2012年4月23日月曜日

平成24年4月23日(月) 経産省 保安院 定例ブリーフィング~ 被ばく評価のため SPEEDIによる計算結果のメッシュデータを放医研に公表

平成24年4月23日(月)11時 ~ 経産省 保安院 定例ブリーフィング(21分)

被ばく評価のため SPEEDIによる計算結果のメッシュデータを放医研に公表。



2012/4/23・11:00開始 経済産業省原子力安全・保安院による記者会見 (たかよしさん まとめ)


○森山対策監:
福島第一の状況。本日目立った作業はしていない。共通する問題として窒素供給装置の関係。最近何度か窒素供給停止に至っていた。原因究明中だが、インバーターの調査ということで一つを取り替え調査中。現在、2台(並列同時)運転しており、

以前は交互に切り替え運転していたが、万一落ちた場合に2台運転を当面している。監視は免震重要棟からWebカメラで1時間に1回監視するようにしているが、更に免震棟で警報を発信するような工事を進めている。これは明日、確認試験を行うということである。

滞留水移送は継続中。パラメータの県で2点ほど説明しておく。プラントパラメータの表のなかで明日の作業に関係するが、格納容器圧力を見ると単位が絶対圧とゲージ圧なので見難いところはあるが、2号機が本日5時現在で36.64Paゲージ圧となっている。

大気圧に比べ1.3ぐらいになっているということであり、このことを踏まえ、格納容器のガス管理システムからの排気量を増やそうと。格納容器圧力は1月ぐらいまでは1桁台だったがすこしずつ上がってきている。

気温との関係があるのかもしれない。従ってガス管理システムの排気量を増やすということで、明日、格納容器と繋がっているバルブを少し開く。一番最初に2号機はガス管理システムを設置したので、少し排気量を絞っていた。

格納容器の出口に繋ぐ際に少しバルブを絞っていたので、バルブを開けて排気量を増やしてみようと言うことである。この格納容器の中の圧力については、全体としては大気圧より少し高いぐらいを維持することを目指しており、

これは放射性物質の放出量を効果的に抑えていくという観点からそういった対応をしてきているが、若干、2号機が少し高くなってきているということで、明日、弁を開いて排気量を増やす作業をしていくということである。

もう一つは温度パラメータを見るんだ。温度についても窒素封入状況は若干上下したりしているが、全体のトレンドとして少し上昇傾向にある。例えば1枚目の1号機のパラメータのいち番下のラインを見ると若干温度が上昇ている傾向が見て取れる。

他も必ずしもすべての点においてそうだというわけではないが、少し温度上昇の傾向が見られると持っている。これは今検討中だが、外気温が上がってきていることと連動しているだろうと見ている。

特に圧力容器底部温度を80℃いかにするということが保安規定で定められており、これは冷温停止の際に温度計のごさを踏まえて80℃を保安規定で管理すべき温度として設定をしている。

その80℃よりも低いレベルで実際には管理しているわけだが、今後、気温が上がってくると言うこともあるので、このごの上昇の程度を評価をして、必要であれば何らかの対策もあると考えている。

まずこのトレンドをよく見て今後の外気の上昇と併せてどの程度、この80℃に対して抑えられるか、という所を見ていきたいと思っております。その他の作業としては、先週から申し上げているが、2号機の取水口付近のピットに水溜まりがあったので、

# 外気温との相関関係でいいじゃん。

そこに対するコンクリートによる埋設作業を引き続き行なっている。今週中員は終わるという予定である。その他のパラメータとしては先程の表にあるが、本日5時現在、原子炉への注水状況は 1号機 給水系4.8m3/h、CS系1.6m3/h、

2号機 給水系 3m3/h CS系 5.9m3/h、3号機 給水系1.8m3/h、CS系 5.9m3/h、安定しており変わっていない。水素濃度 1号機 0%、2号機 A系、B系いずれも0.22%、3号機 A系 0.19%、B系0.17%。

使用済燃料プール温度 1から4号機順に 17℃、18℃、16.8℃、25℃ とそれぞれ安定。プラント状況は以上。

★もう一つは原子力被災者支援チームからの資料で本日公表しているものがある。参考までに配っている。SPEEDIによる計算結果のメッシュデータの公表ということである。このデータだが、昨年11月18日に公表している。

この目的は福島県の健康管理調査の一環として放医研の方でモニタリングデータを元に被ばく評価ということをされているが、その検討の参考としてもらうため、特にモニタリングデータの少ない事故発災当初について、このSPEEDIの結果を提供している。

このSPEEDIの結果は図形でデータについては公表しているが、メッシュデータ、それぞれの地点でどれぐらいかという個々の細かい数字だが、これも関係する研究機関等でのご活用ということも考えて、本日、公表をしたということである。詳細について質問があれば、被災者支援チームの方で受けるのでよろしくお願いする。


私からの説明は以上だ。


■質疑

○読売安田:
先ほどのプラント関連パラメータのところで圧力が徐々に上昇、外気温との関係ということだったが、その他のヨウ素は考えられないのか?明日から弁を開くということだが、大気圧より少し高いぐらいに抑える話だが、どれぐらいまで下げる具体的な数字は?

