2012年5月31日木曜日

東電会見 2012.5.31(木)18:00 ~ 福島第一作業者被ばく線量評価報告、福島第二 4号機復旧報告(中間報告)ほか

東電会見 2012.5.31(木)18:00 ~

トラブル報告なし。注水バランス変更計画、1m3/h増やした3号機が1℃ほど低下傾向。1m3/h減らした1号機は今のところ変化見られず。指示値不良の2号機格納容器の4つの温度計は元に戻った旨の報告。

サンプリング関係3件。2号機格納容器内の生ガスサンプリング結果、Kr-85が1.2E+2Bq/cm3、Xe-135はその他の号機何れも検出限界未満。他、月2回の核種分析の確報版報告あり。マンガン54が0.77~1.7Bq/L検出。速報版に変更なし。

定例の南放水口サンプリングでSr-90が検出。8.5E-1Bq/cm3(3/27)、1E-2Bq/cm3(4/5)単位は "Bq/cm3" であることに留意。

報告2件。1.厚労省、月一の厚労省提出の被ばく状況集計報告。4月の新規作業従事者は644名。4月の最高は23.53mSv(協力企業作業員)2.保安院さまには2F復旧計画中間報告。4号機の仮設備が全て本設設備に。

福島第二の4号機は本年度上半期を目途に原子炉を開放して燃料を取り出し地震による炉内構造物の影響を調査するとのこと。冷温停止を維持するための復旧計画(建て前)

○プラント

○報告

○サンプリング・モニタリング

○その他

○報道




■福島第一の状況

○松本:
5月31日夕刻の会見を始める。

[原子炉および格納容器の状況] 1~3号機まで給水系、CS系からの給水を継続中。

[圧力容器下部温度、格納容器圧力と水素ガス濃度]記載の表の通り。

1号機と3号機については注水利用を1号機を1m3/h↓、3号機は1m3/h↑ の操作を行なっているが、圧力容器温度としては1号機は目立った変化はない。3号機は若干、1℃程度下がり気味という状況だ。

注水量増加の効果ではないかと考えている。先日伝えた2号機の格納容器の温度に関しては(http://j.mp/L8kqhk)一時的に上昇したが、また戻ってきている状況だ。

[使用済み燃料プール]1~4号機まで循環冷却継続実施中。欄外:3号機の使用済燃料プールにヒドラジンを注入している。

[タービン建屋地下溜り水の処理状況 ]2,3号機から雑固体廃棄物減容処理建屋への輸送を継続実施中。

[水処理設備および貯蔵設備の状況]キュリオンに関しては停止中。サリーは連続稼働中。

[その他]上から4つめ。海底土の被覆工事。第一層の被覆が北側取水口、5,6号機側が終わり、被覆量、暑さの測定を行なっている。本日、厚さ測定が終わったので本日から第二層目の打設を開始。第一層目の暑さとしては20cm程度の覆土が確認された。

取水路関係について一見作業の進捗状況を伝える。5,6号機側の取水路は順番に清掃作業を行なっていたが、6号機の取水路A系に関しては清掃作業が本日終わった。この後、取水路の5号機のA系、B系、6号機のB系という形で順次作業を進めていきたい。


○サンプリング・モニタリング関係

続いてサンプリング状況について3点ほど連絡。「福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器ガス管理システムの気体のサンプリング結果について http://j.mp/L8jXvB」定期的に行なっている生ガスのサンプリング結果だ。


Kr-85が1.2E+2Bq/cm3程度見つかっているが、臨界管理を行なっている Xe-135 に関しては検出限界が1E-1Bq/cm3のところ、検出限界未満という状況だ。同じく1号機、2号機、3号機に関しても Xe-135 は検出限界未満。

南放水口でのサンプリング結果。A4縦のPP資料。(http://j.mp/L8k6iv)赤い枠のところだが、3月26日測定分と4月5日に測定した海水のサンプリング。Sr-89/90の値が出た。Sr-89に関しては検出限界未満だったが、


