2013年3月11日月曜日

平成25年3月11日(月) 10時05分 ~ 東京電力・福島原子力発電所事故から2年にあたり委員長訓示

平成25年3月11日(月) 10時05分 ~ 大島委員と更田委員は海外出張


○寄生庁:
東京電力 福島原子力発電所事故から2年を迎えるに辺り、田中委員長から職員への訓辞があります。田中委員長お願い致します。一同、例。



○田中委員長:
おはようございます。

○寄生庁職員:
オイース

○田中委員長:
今日は東日本大震災から2年になります。午後には政府の追悼式典ありますが、みなさまと震災の犠牲に成られた方に黙祷を捧げ、みなさんと一緒に追悼の気持ちを深くして行きたいと思います。

さて、今日、3月11日は東京電力 福島原子力発電所事故から2年という日でもあります。事故の反省にたって新設された我々、原子力規制委員会、原子力規制庁の原点を確認する日でもありますので、こうしてみなさんにお集まり頂きました。

昨年、9月11日の発足からもうすぐ半年になります。私はこれまでの人生で最も忙しい時間を過ごしていると思っています。とにかく、全力で走って参りました。他の委員の皆さんも職員の皆さんも、私どもに課せられた責任を果たすために、

私以上に全力を尽くしていただいていることを理解しています。この機会に改めて、皆様の努力に敬意を払うとともに、心から御礼を申し上げます。発足以来、重要な瞬間が絶え間なく続き、みなさんの疲れもピークに達してきているはずです。

しかし、この状況はしばらくは続きますので、くれぐれも体には気をつけて頂くようお願い致します。御存知の通り、私は事故発生後、まもなく、一昨年の4月から、福島の除線に通っていました。

規制委員会に来てからは福島での活動はできなくなりましたが、今も、福島の人たちと電話やメールでのつながりもありますし、いつも福島が原点だと思っています。

地震や津波の影響だけではなく、原子力事故が原因で、今尚、厳しい生活を送っている人達が数多くいらっしゃいます。事故から2年たちましたが、環境に放出された放射能のために、故郷に戻れない方が未だに15万人を超えています。

また、放射線被曝に対する健康不安を抱きながらの生活を余儀なくされている方も少なくありません。こうした状況を踏まえて、3月6日に東京電力福島第1原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方について、提言を出しました。

この提言を確実に実現させることは言うまでもないことですが、事故によって多くの方が厳しい生活にさらされているという現実をしっかり受け止めて、引き続き最大限の努力をする覚悟を新たにしたいと思います。

この、東京のオフィスで日々忙しい業務に追われていると、福島の現状に直に接する機会は少ないと思いますので、福島の現実の一端として、浪江小学校の今を紹介させて頂きます。

浪江町は未だに街全体が、ほぼ帰還困難区域にあり、役場を始め多くの住民は、県内の二本松市に移転し、浪江小学校も二本松市の廃校になった校舎を利用して子どもたちの教育を続けています。

小学校という地域のコミュニティーの柱を維持しなければならないと、先生たちは新入学児童を集める努力をしてきたそうです。

しかし、来年度の入学者はゼロで、およそ600人いた児童も18人になってしまうということです。実は、先週、この浪江小学校の校長先生からメールをいただきました。

避難生活が2年の長きを越えようとは、当初は予想だにしなかったことであります。という書き出しで始まるメールです。許可を頂いたので、一部を紹介したいと思います。

周りが以前の日常を取り戻している中、未だに浪江の人々は奇妙な小康状態の中にいます。子どもたちも、大人同様に、これから10年、20年後に自分や自分の周りの世界が、どうなっているかを想像することの大変さに直面しています。

途中省きますけれども、最後に大人が解決しなければならない問題を未来の問題として先送りしてしまう事のないように願わざるを得ません。ということであります。

この奇妙な小康状態にいるという表現に、私は言葉を失いました。普段は目の前に子どもたちがいて、忙しくしている時は楽しい時間もあるでしょうが、ふとした時に厳しい現実と将来の絶望感に襲われるのではないかと想像します。

先生たちは浪江町の産業、文化、伝統を教える、故郷浪江科、という授業を作り、子どもたちへの故郷への思いを育み、これからの困難を乗り越えてもらうための取り組みをしているそうです。

福島は春の訪れとともに、梅、桜、桃の花が一斉に咲き、山ではコゴミに始まり、わらびやゼンマイ、タラの芽など、様々な山菜が芽を吹きます。また、川にはあゆやウグイが泳ぎまわります。

本来、故郷への思いというのは、子どもたちが、山や川でこうした自然と直に接しようとすることによって育まれるものだと思います。

しかし、帰還困難区域であるため、浪江の子どもたちは一時帰宅も許可されず、この2年間、自分の故郷を見ることすらできないでいます。

こうしたお話を聞くにつけ、原子力発発電、げんしりょくはつ、、事故の罪が如何に重いかということを改めて重いか、ということを改めて感じざるを得ません。

# そこで噛むなよ… orz

原子力規制委員会、原子力規制庁の使命は、東京電力 福島第一原子力発電所の事故のような事故を二度と起こさせないこと。原子力事故から人の健康と環境を守ることであります。

昨年9月19日依頼、私達にかせられた使命を達成するため、懸命の努力を重ねて参りました。私達の仕事に対する様々なご意見がありますが、私達の取り組みにゴールはありません。

3月11にちを迎え、私達の周りには普通の生活をしている国民がいるのだということを改めて思い起こし、原子力規制委員会、原子力規制庁の原点を振り返り、重い責任に誇りを持ち、

国民から信頼される組織を目指して最善をつくすことを皆さんと共に、原子力事故の被災者と国民の皆さんに約束させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○寄生庁:
委員長からの訓示は以上になるが、職員各位に置かれては本日の午後、東日本大震災の発災時刻である14時46分に併せて黙祷していただくようお願いする。以上で委員長からの訓示を終了する。


# 終了 10時15分。開始5分遅れの約10分。


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