2012年11月4日日曜日

平成24年11月4日(日) 第一回 大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 14時00分 ~ 17時00分

原子力規制委員会 / 会議 / 会見 / 配信チャネル
外部有識者会合 > 大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合

平成24年11月4日(日)
第一回 発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム会合 14時0分 ~ 16時30分

議題
  1. 大飯発電所敷地内破砕帯の現地調査について


■第一回 発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム会合 14時00分 ~


【録画】大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合第一回評価会合


○議事録 / まとめ

○会議資料

(追加配布資料)


議事録 保管
○島﨑委員長代理
定刻になりましたので、ただいまから、大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合、評価会合を開催します。まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。

○小林管理官
事務局、規制庁管理官の小林でございます。私のほうから、配付資料の確認をさせていただきます。まず、一番上に座席表がございます。その次に名簿がございまして、その次が本日の議事次第でございます。

議事次第には本日の配付資料一覧を記載してございますので、それに基づきまして確認をさせていただきます。まず、大飯・現調2-1でございますけれども、「大飯発電所敷地内破砕帯の現地調査結果(概要)について」でございます。

A3の横の資料でございます。それから、その他としまして参考資料でございますけれども、まず参考資料1としまして、これは東北大学の石渡教授からの資料提供について、私どもなりに考察したものを参考資料1としてございます。

それから、参考資料2と3でございますけれども、これは現地調査のときに関西電力から提供されました資料でございまして、二つ用意してございまして、一つは現地調査の資料集、そしてもう一つが、参考資料3としまして、これは机の上に巻物としてお配りさせていただいてございます。

これは台場浜の北方のところの海上音波探査の記録でございます。これは後ほどまた見ていただくことになると思いますけれども、それとあと、別途配っておりますけれども、1枚紙で、「音波探査測線及び断層分布図」という1枚紙を配らせていただいています。

これは本来、この巻物の中に巻けばよかったんですけれども、ちょっと巻き忘れまして、別途お配りしてございます。それから、事前会合のときと同様に、机上資料としまして、過去の審議資料を用意して3ございます。

配付資料については以上でございます。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。皆様、よろしいでしょうか。もし不備などございましたら、事務局へお申しつけください。まず最初に、当然のことかと思いますけれども、今日は、現地で確認してきた結果に基づいて、破砕帯、断層の活動性、これについて科学的に詳細に御議論いただきたいと思います。

議論も専門的で、かつ、いろんな地点について行うことになりますので、難しい点も多いかとは思いますけれども、傍聴されている方々にもできるだけわかるような御説明をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

どの箇所の、どういう点について、それについてどういう論拠に基づいてこういうふうに判断できる、あるいは、こういう情報がないので、この点については現時点ではわからないというような、そういう具体的な形で御発言をいただければと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。

それでは議事に入らせていただきます。現地で確認していただいたことではありますけれども、本日はマスコミの方や傍聴の方もいらっしゃいますので、一応、どこで、どういう調査を行ったかについては、資料2-1を使って事務局から簡単に説明をお願いします。

○小林管理官
管理官の小林でございます。大飯・現調2-1という資料でございます。これに基づきまして説明させていただきます。まず、1枚おめくりいただきますと、2ページがございます。

ここには当日の現地調査における確認した場所と中身を記載していただいております。まず、一番最初に見たのが、マスコミの方にも見ていただいていますけれども、台場浜付近のトレンチ調査でございますね。

それから、海岸のほうにおりまして、台場浜の付近の海岸の岩礁、それから岩場のところ、ここを確認させていただきました。その次に、お昼過ぎになりまして、今度は山頂付近、この1・2号の背面の山頂付近、ここでのトレンチ調査を確認させていただきました。

その後、旧のトレンチ、昔のトレンチでございますが、この場所におきまして、この付近の3号付近、それから旧トレンチ付近のボーリング調査、こういったもののボーリングコアを確認させていただきました。

最後に、陀羅山トンネル、ここでの底盤剥ぎ取り調査、これについて確認させていただいております。4次、お願いします。まず、これがちょうど台場浜の海のところの箇所でございまして、これにつきましては、関西電力の中間報告で、F-6破砕帯ではないかというようなところの写真でございます。

次、お願いします。これが、ちょうどその台場浜のトレンチから砂浜におりたところ――おりる場所ですね。おりる場所で、何人かの先生から、この部分の破砕帯については気になるというようなことで、これを写真として撮らさせていただいてございます。

次、お願いします。これが台場浜の浜から海側を見たところでございまして、ここでもやはり先生から、この岩礁付近のこの形状が気になるということで、この北方については、先ほど巻物にしてございました海上音波探査、これを実施してございますので、その記録で見ていただくということになると思います。

次、お願いします。これが台場浜のトレンチでございます。ここにございますように、まず、北面ということで、北の面、ここにおけますスケッチ写真でございます。特に、ここの部分、すべり面がございますけれども、ここの部分の拡大した写真を――次のページをお願いします――に添付してございますけれども、このすべり面ですね。

これについても、このように写真を撮らさせていただいてございます。後ほどこれについても議論をしていただければと思います。それから、その次でございますけれども、これがちょうど北面のトレンチの東端ということで、関電資料の50ページ。

ここで、先ほどの写真でございますけれども、これはちょうど北面の一番東側の部分、ちょうどこの部分でございますけれども、この輝緑岩と蛇紋岩のこの地質境界ですね、この部分の写真を、先ほどの8ページに記載させていただいてございます。

同じように、後ほど出てきますけれども、この反対側の南面でも同じように、輝緑岩と蛇紋岩の地質境界がございますので、これも見ていただくことに、写真で撮らさせていただいてございます。

これが、今度は南面ですね。南面のトレンチ調査の様子でございまして、ここのところに、すべり面と称して出ておりますけれども、この拡大図が次のページから記載させていただいています。

ちょうどこの部分ですね。これが非常に、この基盤だけじゃなくて、この上の層、ここにも被害が及んでいるというふうな先生方の御指摘でございます。その次が拡大図ですね。

これがさらに拡大したものでございまして、この部分に変位が5出ているというふうに先生から御指摘いただいてございます。その次、これは、先ほどここのところを見ていただきましたけれども、全体をちょっと引いた写真でございまして、特にこの上の部分においても、このすべり面とは別に、この鉛直方向に、構造性の少しすべり面があるのではないかというふうな御指摘もいただいたので、この部分の拡大も撮ってございます。

これが拡大図でございます。こういうような形で、構造上のすべりがあるのではないかというふうな御指摘もいただきました。ですから、これについては、この部分、特にトレンチのこちら側ですね。

まだこれは掘り進んでございませんので、やはりこの部分を少し掘り下げるべきじゃないかというふうな御指摘もございました。これが先ほどの東端の、北面の反対側でございます。

これも同じように、ちょうどここの部分に輝緑岩と蛇紋岩の地質境界が見えるということでございます。この次のページはボーリング調査でございまして、これは、先ほどの台場浜のところのトレンチのすぐ南側のところでのボーリングコアでございまして、特にこの緑の部分でございますけれども、ここで、関西電力の中間報告ですと、すべり面と称されている部分が見えると思います。

次、お願いします。これが1・2号の背面、山頂付近のトレンチ調査におけます破砕帯でございまして、ちょうどここの部分で捉えた写真でございまして、明瞭にこういった破砕部が確認されてございます。

次、お願いします。これは、今の16ページの破砕帯のもう少し南西側でございますけれども、ここのところにおけます破砕部、これの写真でございます。これがさらに南西部分の、ちょうどこの付近でございますけれども、少しピットを掘ってございますけれども、こういうような形で基盤ががくんと落ちているというような様子が見られると思います。

先ほどのこの部分は基盤でございます。同様な箇所での破砕帯でございます。この部分でございますね。これについての破砕帯が、この写真で確認できるかと思います。次からがNo.1ボーリングということで、これは3号炉の付近のボーリングコアを撮影したものでございます。

それぞれ、F-6の破砕帯と称されている部分ですね。この赤い部分でマーキングしてございますけれども、F-6と称される破砕帯が見えると思います。次、お願いします。

次は、同じようにNo.3のボーリングで、既往トレンチ、旧のトレンチでございますけれども、この付近のボーリングコアでございまして、同じように、F6-6と見られる破砕部がこのところに見られるという写真でございます。

次でございます。次は、No.4のボーリングでございますけれども、これは、御指摘で、この部分を特に注目されている先生もおられたので、特にこの部分を集中的にこういう写真を拡大して撮らさせていただいてございます。

次が、これが同じように旧トレンチの斜めボーリングのものでございまして、これについても、この部分にF-6破砕帯と見られる破砕部が確認されたとしてございます。それから、一番最後のページでございますけれども、これは一番南のところの陀羅山トンネルの底盤剥ぎ取りの結果でございますけれども、ここに4本の破砕帯が確認されたということで、それぞれここで写真を撮らさせていただいてございます。

それからあと追加でございますけれども、参考資料2の関西電力の資料でございますけれども、この中で、一番最後のほうの71ページ、海底地形図がございます。71-1というふうな、非常にちょっと小さいものですから、もう一つ、71-2というのを添付させていただいてございます。

特にこの海底地形図も、やはり台場浜の北方のところで少し筋状のものが見えるというので、先生方におきましては、この部分、気になるなというふうな御指摘もいただいてございます。

私のほうからの説明は以上でございます。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。何か、今の点についてございましたら。よろしければ、皆様、御自分の中で御議論をいただくということにして、今回の現地調査で確認できたこと、あるいは疑問を持たれていること、わからないこと、議論すべき点、いろいろあると思いますので、それぞれの先生からコメントをいただければと思っております。

調査が、まさに一昨日だったというわけで、いろいろ御日程を先生方がお持ちのところを、また無理に、一昨日、皆さんの日程であいていたから調査という形ですけれども、それ以外の日は、実は非常にお忙しい皆様だったので、御用意、資料をいただきましたけれども、大変申し訳なかったと思いますけれども、御用意いただいた分に関しては、スクリーンでこれから映すようにしておりますので、また、それらの資料についてはホームページで公開させていただきます。

それでは、廣内先生からお願いしてよろしいでしょうか。お願いします。

○廣内信州大学准教授
信州大学の廣内です。よろしくお願いします。ちょっと本当にぎりぎりでつくったものですから、拙いところがあるので御容赦願えれ7ばと思います。私が気になりましたところを、いろいろ丸をつけたりしておるんですけれども、これは、スケッチ自体は関西電力さんが描かれたスケッチにいろいろ印をしております。

先ほど、もう紹介があって、きれいな写真が出たのですけれども、台場浜トレンチでは幾つかの断層を確認することができたと思っております。一つは、この斜めに入っているやつが二つぐらい見えまして、この地層がどこまで変位しているかなということもこれに書かれておるんですけれども、少なくともこのDという未固結の堆積物までは変位をしていると。

なかなか時間がないので、上も詳細にどうなのかというのは難しいのですが、この上の緑色に塗ってあるC層ですかね、ここについては変位は及んでいないようであるというふうに、その場では見えました。

もう少し時間をかけて見ればよかったのですが、このスケッチがそんなにおかしいとは思わなかったということです。ただ、問題は、反対側にしても同じように見えたのですが、問題としては、では切断されているD層がいつ堆積したものなのかということについての資料は、現在のところは得られていないということなので、そのD層の年代を示す資料を直接火山灰分析等で提出してほしいなと。

