2015年3月4日水曜日

原子力規制委員会 田中委員長記者会見 平成 27年 3月 4日(水)14:30~

原子力規制委員会記者会見録(3月5日公開 PDF写し)URLがコロコロ変わるんでなっ!



録画 https://www.youtube.com/watch?v=5CexNVC-4Jk

● 日時:平成27年3月4日(水)14:30~
● 場所:原子力規制委員会庁舎 記者会見室
● 対応:田中委員長 他

<質疑応答>

○司会
それでは、定刻になりましたので、ただ今から原子力規制委員会の定例会見を始めたいと思います。早速ですが、皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり、所属とお名前をおっしゃってから質問の方をよろしくお願いいたします。それでは、質問のある方は手を挙げてください。ミヤジマさん、どうぞ。

○記者
月刊誌の「FACTA」のミヤジマです。連日、国会で規制当局は何をやっていたのだというような質問が相次いでいるわけですが、当局の落ち度、責任はないとの御見解だと思いますが、それにしても、やはり福島御出身の委員長として現地目線に立った場合、これはやはり配慮が足りなかったとか、反省点のようなものは、国会の議論などを聞いていると、やや当局のスタンスと世の中の目線にギャップがあるように思うのですが、率直なお考えを伺いたい。

○田中委員長
ミヤジマさんの持論だと思うけれども、1Fの廃止措置の事業主体、その責任はやはり東京電力なのですよね。今回の場合だって、ずっと振り返ってみると1年以上前からそういう指摘とか懸念というのがあったわけです。ただ、現実にはなかなか対応をとりにくいというようなものでもあったわけですよね。それで、結果的にこういうことになった。だから、逆に言うと、どれぐらいの量が出ていて、どれぐらいの濃度のものが出ているというのを東電は最近になって、ここ数日になってようやく我々の目に届くようになってきたわけで、それが出てきていないということで、前に出てきていたのは、どちらかというと、晴天時の余りレベルの高くないようなデータはちょっと出ていたような気もしますけれども、いわゆる告示濃度を10倍以上上回るような、そういうようなデータが雨の度に出ているのだという説明はなかったのです。だから、そういう点では遅れをとってしまったということはあります。それから、御承知のように、海側トレンチの問題がやはり非常に大きな排水の問題だったのです。あちらはもう桁が違います。濃度が4桁ぐらい上だと思います。大量にあって、あれをとにかく早く止水して、回収するなりなんなりの処置をしなければいけないというところは、御承知のように、ずっとやってきたわけです。凍結してそれをタービン建屋から隔離するのだということでやってきたのだけれども、結果的にはうまくいかなくて時間ばかりかかった。これもかれこれ2年ぐらいそういう状況が続いてきたわけです。だから、その辺の、言うなれば箸の上げ下ろしまで我々が技術指導をするという立場でもないし、そこまではできないというところもありますので、確かに漁業者の気持ちの問題とか、県民の気持ちの問題からいったらずれていると思いますけれども、そこは御容赦願いたいというところはあろうかと思います。

○記者
私は先生は前向きに取り組んで頂いていると思うから、先生を批判する気は余りないのですが、この間、高木副大臣から汚染水の対策の公式のコメントをもらってきましたけれども「福島第一原発において現時点で考えられるリスクについて、被災された住民や国民の視点に立って改めて網羅的に総点検を行い、現在の状況に見合った対策を示し、必要な情報の提供を行う。その上で、この総点検について東京電力任せにせず、国の廃炉汚染水対策チームの事務局が主体的に関与を強める」と、このように既に推進側が言っているわけです。私はこことこちらの組織はやはり車の両輪だと思うのです。私は、基本的に国の関与というのがこの1~2年で後退しているのではないかと、そういう懸念を持っているわけなのです。ですから、私が伺いたいことは、こういうことを受けて規制当局が主体的に何をしてくださるのか。この2年間どうだこうだと言っているのではなくて、この事態を受けて何か主体的にこちらの組織がやるということはないのか。それを伺いたいのです。

