2011年5月15日日曜日

メディアが原発をフェアに報道。エネルギーシフトについて

ここ数日、テレビ報道が変わりつつある?

原発否定は電力会社を批難する事に等しく、電力会社と大きな利害関係にあるテレビ局、新聞等、メディア大手は、福島原発事故後、おまんまの食扶持である電力会社を擁護するため、原発推進派によるデマ報道に終始してきたが、民放は変わりつつあるようだ。
Twitter でリアルタイムに確認したけど、原発コストなんて考えたこともなかった、とか、驚きの反応が多かった。Twitter をしている人 = ITリテラシのある人 ではない事を痛感。やはり、テレビ放送による反響は大きいと実感。

ただ、同じ局でも番組、部署、スポンサーによって原発に対する温度差は大きいようで、関西電力の影響力が大きい関西ではデマに近い原発肯定するニュースが流れたりしている。

今は気持ちが高ぶってるから、長期政策を決めるのはまずい。ベストミックスを考えないと。原発は4分の1ぐらいがちょうどいい。

ベストミックスを主張するあたり、原発なくなると困るは誰か、なぜ困るかをよく考える必要がある。発言している人は核を肯定して生活している人たちだ。よかれと思ってしていることかも知れないが、よくよく話しを聞いてみるとそうではない。否定する事は、自分が生活の糧を得ている場所を失う。このように見ると分かり易い。

原発にミックスはあり得ない。完全に破綻しているのに、すこしでもいいから原発を残すとなると、彼らが主張するコストが更に矛盾してしまう。

我々はしらなかったと説明しているが、電力会社が圧力をかけて番組を潰す事なんて日常茶飯事だった。メディアも既得権益に執着し、報道してこなかった責任がある。(擁護するためのデマを流している) 内容はともあれ、この時期に、このような報道がなされる事に大きな意義を感じる。

只でさえ増え続ける使用済み核燃料が行き場のない状況で、(放射能に汚染されたグランドの土でさえ行き場がないのに)、間近に迫った老朽化、高まった地震リスク、なにをどう考えても原発のメリットは見いだせない。

現在の原発は
  • 40年前の古い地震予測知見に基づいて立地、設計されている。
  • 原子炉解体、賠償コストが計算されていない。
  • 設計上の欠陥が設計した技術者により指摘されている。(聞く耳持たない)
  • 核廃棄物の行き場がなくたまる一方。(使うほどリスクが増える)
  • 再処理施設を立地する場所がない(地下水が豊富で地震が多い)
  • 高速増殖炉は完全に頓挫している。
  • ウラン資源は石油よりも乏しく、エネルギー政策の柱にはならない。
  • 冷却に使う海水による冷却は、海水温度を上げて温暖化対策にならない。
この一つ一つの問題に原発推進派は誰一人明確に答えていない。主張するのは、根拠を示さない当事者同士で計算した数字とCO2排出のみで根拠となる数字さえも示さない。