そういうことがなければ、この断層自体が動いた時期というのを判断するのは難しいだろうということです。それから、上位のC層については、ここに火山灰が出ているということが書かれておりますが、これらがどのぐらい正しいのかという資料、これは現段階でまだ中間報告ということだと思うんですけれども、今後もう少し詳しい分析のデータも見たいなというふうに考えているということです。

これについては以上です。次をお願いします。関電さんの説明の中では、先ほどの断層が地すべりによるものであるというような説明がありました。その根拠として、ボーリングを掘ったところ、非常に低角に、低角でもないんですが、出てくるということで指摘があったのですが、なかなか、一つはその連続性だけで単純に地すべり性の断層であると判断することはちょっと難しいかなというふうに思っています。

それから、地すべりでありましたら、それを当然示す地形が必要かなと思うのですが、そういう地形が、この方向を示すような地すべりの地形というのも見られませんので、単純に地すべりと決めることはちょっと難しいかなと思っています。

それから、破砕帯の構造から右横ずれの逆断層であるということが指摘されているので8すが、その右横ずれであるということ自体は、そもそもこの地域の、例えば今まで指摘されているF-6ですとか、そういう断層のずれの方向とそんなにたがわないので、むしろ、テクトニックなものである可能性というのは否定できないんじゃないかというふうに考えております。

すみません。次、お願いします。それからもう一つは、これはあまり時間がなくてしっかり観察ができなかったのですが、今お話ししたのはこちらの断層なんですが、もう少し南東側のこの輝緑岩と蛇紋岩の境界付近にも断層構造が指摘されていて、それ自体はスケッチが描かれております。

ここが、一番下のところで、このスケッチが、これが大きいのが次に出るんですけれども。一つは大きなスケッチがあったのですが、反対側のスケッチがありませんでしたので、こちらのスケッチも提供してほしいなと思います。

そこの部分がこういうふうに未固結の海成層、石が非常に丸いので、海が削ったというか、海がためた堆積物だと思うんですけれども、こういうものがたまっております。当日は、切れているのか、切れていないのかというのは、ちょっと難しいかなと思ったのですが、こういう石が斜めに配列していたりする構造が見えるので、もしかしたら断層変位を受けている可能性があるかもしれないなというふうに考えております。

ただ、これはスケッチの、先ほども小林さんの説明がありましたけれども、ここでトレンチが終わってしまっています。この上のところは見えませんので、もう少しこれを奥へ掘り下げて確認する必要があるだろうというふうに考えております。

それから、この上位の構造ももう少し、どこまで切れているのか、切れている可能性があるのか、そういうことを見たいなというふうに思っております。すみません。次、お願いします。

それから、場所が変わりまして、台場浜の海側のところですけれども、これは従来のF-6断層というのがここに指摘されているものですが、それよりも南東側ですかね。この頁岩/超苦鉄質岩境界という、ここのところです。

ここのところは、ちょうどおりるはしごがついているからかなと思うのですが、この上に、地質の境界が上方にずっと続いていって、その上の未固結の堆積物が変位を受けているのかどうかということについては調査をされていなかったので、そこについてもう少ししっかり見て、これが動いているかどうかということを確認できるといいなというふうに思っております。

すみません。次、お願いします。それから、これも、その沖合のデータですけれども、9報告自体には、ここはもう何も断層等は見られないという報告があったのですけれども、これを見ていただきますと、筋状の構造がいろいろ見えるわけです。

こういうものが、これはちょっとどういうふうに調べるかということのアイデアが今ないのであれなんですけれども、必ずしもこれを見て何もないというふうに判断するのが難しいのかなというふうにちょっと思っております。

当然、その延長線上に出てくるわけですから、何かしら、単純な地質構造かもしれませんけれども、断層の可能性もあるのかなというふうに思っています。次、お願いします。

これは前回の会議のときにいただいたデータですけれども、そういうところが、この台場浜のほうの様子ですけれども、このtmというのは海成層で、過去に海がためた地層、海成層で地形をつくっている。

海成段丘という地形をつくっておりますが、これがずっと分布しているわけです。この辺でも、調査をしたのはこの辺りですが、ずっと続いていて、この辺でなくなってしまうと。

こちらには分布が全然認められません。これは基本的に地殻変動による隆起によって、高いところまで上がってくるんじゃないかというふうに考えているので、これがこちらにないというのは、単純に侵食でなくなってしまったのかもしれませんが、何かこういうところで、こちら側が隆起して、こちら側があまり隆起していないという、そういうことを示す指標になる可能性もあるなと思っています。

ですから、これがどう分布するのか。特にこの辺で境界がないのかとか、だんだん下がっていってせん滅するということならそれでいいのかもしれませんが、そういう海成層の波食面の高さ、海成層の高さ、その分布と高度、連続性、こういうことを少しプロットしていくようなことが調査として必要なんじゃないかと思っています。

それから、こちら側も露岩していると。ずっと地層が見えているというふうにおっしゃっていたんですけれども、こちら側について、断層が本当にないのかなということは、念のためですけれども、調べて、それも提供していただいたほうがいいのかなというふうに思っております。

それから、これは信じればなんですけれども、ここにFという若い堆積物があるということがこの図に示されていますので、これとF-6の関係を例えば調査することも、これが本当であれば可能かなというふうに思っています。

すみません。これは前回の調査というよりは、今まで出た資料について思ったことを述べているところですが、そのように考えております。すみません。次をお願いします。

それからあとは、もうあまりないのですが、山頂のト10レンチの、ここだったかな、ここで断層が、破砕帯がここで見つかっていると。その延長線上については、ボーリングを掘ったけれども、認められないというふうなことが言われておりましたが、それについては、ここからボーリングを斜めに掘って、それで出てこないという、そういう観点だったと思うのですが、そもそもこれは右横ずれなので、左にステップしていくような連続をする。

単純にびゅっと1本でつながるのではなくて、横ずれ断層の場合は、破砕帯がステップしていくようなことも考えられるので、そうすると、左へ向かっていくとすると、ここから東へ打ったボーリングでは、もしかしたら検出できていない可能性もあるんじゃないかと思っておりまして、それを検出する調査もできるんじゃないかと。

連続性をしっかり確認するという意味ではできるんじゃないかと考えております。次、お願いします。すみません。もう全部言ってしまったことなんですが、今大体まとめたところで疑問に思った点と、それから調査すればいいんじゃないかという点をここにまとめました。

C層テフラの判定根拠の提示。それからD層の年代を決定すること。海沿いの地質境界断層の上側の、上載層の変位をしているかどうかを調べる。それからトレンチの壁面自体を少し南東へ拡大して、しっかり見る必要があるだろうと。

それから、海岸は、すみません、さっき言ってしまいましたけれども、この頁岩/超苦鉄質岩の地質境界の上の部分をしっかり確認しようと。それから、海が削った波食面と海成層の分布と高度、その連続性を調べることが必要ではないか。

それから、北西側海岸についても念のため調査する。これについても、もっと若いノッチとかベンチと言われるような、その波食地形、こういうものがないかどうかということも、その高度がどうかとかということも調べてほしいなというふうに思っています。

これは地殻変動の指標になりますので、そういうものが、現世のものと、それよりもっと高いものもないのかとか、そういうこともあまりわかりませんが、そういうのがあるかわかりませんが、調べることができるのであれば調べたらいいのではないかと思っております。

それから、これは地形分類図にありました北側のfという地層、これとF-6の関係は調査できるんじゃないかと。それから、頂上トレンチの北側のボーリングで当たらなかったことについては、より西側を確認できるボーリング調査で連続性を検討することができるんじゃないかと、このように考えました。

一応、私のほうからは以上になります。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。何か簡単な、ぱっとした質問というのはあ11りますか。よろしければ、後で御自分のところでお願いしたいと思います。続きまして、重松先生、よろしくお願いします。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
産業技術総合研究所の重松です。先日見た大飯原発の敷地内の破砕帯の調査の結果等について、思ったこと等々を報告させていただきたいと思います。次のスライドを見てください。

内容なんですけれども、まず、どうやって判断するのかというふうなことを話した上で、私自身は、今回、調査の中で、大飯原発の周辺でどういう応力がかかっているのかということと、それからもう一つは、大飯原発の敷地内の破砕帯がどういうふうな関係があるのかということ、それからもう一つは、その破砕帯にどういうふうな粘土鉱物が含まれているのかというふうな点を注意して見ておりました。

次のスライドに行ってください。まず、その判断基準というふうなことなんですけれども、「活断層とは」というふうなことで、これはいろいろなところで言われていることが、そのまま、ここに書いてある「発電用原子炉施設に関する耐震設計指針」、平成18年9月19日の報告の中に書かれておりまして、「活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動する可能性がある断層」というふうなことになっております。

これをどういうふうにして認定するかというふうなことで言えば、これはもう基本的に、後期更新世以降の累積的な地殻変動に基づいて判断するのだというふうなことになるわけです。

ただ、今回の調査の中で、例えば台場浜であるとか、そういったところの場合ですと、地層を切っているとか、そういったところというのが見られるので、この辺りの検討というのが要であるのかと思うのですけれども、例えば、1号炉3号炉の裏側の尾根の上、あるいは、2号炉と3号炉の間で掘ったボーリングの中に出てきた破砕帯というふうなものに関しては、特に後期更新世の堆積物を切っているとか、そういったものというのは認められないわけですね。

そうしたものを何とか判断しろというふうなことを我々は求められているのかなというふうに思うわけです。それをどういうふうにして判断するのかというふうなことで、ちょっと次に行ってください。

これもなんですけれども、これも、実は発電用の原子炉施設の耐震安全性に関する安全審査の手引きの中に、一応これは書いてあります。そこに書いてある中では、後期更新世以降の地形面や地層が分布しない場合は、さらに古い年代の地形及び地質、地質構造、12応力場等を総合的に検討し、耐震設計上考慮する活断層の認定を行う必要がある、というふうに書いてあります。

要は、後期更新世以降の地形面や地層がある場合は、非常にはっきりと、これは活断層であるかどうかとか、その活動性ということは非常にはっきりと評価することが可能なんですけれども、そうじゃない場合というのは、どういうふうに判断するのかというふうなことについてここに書いてあると。

ただ、これは、あくまでも「総合的に検討をし」というふうなことなので、非常に、どういうふうに判断するのかというふうな具体性というか、具体的なことは何一つ書かれてないというふうなことになります。

ちょっと、次の次のスライドに行ってみてください。実際のところ、私はいろんな破砕帯を調査しておりまして、この仕事を引き受けた段階では、破砕帯だけからそれを判断しろというのは非常にむちゃな要求だよなというふうなことを思っていました。

これは、左側にあるのは、中央構造線の、三重県松阪市にある露頭ですね。これは月出露頭といって、天然記念物になっている露頭ではあるんですけれども、非常に立派な破砕帯が形成されています。

じゃ、ここは活断層かというと、中央構造線自体は、四国であるとか、あるいは近畿地方の紀伊半島の西側のところは活断層というふうなことにはなっているんですけれども、この三重県の松阪市の辺りというのは、活断層というふうな形にはなっていないと。

それでも、やはり過去に大きな断層活動をこうむれば、かなり立派な破砕帯は形成されると。右側は、これは跡津川断層の破砕帯ということなんですけれども、そこに右下から斜め上のところにちょっと白っぽいのと黒っぽいしま模様みたいのが見えるんですけれども、これはいわゆる断層粘土というふうに言っているもので、こういった立派な破砕帯がやっぱり形成されていると。

左側の中央構造線の場合でも、ちょっとこれは右半分のほうは黒っぽい石で、左半分のほうが白っぽい石なんですけれども、その境界のところには、同じようにかなり立派な断層粘土が発達していると。