★Sr-90に関しては3月26日分が8.5E-1Bq/cm3、4月5日分が1E-2Bq/cm3 見つかっている。全βの内側に入っているということで、引き続き全βによる管理を続けていきたいと思っている。裏面に本日分の南放水口でのサンプリング結果だが、セシウム134/137、全βは引き続き検出限界未満が続いている状況だ。

資料はないが、既にHPで公表しているが、本日5月1日から5月15日までの確報版の結果を公表している。(http://j.mp/L8jI3r)


主要3核種の値に関しては確報版での変更はない。その他の核種だが、主要三核種以外の核種が見つかった箇所ということで、港湾内の海水サンプリングで2号機シルトフェンスの内側だが、こちらで 4月30日、5月1日 2日 3日 6日において

マンガン54が0.77~1.7Bq/L程度見つかっている状況だ。モニタリング関係については以上だ。それでは報告書を2件提出しているので、その説明をさせて頂く。


○報告

★★一点目は「福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について http://j.mp/L8kC06」ということで、A4縦の2枚ものの資料だ。これは毎月、月末に先月分の作業員、写真の被ばく線量を取りまとめて、


厚生労働省に報告を行なっているものだが、プレス分中断にあるとおり、4月分の評価結果としては4月に新たに作業従事した作業員は644名だ。4月に従事した作業者が、外部被ばく線量の最大値が23.53mSvであり、内部被曝の優位な値は確認されなかった。

それから特定高線量作業者、経過措置適用者については後ほど説明する。添付資料 被ばく線量分布等について。至近3ヶ月の状況になる。被ばく線量に関しては4月分が右端に載っているが、東電社員が合計値で889人、最大値が16.38mSv、平均値が0.73mSvだ。

協力企業が4239人であり、最大は23.53mSv、平均値 1.14mSvという状況だ。内部・外部被曝の合計値だが、その下の中断、23年3月~24年4月の値は表のとおりだ。トータルで21634人が管理されている状況だ。

表1、表2だが、こちらはAPD積算値を用いているので、今後、積算方線量計、ガラスバッチによる線量で確定すると、値が変動する場合がある。裏面に特定港線量作業従事者の外部被曝と内部被曝の線量合計値だ。

先ず、表3だが、4月の段階では514名がこの適用を受けており、10~20mSvが3名、10mSv以下が511名という状況だ。一番右側に平成23年3月~24年4月までの累計値という事で分布を示している。100mSvを超えたものは今のところいない。

その下の表4、経過措置適用者の外部被曝と内部被曝の合計値だが、41名のものが対象になっており、何れも4月分に関しては10mSv未満という状況だ。本件に関しては以上だ。

★本日、福島第二の防災業務計画に基づく復旧計画のうち、4号機の復旧が終わったので、保安院さまのほうに実施状況の実施報告と復旧計画書の海底1を提出している。(http://j.mp/L8jcTa)


皆様のお手元に資料を3種類配布しているが、薄いものがプレス分と概要資料、カッコ書きで中間報告と書いてあるのが復旧計画書に係る実施状況の報告書。改訂1となっているのが、復旧計画書の今回4号機が作業完了に伴い、改定を行ったものだ。

4号機の復旧計画書における作業対象機器になるが、薄い資料の裏面(http://j.mp/L8lly7)青い表の形式になっているのを見るんだ。4号機の復旧計画に基づく作業対象としては、左側に5種類書いてある。

480V電源系、残留熱除去機器冷却系、残留熱除去機器冷却海水系、非常用ディーゼル発電設備冷却系、原子炉冷却材浄化系といった系統が対象となっており、これまでケーブル、モーター等については仮設備で運転、運用をしていたが、