に加え、今回の震災で
  • 揺れにより配管が破損、電源消失前に放射能漏れていた。(おそらく間違いない)
  • 最悪の事象メルトダウンは早い段階で起きていた。
  • 電源が消失しなくても循環させる配管が破断すれば冷却できない。
  • 世界最大級の防潮堤が全く歯が立たなかった。
これらの事実に全く目を向けようとしない。また、今も昔も変わらない独占企業の電力会社の体質、なぁなぁでやってきた保安院が招いた問題として
  • 廃炉をためらい海水注入が遅れた、メルトダウンという最悪の事態を招いた
    (メディア、メディア御用達原発推進派の専門家ぐるみで隠蔽。政府も擁護)
  • 原子炉健全をアピールするあまり、メルトダウンという最悪のシナリオを否定し続け、諸外国の協力を拒否してきた。結果、高濃度汚染水を処理する機器、資材の導入が遅れている。更に高濃度汚染水が環境へ流出するリスクを抱え込む結果となっている。(流出している可能性が高い)
  • 原発は隠蔽、記録改ざんの繰り返しの歴史。(この期に及んで今もやってる)
  • 人命を重んじない独占企業の非人道的な体質。(金の亡者)
  • 給料カットだけにしてほしい。自らの退職金、年金は老後のため賠償に回す事を拒否。(人の人生を無茶苦茶にしておいてよくいえる。まともな神経の持ち主ではない)
また、既存政党、政治では
  • クリーンエネルギーに対する補助金は選挙公約に利用するだけ利用し、早々に切り捨ててきた。既得権益の保護。太陽熱給湯器やソーラーパネル等。
  • 天下り先 原子力関連機関の乱立。(専門家集団で形成されていない)
  • クリーンエネルギーに対するバックアップは消極的で原発ばかりに税金をつぎ込んできた。(自民党) むしろ、風力や地熱、海洋発電等の研究、開発は援助しない。妨害ともとれる。
  • 自家発電に対し、不当に安い価格での電力会社買い取り制度を容認。
  • 地域独占。競争原理がなく全てが言い値。
これら、全ては原発を推進する理由は 電力事業に対する既得権益を守るという以外になく、その利権には、政治家、官僚、電力会社からの広告収入で成り立つメディア大手(テレビ・新聞)が深く絡んでいる。その上、原発を立地している都道府県、自治体も例外ではない。

実際に原発のない地域に住んでいる私たちでも、この記事を見るとよく分かる。
福井県の西川一誠知事は13日の定例会見で、「関西の55%の電力が福井から供給されていることを、関西の自治体、消費者はわきまえてもらいたい」と反論した。

西川知事は、原発はリスクや課題を伴っているとし 「県、立地市町は犠牲を払いながら国の原子力政策に協力している」と説明。「日々、安定した電気の供給を受けているありがたみを消費者に考えてもらいたい」と述べた。
分かり易くいえば、地方は原発を受け入れる見返りとして交付金を国からもらっている。とどのつまり、税金が使われている訳だ。しかも、これは原発の電力コストに含まれていない。
御前崎市の11年度一般会計は約167億円。そのうち42・4%にあたる71億2000万円が原子力関連の交付金で、原発への依存度は周辺市で突出する。
また、国からの交付金だけでなく、匿名とはなっているが、電力事業者からも寄付金として多額の金銭を受け取っている。

橋本知事は原子力政策について異論を述べている訳ではないが、向かうべき方向性について民に問いかける姿勢を見せている。関西では原発の話題は滅多に放送されないが、大阪に住んでいて橋本知事は原発のあり方について明確な方向性を示そうと動き出している事はわかる。

問題なのは福井県知事の発言。犠牲を払っているという認識があって原発を受け入れているということだ。しかし地域住民はそうではない。電力会社がこれまで説明してきた、どんな地震がきても安全だという絶対の条件を元に受け入れている。

ところが、度重なる事故の隠蔽、保安院ぐるみでの情報の改ざんの繰り返しで、その都度、衝突してきた事は、これまで何度も報道されてきた。この独占企業の体質は東電の事故でいかんなく発揮されている。(地域が限定されるため電力会社として報道されても痛くも痒くもない。見てる側はまるで人ごとのようにしか見えない。ただし、NHKが中心に報道)

県民が選んだ福井県知事は、自分たちは犠牲者であってあなた方だって恩恵を受けているんだから、なにを今更、原発を否定する事をいうなと橋本知事にかみついた。おそらく、福島県知事も同じではないだろうか。一生懸命、福島の野菜は安全だアピールし、国の発表を本気で信じている。

 Twitter で的確な風刺絵があったので拝借 m(_ _)m

既に県全域がチェルノブイリ避難区域と同等の放射能汚染が広がっているというのに。100mSv 安全だとテレビの報道を信じており、校庭で遊ぶ子供が多いそうだ。このままだと 2、3年後には顕著に表れるというチェルノブイリを知る専門家もいる。ちなみに枝野官房長官は、チェルノブイリの教訓に対し、よその国で起きた事だから関係ないと一蹴している。