断層粘土だけを見て判断できるかというと、それはやはりかなり難しいことだというふうに私は考えております。では、どういうふうに判断するのかということで、ちょっともう一遍、すみません。

もう一度前に戻っていただいてください。それで、私は、調査しているときに、地質構造、それから応力場等というところに着目していたというふうなことです。これは23日の事前会合のときに、島﨑委員のほうもおっしゃられていたことなんですけれども、なぜ活断層が繰り返し累積的にその変位をするの13かといえば、後期更新世以降、同じ応力場にあったのだから、それで繰り返すのでしょうと。

そうすると、その応力場に支配されたような地質構造があるのか、ないのかというふうなことが、一つの判断基準になるだろうと。だから、そこに破砕帯が出てくる。その破砕帯の中に見られる構造が、今現在の応力場に支配されているというふうに考えられるのであれば、それは明らかに活断層の証拠であろうというふうな形で考えていたわけです。

それで、すみません、次の次のスライドに行ってください。判断基準というふうなことで、今回は、その地質構造と応力場がどういう関係になるのかというところを見てみました。

ただし、ここで述べることというのは、あくまでも11月2日の限られた調査結果によるものです。だから、ここで今すぐ結論が出せるというふうなものではありません。それだけはまず断っておきます。

だから、今ここで考慮したといったからといって、そうだというふうな結論は下せないというふうなことは認識していただきたいと思います。それからもう一つは、その破砕帯を構成する物質ですね。

粘土鉱物等というふうなことで、これは一応11月2日に、その破砕帯のサンプルというのは幾つかとっているんですけれども、さすがに、一昨日調査して、中一日でその分析までやって、ここで報告するというのは、これは不可能です。

なので、ただ、先日11月2日に一通りその資料を見た後で、今机の上に置かれている、その反射断面とかと一緒にいろいろ関西電力さんのほうから説明がありました。その中で、関西電力さんのほうから、粘土鉱物としてどういうふうなものが含まれているのかというふうな分析結果については教えていただいたので、その結果についてちょっとコメントだけをさせていただくというふうな形にしていただきたいと思います。

それで、次のスライドへ行ってください。ちょっと、今の段階でのまとめというふうな意味で言えば、私は、調査の範囲内では、応力場と調和的な断層運動の痕跡を見つけることはできなかった。

これは、見つけることができなかったというのは、たった1日の調査なので、これはできなかったということで、今後きちんと調査をしていけば、それは見つかる可能性は十分にあるのではないかというふうには思っております。

それから、1・2号炉の背面山山頂のF-6破砕帯で見られた粘土鉱物、これは粘土鉱物はきちんと入っているというふうな形で報告はしていただいているんですけれども、これは地表付近で形成したものではないというふうな形で考えることができるかなというふうに考えております。

次のスライドに行ってください。そうしたら地質構造というふうなものから、どういう14ふうにしてそれが応力に支配されているのかというふうなことなんですけれども、すみません、ちょっと難しくなってしまいまして。

応力場と断層というふうなものがどういうふうな関係になるのかということについて、ちょっと説明をさせていただきたいと思います。応力というのは何かといえば、これは単位面積にどれだけの力が加わっているかというふうなことです。

ここに立方体みたいなものを考えたのですけれども、これは、そこに仮想的なこういった岩石があるというふうに考えていただければいいです。そこに応力がかかったときには、必ず3方向から、三つの直交した方向から力がかかっています。

その三つの直交した力のうち、最も大きな力がかかっている方位というのが最大主応力と言っているもの。一番小さいものが最小主応力と言っているもの。真ん中の方向が中間主応力と言っているもの。

これらは互いに直交しているというふうな、そういうふうな形になっています。次に、こういった岩石が力を受けたときに断層がどういうふうに動くかということですけれども、次のスライドに行ってください。

こういった形で断層が動くというふうなことになります。ちょっと次に行ってください。そこのずれたところですね。ずれた、ここのところが断層面というふうなことになります。

では、ここの断層面のところにどういうふうな力がかかるのかというふうなことを考えてみると、次のスライドに行ってください。先ほどの絵そのままなんですけれども、こういうふうに断層面があると。

この断層面の上にかかる力というふうなものを考えてやると、次のスライドに行ってください。断層面がこう行ったときに、断層面にかかっている応力というふうなものがあります。

次のスライドに行ってください。この断層面にかかっている応力というのは、まずこの主応力の方向。それから、断層面の方向という、二つのパラメーターで決まります。だから、これがわかれば、断層面にどういうふうな力がかかるかがわかると。

断層面にどういうふうな力がかかるかというふうなことがわかると、この力は、断層面に平行な成分と垂直な成分に分解することができる。断層面に平行な成分のことを剪断応力というふうに言って、断層面に垂直な力の成分のことを法線応力というふうな言い方をしています。

次に行ってください。この剪断応力というのがその断層を動かす力ということになります。基本的には、断層には、この剪断応力がかかってなければ、断層は動くことができないと。

そのときに、これは細かいことを言い出すといろいろあるのですけれども、この剪断応力の方向というふうなものと変位方向というふうなものが、ほぼ平行になってくると15いうふうな関係になると。

次に行ってください。以上のところをまとめると、要は、その断層面にかかる力というのは、応力場、主応力ですね、それから断層面の方向で決まりますよと。それから、剪断応力のかかっていない断層面は動きませんよということですね。

よく地質断層とかいっていて、活断層じゃない断層というふうに言われているんですけれども、なぜ動かないかといえば、それは剪断応力がかかっていないからというふうな考え方ができる。

それからもう一つは、その断層の運動方向というのは、剪断応力のかかる応力の方向に平行であると。これはちょっと異論はいろいろ、細かい点はいろいろあるんですけれども、おおよそこういうふうな関係になると。

だから、我々は、この関係から何を評価すればいいかというと、応力場がどういうふうにかかっているのかということ。それから、その応力場がわかると、剪断応力がどういうふうにかかっているのかということが計算できると。

これを評価することができる。それから断層運動方向を評価することができるというふうな三つのことを評価してやれば、そこにある地質構造が、今の応力場に支配されてできたのか、というか、断層の中にある構造が応力場に支配されてできたのか、できていないのかということを評価できるだろうというふうに考えて、露頭というか、現地を歩いているときに、一応断層のところを観察させていただいております。

次のスライドに行ってください。では、まず最初に、まず応力場を評価しましょうと。応力場をどうやって評価したかといったら、それは、地震のデータに基づいております。

大飯原発がここにあって、その周りで、2002年から2012年の間に起こった微小地震、マグニチュード0~2.7、それから29イベントの、これは発震機構とよく呼んでいるんですけれども、こういったものを計算してやりました。

データとしては、ここにある気象庁の一元化、それから防災科研のデータ、それから産総研の波形データを使っていただいて、この解析自体は産総研の今西さんという方にちょっと、この発震機構を求めるというふうな解析はやっていただいております。

それで、こういうふうな形で求まってくると、例えばこういった、よくこれをビーチボールとかと言う人もいるんですけれども、この白の方向に断層が引き込まれるような、そういった動きをする。

岩盤が引き込まれるような動きをすると。これは、ここの色をつけた部分というのが断層から押し出されるような動きをすると。そういうふうな地面の動きというのは、基本的に、その場にかかっている応力に支配されているというふうなことに16なるので、こういったものを都合よく説明できるような応力がどういうふうなものであるのかというのを、計算によって求めてやるということができるということになります。

それで求めた結果というのが次のスライドということになります。これが大飯原発の辺りにかかっている応力場ということになるんですけれども、すみません、ちょっと難しくなってしまいまして。

これが北の方角というふうなことになって、これが東ということになるんですけれども、基本的に最大主応力の方向というふうなものが、西北西、南南東方向ですかね。それから、最小主応力の方向というのは、ほぼ南北に近いような方向を向いていると。

それから、ここにこういうStress Ratioと書いてあるものを示しているんですけれども、これは何かといえば、最大主応力の値を1として、最小主応力の値を0としたときに、中間主応力の値がどのくらいの値になっているのかというふうなのを示しているというのが、この応力比というふうな値になります。

これが、だから大飯原発の辺りにかかっている力がどういう力かというふうなことになります。応力場がわかりましたと。次に、では、どういうふうにしてその構造が、この応力場に支配されているかというふうなことなんですけれども、次のスライドに行ってください。

これは、昨年の4月に動きました井戸沢断層というふうな、福島県のいわきですね、そこの活断層の断層面のところを、これが断層面ですね。その断層面を見ているというふうなものなんですけれども、断層の運動を示すような、そういうすり傷、擦痕ですとか、条線というふうな言い方をしていますけれども、そういったものがついていると。

その断層でこういったものを見てやれば、断層がどっちの方向に動いたかということを判断することができると。次に行ってください。これは大飯原発の陀羅山トンネルの中の破砕帯1と言っていたやつですね。

それの断層面を観察しているものなんですけれども、こういった形で条線がついております。調査中にもかなりこういった条線というのは見ることができたんですけれども、実際、何分にも時間が限られていたというふうなことがありますので、はかることができた条線というのは、非常に少ない数しかはかれていません。

だから、少ないデータでそれだけの、本当にそうかというふうに言うのは非常に難しいというふうなところがあります。それで、次のスライドに行ってください。実際に観察したものというふうなことで、台場浜のトレンチのところですね。

これは先ほど説明していた基盤岩にある蛇紋岩のところですね。さっき、D層のところに変位を与えていると言っているところが、ここというこ17とになります。この断層面のところで条線の方向をはかっています。

この中で、②番と書いてあるのが、この条線、断層面というふうなことになるということになります。測定値を見てやると、断層面がこういう形の方向になって、それで、ここのところが測定値ということになります。

応力場からの値というふうなことで言うと、この方向というふうなことになって、大体50度ぐらいというふうな形で離れた方向ということになります。これがもし本当に応力場に支配されているというふうな構造の場合、大体これが30度以内になるというふうなことが知られているので、単純にこの値だけを見て、この応力場に支配された値かと言われると、そうは判断できないというふうなことになります。

ただし、どれだけの剪断応力がかかっているのかというふうなことで言うと、②番はこれですよね。①番がこれですよね。0.5というふうに書いてあるこの値というのが、剪断応力としてかかり得る最大値ということになります。

だから、ここのトレンチに入っているこの断層というのは、比較的大きな剪断応力を受け得る断層ではあります。それでもう一つは、これは、断層が運動をしているとき、地震とかで断層運動が起こっているときというのは、ある瞬間においては、必ずしも応力の方向へ向かないということもあり得るということがありまして、だから、これは今後そのデータを集めていけば、ひょっとすると、この応力場に近い方位というのは出得る断層かなというふうな印象は持っております。

先ほど、ここを切っているというふうなことで、関西電力さんのほうも、ここが地すべりじゃないかとかというふうなことは言われていたんですけれども、ここのすべり方向とかも含めて、先ほど廣内様のほうから言われたことも含めて、ここに見られている断層が実際どういう方向に動いているのか、動いたのかということは、きちんと評価するべきだろうというふうに思っております。

あと、私がここの露頭で思ったことというのは、ここは、関西電力さんは地すべりだというふうに言われたわけですよね。先ほど廣内様のほうからも、地すべりの地形が見られないというふうなことは言われていたんですけれども、本当に地すべりなのかどうかというのは、例えばここのボーリングの中で、すべり面だと言われていたような破砕帯というのが幾つか見つかっているわけですよね。