○田中委員長
基本的に確認させて頂きたいのは、その場合の国の関与というのは、担当するところは経済産業省なのです。規制庁も規制委員会も国の一つの機関です。ですけれども、それは立場が違うのですよ、その場合の関与の仕方が。そんなことを言っていないで一緒にやれよと言いたいのでしょうけれども、そういう意味では随分踏み込んで、規制ののりを越えて随分やってきているのです。だけれども、例えば凍土壁について見ても、サブドレンから引いたら凍土壁は要らないかもしれないねという指摘も前回あったと思うのだけれども、そういうことについては、真剣に事業者も経済産業省も技術的に検討していませんよね、対応して頂けませんよね。汚染水の問題というのはいろいろあります。やはり気を付けなければいけないのは高濃度汚染水です。RO水、要するにセシウムは取っているけれども、溶けた燃料の冷却水というのは非常にたまってきていて、結果的にそれをタンクにためたことによって制動エックス線で敷地境界の線量が10m近くまで上がってしまった。それについては、こちらも東電任せではなくて、きちんと測ってどういうことが原因でそうなっているかということで、これはストロンチウムのベータ線による制動エックス線なのだから、それを取り除かないとだめだということで、要求をやっているのです。だから、それなりにそういう大きなところから対応を求めているし、こちらもやっているのですが、測定ひとつひとつとか、全てのあれを全部こちらがやるというわけにはいかないし、そういう立場でもないということなので、ただ、今御指摘のように、いろいろな心配事がいっぱい起こってくるということです。水の問題一つについても、私は再三言って非常に評判は悪いのかもしれないですが、水は、汚染水というレベル、大なり小なりこの問題は廃炉が終わるまで、廃炉が終わっても続くのだけれども、ずっと続くのです。その覚悟ができていないのです。凍土壁ができたら、何か汚染水の問題がなくなるみたいな変な錯覚をまき散らしているところに過ちがあるのです。もっと率直に漁民の方たちにも、県にもちゃんと語りかけて、説明してやらなかったらどうしようもないのです。そういうところを避けているという意味では、私は非常に遺憾に思うし、そのことを何であえて私なんかが火中の栗を拾うみたいなことを言わなければいけないかというと、実際にミヤジマさんも行ってお分かりだと思うけれども、放っておくと、もしあれをやったらもうタンクを作るスペースがありませんよ。では、水を捨てないでいったら、結局はどうしようもなくなって、あそこが水浸しになるだけ。ノーコントロールで水が出て行くとそういう状況が生まれるのが、今のままでいけばそれはもうそう遠くないと思います。

○記者
最後にしますけれども、先生、国の関与というのは、基本的には行政指導であったり規制であったり、これは基本的に規制庁が本来使うような言葉だと私は認識していますので、それは行政組織法上でも国の関与というのは規制というのを含んでいるはずです。ただ、そのことではなくて、私は前から先生に申し上げていますけれども、例えば1Fの検査官の事務所を格上げして廃炉汚染水監視センターのような形にして、東電は既に信用崩壊しているわけですから、その信用部門を補完するような若干の線量を検査したっていいだろうし、実際の特定施設だって、私は後ろ向きなことを申し上げたことはなくたって、これは人数だけ多くて実質的にはほとんど2ヶ月に1回ぐらいしかできないわけです。だから、これをやや常設的にするなり、本来この組織がそのようにもう少ししっかりこの1Fを見てほしいということを私は申し上げているわけで、別に先生がやっていないなんていうことは私は言っていないのです。私は旧保安院については非常に批判的なのですけれども、先生は逆にそれをくみ取って頂いていますから、だから、言葉の使い方ではなくて、私はここでやはり主体的に関与してほしいのです。そうでないと、同じことが起こったら誰も責任をとらないわけですから、私はそういうことを申し上げている。だから、先生とそんなに意見が違わないわけですけれども、旧保安院に先生方は少し毒されているのではないかと。更田さんの話なんかを聞いても、私なんかはそんな印象なのです。ただ、議論はもうやめます。気持ちとしてはそういうことを申し上げています。

○田中委員長
はい。分かりました。

○司会
他にいらっしゃいますか。では、真ん中の左の方。

○記者
フリーランスのジャーナリストのイシイといいます。敦賀原発の2号機について、手続について伺いたいと思うのですけれども、この方向であると、当然、2号機の廃炉ということが想定の中に入ってくると思います。事実上の廃炉でございます。当然、原電は経営危機を招きかねないので、訴訟などの可能性もあるかと思うのですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。また、手続的に有識者会合という法律上規定のない組織が、事実上、原子炉の改廃にまで現行だと踏み込むように拝察するのですけれども、それについて法的な妥当性というのをどのようにお考えでしょうか。また、手続についてどうなっていくのか。ちょっと国民の皆さんに御説明頂ければと思います。

