたと倒れて、それが福島の反省ですから、そのところはやはり科学も十分に頭に置いた規制をしているつもりではいます。だけれども、私がなぜ安全ですと言わないかといいますと、やはり科学の世界、そうは思っても分からないこともありますよねという、そういうところもあって、私はそういうふうに申し上げています。だから、なかなかいろいろな御意見があってなかなか真意が伝わりにくいのですが、そういうことです。それから、社長さんとの話し合いは、すぐに効果がどうこうということではないと思うのですが、従来、いわゆる電力の社長の生の声が、こういった公共の電波に乗ったり、新聞で出ていくということは、今までなかったと思うのですね。それがああいうオープンの場で、きちっと、今日もちょっと申し上げましたけれども、あれは規制委員会の約束だけではなくて、やはり国民への約束をしてくれたものというふうに受け止めるべきだろうということを申し上げたので、そういう意味では、今後引き続きウオッチしながら、その効果が出ることを願っています。

○司会
はい、他に。では、マサノさん。

○記者
フリーのマサノです。よろしくお願いします。先週聞いたこととちょっと重複かもしれないのですが、免震重要棟について、これは必ず再稼働の前までに正式なものを完成させておかなくてはならないというふうにならなかったのは、何か理由があるのでしょうか。そういう議論があってそういうふうになったのでしょうか。

○田中委員長
規制の本質というか、規制要求というのは性能要求なのです。機能がちゃんと満たせているかどうかということが基本です。だから免震重要棟ではなくて、先週も答えたけれども、緊急時対策所としての機能が十分であるかどうかということの判断で見ています。

○記者
そうすると、狭いということをおっしゃっていたと思うのですけれども、何人ぐらいが収容できるものであるというのは。

○田中委員長
細かいのはあれだけれども、あれだね。

○司会
ちょっと個別の話なので、個別に担当官の方にお問合せください。

○記者
分かりました。関連で、工事計画の認可についてなのですが、先週の資料によりますと、原子力規制委員会行政文書管理要領の中で専決処理をされるものに位置付けられているということなのですけれども、専決処理というものというか、この行政文書管理要領によると、文書の起案とか決裁とか施行といったものについて定めていますが、工事認可自体は委員会から受けるということになっています。そうすると、今後、あるいは今回は報告だけ受けたということなのですが、実際には委員会が認可の作業をするということになると思いますので、その辺の位置付けというか、透明性の議論はありましたが、どういう筋道になっているのでしょうか。

○米谷総務課長
前回も御説明をいたしましたが、専決の処理。それは委員会として決定をするのだけれども、その決済を長官におろすとか、あるいは部局長におろすということの整理をしております。それは委員会で原則を定めまして、まず、裁量制のあるものかどうかということ。それから、その中で重要なもの、そうでないものというようなことのきちんとした考え方をまず定めて、それに沿って個々の専決を誰におろすかということを、今日も議論しましたけれども、そういう形で文書要領を定めて、そしてそれに従ってやっていくということであります。そしてまた、前回の会見のときにも申しましたように、透明性ということについて、では、委員会に報告をするかどうかということは、先決の話とはまた別の話であります。

○記者
そうしますと、すみません。この管理要領によると、工事計画の認可(重要なものを除く)と、今、おっしゃられたのは裁量の問題だと思うのですが、何が重要で何が重要でないかというのは、どこに書かれているのでしょうか。

○米谷総務課長
官房総務課長の米谷でございます。いろいろな案件が出てきますので、その時々、案件に即して判断していくというものでございます。

○記者
その判断の主体は、安全規制管理官ということになりますでしょうか。

○米谷総務課長
それは個々のものによって違うということに。その専決の判断を誰がするかということの判断は、原子力規制庁の方でまず考えていくことになるわけでありますが、全てというか長官の判断に下ろしているものについても、委員会に四半期ごとに報告をして、こういう処理でよかったのかということは委員会の方に報告をさせて頂いております。

○記者
もう一個だけ、すみません、別件で。自治体の方からいろいろな法整備についての要望が出ていると思いますが、例えば高線量下での災害があった場合の対応についての指揮、責任、賠償などに関わる法整備を整備してくださいなどの要望が出ていますけれども、これについての御対応の現状をお教えてください。

○米谷総務課長
官房総務課長の米谷でございます。私の会見でも、どういうところから知事さんいらっしゃって、こういう陳情、要望書が来ているというような話は紹介をさせて頂いております。たくさんいろいろなものが来ますので、来ておるというところで、それぞれについてしかるべく対応しておるところでございます。今、ここで全てを挙げることは、ちょっと難しいかなと思います。