そうすると、本当に地すべりであるのであれば、その地すべりに対応したようなすべり方向にきちんとすべっているというふうな痕跡が見えるはずなんですね。だから、そのことをきちんと検証して、やはり本当に地すべりなのか、それとも活断層なのかということは、この台場浜のトレンチのところではきちんと調査していただきたいというふうには考えております。

18先ほど廣内様のほうから、ここの左のほうにある断層について、非常にきれいな断層に見えていたんですけれども、ちょっと時間がなくて、私はそれをはかることはできませんでした。

台場浜のトレンチに関してはそんな感じでして、次のスライドに行ってください。これは台場浜で、関西電力さんのほうでF-6破砕帯というふうに言っている露頭ですね。

ここにF-6破砕帯と言われている断層があるんですけれども、ここに幾つか断層があって、この断層面自体は、比較的大きな剪断応力がかかり得る断層ではあります。ただ、私がここで見たものに関して言うと、かなり横ずれ成分が大きな断層が出てきます。

応力のほうから想定されるすべりというのは、これは逆断層になります。横ずれで、右横ずれのものが出てくるのですけれども、応力からは逆断層のものが出てくるというふうなところで、これだけを見ると、ここの条線自体は今の応力場に支配されたものではないのかなというふうな、そういうふうな印象を持ちました。

これもちょっと時間がなかったので、この2カ所しか、ここでは測定することができなかったというふうな、そういう結果になっております。次に行ってください。1・2号炉の背面山のところですね。

これに関してなんですけれども、測定したのがこの三つありまして、ちょっとこれは非常に見にくくて申し訳ないのですけれども、この②番というふうなやつを除くと、ほとんど剪断応力がかからないと。

だから、ここにある破砕帯というのは、基本的には応力場的に考えたときには、すべりにくい方向を向いているというふうな印象は持っています。ただし、ここで②番というふうに書いてあるもの、これが南北方向に近くて、西傾斜ですか、西傾斜に近い方向を示しているものに関しては、比較的大きな剪断応力がかかっています。

ただし、ここで示している条線、これは右ずれなんですけれども、応力的には、これは左横ずれというふうな形になります。だから、応力的にはほぼ正反対の方向を向いているような、そういうふうな形になっているので、ここで見ている条線というのは、今の応力場とは合っていないというふうなことになります。

それが背面山のところですね。次のスライドに行ってください。陀羅山トレンチの内部というふうなことで言いますと、陀羅山トレンチの中でも条線を二つほどはかっているんですけれども、これはほとんど剪断応力はかからないと。

だから、そういった意味では、今の応力場からすれば、ほとんどすべりにくい断層だというふうに考えることができます。本当は、この陀羅山トレンチ以外に、ボーリングのコアの中の破砕帯とか、そういったものもあったのですけれども、ち19ょっとその破砕帯に関しては、条線とかを見るということがなかなか厳しい状況というか、実際、方向をはかるというふうなことになると、ボーリングコアの場合だと、ボーリングコアを掘るときにとったデータに基づいて方位を復元するとか、そういったことをしてやらないと、なかなかその方位を出すということができないんですね。

それをやるとなると、かなり手間がかかる作業ですので、調査のほうとしては、そういったことをきちんとやっていただきたいというふうには考えております。次のスライドに行ってください。

ということで、大飯原発の敷地内破砕帯と応力場というふうな関係で言うと、現在の応力場と調和的な断層の痕跡は見つけられなかったと。あくまでもこれは見つけられなかったということであって、ないというふうなことではないので、これは今後きちんとそこは調査していただきたいというふうに考えております。

それから、1・2号炉の背面山山頂のF-6破砕帯、陀羅山トンネル内の破砕帯には大きな剪断応力がかかりにくい可能性があるということですね。ただ、幾つか注意点があって、とにかく1日だけの限られた調査結果で、結論にはデータの追加が必要であるということで、そこはぜひ追加していただきたいと。

それから、やはり断層がどういうふうな三次元的な形態なのか。はかってきたのと、個々の露頭ではかった値で、実際の断層の動きというのは、むしろその全体的な断層の地形がどうなっているかということが、多分大きくきいてくるだろうというふうに考えられます。

それから、断層の連続性だとか、そういったことを考えたときに、三次元的なその破砕帯の全体構造がどうなっているのか。それから、それによって、例えば地質境界、ここですと、先ほどですと蛇紋岩と頁岩とかということも出ていましたけれども、それ以外に、流紋岩と、それからほかの岩石ですね、そういったものの境界がどうずれているのかとか、そういったことが把握できるといいなというふうには、というか、それをぜひやっていただきたいというふうに考えております。

それからもう一つは、ボーリングコアの中というのはほとんどその場ではかることができなかったと。これは非常に手間がかかる作業ではあるんですけれども、これは多分、今せっかく原子炉の横のところでボーリングコア調査をやっているわけですから、それはぜひはかっていただきたいということですね。

あと、思ったことが、関西電力さんのほうで、断層をすぐ樹脂で固めてしまって、そのまま切って観察をするというふうなことをやっていたんですけれども、樹脂ですぐ固めて、やみくもに切るというふうなことだと、どうしてもこういった解析をするのに十分なデー20タが得られないというふうなことがあります。

だから、ぜひきちんと、どういう方向にすべったのかというふうなことをきちんとデータとして出して、それを出した上で、樹脂で固めるなら樹脂で固めるというふうな、そういった調査をしていただきたいというふうに考えております。

あとは、近傍で発生する地震、これは安全審査の指針のところにも書かれているんですけれども、今の話というのは、その近傍で発生する地震による応力場の変化を考慮する必要というのが触れられていないんですよね。

これは去年の3月11日以降に、その安全審査の指針の中に書かれていることなんですけれども、例えば東北地方で、昨年4月に応力場が変わったことによって、いわきの辺りで、今まで活断層じゃないだろう、それほど活動性は高くないだろうと思われていた断層が動いていると。

同じようなことというのは、やはりここでもあり得る話であって、やはり近傍に幾つか活断層があるわけで、その活断層が動いたときに、どういうふうにその応力が変化するかというのは、やはりきちんと評価をして、その上で、今言ったような、そういったデータが、つじつまが合うのか合わないのかということは、きちんと検証をしていただきたいというふうに考えております。

一応、この応力場の変化というふうな形で言えば、これは23日のときの机上資料の中で、連動性の評価といったような、そういった資料があったかと思うのですけれども、その中で、小浜湾の中にある断層の中で、どういうふうに連動するのかとかといった計算は一応やっているんですよね。

セグメントの切り方とか、断層の三次元的な姿勢とかというところは、いろいろ検証しないといけないところはあるんですけれども、ある程度の計算結果というふうなのがあるわけですから、少なくともその範囲内で動き得るのか、動き得ないのかぐらいは、きちんと計算していただきたいというふうに考えております。

以上が、その破砕帯とその応力場というふうなことになります。次に行ってください。次に、破砕帯を構成する物質、粘土鉱物というふうなことなんですけれども、1・2号炉、背面山の山頂F-6破砕帯というふうなところで、これは関西電力さんの資料のほうからとってきた写真ですけれども、含まれる変質鉱物が何があるのかというふうなことで、調査の後で報告をいただいております。

そこで、一応私のほうでも、これはサンプルはとってきているので、同じような結果が出るのかどうかというのは、きちんとチェックしないといけないというふうには考えているんですけれども、そこで聞いた結果では、緑泥石・スメクタイト規則型混合層といっているもの。

それから、緑泥石、それからプレーナイト、方解石といったような変質鉱物が含まれるというふうなことにな21っています。方解石に関しては、ちょっと専門的にはなるんですけれども、熱水とかが通ったときの二酸化炭素分圧が高ければ、方解石というのはかなり広い温度条件でできるような鉱物です。

ただ、一方で、ここにある三つですね、緑泥石・スメクタイト規則型混合層と言っているもの、それから緑泥石、プレーナイトに関しては、ある程度どういう条件でできるかというのは決まっております。

次のスライドに行ってください。その辺については、井上(2003)のところでまとめられておりまして、ちょっとこれは文字が小さいのですけれども、これが100度で、ここが200度、300度、それで熱水変質をこうむったときに、どういうふうな変質鉱物を生じるのかということを、ここに表で示しております。

300度より高いところでは、この黒の実線が出てくると。破線は、出るか出ないかというのは微妙というか、出ない場合もあるし、出る場合もある。条件次第では出るというふうな、そういうふうなところだということになります。

次のスライドに行ってください。それで、問題のスメクタイト、それから緑泥石/スメクタイト、それから緑泥石が、どういう温度条件で出てくるのかというのを拡大したのがこの部分になります。

これが100度の線、それでこれが200度の線、それでこれが300度の線というふうなことになります。次に行ってください。問題になっているのは、緑泥石/スメクタイト、それから緑泥石、プレーナイトということになるんですけれども、緑泥石、プレーナイトというふうなものに関しては、200度を超えているような変質条件でないとできないというふうなことになります。

ただし、恐らく、それで緑泥石/スメクタイト混合層というふうなものに関しては、それより低温で出てきます。これが共存しているというのは、緑泥石は、より高温のところでできたものが、そのまま変質鉱物としては残って、それでさらに変質が進んだときに、こっちは残ったまま、新たにこっちのものが出てきたというふうなことで、より低温の側のものというのが、最終的にどういう変質条件というか、そういう温度条件で変質をしたのかというふうなことを示しているというふうなことになります。

そういうふうなことで言うと、緑泥石/スメクタイトというふうなことになるので、この表に従えば、150度ぐらいから200度をちょっと超えるぐらいの温度範囲のところで形成したものと。

だから、ある程度地下が深いところでないと、その変質鉱物はできないというふうな、そういったものだということになります。もし本当に地表付近で変質が進んだ22というのであれば、ここに書いてあるようなスメクタイトといったような、そういった鉱物が出てくるというふうなことになります。

だから、そういった観点で言えば、ちょっと次に行っていただきまして、1号炉・2号炉山頂のF-6破砕帯で見られる粘土鉱物は、地表付近で形成したものではないというふうなことになります。

ただ、これに関しても、1カ所だけのデータですから、ほかにもたくさんそういった変質鉱物が含まれていると思います。そういった中で、どの変質鉱物が出て、どの変質鉱物が出ないのかというふうなことは、きちんと判断していただきたいというふうに考えております。

以上です。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。簡単な質問がありますか。よろしければ、渡辺さん、御用意はよろしいでしょうか。引き続いて渡辺さんからお願いします。

○渡辺東洋大学教授
今のお話は、後でじっくり議論させていただきたいと思いますが、後で簡単に返していただくために伝えておくと、地震の起こる深いところの応力で地表をはかっていいのかということと、それから、断層には起源があるわけですから、今そこに地表で見えているものは、起源から考えたら特におかしいことではないのではないかという疑問があります。

後でお願いします。私の報告は、このとおりでありまして、結論は赤で示しているところのとおりです。問題になったのは、F-6に関しては、この水路が問題になっているわけです。

最初、それだけだと思っていたんですけれども、多分、それでは済まないだろうという形で、調査結果と、それから、それで私が何を考えているかということをお話をさせていただきます。

トレンチは、こことここで、それで、ここはボーリングです。トレンチと書いてあるのは、過去のトレンチです。そして、ここはボーリングというか、剥ぎ取りのところで見せていただきました。

特に、私はここを中心にお話をさせていただきます。この部分が海で、ここがトレンチを掘ったところです。後ほど出てくる山頂部のトレンチが、これになります。ここのF-6が、ここに想定されていたわけで、それをねらったトレンチであるということはよくわかります。