○田中委員長
もう既にその手続とか位置付けとかということは十分にここで語っているし、委員会でも語っていると思います。原電の経営がどうなるかということと我々の判断は関係ありません。ここだけははっきりしておきます。それから、有識者会合も意見が割れることもあるだろうから、それはその後のきちんとした適合性審査の中の材料として使わせて頂くということも申し上げています。だから、法的云々ということは関係ないのです。

○記者
分かりました。もう一点、敦賀破砕帯を巡るピアレビューの位置付けについて、もう少し伺えればと思います。前回出た話ではあるのですけれども、前回の会見で委員長は、ピアレビューに関してやり直しになるような再評価はしないとおっしゃっておりました。しかし、検証と修正こそ。

○司会
すみません、マイクをもう少し上げてください。

○記者
重大な錯誤もしくは誤認がある場合、有識者会合が間違っていた場合なのですけれども、それについて修正の手続というのはあり得るのでしょうか。

○田中委員長
逆にピアレビューという会合の目的がそういうことで、科学的に重大な間違いとか、そういうことがないかどうかというのを見て頂くということで、ピアレビューの位置付けというのは、有識者会合がやってきたような調査をもう一回一からやるということではありませんよということを申し上げているのです。

○司会
よろしいですか。

○記者
あと一点だけなのですけれども、ちょっと細かい話なのですけれども、13 年 2 月の規制委員会の文書で、ピアレビューの件について反映すると書いてあったのですけれども、3 月には規制庁名義の文書で反映しないという、矛盾した文書が 2 つ出ていたのですね。事務方はどうも間違いであると説明しているようなのですけれども、これは事務方の委員会無視とか、処分にも値することかなと思うのですけれども、それについてはいかがでしょうか。

○田中委員長
今、言っていることの中身が正確に私には理解できないのだけれども、もう少しマイクをきちっと、話を。

○米谷総務課長
総務課長の米谷でございます。その点については、この場でもう何度も説明をしているかと思います。平成 25 年2月 27 日に規制委員会にかけられた文書は、必要に応じ、評価書案に反映すると。そして、ピアレビューの具体的実施方法に書かれた紙は、当該破砕帯の再評価をするのではないと。それは先週の委員長の会見でも、再評価の意味、とり方なのではないですかと。そして、それは一から評価をやり直すという意味ではありませんからという説明をしたということで、もう何度も説明をしているかと思います。その同じ質問については。私からも説明をしておりますし、委員長からも説明をしております。

○記者
分かりました。どうもありがとうございます。

○司会
では、カミデさん、どうぞ。

○記者
フリーランス記者のカミデと申します。最初に、ミヤジマさんが質問したことに関連しまして、もう少し簡単に質問しますが、政治と、それから、国と、規制当局の関係について、改めて確認します。先ほどの説明の中で、田中委員長は、最後の方で、東電がそういう覚悟はないのだというような言い方をされております。それは東電だけではなくて、国が全面的に前に出ると言ったということは、国にもその覚悟がないということになると思うのです。言葉の揚げ足を取るわけではなくて、一般の人は、今、再稼働の仕組みそのものも、規制委員会がすごい力を持っているのだというふうに、皆さん、認識されています。政治家の方がそういう説明をされていることもあるのですけれども。その中で、今のような、覚悟がないという、それを避けていると。実際には汚染水の問題というのは廃炉までつきまとうのだという、これを言いかえますと、安倍首相が言っていた、完全にコントロールされているという言い方そのものがおかしいということになるのではないかと思うのですが、私はこれはちょっと引っかかったのですけれども、政治と絡むので言いにくいかもしれませんが、この辺も含めたけじめですね、規制委と政党、東電との関係をもう一度、もし一番大切なポイントがございましたら、それも含めて、今の私の質問と併せてお答え頂きたいと思うのです。