○記者
1個で結構なのです。例えば、複合災害の組織体制について一元化が要望されていますけれども、災害対策基本法と原子力災害対策特別措置法では、その指揮系統がばらばらで困るという自治体の立場が示されています。

○米谷総務課長
それはいつ、誰から出されたものですか。

○記者
新潟県知事から、27年2月6日に出ているものです。住民等の防護対策についてというタイトルで出ています。

○米谷総務課長
はい。担当官の方で対応を検討して、それは多分事務方が持って来られたものということだと思いますので、ちょっと私の方で今、ひとつひとつ全て私が記憶しているわけではございませんので、今、ここでお答えすることは難しい。また担当官の方からお答えさせて頂きます。

○記者
はい。委員長は。

○田中委員長
一般的にいえば、一般災害と原子力災害とは、今、政府の中で合同の対策本部でやっていますから、国としては1つになっているのです。原子力災害対策だって、最終的な指揮命令は、総理が行うことになっています。原子力に関しては、私がそのサポート役に回るということになっていますけども、そういうふうになっています。それから、賠償の問題は、原子力損害賠償法の所掌は文部科学省ですから、うちに聞かれても困りますということだけ申し上げておきます。

○司会
はい、他にいらっしゃいますか。では、ニイさん、どうぞ。

○記者
共同通信のニイです。1点だけ。今週、炉安審、燃安審が開かれて、その中で部会を設置できるというふうな条項が認められました。それで、具体的にどういった部会を、具体案が特にあるわけではないらしいのですけれども、この設置というのは、委員長の指示とか意向があったのでしょうか。

○米谷総務課長
総務課長の米谷でございます。もともと部会は設置できることになっていたのですけれども、規定の方にそれがなかったということで、整合をとるために入れたものでございます。

○記者
分かりました。それで、念押しというか確認なのですけれども、今日の会見の初めの方でも、昔の安全委員会のようなことはしないというふうに委員長、おっしゃいましたが、どうしても古くから原子力を取材をしていると、炉安審、燃安審で部会というと、今、話したように旧安全委員会の部会を思い出してしまうのですが、そういったことは絶対にしないというふうなことでよろしいでしょうか。

○田中委員長
ニイさんはよく知っているのでしょうけれども、かつては安全委員会の炉安審、燃安審で決めたことを、大体そのまま安全委員会で裏書きするみたいなことで、中身の議論にやることはなかったと思うのです。そういうことは、最終的に私どもは適合性審査をはじめとして、そういうことはしない。やはり委員会が、5人の委員が責任を持ってやると、判断するのだという、その基本的なところはそういうことなので、新しい炉安審、燃安審が、今、私どもにあるところの部会とかいろいろな専門的な知識が要る場合には、そういうところでの御意見もあろうかと思いますが、今回の活断層の会合と同じように、やはりそれはあくまでも我々にとっては1つの参考意見として使わせて頂くというふうにしたいと思っています。

○記者
分かりました。

○司会
よろしいでしょうか。カワダさん、どうぞ。

○記者
すみません。朝日新聞のカワダと申します。今日の委員会での御発言なのですけれども、福島第一のリスク低減マップのところに触れた際に、的外れなところに重点が置かれているのではないかという御指摘をなされたのですが、どんなところを的外れとお考えで御発言されたのか、教えてください。

○田中委員長
リスク低減マップをずっと議論してうちが作ったときに、そこの辺は大分議論させて。例えば、汚染水の問題でも、ずっと見ているからお分かりでしょうけれども、最大の課題は、やはり海側のトレンチの水が何かの拍子に海に持っていかれると、飛んでもない量になると。5,000トンぐらい。それは凍土、あそこを凍らせて分離して回収するようなことをやっていたけれども、結果的にはうまくいかなくて、変なこだわりをしていたからすごく時間がかかりましたね。いくつか私のところにも、土木学会とか何かから、ああいうのはうまくいきませんという話はいっぱい届いていますよ。でも、そういうことに対してもっと謙虚にならなければいけないし。だから、今度の凍土壁、今度は山側の凍土壁を作るとかいっているけれども、今、多分来週あたり議論されると思いますが、そういったことが一体どうなるのだろうかということなのですね。前回の監視・評価検討委員会では、サブドレンからの水を抜くことができればそういうものが要らないかもしれないという議論もあるわけで、だから、そういうことがあります。排水路の水を流していいなどと私は一つも言ってませんけれども、できるだけそういうものは少ないにこしたことはないのですが、今、炉心を冷やしたRO水とかいろいろなところよりもっとはるかに、先ほども申し上げましたが、何万倍、何十万倍という高い濃度の放射性物質が含まれた水がたくさんあるわけです。そういったところをまず優先的に処理していかないといけないということですね。アウターライズ地震というのも、昔、歴史的にはあります。明治三陸沖地震の後、昭和三陸沖地震というのがあって、地震そのものは大したことなかったけれども、津波が非常に大きくて、大きな被害を与えたという歴史もあるわけですね。東日本大震災の後だって、そのことは否定できないわけです。そういうことを考えたときに、何が一番大きなリスクになるのだということを含めて、やはりそういうところを優先的にやっていかないといけないのではないでしょうか。そういう点で、私は、十分に東京電力は自分のイニシアチブを持って取組んでいるというふうに見えないから、今日のような発言をさせて頂きました。