これで何が見えたかということですが、もう既に廣内さんも紹介されましたので、そこは簡単に行きますが、まず、南壁面です。崖錘堆積物、土石流と考えるのか、よくわから23ないやつ、それから蛇紋岩と呼ばれる岩盤があって、ここに海成層、海にたまった地層が見えています。

標高およそ8メートルです。K-Tzと呼ばれる9万5000年前の火山灰がここにありますので、この下のほうは、これよりも古い地層であることは間違いありません。断層は、この写真の中で二つ見えていて、こういう形で変位をさせています。

どうも、この9万5000年前の地層をずらしている様子は、明瞭には見えません。この海成層、これ、私、海が削ったもともとはベンチであって、その上に海の礫、丸い石ころがたまっていると思いますけれども、調査地域はここです。

その周辺には、段丘、海の昔の海底が干上がったものが確認されていて、K-Tz、同じ9万5000年ぐらい前の火山灰に覆われる標高10メートルぐらいのところに中位面といわれる段丘、その堆積物があります。

今回、今見ていたところでおよそ8メートルぐらいのところに、同じように海にたまった地層があって、K-Tz9万5000年の火山灰に覆われると、こういう形になっています。

したがって、常識的にはと私は思いますが、これは十二、三万年前の中位段丘の堆積物でいいと思います。したがって、私は、これは活断層であるというふうに判断をしました。

ただ、現場で関西電力の方から、もっと古いというふうな指摘を受けました。二十数万年前のものではないかというふうなことでしたが、なぜ二十数万年前なのか、ちょっと私には理解できませんでしたが、絶対にこうだと言い切れないのは確かなので、この可能性もあるということになります。

しかし、ここでよく考えていただきたいのは、これが二十数万年前の地層であったとしても、十二、三万年前の堆積物がここにないということになりますので、これは活断層でないということを否定することはできないはずなんですね。

9万5000年のこの地層を動かしていないことは間違いないですが、十二、三万年前動かしていないという証拠ではないわけですから、活断層である可能性は依然として残るわけです。

しかし、多くの場合、こういうデータで活断層ではないというふうに断言されている報告が多いし、2日前もそのように説明されていたと思います。非常にそれは大きな問題だと思います。

それから、先ほども出てきましたが、地すべりですというふうな御説明もありましたけれども、これはほとんど不可能。地すべり末端のこういう構造であるとすると、右側から地すべりブロックが乗り上げてくるわけですが、右側が海ですので、海から山へ地すべりが起こるということはあり得ませんので、これはなしだと。

地すべりだろうと何であろうと、動いた時代で考えるんだということが前回の共通認識ですから、そういう意味でもあ24まり考えなくていいと思います。さて、それで、この左側ですけれども、蛇紋岩があって、ここに海成層があります。

そして、ここに活断層が引かれています。これ、こんなところが出てくるわけで、何もないところから出てくるはずはありませんので、この輝緑岩と蛇紋岩との間に断層があって、そこから派生しているものと考えざるを得ません。

ちょっと上はよくわかりません。恐らく、右ずれに伴う変形がここに出ていると思います。ここは、断層そのものだというふうに私は思いました。この反対側、これは南側ですけれども、この北側の写真を見ると、蛇紋岩があって、ここに輝緑岩があります。

ここに海にたまったきれいな丸い石ころがあります。これが8メートルの分布の高度で、私は十二、三万年でいいのではないかと申し上げたものです。これが、非常に異様な形で入り込んでいます。

ここにあるものが、ただ、こうなっているのではなくてずっと下、ここまで入っています。ここにあるものも、これに沿ってずっとここまで入っていますので、削り込みではないです。

明らかに、後で岡田先生にコメントをいただけると思いますが、見かけは正断層タイプですが、横ずれに伴う地表の典型的な構図の一つだというふうに思います。右に掘っていないわけですが、これ、そのものが断層面であるというふうに判断しました。

今のがここです。そして、F-6が想定されていたところに、先ほどの蛇紋岩の中にあるやつがちょうど乗ってきますので、これを探り当てたのかなという気もしますが、私は、もうちょっとこちらのほうが問題で、浜から続くやつですね。

これが非常に大きな断層ではないかというふうに思っています。次に、この山頂部です。この部分に、先ほど重松さんから御紹介がありました破砕帯が出てきます。走向は、ほぼN17°Eで、こういう拡大図をすると、こういう形であって、破砕帯の詳細な構造、それから粘土鉱物は、もちろん先ほどの御説明のとおりでいいと思いますが、質問したとおりで、後で議論させていただきます。

私は、これを見た瞬間にどう思ったかというと、三浦半島で活断層と呼んでいるものとほとんど同じだと、破砕の程度がですね。どっちか比べられたときに、どっちかわからないぐらいに立派な活断層の破砕帯だと思いました。

それで、局所的ではなくて、相当長く続く断層の一断面を見ているというふうに、私はここで思いました。どういうことになったかというと、ここに、こういう方向に今の破砕帯が出てきたわけです。

右ずれでした。こちらは右ずれで、ほとんど走向が同じなわけで、これを局所的な25ものと思いません。これは、どう考えても、常識的には、これがつながるだろうと思います。

ただ、ここでボーリングを幾つかやっておられて、この断層を捕まえたのか、捕まえなかったのか、よくわからないところがありますが、このボーリングでは捕まえていません。

これでは捕まえていないと言っていますが、これでは、何かどこかに断層が書いてあって、これがどうかわからない。だけれども、これはどう考えても、これは、恣意的にちょっと避けるように書いていますけれども、ステップするかもしれません。

これとこれが無関係であるということは、非常に考えにくい。地形的にこの断層が通過するであろうという、その位置も、地形的には推定できるわけで、これは続くだろうと思います。

それから、これが、南のほうに行くと、恐らく昔、F-6に行ったところへつながっていくと、こういうふうに判断をしました。つまり、ここには明らかな活断層が存在するというのが、私の結論です。

このF-6もそうかもしれませんが、ちょっとこれはよくわかりませんでしたが、これがそうであろうと。それから、かつてトレンチ調査をしたこの部分は、ボーリングをたくさん見せていただきました。

断層はあるということは確認しましたけれども、ちょっと私にはよくわからない。断層があるということは重要で粘土もあったように見えました。したがって、ここでは、こういうものとの関係からいって、かつてのこのスケッチが非常に重要な意味を持ってくると思います。

これは、北側のスケッチですけれども、岩盤がずれていて上の地層もずれていて、この赤いところは粘土、断層粘土がずっと出ていて、ここまで飛び出ている。さらに、こちら側に、低下側にたまったような、段差ができた後にたまったような地層もあるので、トータルとすれば、これは、これだけで断定するのは厳しいかもしれませんけれども、活断層の存在を示す構造はちゃんと見えていて、これは非常に重要な意味を持つと思います。

これに関しては、前回の事前会合で既にこれを確認できない場合に、こういうものをどう扱うかというのは、基準をつくってくれと申し上げたわけですけれども、それはちょっとまだはっきりしていません。

全体的に、今回のトレンチ結果から見ると、これは無視することはできない、非常に重要な情報として取り扱う必要があると思います。ここは過去のトレンチ壁面が重要であると。

それから、ここは、トンネルの中を剥いで見せていただいたんですが、私は、昔から、26こっちに来るのはおかしいと思っていて、多分、もうちょっとこちら側に振れてくるだろうというふうに指摘していました。

この中で見せていただいた4カ所は、全く固結していて、私には活断層とは見えませんでした。しかし、指摘された4カ所は活断層ではないと思ったんですけれども、このトンネルの入ったすぐのところに粘土を持つ非常にやわらかい破砕帯と思われるものが出てきまして、位置的にはここになります。

ですから、トータルとすれば、この黄色いやつ、あるいはそれに並走する赤いもの、こういうものが存在していて、大飯原子力発電所敷地内に活断層があることは確実であると、私は判断をいたします。

特にこれで問題になるのは、ここで交わるここの部分です。あと文章です。ちょっと過激なところもありますけれども、あと、言わなくてもいいかもしれないこと、感想みたいなことがありますが、まず、大飯原子力発電所の最重要施設の直下に活断層は存在するというのが私の結論です。

F-6以外にも、したがってあったわけです。それらは、現在の応力場でも動き得ると、右ずれであれば動き得るというふうに思います。それから、これらが見落とされて、現在になって問題が顕在化した理由は、不適切な調査とずさんな調査結果にあると言わざるを得ません。

なぜこんなことを今さらやるのだということを、ここで問題にすべきだと思います。感想ですけれども、先ほどちょっと申し上げましたけれども、確認できないということをもって活動していないとごまかしてきたところが非常にあると思っています。

2日前に御説明いただいた方、そういう意識かどうかは別として、9万5000年前の地層にずれがないから、活断層ではないというのは論理の飛躍であって、それは説明になっていないわけです。

こういうものが、実は敦賀の原発の審査でも同じようなことが言われました。どうして私はそれで活断層でないのだとかなり突っ込んだこともありますが、こういう形で活断層の定義がねじ曲げられて評価に反映されるとすれば、やはり今後の原子力関連施設における活断層評価においては、科学的定義と同等か、むしろ厳しくより安全側に配慮した定義を定めるべきであると思います。

本来は、そこまで行かなくても私はいいと思っていたんですけれども、やはり非常に変な運用があって、具体的には島﨑先生がおっしゃるような40万とか、そういうものを導入せざるを得ないのではないかというふうな感じを抱いています。

それから、お二方、今後の追加調査ということをおっしゃいましたが、ちょっと失礼に27なるかもしれませんがあえて申し上げると、まだ早いとか慎重にという意見は要らないと思います。

これも言葉が適切でないかもしれませんが、これはのんきな学術調査ではありませんので、この段階で決断が可能だと。ないことを理屈づけるための調査というのはもうやめてください。

追加調査をするのであれば、すぐに停止して、全てを調べ直す覚悟で調査をすべきだと思います。これは何を言っているかと言うと、これですね。これが、私の判断では、これも活断層の可能性も間違いないと思っていますが、そうなってくると、この原子炉直下、建屋の直下にあるものがどういうものであるかということを確認する必要も当然あるということです。

以上です。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。簡単な質問はありますか。よろしければ、岡田さん、次お願いします。

○岡田立命館大学教授
それでは、昨日、急遽、まとめたので、十分なまとめができているとは思いません。それで、取り急ぎつくったんですが、40枚もつくってしまって、一部重複するところは飛ばしていきますので。

こんなところで、大飯を含む地形的環境です。特に私は、昔からこの三方五胡とその周辺については調べてきたので、40年来、50年来の調査地域の近くだということです。

また、大きな地形構造との関係というので、こういうカシミールでつくった図をちょっと示しました。この辺、もうどんどん飛ばしていきますから、全体像で、これは南側の壁面です。

それから、北側の壁面を中心に見ていくと思います。特に問題になるのは、東半分の部分だけだったと思いました。この辺です。その辺のことについて中心にしゃべっていこうと思います。

南法面の東半分の上のほうには、変位とかずれというようなものは認められなかったと思いますが、問題のところ、ここのところですね。それから、このずれ、私はあえてずれと言っていますが、ここのところ、明らかにD層と呼んでいるものはずれていると思います。

それから、こちらのほうもD層、これはC層と呼んでいるものの上までですね。先ほどのあれでは、ここ、分岐するような図も書かれていましたが、こちらの断層は、結構、断層というか、今ずれと言った部分は、えらく湾曲して急激に不明瞭になって、ほとんど水平になっていたんですね。