○田中委員長
何か余りよくわからない質問というか、いや、いいです、しんしゃくして言いますけれども、コントロールというのは、国会で官房長官も総理自身も答えているけれども、環境への影響がないという意味でコントロールされていると言っていて、海に全然出ていないということは言っておられませんね。そのことについて、私から何か言う必要はないと思います。もともと少しのものが出ているし、告示濃度以下のものだったら、捨てる以外はないでしょうということも申し上げています。だから、それはそうなのですよ。それから、そういったことの、いわゆるサステナブルな水処理ですね。例えば、ALPSで処理して、きちっと濃度以下に持っていったものとか、希釈して告示濃度以下にするとか、それから、3 ヶ月平均で告示濃度以下にするとか、いろいろな方法があるのだけれども、それは前々から機構の中でもきちっと、排水の取扱いについては決まっているので、そういったことについて、基準が決まっているのだから、それをきちっとクリアしながらやっていかない限りは、廃止措置はすぐに行き詰まってしまいます。だから、そういうことをきちっと、どうやったって、口先とか何かで一時的にごまかすことはできても、結果的にはできないでしょうと。できないことはできない、だからこういうことでやらせて頂きたいということをきちっと県民なり漁民なりに説明していくことが大事なのですね。我々は科学技術をベースにした規制をするわけです。そのことによって起こる風評被害みたいなものは、これは社会的な問題だから、これは政治なり、経済なり、いろいろな手当てが必要かもしれない。そこのところを一緒にして考えるからおかしくなってしまう。これはこれからでもずっと続くと思います。1F について、あたかも健全な、きちっと管理されている、管理区域が決まっていてと、1F は敷地全体が管理区域というか、管理されていないような状態なのですよ、ある意味では。その実態を踏まえて、どうやってリスクを下げていくかということが、今、求められているわけ。だから、この前、リスク低減マップも作って、少しでも見えるようにしましょうということをやっているわけですね。そこが何か、4年たったら、どんどん、どんどん忘れてしまって、最初の頃にどういう思いで 1F に取り組んできたかというところが少し薄れているのではないかと思うのですね。そこを是非、皆さんにはわかって頂いて、きちっと、合理的なというか、リーズナブルな報道をして頂きたいというのが私からの願いです。

○司会
よろしいでしょうか。他はいらっしゃいますか。アマノさん、どうぞ。

○記者
産経新聞のアマノでございます。話は変わるのですけれども、本日の災害対策指針の改正についてお伺いしたいのですが、前々から懸案になっていた UPZ の外をどうするかというところが決まりましたけれども、規制委として、屋内退避の判断であったり、その範囲、期間を全て規制委の判断でやるというところは、規制委として責任を負わなければならないとは思うのですけれども、そこの責任感というのをどう捉えるのか。責任を持てるだけの、今、判断をできるだけのインフラはできているのかどうか、その辺、お聞かせください。

○田中委員長
全国レベルで見たら、インフラは全部できているかといったら、まだできていないと思います。ただ、急がれるような鹿児島とか、ああいうところは相当整備が進んできていますし、測定データなども瞬時に ERC とかは見られるようになっているのですけれども、今日もちょっと申し上げましたけれども、例えば、アイフォンとかアイパッドですぐに見られるようにすれば、若い人たちは非常にそういうのが達者だから、そういうのを見る。ただ、判断は、これは私が技術的に判断して、総理にいろいろな指示をして頂くという、これは原子力災害本部がそういうときには、今でもあるのですけれどもね、1F の。そういう中で適切に判断していかなければいけないし、当然、責任はありますので、そういうことになると思います。今回、もう少し言いますと、UPZ の外、よく飯館とか、ああいうところの問題を言われるのだけれども、結局、いわゆるプルームが通過するとき以外の被ばくは、今日もちょっとありましたけれども、ほとんど、地上に沈着したものとか、いろいろな建物についた放射能からの被ばくなのです。だから、適切にその状況を見極めて、測定をして、必要な対策をとることが大事で、今回はそこのところが遅れましたね。実際に避難指示を出したのが1ヶ月後、4月 11 日で、飯館の場合には、全員、一応、避難したのが6月ですから、2ヶ月かかっている。そういうことのないようにすることを含めて、今回の防災指針の改定になっていると理解して頂ければと。

○記者
防災指針はこれまで何度か全面改正したり、いくつか改正されましたけれども、この改正でどこまで来たのか、いわゆる完成度合いとしては、指針はどこまで整備されたのかという、そのところを教えてください。

○田中委員長
100%とは申し上げませんけれども、1F の経験を踏まえた対策は相当の程度、整備されたと思っています。指針だけではなくて、それに基づく、いろいろな、シェルター化というのかな、空気清浄器を入れるとか、モニタリングカーとか、モニタリング対策官を配置するとか、そういう、いろいろな意味で、随分整備は進んできていると私は思っています。