○記者
分かりました。あともう一点ありまして、今日、もんじゅの点検漏れについて出てきたのですが、松浦理事長が、早ければ今年6月、遅くても9月に解除したいという希望を今週の会見でおっしゃっていたのですけれども、その見通し、見解について何か御意見があればお願いします。

○田中委員長
何も申し上げることはありませんね。向こうサイドでそう希望的なことを言って、もう全部そうですよね。いろいろなところの、申請してきているところの事業者は。でも、なかなかそうはいかないというところに、何か問題があるのですね。

○記者
分かりました。ありがとうございます。

○司会
他、よろしいですか。最後1問でよろしいですか。では、これで終わりにいたします。マサノさん、どうぞ。

○記者
フリーのマサノのです。すみません。先ほど質問が中途半端だったので。先ほど言った高線量下での災害対応というのは、民間事業者。例えばバス事業者であるとか、運送事業者であるとか、インフラ事業者など、福島第一原発事故のときに、行くのは嫌だということでいろいろな物資が届かなかったという、その教訓を踏まえてだと思うのですが、そういった人々に対する高線量下での指揮、責任、賠償等による法整備に穴があいていますという指摘だと思うのですが、これについての整備についてはどうでしょうか。

○田中委員長
それは1つの課題ですね。要するに、緊急時については、防災指針でもありますように、住民が一応OIL2のレベルで20mSv1週間かな。そうだったと思います。OIL1だと、時間500µSv超すとすぐに避難ですから。そういう状況の方たちのサポートというか、助けに行くときに、今のような線量基準で本当に現実性がありますか。今、御心配のとおり、準備もしていないで、高いかもしれないからと今のような放射線に対する皆さんのレスポンス、そういう気持ちを踏まえたときに、本当にうまく機能するだろうかというのは大きな課題だと思います。だから、今、そこを含めて議論を始めて頂いています。ただ、これは、そういうことを決めるのは、うちではないというところですね。

○記者
原子力規制委員会の職務として、何条だったか忘れましたけれども、政策提言をきちんと国に対してするということがあると思うのです。こういった意見というのは、今、ここに来ているわけですね。原子力規制委員会の方に来ているので、それを例えば先ほど言ったように、それは文科省だというふうになってしまうと、結局その意見はきちんと吸い上げられない。これは正当な意見だと思いますので、もしうちではないとおっしゃるのであれば、どこなのかということをきちんと見きわめて、その意見を届けるというところまでがきっちり責務だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○米谷総務課長
総務課長の米谷でございます。自治体から要望書が出されるときには、原子力規制委員会宛てだけに絞られたものと、そうでなくて、いろいろな原子力に関するものという感じで、多少多くの省庁にまたがる要望書が1つになっている場合があります。ですから、私どもに持って来られたからといって、委員長が言いましたように、全てが原子力規制委員会宛てのものではない。原子力規制委員会から答えてもらうということを期待しているものでないという場合は、多々あるわけでございます。そしてまたそうでないものを持って来られたときには、お答えするときに、ここは内閣府の方で担当しております、ここは厚生労働省の方で担当しておりますという形でお答えをしておるところでございます。

○記者
今、先ほど来挙げさせて頂いています2月6日のものについては、田中俊一委員長宛てになっていまして、これについてはどのような回答をしたのかというのは、後で結構ですので、全部教えて頂けますか。大きく6項目ありますので、お願いします。

○米谷総務課長
どういう対応をしたのかというのは、担当官の方に問合せをさせて、答えるようにいたします。

○記者
はい。ありがとうございます。

○司会
それでは、本日の会見はこれで終わりにしたいと思います。御苦労さまでした。-了-

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