底面にもあまり確認できなかった。こちらは、底面にも確認できて、南の法面にもきれいなすべり面が見えたというものです。28特にこの辺のことです。ちょっと、これ、普通のあれでは、ちょっとおかしいなと感じておりました。

現場の写真は、これ、私が雨の中で撮ったので、ろくなものは撮れていないんですけれども、これが、ずっとここへ来て湾曲して水平近くなる、これは、やや高角のままですけど、底面にも出て、南の法面にも出てくると、このずれです。

上のほうには、あまりはっきりしないというものです。これは、関電が示したもので、むしろ、私は、ここの面、一番東南端の部分です。先ほどから紹介があったように、海浜れき層、我々はビーチグラベルと呼んでいますけれども、それがここにはって、明らかに入り込んでいて、ここの面は非常にきれいなずれを示して、てかてかの鏡肌と呼んでいるところです。

これは、上へ続いていきます。下にも続いていきます。ここを注目して見たら、向こうの関電の資料では、ここのところを落ち込みのように書いていて、これ、E層としていますけれども、古いれき層がこういうふうにぐるっと中に入り込んでいる。

こちらの実は面は、もうほとんど境界なので、斜面の法面のところなので描かれていませんが、私が見た限りでは、ここのところがよくはっきりと、もっとすべっていると。

それからもう一つ、これですけれども、このようにくさび形に食い込むというのは、横ずれの断層の開くような部分です。そういうところによく見られるので、多分、これは横ずれ成分が高いものだと思いますが、私の感じでは、二重のV字構造、くさび状の構造がある。

ここに落ち込み、それからもう一つ、だから2回少なくとも動いているかなということです。これ、問題になるのは、それで、このE層と呼んでいるやつ、D層、これ、年代はどうなんだろうなと。

もうちょっとこっちを含めて詳細構造が、これは把握する必要があると思いました。私の撮った写真で階段の隅っこのコーナーなのでいい写真が撮れていなかったので、ここのところ、私は、この部分を注目したということです。

これと、それから、ただ、これ、上へ続いていくと、ほとんど上方に続かないで、輝緑岩と書いてあるものと、れき層とが、いわゆる不整合というか、専門用語でアバットと呼んでいますけれども、へばりついているようにここでは見えました。

あまりきれいじゃなくて、こういうのを水洗いしてきれいな接触面をこれから調べるべきだと思います。ここのところ、注目しているところです。これは、同じように、北法面、これは、だから、関電の資料をひっくり返して見えるような状態にしていますが、こちらが、先ほどの2番目の低角となるものははっきりこちら29ではしなかったということです。

こちらは、やや高角のまま見えているものの、ここの間、明らかにD層というものはずらしているというふうに見ました。ここのところが、結構、重要です。そこは、ボーリングされているということで、こういう深いボーリングで、この断層がもっと深いところにこういうふうなところにすべり面というか、そういうものが見つかっているというので、これらの分析値だとか粘土鉱物だとか、そういうのは見ていないし、その辺の確認が重要で、後で述べますように、地すべり学会の人たちでこういうことに詳しい人を含めて、もうちょっとそれは検討したほうがいいんじゃないかなというのが私の感じです。

ここであえてすべりとしています。すべりは、確かにあるんですね。この図ではっきり書いてなかったんで、もっと詳しい図があるかなと思って資料を見たら、ここのところ、これ以外にあまり詳しい資料はなかったんですけれども、この一番コーナーのところです。

ここも明らかにくさび形、先ほど渡辺さんが説明していましたけど、ここのところです。これは先ほどの言っていったところ、この上のほうを、私はちょっと注目していっていたんですが、犬走りの上のところの輝緑岩が、階段状になっていて、ここのところはいわゆる不整合というか、アバットの関係だというふうに見えました。

これもきれいに水洗いして見るべきだと思います、この上方がどうなるか。この構造が結構重要というふうに思ったんですが、向こうの資料の図でもあまりきれいじゃないんですけど、これは、明らかにここのところに円れき層、海浜れき層がぐっとくさび形に落ち込んでいると。

しかし、上端のほうは、上のほうはあまりはっきりしなかったです。私が撮った写真でも、ここに円れきがずっと入り込んでいて、ここの面は非常にきれいなすべりをしていました。

しかし、ここのところ、この写真ではちょっとよくわかりませんが、この境界面が破砕帯とか粘土層のようなものは、ほとんどないように見えたし、この写真、ちょっと暗くて不明瞭ですが、現場でもあまりそこら辺はないように思いました。

ちょっとこれも、だから異様という、普通の断層というようなものとはちょっと違うなという感じがしました。これ、ちょっと隣で、11月1日に公表したばかりのすぐ隣の先ほどの三方断層帯のトレンチなんですが、ここでトレンチを1カ所をやられて、ここでもトレンチをやられているんですが、同じトレンチ調査でも、こちらの、最初に見せるほうですが、結構、見かけが違う、それから、丸は、断層露頭が見られるところで確認されているところですが、この30断層は逆断層で、結構、そういうのが見られるのに、ここのトレンチでは、非常に高角の明瞭なずれが見えるんですが、この著者のこの人が書いているように、あまりにも明瞭だし、累積が見られない、それから、上下の、逆断層だと思われるのに、ほとんど垂直で、そういう累積性が見られないということで、ここは主断層でない可能性、これは引用したものですが、むしろ断層ではなくて側方流動というかすべりだろうというふうに、これは言っているわけです。

その一方で、その南のほうでは、ここでやられたトレンチでは、逆断層で、ここの部分がのし上がっていると、こちらものし上がっていると。これの動きは、平安時代以降であろうと、あまり詳しい活動履歴は、こっちについてはわかっていないんですが、同じ断層、活断層沿いのトレンチでも、いろんな見かけを呈するということです。

先ほどのあれなんですが、ここ、今、トレンチをやられたところ付近の断面図です。結構、昔のもの、先ほどから出ているように、これ、海岸だったところで、昔の旧汀線、この図で見れば、ここが昔の渚の線というか、海岸線で、こういうものの分布が、ずっとここら辺に出てくると、この断層を挟んだこれ以降の変位があるかどうか、これはわかるというので、そういう断面が書いてあったので、これをちょっと示しました。

それを含めて、私は、このトレンチだけではなくて、この周辺のところに残っている中位段丘と呼ばれているもの、最終間氷期の年代の旧汀線高度はどうなるのかなという、あるいは、地形面がどうなるのかなという、それは今のところ、はっきりした変位は認められていませんが、もう少し詳細な値を出していく必要があるというふうに思っています。

それから、先ほども議論に出ていたように、海岸に行って露頭を見たんですけれども、ここに輝緑岩のようなものが出ていて、こちらに蛇紋岩のようなもの、こういうものが出ていて、そういう露出はきれいだったんですが、それから、その沖合の海底も、これ、もう少し、図があるだけで、こういう中に溝状の筋がいっぱい見えますけれども、その正確な位置をこの上にして、どういう方向に、きれいにここはみんな岩盤が海底に露出しているようですから、こういう方向のものをプロットしてみる必要があるかと思います。

これの断面のこういうところの蛇紋岩というのは、すべりを起こしやすい岩石として結構有名なものですけれども、境界面だとか、こういうところに、その辺を含めてトレンチの中との関係、そういうのが必要じゃないかと思っています。

この辺も、今、階段をおりていく地質の境界のところ、それから、ここがF-6の破砕帯の露頭のところ、この辺の露出は、現場で見える限りは、こういう状況だと。この上の31礫、先ほど廣内さん、ここのところの高度分布を明らかにする必要があるというか、連続性ですね。

見えている限りでは、このレベルにこちらにもちょっとあるようで、詳細なこれ、調査。ただし、ここの階段をおりたところのこの境界なんですが、ほとんどこっちはよく風化した基盤岩類がこちらの新鮮な岩盤についているだけで、この境界に破砕帯とかすべり面とか、そういうものはちょっとないように見えました。

詳しい観察が重要かなと。こちらのほうもそうですね。ここのところのF-6の連続性です。この上では、先ほどのトレンチをやったところの海成層よりもちょっと若い海成層かもしれませんけれども、一応、ここでは上を不整合に覆っているようでした。

ここですね。この図の、これは一番左は私が撮った写真で。あと、それでまとめますと、ずれはトレンチの下部ではD-Eに限定されてあると。見かけ上、逆断層状に見えるところと正断層状に見えるところがある。

それで、両方がD-Eに限って認められるということですね。東端下部のすべり面、これの連続性をもう少し、トレンチの状況だとよくわかりませんでしたので、する必要があると。

すべり面のボーリングのデータとの説明が、その関係ですね。こちらの東端のほうについてはされてないようなふうに見受けられたんですけれども。で、海岸露頭のF-6層ですね。

これがそうならまああまり、私の目では活動性があるようには見られなかったということですね。それは海底の地形とか岩礁のほうへどういうふうに続くのか、扇状の溝構造ということが必要だろうと。

それから、台場浜のトレンチ東端部の詳細観察、あまりにも時間が限られていて、雨の中で大勢の人が中へ入っているんで、詳しく観察する機会がない。我々は冷静に科学的に見ていきたいので、ああいうやり方はちょっと問題だと私は思っています。

もう限られた時間では、我々、あんな大きなトレンチだったら何週間もかけて詳しく、詳しく、ああじゃないか、こうじゃないかと議論しながら調査するんで、あんな短時間で即結論を出せとか何か言うのはちょっと無理ですね。

それで、トレンチとボーリングの関係だとか、連続性・方向性、同じようなことが必要ですが、私はさらにそういう部分を精査する必要があり、これはやっぱり学会レベルでの対応なので、冷静に、学術的に、科学的にする必要があるということですね。

ここも万里の長城だと思ったんですけど、本当に山の尾根のところをずっと掘っておられて、幾つかちょっと、こちら西側半分は非常に風化していて構造がわかりにくかったですが、わずかな破砕帯によるのが一番西端のところと、ちょっとへこんだようなところが32ここにありました。

それから、東のほうは非常に新鮮な岩盤が出ていて、こういうふうに直接すぐ健岩と言っていますね、我々。これはもう非常にきれいに健岩が見られたんです。だから、構造はよくわかっていた。

私は、それで岩石学や地質学の専門ではありませんが、ここの破砕帯はえらく幅広いところ、ここですね、ここは非常に広いんですが、こっちになってくると非常にせん滅して枝分かれ随分するし、岩石学的にといっても、この西側のものがこちらの中に取り込まれて、それから、こういうふうに交指状というInterfingerですね、挟み込まれたりしているように見えている。

ここの、だからこの部分は頁岩だと思いますが、この輝緑岩か、あるいは岩石が非常に複雑に交錯しているように見えたですね。で、ここへ書いてありますが、輝緑岩と頁岩が交指状、Interfinger関係で、いわゆる混在岩だとか、そういうようなあれで未固結時に形成された起源が古いものであろうと。

この辺は地質学的な、もうちょっと人に専門を求めて。これが再活動しているのかどうかという問題ですが、こちらのほうを見ると本当に薄い破砕帯と言われるもので、ここだけ見ると非常に幅広い。

えらいこちらとこちらが違う。これは、ちょうどここが断層面の屈曲するところで、幅よく見えているというふうにここでは見えました。屈曲で、直線状部では、分岐しているところでは非常に小さな破砕ですね。