表の通り5月17日までに全て本設化、いわゆる元通りの機器、ケーブル等に戻ったという状況だ。従って進捗状況は100%となっており、これに基づいて本日付で復旧計画書の海底、それから実施状況報告書の中間報告を出させて頂いた。

4号機に関しては、今後、以前伝えたとおり、24年度、本年度上半期を目途に原子炉を開放し、原子炉から燃料を取り出す作業を実施する予定だ。炉内構造物の地震等による影響を確認したいと考えている。

厚手の資料になるが中間報告書(http://j.mp/LY6Hvx)の中に4号機の具体的な作業状況について写真で示している所がある。19ページから4号機復旧計画対象機器、復旧状況の写真ということで、13枚に渡り示している。

基本的には上側が復旧前の状況、下側が復旧後の状況という形で比較できる形で写真を要している。電子データでも準備できているので、要望があれば広報にお問い合わせ頂きたい。本日、私からは以上だ。

# 復旧に関する説明、写真提供はしっかりしている東電。以前と同じに戻すだけでええのんか。




■質疑

○NHK花田:
★被曝の関係だが、今回最大で23mSv、協力企業の作業員ということだが、どういった作業に従事された方なのか?

○松本:
3号機使用済燃料プールの循環冷却設備に塩分除去装置が付いているが、その装置の追設工事に従事した方だ。

○NHK花田:
この方一人だけが高かった状況なのか?

○松本:
そうだな。この方は今月というか、4月分で23.53mSvだが、同じ作業にあたっている方に関しては大体10~20mSvに入っていた状況だ。

○NHK花田:
2Fの復旧計画だが、4号機で今年度上半期目標に燃料取り出すといった形だが、これは燃料取り出しは既設の燃料交換機を使って通常通りの手順で取り出す計画と捉えて宜しいか?

○松本:
ハイケッコウデス。地震後の点検がまだ残っているが、私どもとしてはそういった点検をした結果、使えるということになると予定通りやる予定だ。天井クレーンと燃料交換気になるが、通常の手順通り、先ずは原子炉ウェルの真上にあるシールドプラグを外して、格納容器の蓋の解放、圧力容器の蓋の解放、

○松本:
それからウェルに水を張った後の燃料取り出しという手順は通常通りだ。

○NHK花田:
上半期ということだが、大体、今、秋ぐらいまでと捉えればいいか?

○松本:
そうだな。何時までという期限が決められているわけではないが、点検の進捗状況に応じて早まる可能性はある。

○NHK花田:
2Fの1~3号機については、こういった同じような予定は示されているのか?

○松本:
イエ。今のところ1~3号機については原子炉を解放する予定はない。1~4号機は昨年の3月11日はいずれも定格出力で運転しており、地震でスクラムして自動停止している。揺れ方は殆ど差がない状況なので、先ずは4号機で炉内の状況を確認したいと思っている。

○NHK花田:
4号機が先行する理由は仮設が本設化したのが一番早いからという理由でいいか?

○松本:
その通りだ。4号機が今回の事故の影響が一番小さく、復旧の進捗が一番早いということで4号機を選定した。

○ニコニコ七尾:
29日に開かれた日本気象学会で福島県内の大気中のセシウム降下量の濃度が、約40日周期で高くなると発表された件で伺いたい。(読売:http://j.mp/Kg2ipt)この研究成果が福島第の渡辺教授の調査によるものだが、

大気中のセシウム、40日周期で増加…原因不明 http://j.mp/Kg2ipt

○ニコニコ七尾:
この報道はご存知か?

○松本:
ハイ。報道としては知っている。

○ニコニコ七尾:
この40日周期で高くなる傾向はなにかお思い当たる節、理解できるようなそういった事象はあるか?