○記者
もう少しお伺いしますと、川内原発とか高浜原発が再稼働を控えている中で、この防災指針に頼って自治体が作れば、安心と言えるか、あるいは十分と言えるのか。これは安全審査と同じような意味合いとして伺いますけれども、指針に対する規制委としての自信というのはどこまでありますか。

○田中委員長
私たちが責任を負うのは、俗に言う深層防護の第 4 のレベルで、シビアアクシデントマネジメントまでです。今回の規制要求は、今までから見ると大変厳しいものになっています。その一方で、第 5 層の防災避難計画はエマージェンシーのアクションレベルが発動されたら PAZ、5km をほぼ自動的に避難をして頂くということで、そういう意味では、相当そういうことがきちっと実行に移せるようになっていれば、まあ安心して頂いて大丈夫だという気はしますけれども、世の中何が起こるかわからないと言われればそれまでですけれども、私どもとして考えられる手当ては尽くしたと思っています。

○記者
ありがとうございました。

○司会
他はよろしいでしょうか。では、キノさん、どうぞ。

○記者
フリーランスのキノですけれども、まず 1 点が、別件なのですけれども、今の防災計画の関係かなと思うのですが、原子力災害対策指針、規制委で決めたものですが、この中に緊急時被ばく状況から現存被ばく状況、計画的被ばく状況への移行という項目があります。これは要するに、避難指示等を出した後に解除するときの考え方であるとかに非常に深く関与するのではないかと思うのですが、今の 3 つの取扱いと考え方については、規制委で検討して記載するとなったまま、これ、2012 年にその記載ができたまま、それから2年半ですかね、議論されたように私には見えないのですが、今後、これはどのように扱っていくのか、お伺いできますでしょうか。

○田中委員長
緊急時被ばく状況の避難は、OIL1、OIL2 という形で、線量のレベルが決まっていますね。

○記者
そういったことを、原子力災害対策指針の方には書き込まないのですか。

○田中委員長
書いてありますよ。

○記者
本誌に記載するというのは、それは今のOILの話になるのですか。

○田中委員長
OILですね。

○記者
そうすると、現存被ばく状況というのは、どういう状況を言うのでしょう。

○田中委員長
現存被ばく状況というのは、これはICRPが言っている参考レベルとして、年間20mSv~1mSvの範囲であれば、どこに決めるかは別として、その範囲であれば一遍に避難をしないで、そこに居住しながら、できるだけ1mSvという計画的な線量レベルに下げるよう努力した方が。要するに、オプティマイゼーションの考え方ですよ。そういうことを言っていて、それについては今、避難していることについて、規制委員会の安全・安心のチームの中での検討で、一応20mSv以下であれば現存被ばく状況かということで、住むということについて否定することはないでしょうということを言っているのです。

○記者
そうすると、今、出ている原子力災害対策指針に、今後、規制委で検討し、本誌に掲載するとあるのですけれども、これはどういうあれなのでしょうかね。その今後というのは。

○米谷長官官房総務課長
総務課長の米谷でございます。ちょっと私も今、そのものを見ておりませんので。ただ、今日もありましたように、検討課題となっているものについては、順次検討しながら指針の改正をしているというところでございます。

○田中委員長
現存被ばく状況を、どういうふうに参考レベルをどう決めるとかそんな話は全然していませんし、今はやれる状況ではない。規制委でやることでもないかもしれない。今は、行政の区分としては、規制委員会のマターではないのですよ。

○記者
今の区分では、ちょっと確認ですけれども、そうすると経産省のというか、内閣府の支援チームのマターということでしょうかね。整理としては。

○田中委員長
被ばく線量の基準は、個人の被ばく線量の基準は、厚労省の基準になっているのですね。

○記者
分かりました。ちょっとでは、それはまた後で。

○司会
ちょっとまた改めて事務的に整理させて頂きます。

○記者
はい、確認してみます。それから、先ほどの汚染水の関係で、規制当局の関与に関しては、口先で一時的にごまかすことはできても、結果的にできないことがあるというのは、非常によく分かりやすいことなのですが、これ、一方で廃炉について考えると、その辺の整理というのがどうなのかなというのがあります。これは技術的なことというよりも、先ほど委員長おっしゃられた、ちょっと社会的、政治的な問題かも分かりませんが、そもそも廃炉にした後に、あそこを廃止措置にする以上は、燃料デブリを取り出してどこかに持っていって処分する必要があると思うのですが、そこまでのことが果たして可能なのかどうかというのは、今の段階で考える必要というのはないでしょうか。これは先になってできませんでしたというのでは、またそれは影響が大きいと思うのです。