このやわらかい部分の原因ですけれども、やわらかいからすぐ活断層だというわけにはいかないんです。これは風化作用とか水和作用だとか、いろんなことも加わってくるので、その原因をちょっと明らかにする必要があるだろうと思いました。

ここら辺はちょっとやわらかい部分が確かに認められたんですが、その部分はこちらの南西側に行くと、すぐせん滅していくというような状況でしたね。もうここら辺に来ると、ちょっともうかなり疲れて、ボーリングコアをいっぱい見せられたんですけれども、ここの中の旧、あれですね。

何かこれ産経新聞にちょっとこんなのが出ていたので、これはと思ったんですけど、確かに南の延長に当たるようなところはちょっと、全く動いた形跡がないというか不整合に見える。

これはもとのデータを当たってみるとこういう図が出ていて、これのもうちょっと南西側に振れるとしても、この幅と、それからこっちのあれ、すぐ対岸というかトレンチのすぐ南側ですね。

これが続かないというか連続性がない。もっとこっちであっても、どっちへ行きますかね、この走向が問題ですが。ここのところは非常に高角度に縦に、むしろこっちを問題にしているのかなと思ったんですが、問題はここのところらしいですね。

このスケッチは割とよくできていると33思うんで、この上のほうは動いてないでしょうね。それで、ここの部分でも、この次の詳細スケッチですね。この辺の礫の一つ一つの形もきれいに描いてあるので、これらは回転しているとか、ずれているようなふうにはこの図では私には見えなかったです。

これは、落ち込む部分がそういうものがたまりやすいですけれども。それで、この破砕帯が、我々が今まで見ている粘土帯があるのか、どれぐらいの幅なのか、組織はどうなのか、その辺が非常に重要なんですが、その辺については、もう今や観察されないのでボーリングでしか見られない。

南の法面ではこうだというんですが、このスケッチ見ると非常に、これに続くなら非常に不明瞭ですね。ここへ描いてあるようなあれで。ほとんどこのスケッチは、大学関係者がつくった図でもこれほど詳しいものはないんで、なかなかこの図ではここがずれているとは思えないと思います。

砂れき層の不整合で覆われていると。この辺もう大分疲れてきて、F-6はここだとか、それから、その断面にしておいてもらった、これは先ほども重松さんが言われたとおりで、組織だとか。

それから、ここの部分でボーリングの6ですね。これが本当にF-6であるというならば、これは固結している破砕帯ですね。手で触っても全く動いているような形跡はありませんでした。

だから、ここのところはもう少し断面幾つかつくってもらって、本当にこれがF-6の延長だというなら、このあれから見ると動いているふうには私には見えないということですね。

ほかのところに来るというなら、また話は別です。それから、ここの陀羅山トンネルというんですか、この中を見せてもらったんですが、底面まで入って、はいで、幾つかのところで破砕帯があるということでしたが、こんな状況で、全体がこの石英粒の斑糲岩か変質した流紋岩か議論があるようですけれども、この中の破砕帯というのは、我々が活断層で見たようなものとはちょっと流紋岩が、全体が我々の区分では破砕度Ⅱぐらいの、部分的に破砕度Ⅲぐらいのところが見られると。

Ⅳの部分は数cmぐらいかなと。大抵の活断層では破砕度Ⅴ、純粋な粘土帯とか、そういうのはほとんど幅なしというかな、いわゆるガウジというのは見られなかったように思って、ここはクエスチョンマークとあれで、これも限られたあれなんで、あの中の、トンネルの中の底面では、そういう、ここが怪しいとか疑いがあるとか、そういうところがちょっとなかったように思いました。

これで終わりですかね。一つ結論みたいなところがあったんだけど、そういうあれで全体として、まだまだこれを活断層だとかいうのは、私のあれでは言うことはできないというかな、まだまだ状況証拠、調査中のものもあるし、そういうものも含まれて、あるいは34場合によっては、今言ったように地すべりを専門にこういうところでやっている人、あるいは粘土鉱物を含めてやっている人、そういうものを含めて、学会の幅広い識者というかな、そういう人を含めて分析すべきだと思いました。

ちょっと長くなって恐縮ですけれども。

○島﨑委員長代理
はい、ありがとうございました。皆様からいろいろ、かなり長くて、各、多岐にわたっていましたのでちょっと茫然としておりますけれども、一つは重松さんのお話の応力のことですけれども、これは渡辺さんが質問されているんで、私も疑問を感じていますので後でコメントさせていただきますが、まずそこからお願いします。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
まず、応力に関する質問というふうな意味で、まず一つは、深いところの応力をそのまま今の活断層のところに持っていっていいのかというふうな、そういうことだったかと思うんです。

基本的には、いわゆる活断層で発生する内陸内地震とかというふうなことを考えたときには、震源というのは大体深いところにあるというふうなところで、基本的には、それは深いところの応力のほうがむしろきいているだろうというふうに私は考えております。

ただ、今回の場合は、私が、例えば跡津川断層であるとか中央構造線だとか、いろんなところで破砕帯を見ていますけれども、そういった立派な破砕帯に比べると規模があまり大きくないんですね。

そういった大きくない規模の破砕帯がどうなのかというふうなことに関しては、確かに深いところでそのままいいのかということは問題があります。ただ、やはり私自身は、もし地震によってずれを起こすというふうなことであれば、それはやはりある程度深いところの応力というふうなものを考慮する必要があるというふうに考えています。

あと、もちろん1号炉・2号炉の背面山の尾根のところですね、あそこで応力かかっているかと言われたら、多分、周りであそこ山の上ですから当然応力はかかってないと思います。

だから、そこで動くとしたら、地表付近というか尾根の上の応力なんていうのは、むしろ重力とか、そういったものがきいているのであって、テクトニックな応力なんていうのはほとんどきいていなくて、実際にその断層が動く、動かないというふうなことに関しては、むしろ深いところの応力というものがきいているだろうというふうに考えております。

あと、いろんな危険があるというふうなことで、どういうふうに考えるかというふうなことでおっしゃられていたんですけれども、ちょっと次のスライドというか、ずっといいですか、これの次の次の次の次で、このぐらいですね。

実際にこういうふうに応力がかか35れば断層が動くというふうなことで言っていて、これ、大体、よく構造地質なんかの教科書を見ると、何かこんな形の絵がよく出てくるというふうなのはあります。

それで、その次のスライドのところ、すみません、次ですね。それで、ちょっとこれ全部表示させちゃっていただけますかね。ここで断層面というふうなのを考えて、それで断層面にかかる応力というふうなものを考えているわけですね。

いろんな起源があるということは、当然、この応力場に対していろんな方向の断層が入っている。だから、それは何らかの剪断応力がかかれば、それは動くというふうな形で、これは考えております。

だから、当然のことながら、ここで私が考えている応力というふうなことに関して言えば、きちんとその起源というふうなものは考えられているというふうに考えています。

だから、よく共役とかいろんなことを言って、共役断層とか言われているんですけれども、別に共役断層だけ考えているわけじゃなくて、いろんな方向に、当然、岩石というのはいろんな履歴を持っていますから、いろんな方向に断層となり得るような亀裂は存在していると。

その存在している断層にどういうふうに応力がかかっているのかというふうなことは全て考慮しているというふうな、そういう形になります。

○島﨑委員長代理
御質問とお答えはかみ合ったんですか。

○渡辺東洋大学教授
地震を起こすような大きな断層は、おっしゃるように深いところの応力で決まるんですが、今問題にしているのはそういうものではなくて、周辺のものが動いたといには、ちょっとおっしゃいましたけど、周辺に大きく動いたときに表層で何が起こるかという話の動き方なので、その深いところの応力で対応づけてよろしいのでしょうかということで。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
多分それ最後に、私、問題点というふうな形で挙げたと思うんですけれども、当然、これ今話したこの話、応力と合う、合わないというのは深いところの応力です。今はもう単純に地震のデータから計算しただけというふうな、それだけなんですよね。

だから、当然その周りの影響がどうなるということは、今の、今日の話の中には入っていない。で、それは当然考えないといけないというふうには考えています。

○渡辺東洋大学教授
それから、起源というふうに申し上げたのは、例えば深いところで動いて、かつてできた断層が上がってきて、最近、再活動したとすると、そこに温度の高いところでできる粘土鉱物があってもいいのではないかという質問なんですが。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
さっき、尾根の上の破砕帯のところでおっしゃら36れたとおりで、あそこに見られている破砕帯の中の粘土鉱物というのは、関西電力の言われている資料を信じる限りはそういったものだというふうに考えています。

だから、かつて深いところでできたものが、今、地表で見えているというふうな、そういうものだというふうに考えていますけど。

○渡辺東洋大学教授
ですから、今、浅いところで動いていても構わないわけですよね。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
だからそこで、要は粘土鉱物できる、できないというふうなことで、別に動いたから粘土鉱物はできなきゃいけないかというと、それはないので、だから、その粘土鉱物がないから、それで動いてないというふうなことは、それは難しいというふうなことになりますね。

○渡辺東洋大学教授
学生時代、一番苦手だった分野なんですけど、つまり200~300℃の温度のところでできるものが主体であるということは、今、そこでは動いていないということにはならないという理解でよろしいんですよね。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
断言はできないということですね。

○島﨑委員長代理
はい、ありがとうございます。私のコメントは、実は微小地震のメカニズムだけから本当に大きな活断層の地震のメカニズムがどれだけ言えるのかについても、やや問題があるんじゃないかというコメントでした。

うなずいていらっしゃいますので、これ以上追及しませんけれども。それはともかくとして、幾つかポイントがあるようですけれども、一つは、やっぱり台場浜のトレンチでありまして、横ずれは私全然見てなかったんですけれども、一番東の端にある横ずれですね。

それがもし本当にそうであれば、かなり重要なもの、私自身は見落としていたので何ともコメントのしようがないんですけれども、廣内さんはどういうふうに御覧になりましたか。

○廣内信州大学准教授
僕も正直そっちの時間が非常に少なかったものですから、現段階ではもう少しじっくりそこの部分は調べてほしいというふうにさっき申し上げたんですけど、後で写真を見る限りでは、活断層というか、それ動いていてもおかしくはないんじゃないかというふうに思っております。

ただ、解釈図を見る限りで、それに矛盾はないだろうというふうに考えています。解釈図というのは、渡辺先生とか、岡田先生のほうがよく時間をかけて御覧になっていまして、そこで言われていることがそんなにおかしいとは全く思っておりません。

私が見た時間が短くて、しっかり見切れていなかったということです。37

○岡田立命館大学教授
いいですか。失礼。私が見た限りでは、この面は非常にきれいです。これに沿って、あるいはこの並行しているこの部分かもしれませんが、円れきがずっと落ち込んでいて、だから、これは、すべり面としてはトレンチの中では一番これがきれいだったというふうに思って、おやっと思って注目したんです、この部分。

これは北を見ていますけれども、これですね、こういうところ。だから、ここの面は十分そばに行って、条線、先ほどから問題になっている、あれまでは測定してないんで、その辺はちょっとちゃんと測定してほしいですけれども、これ。

それから、東南の隅っこですね、それもそっちに続いていくように見えたと。これは一番トレンチの東端、端っこなので、しかもこれ、はしご、階段があったんですよね。だから、その下を通って東南へ続いていくというんで、これは非常にきれいですけれども、このすべりが、ただ、上方へどうもつながらないと。

ここの上ですね。それもちょっと犬走りのところまで行って確認したんだけど、そこではほとんど見えない。それは同じ方向で、東南のほうでもそうだったんです。だから、局部的には非常にきれいに見えるんです。