○松本:
東電としてはない。

○ニコニコ七尾:
そうですか。この研究成果について共有する考えがあるかどうか伺いたい。

○松本:
共有という意味では報道を通じて知っているが、今後、何か国レベル、大学との情報交換等言うか、そういった協議する場があればしていきたいと思っている。

○ニコニコ七尾:
一つ例を取ると40日周期で高くなる傾向にあるということが、明快にあれば、例えばさぎょインの外の作業が長時間にわたる場合はずらすとか、応用は聞くと思うので、質問させて頂いた。2点目だが、本日、国会事故調が馬渕元総理補佐官の非公開聴取を行い(http://j.mp/L8DD2p)聴取後のぶら下がりで

「四方を囲むことを前提に話を進めてきたが、海側の遮水だけで止まっている」と指摘し、安全対策がいまだ不十分との認識を示された。これは以前、木野さんが質問されたと思うが、未だに不十分という認識に対して、改めて東電側の認識をお聞かせ欲しい。


○松本:
馬淵議員の認識についてコメントする立場にないが、私どもとしては十分な解析、評価を行った上で海側遮水壁と十分と判断した次第だ。

○ニコニコ七尾:
以前の松本さんの説明でも、地下水の流れということで、海側止めればいいという理屈だったと思うが、改めて伺いたいが、地下水の生層地下水、深層地下水という言い方もあるが、地下水の調査状況というか、今、調査は現実行なっているのか。水質調査だが。

○松本:
ハイ。いわゆる西側にある構内の深井戸のところでの水質調査は継続的に実施しているし、後、山側の所で地下水を組み上げる緯度を掘るので、その緯度の水質分析は実施中だ。

○ニコニコ七尾:
その点については承知しているが、汚染はないと繰り返し質問しているが、

○松本:
ハイケッコウデス。

○ニコニコ七尾:
大丈夫ですか?

○松本:
ハイ。

○ニコニコ七尾:
以前伺ったが、今日、4月に新たに作業に従事した人数が発表になったが、以前、年代別の作業員、人数の公表をお願いしていたと思うが検討結果は出ているか?

○松本:
ハイ。どういった形で集約するかも含めて検討させてくれ。データをもう一回洗いなおすことになるので、そういったことをするかどうかも含めて考えたい。

○ニコニコ七尾:
必要性については、年代別というのは、今後の継続的作業と実質的な状況を把握する意味で重要だと思うが、そうした認識についてはあるか?

○松本:
従ってどういったニーズ、必要性に関して判断した上で集計するかどうかを決めたいと思っている。

○ニコニコ七尾:
それは大体いつ頃を目処にというのはあるか?

○松本:
今のところ目処を決めて、検討する、というところまで決めていない。

○ニコニコ七尾:
例えば社内事故調で色々、様々な検討をされていると思うが、その中で言及する可能性はあるか?

○松本:
作業員の年齢構成と事故調の調査は直接リンクしないので、事故調の報告書の中で言及する予定はない。

○ニコニコ七尾:
現在のデータとしては多ければ多いほど一次情報としてはその中に当然含まれると思うので、その点は全然無関係ではないと思うが。

○松本:
意見としては承るが、今のところ、年代別の作業員分布等は、事故調の報告書の中で何か議論されることは今のところ私は聞いていない。

○栗田:
よろしくお願いする。明日、使用済燃料プールの関係で工事が1点ある。4号機の使用済燃料プールに関するものだ。明日から一次系ポンプ吸い込みストレーナーの交換を実施予定。こちらは吸い込み圧力の低下やストレーナーの差圧上昇対策などとして実施するものである。6月1日から6月3日までの予定だが、その間、使用済燃料プールの冷却を一時停止することになる。

★★プール水温は現状32℃なので、6月3日までを考えると 17℃程度上昇する。滞留水移送は1号機タービン建屋から2号機タービン建屋地下への移送を実施予定。3号機はタービン建屋地下から雑固体廃棄物減容処理建屋への移送を停止予定。

6号機はタービン建屋から仮設タンクへの移送を実施予定。以上が私どもからの連絡だ。本日の説明は終了する。



~ 終了 18時25分

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