○田中委員長
廃炉をどこまで考えられるかというのは、今は不確定要素があって、考えられないです。ただ、先ほど申し上げた汚染水の問題については、これは不確定要素ではなくて、処理した水が排水できないようですと、これは明らかに破綻するというのが見えているから申し上げた。デブリについては、今、どういう状況でなっているかすら分からないので、まず、そういうことを調べるのが先だということを、この前もリスク低減マップで書いていて、実際に、ではどういう方法で取り出せるかどうかということすら、まだ具体的には見えてこないですね。

○記者
ただ一方で、取り出しても、まず考えなければいけないのは、取り出した後にどこに処分することができるのかどうかということで、これはおそらく廃止措置の計画を出す段階で必要な項目なのかなとも思うのです。要するに、要求していけば。それをいつの段階で事業者が明確にするかは別ですけれども、そういうこと。

○田中委員長
それは規制側としては、まず、取り出すことができたら、幸いにも取り出すことができるような状況になれば、きちっと安全に長期に保管するという、あそこに。多分他に持っていくところはないから、あそこできちっと保管するということが、まず第1の要求だと思います。その後、もしその処分場ができるということであれば、それはそういう可能性というのも含めて議論することになるけれども、今の段階でそこまで予見して何かを規制するということはできないし、やっても意味がないと思います。

○記者
確認ですが、そうすると委員長のお考えでは、今の段階では、取り出した後もとりあえずは今の現状の、要するに、1Fの場所で安全に管理・保管するというのが前提というか、お考えになるのでしょうかね。

○田中委員長
そうですね。それはデブリだけではなくて、いろいろな物、廃棄物がいっぱい出てくるでしょうけれども、あれだけのものをすぐにどこかへ持っていけるという見通しは、今、全くありませんから、結局はそこは安全に管理していくという以外は方法がないと思います。

○記者
ありがとうございます。

○司会
はい、他、いかがでしょうか。タケオカさん、どうぞ。

○記者
共同通信のタケオカと申します。今日の指針の関連で、すみません、1~2点お願いします。先ほどのやりとりで、飯舘村のように1ヶ月も2ヶ月も避難指示が遅れるようなことがないようなことも含めて、指針改定というお話がありました。一方で、今日のUPZ外の対策の中身は、基本的に事故当初数日というか、モニタリングで規制委員会がどの程度の範囲まで一律に同心円で屋内退避の範囲を指示するかを決めて、モニタリングでそのプルームの通過が確認されれば、その避難指示を解除しますという話だったと思っているのですけれども、その対策と飯舘村のようにならないというところのつながりがちょっと分かりづらかったので、もう少し説明をお願いします。

○田中委員長
今日の資料にもありましたように、プルームが通過するときは、多分、その数の状況とかいろいろなことがありますけれども、大体1時間以内ぐらいにある程度の一定のレベルに落ち着いてくるので、急激に下がるのですね。1Fの事故の例だと、2桁とか3桁とか、があっと下がるわけですね。一時は1,000μSvパーアワーという瞬時の値が、10μとかそういうところまで下がってきています。ただ、その下がった後は、今度は大体その下がったところでの線量というのはどこから来るかというと、そこに沈着した放射性物質による放射線の影響ということが出てきます。そのレベルを見きわめて、これは避難しなければいけないのかどうかということを決めていくということですから、1日ぐらいとか、状況によっては2日かもしれないけれども、そういうような時間帯できちっとモニタリングをして決めていけばいいのではないかということです。ただ、サイトの中の状況がどの程度のものかということによって、その辺の時間はどういうふうに判断するかというのは、併せて判断してく必要があると思いますが、そういう意味で、きちっとはかれば、測ってやるということだと。

○記者
あともう一点だけ。今後、かなりモニタリングができるかどうかというのは非常に重要になると思うのですけれども、今後モニタリングポストの整備が進んでも、サイトからプルームがどうやって動くかというのは、非常に捉えるのが難しいような気もするのですが、その辺はどのように今後の対策と申しますか、イメージされていますでしょうか。