 事実から目を背け、過去の教訓を生かそうとしない。交付金、経済活動を優先した結果、多くの子供の未来を奪うことになる。これだけネットで情報が得られる時代なのに、情報を精査して活用する術すらしらない。知事としての仕事を間違っているとしか思えない。

何よりも、原発事故により生じた被害。実に60km圏内でチェルノブイリの避難区域に指定される程の環境下で福島県民は生活している。政府が引上げた20倍の安全基準値の上限値を信じて、野菜をもりもり食べる。

静岡で新茶が被害を受けて騒がれているのに、福島県民は何とも思わないのだろうか?そもそも、福島県でこのようなテレビやラジオを通じて報道されているのだろうか?この期に及んでも原発を推進するそれなりの立場にある人は、全てA級戦犯となり得る事を認識する必要がある。


エネルギーシフト
最も議論すべきなのは、どのようにシフトしていくかということ。ドイツでは原発から脱却し、クリーンエネルギーに方向転換を始めた。原子力80%のフランスから電力を購入しているという批判もあるが、これはエネルギーシフトのためのステップ1。

日本が議論すべきなのは、
  1. 老朽化を迎える原子炉を順に停止していく中で、地震、津波、テロに対する安全対策実施
  2. 原子力発電量が落ちていく中、天然ガスなど一時的な代替資源エネルギーの利用
  3. この間に再生可能エネルギーを利用した研究開発に日本の底力を見せる。
偉い人の中には原子力を否定する事は科学を否定するのと同じと馬鹿げた事を平気でいう人がいるが心の中で笑って無視して構わない。

太陽光、風力、地熱、波力、再生可能エネルギーの候補は様々。しかし、実用化に目処がたった技術や日本には高い技術力と職人技がある。当然、これら以降に伴うリスク、というよりも予測される問題も同時に考えていく必要がある。
国が原発根回しに使う税金を、このような研究開発に回すことで開発は加速するし、日本の再生エネルギーを環境先進国であるヨーロッパにだって打って出ることが出来る。お隣韓国は先を見越した政策で不況を脱し経済成長を遂げた。

それに引き替え、日本の政治は足の引っ張り合い、既得権益の奪い合い。穴だらけの天下り規制。自民党に批判され、おまえたちもやってたじゃないか!俺たちだっていいじゃないか!と開き直る民主党。国民のための政策は目先だけ、全て行き当たりばったり政策。

民主党は結局、自民党と同じだった。時代の先を読み、どのように行動するかという、本来リーダーが持っているべき資質、先見性を持った人が政治の世界にはいない。本当になさけない。

経済活動に影響が出ないように都合良く計測した値を公開している。調査開始翌日には福島漁業解禁。

どうやって計測すれば値が低くなるかばかりを考えて意図的に少なく見積もった放射線モニタリング値は誰も信用していない。中立な第三者が間に入らなければならない所まで信用は地に落ちている。

会見で記者に指摘を受けては測りなおし、値が低かったと言い訳ばかりを繰り返している。検査器のしきい値を引き上げて測定し、検出されなかったと平気で報告する。合同会見を見ていて本当によく分かった。




産業界
後、産業界には、もっとまじめに取り組んでもらう必要がある。

エコポイントはエゴに満ちている。家庭用テレビは液晶になっても面積が増えて買い換えにより消費電力が増加するケースの方が多かったり、冷蔵庫にしても一部の小さなプラスチック部品を製造する上で何かを80%カットして、それを大型冷蔵庫で大々的に広告したり、そこには企業モラルなんて全く存在していない。

エコポイント制度が環境に優しい取り組みだと考える前に、実際にどうなのかは、しっかり検証してみないと分からない。

インクジェットプリンタの印字コストの公表値なんてむちゃくちゃ。人を欺くことしか考えていない。こんな事はやめて、嘘ではない本気の省エネ製品、アイデアを出していく必要がある。20年前、学生の卒業研究は環境問題をテーマにゴミ回収システムを提案したが、その時調べたドイツの環境への取り組みは世界でも群を抜いていた。本業デザイナーだしアイデアをネットで公開していこうと思う。

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