○森山対策監:
そこは必ずしも細かくコントロールできているわけではないので、なんとも申し上げられない。2号機の格納容器の圧力は若干他の号機よりも少し高めだった。昨年暮れから今年1月ぐらいは1桁、10kPaより低いところだった。

先ほど外気圧と申し上げたが、外気圧だけかどうかもわからない。ガス管理システムそのものがインリークと言って、排気しているが、途中で外気を吸っているという面がある。そういった所の漏れ込み、格納容器から引くのではなくて、

格納容器から出た後のシステムでインリーク、すなわち外地を吸ってしまうといったことも関係があるのかもしれない。従って2号機は1号機、3号機と少し挙動が違うが、先ずは接続されているバルブ、これは今、4分の1ぐらいの開度であり、

これを全開にしようと。その上でガス管理システムで引く量をよく監視していこうということである。実際にどれぐらいまで出来るかはやってみないとわからない面が強いと思う。

○読売安田:
確認だが2号機だけがこういう状況ということだが、他の号機となにか特殊な事情があるということは考えられるのか?

○森山対策監:
そこはよくわからない。ある程度、圧力があるということは、格納容器の漏洩がそれだけ少ないという事と考えるので、

損傷の度合いが違うのかもしれないし、先ほど申し上げたように、2号機は最初にガス管理システムを入れた。特にガス管りすシステムを入れた際、例えば内部から蒸気が出るということも心配し、排気量をできるだけ押さえ気味にした経緯がある。

従って弁の開度を4分の1ぐらいで抑えたと。慎重に行ったということがあるので、そういった所が影響してきているのかもしれない。そこはまだわからない。

○時事神田:
圧力の管理だが、大気圧より若干高めで管理するということだが、改めて管理の考え方、どういう理由でそう言う圧力にするという、具体的な数値はともかくとして、どういう考え方で、あれ、してんのか?

○森山対策監:
2つのことがある。放射性物質の放出量を如何に抑えるのかという点、水素爆発のリスクをいかに減らすかという点。負圧にあると食う気が入る可能性があるので、若干高めの方がいんではないかいと。

常時窒素ガスを入れているのですぐに心配だということではないが、若干高めのほうが格納容器に対する空気のインリークを防げると。それから放射性物質の放出については、これは圧力が低いほうが、どうしても押し出すということになるので、

従って、なかなか定量的には難しいが、大気圧より少し高めぐらいで、あまり低くし過ぎないようにしているということである。

○時事神田:
弁の開度に関して言うと、1号機や3号機ははじめから前回になっているということでいい?

○森山対策監:
はい。開けていると聞いてる。

○NHK岡田:
温度は若干上がっていると言ったが、これはどのあたりを見ての根拠なのか?

○森山対策監:
1ページに幾つか線があるが、一番下のライン、3本ぐらい。少し30℃を切っているが、若干上昇傾向にある。一番上の線は窒素濃度、

窒素封入量が減った際にちょっと上がったこともあるので、下がっているようには見えるが、全体のこのラインをずっと見ると、例えば3号機も一番下がそうだが、少し上昇しているように見える。

もう少し長いトレンドで見ても上昇しているように読み取れまして、これは外気の温度、外気のンドが上がることによって冷却水の温度も上がるので、そういったことが影響しているだろうと。比較的今のところ相関していると見ている。

従って今後、気温がこれから春夏にかけて上がっていくので、どの程度まで上がるのか、外気によって冷却水というか、注水している水そのものの温度が上がってくる。タンクに溜まってくるので、外気以上に上がることも考えられる。

# 松本氏はタンク容量が多いので外気温より温度が上がることはない、水温は殆ど変わらないようなことを言ってた記憶が。まだ循環冷却システムが形になってから1年も経過してないので分からないのが実情。

○森山対策監:
そういう事をよく見て必要に応じて対策を撮っていこうということである。

○NHK岡田:
確認だが今の段階で何か対策を打つということではなく、取り敢えずパラメータを見ていくということなのか?

○森山対策監:
はい。例えば夏になってだな。急な対策は難しいから、今の段階で夏までのトレンド予測をして、もし、何らかの対策が必要だと考えられれば、早めに着手すると。保安規定は80℃だが、例えば80℃ギリギリではなかなか管理が難しいから、

# 保安規定ぎりぎりになって対応していては間に合わないから、という事を言いたいらしい。

○森山対策監:
もう少し、下のレベルで、どの程度で抑えるか、ということもありますが、できることであれば早めに対応するといういことになろうかと思う。

○NHK岡田:
目安の温度はあるのか?この辺まで上がると対策を取らないといけない温度はあるのか?

○森山対策監:
そこは具体的な数字まで結論に至っていない。80℃というのが保安規定で決めている温度なので、それを充分下回るところで確実に80℃がキープできるようなところだろうと言うことであって、それが60℃なのか70℃なのか、というところまでは結論に至ってない。

○NHK岡田:
これでまた意見聴取会ということは考えられるか?

○森山対策監:
今のところそこまでは考えていない。もし、外気の影響だとすれば、ま、単純な問題なので、それに対して注水する水の温度をどうコントロールするかに尽きるので。そこは今のところ、意見聴取会までは考えていない。

# 事象の進展速度で対応は変わるから、進展具合でどのように対応するかが重要だと思うけど。この温度だから対応有無を考える、とは決められないと思うけど…

○NHK岡田:
今考えるのは難しいかもしれないが、外気温以外の要因でなにか考えられることはあるか?

○森山対策監:
今のところは、あまり、思いついていない。外気との関係はある程度相関してるんだろうと思っている。外気というか、注水の温度。水の温度です。

# これからはプラントパラメータと気温のグラフを一緒に提示すべき。冬は格納容器が外気温に晒されて温度が下がると説明するのなら、夏場も外気温に晒されて温度上昇というべき。

ですから外気を測っていると言うよりも、実際には注水している水の温度との相関を見ているとお考え頂きたい。はい。他、無ければこれにて。次回は午後16時を予定している。



~ 終了 11時21分

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