○田中委員長
プルームは大体キセノン133とか135とかガンマエミッターですから、捉えるのはそんなに難しくないです。クリプトンは85とかもありますけれどもね。ですから、今は相当数のモニタリングポストが、固定ポストがありますし、それに臨時ポストもあって、モニタリングカーは整備してもらっていますけれども、できればいわゆる避難する、公共、学校とか役場とか、そういうところではきちっと日ごろから自分たちではかれるようなトレーニングをして、そういったハンディなものでもきちっと線量評価をして、それも含めた判断ができるようにして頂きたいということで、今、そういう方向での努力も、資材の準備も含めてやっているということですから、そういうことがきちっとできていれば、御心配するようなことはないと思います。

○司会
よろしいでしょうか。はい、他はよろしいでしょうかね。カワダさん。

○記者
すみません。朝日新聞のカワダと申します。先月のIPPAS(国際核物質防護諮問サービス)ミッションで、委員長のコメントではないのですけれども、フォローアップとか他のレビュー範囲についても必要性を認識しているということだったのですが、これは実際やってもらうというか、それは受け入れる予定なのでしょうか。

○田中委員長
通常はIPPAS、IAEAのミッションを受け入れて、いろいろな御指摘があって、この前暫定的にいろいろな御指摘があったのですが、今後正式に出てくると思いますので、それがどれぐらいきちっとフォローされているかというのは、IAEAとしても是非そのミッションを受け入れて頂きたいというのが通常ですから、それは否定する必要はないので受け入れて、日本の状況を評価して頂くということになろうと思います。この他に、IPPASという、要するに、ダーティーボム関係のことになるのだけれども、アイソトープとかいろいろなことがありますので。それから、そういうダーティーボムということでもなくても、少量核燃料物質でもよく無くなったり何なりして、いろいろ社会問題になりますから、そういったところについても一応評価をして頂いた方がいいということで、いずれそれは、対象事業者も多いし、準備も必要だと思いますし、どのレベルでやるのかということもあるから、そういうことを検討して、いずれそういうのを受け入れて、国際的に日本がきちっとやっているということについて安心して頂くことが大事だという意味で、私はそういう意味で発言させて頂いています。

○記者
すみません。非公開なのであれなのですけれども、おっしゃれる範囲で、こういった点は今後改善できるとか、そういうことを言えることはあるのでしょうか。

○田中委員長
どこまで言えるかというのは、今、頭の整理はしていませんので、ちょっとそれは担当事務の方で、どこまで話しできるかはそちらで判断して頂くのがいいと思います。

○記者
分かりました。ありがとうございます。

○司会
はい、他は。では、サノさんで最後でよろしいでしょうか。

○記者
エネルギーフォーラムのサノです。どうもありがとうございます。ピアレビューの実施方法の件なのですが、これについて、総務課長から大分御説明頂いているのですけれども、平成25年3月8日のペーパー、敦賀のピアレビューで配られたペーパーが、原子力規制委員会名になっていた。これが、本来ならば規制庁名であるところの手違いであったと、そういう御説明があって、その手違いについて、各委員から、二度とこういうことがないように指示があったというふうな御説明を頂いているのですが、これはやはり一般企業で考えると、普通の社員が勝手に社長の名前を使って代表印を押して対外的に出したような、それぐらい重大な問題だと思うのです。やはり改めてここの手違いについて、規制庁の職員が、規制委員会の名前を使って勝手に文書を出してしまった。この件について、委員長、どういうふうにお考えなのかお聞きしたいと思うのです。

○田中委員長
今、御指摘なようなそんな大げさな話ではなくて、実質的にピアレビュー会合にそのことが影響しているとは、私はそういうふうには判断していません。ですから、ミスも許される範囲と許されない範囲というのがあるのは知っていますけれども、これはそういうミスであったろうということで、特にとりたてて何かあなたがおっしゃるようなことはやるつもりは何もないということです。そもそもピアレビュー会合を開いて、それを受けて有識者がまとめてくる報告書を参考にして適合性審査をするわけですから、そういうプロセスを考えたら、そんなに今、おっしゃるような大げさな話ではないと思います。

○記者
そうすると、許されるミスですか。

○田中委員長
はい。許されるミスですね、その程度。

○司会
よろしいでしょうか。それでは、本日の会見はこれで終わりにしたいと思います。御苦労さまでした。


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