ここで見えているように、ぐるっとこう、我々はV字形のくさび形の落ち込みというか、そういうふうに言っているものなんで、こっちの分も、南も同じだったんで、ただ、どちらも同じようなふうに見えました、地層との関係では。

○島﨑委員長代理
はい、ありがとうございます。典型的な横ずれ断層のものだと。

○岡田立命館大学教授
まあ断層というか、ずれてという、あえて私はずれと言っている。

○島﨑委員長代理
はい。

○岡田立命館大学教授
それは総合的判断で、ここの部分では開いて落ち込んでいる。一方では逆断層が見えるところもあるしと、同じような部分であるので、それはまた、これ我々、今までのトレンチではこういう構造をあまり見ないなと。

私も1979年以来、たくさんもうトレンチはやってきたし、見てきたんだけど、ちょっと異様だという感じのふうに見えましたね。

○島﨑委員長代理
どうぞ。

○渡辺東洋大学教授
学術的にどういう動き方をしているか追求するのは大変重要なことなんですが、ここで求められているのは、今の定義で言うと、12~13万年以降に動いているかどうかということ。

それから考えると、ここは何の疑いもない。地層が、ひょっとしたら12~13万年より古いかもしれませんけれども、それにしても12~13万年以降に動いていないという証拠はないと。

そこが非常に重要な点であって、追加調査は大変結構ですけ38れども、問題になっているのはそこの1点だと思います。

○岡田立命館大学教授
その点に関してちょっと。それで、私があえてずれというふうに言っているんです。ずれというのは、今さっき言ったように側方流動みたいなことでも起こるし、地すべりでも起こるし、そういういろんな現象で起こるので、これを地下深部まで続く断層運動というふうに即断を私はできない。

むしろ、このような構造は地すべり的あれに見える。先ほど渡辺さんが見せた図、詳しいこの辺の位置図があったんですが、あれちょっと見せていただけたら。これでもいいんですが、この地形は、地形がわかる人がいたら、ここのこういう馬蹄形にへこんでいますよね、こういうふうに。

こういうのはすべっている地形の特徴ですね。こういうところ、これですね、こういうの。これは表層だけかもしれませんけれども、こういう表層的なのを、いわゆる表層すべりのような地すべり起因のもので、これの堆積物がここの上に乗っかっていると思いますが、それから、一部はもう崖錐と呼ばれるもので、重力的にこの上にも乗っていると思いますが、こういう地形はもう、この地形を見ただけであると。

それから、ここら辺も、これ平たんなんですね。これが先ほど言っている、最終間氷期にできている物を起源として、その上に物が乗っかっているかと思いまして、私はトレンチの中だけを見るんじゃなくて、こういうところを見ながら、あるいはボーリングデータがあるなら確認して、両側はどうだと、そういう、やや広い目で物事を見ないと、全体像というか、そういうのはわからないということですね。

私はそういうふうに今まで見てきたし、学生にも指導してきましたけれども。局所的な現象だけで、非常に先走って結論づけたりなんかするのは危険だというか、そういうふうに思いました。

○島﨑委員長代理
ありがとうございます。渡辺さん、当然反論があると思いますので、どうぞ。

○渡辺東洋大学教授
地すべりであるか、断層運動であるかということは区別していないというのは前回でもう共通認識されているわけです。だから、そこの問題は学術的に問うのは非常に重要ですけれども、ここのときには、もうそういう話はないのだと。

12~13万年以降に動いたかどうかというのが、とりあえず現在の年代感で言うと、そこのところの1点が重要な点だということで整理されたと私は思っていたんですけど、またそこまで戻ってしまうのでしょうか。

○岡田立命館大学教授
それは、例えばここが、この炉のほうまで含める巨大崩壊、地す39べりなら、それはそうかもしれません。ただ、今言っているのは、ここを含め小さなローカルな地すべり、こういうものかどうかということで、ここだけなら、こちらのほうに影響をするとは思いませんけれども。

だから、局所的にある層だけに非常に逆断層状、正断層状に見えるものがあったりする。その上になかったり、それから、ちょっと粘土質のような堆積物は明らかにすべらしている、それは。

だから、局所的なそういうすべりと、これにつなげる、あるいはもっとさらに南につなげるかどうかというのは非常に本質的な問題じゃないでしょうか。

○渡辺東洋大学教授
そこがつながる可能性というのは否定できなくて、そこは十分考えないといけないです。

○岡田立命館大学教授
ちょっと山頂部では、ここのトレンチ、これは私も観察しましたけれども、逆断層的なセンスで、こちらの西側が東において高角度、右横ずれというあれだったから、ここと結びつける、先ほど東端部のあれと結びつけるには落ちる方向は違うし、ずれ方も違うというかな、そういうので、これをすぐここへ結びつけるというのは私にはできない。

○島﨑委員長代理
分かれましたね。はい、どうぞ。

○廣内信州大学准教授
連続するかどうか、ちょっと僕は今わからないところなんですけども、先ほどの構造を地すべりで説明するのはやっぱりちょっと難しいんじゃないかと思います。岡田先生も先ほどおっしゃっていましたけれども、西側の壁面では複数回やっぱり動いていることも確認できるわけですよね、スケッチからでも。

西、だからこっちかな、南かな、南側ですね。南西ですね。南西側ですね。あれ、南西じゃないんですか、あれ、ごめんなさい、南側です。南側のところでは複数回動いていることも確認できていますし、やっぱり地すべりの向きとかということと考えても、あまり、あれを地すべりと説明するのはちょっと難しいんじゃないかと。

典型的な横ずれの形態じゃないかと僕は思います。

○岡田立命館大学教授
今の議論なんですけど、地すべりだと複数回、何回も動きますよ。それで、あそこの部分だと明らかにこの角度で、もし地すべりだったら右横ずれ成分ですね。横ずれ成分が高いだろうと思いますけど。

それで、それがあそこの両配置ともくさび形、あるいは我々が言っているような落ち込みがあるということは、開口成分を持っているということですね。だから、開口成分を持っているものがあり、一方では逆断層に見えるところがあり、そういうのが「あれっ、異様だな」という、それはもう間違いないと思います。

どなたが見ても、そこは。40

○島﨑委員長代理
開口成分があったり、逆断層があったりするのは、横ずれではあり得ることであるし、さらにこれは連続しているかどうかは、ステップしているかもしれませんので、ステップしていれば、そのステップによる局所的な上下の動きというのは伴いますので、そういう可能性もあると私は思いますが、いかがですか。

○岡田立命館大学教授
それで、そういうことも含めて、これは雁行状のものであるならば、今、ボーリングのデータまで私は当たっていませんので、わからない。だから、ここの部分で、今、東南のところでそういうのが見られたので、これの連続性をちゃんと精査してほしいと書いているところですよね。

こういうところと、こういうところ。それから、こっちのほうに雁行状につながるなら、雁行状のあれがどこかで捕まえるだろうと。いわゆる、ここで見えたずれのようなもの、破砕帯の中から見えるもの、ここで見えているものとはちょっと違いますよということ。

○島﨑委員長代理
ありがとうございます。それをどう解釈するかということで、意見の違いが出てくるということで、事実は皆さん共通していると。それをどう解釈するか。要するに、ひょっとして危ないほうといいましょうか、危険なほうをとるのか、あくまでも安全だと思う、安全だと思うというのは変だけども、あまり危険なことを考えないでも解釈できるという、そういう御説明だと思いますね。

時代的にはどう……。あっ、どうぞ。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
確認したいんですけれども、ここは横ずれ成分がどちらかということは確認されていないんですよね。

○岡田立命館大学教授
現場では、ちょっと非常に観察しにくいところです。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
ですよね。こちらは、私のこれを見ていますけれども、ここは確かに右横ずれということは、私はここでは一応見ているんですよ。ここの横ずれ成分がどっちであるかというふうなことで、ここはつながるのか、つながらない、同系列の断層と考えるべきか、そうじゃないのかということは、判断が分かれるのかなというふうな気がします。

あと、これはただの感想かもしれないんですけど、今の段階だと、やはりここの構造がどうなっているのかというふうなことがはっきりしない段階で、ああだこうだと議論していても、結局、何か結論が出せないというか、私はそれで判断してしまうというのは、ちょっと主観的な判断になってしまわないかなということを非常に警戒しているというとこ41ろがあります。

やはりここでやるのであれば、先ほどちょっと岡田先生の話の中で言われたような形で、やはり地すべり学会であるとか、私も地すべりの専門ではないし、ちょっとわからない部分があるので、そういった専門の方をきちんと入れて、こういったことが起こり得るのか起こり得ないのかと。

それから、もう少しここの調査をした上で判断するべきじゃないかというふうに思います。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。ちょっと時代のほうに移りたいと思うんですれども、ここの平たん面はどのようにしてできたのかという説明をどなたかお願いしたいんですが。

○岡田立命館大学教授
この辺を含めて、若狭湾東部の海底の地形も含めて、ちょっと検討したことがあって、論文も書いているんですけれども、この中に含まれている、ここら辺にまん丸い礫がありますよね。

これはもう明らかに背後から来た角張ったこういうのは、もう背後のほうから来たいわゆる崖錐、重力の作用によってするとか、地すべりによって来たものであって、先ほどみたいに非常にきれいな丸い礫がいっぱいあるのは、現在の海岸へ行ってもそうですけれども、何回も何回も、もう円摩されたといいますよね、そういうものなので、ここの底面が海底の波食蝕面といっておりますね、ベンチという、起源であるというのは、これは誰も一致していると思います。

ここの底面の年代ですね、年代をやられているのはK-Tz9.5万年というのが、どの層準で書いているのか、ここら辺の層準ですか、この辺ですか、これだったら、ここから上は少なくともですね、これが空から降ったそのままなのか、洗い流されてきたものかによって、またこれはちょっと解釈が違ってくるんですけれども、ここの底面が12万年前なのか、あるいは10万年前なのか、ここが12.5万年になるかは、ちょっと議論があるところだと思いますけれども、そういうちょっと起源が古いという、我々がいう起源は10万年、20万年のことを言っているんですけど、そういう中で、もっとこれが古いかどうかは、もう少し分析とか、何かデータが出てこないとわからないということだと思いますが。

それでよろしいでしょうか。この辺の鋸崎という付近から、そこに今地図がありましたね。ここら辺にぽこっと飛び出しているのは、スタックと言ったり、岩頭ですね、塔状に侵食され残ったもので、ここの平たんなところは、普通に見れば、これは縄文海進というのもあるんですけれども、それより古くて、これもK-Tzが覆われるとか、赤茶けた地層が乗っかっていますから、これの続き、ここ、それからここにちょこっとだけ描いてあるので、これもこの面の上にこれが覆っているというふうに私は思いますし、トレンチの底でもそうなっていたので、ここ42一帯が、十数メーター今標高があると思いますけれども、最終間氷期以降、総体的にちょっと隆起しているという認識は共有してできるんじゃないかと思いますが。

○島﨑委員長代理
そうすると、時代は、その時代であると。

○岡田立命館大学教授
普通、こういうふうに現在の海岸に沿って一番広く平たんな面を残しているというのは、一番最後のもの、それが12.5万年ぐらい前という、その辺はほぼ共有……。もう、それも10万年前かもしれませんけれども、その前後の海岸の波食面だったという、それは共通していると思いますけどね。

○島﨑委員長代理
その波食面がずれを起こしていると。

○岡田立命館大学教授
かどうか。

○島﨑委員長代理
いやいや、ずれを起こしているのは……。

○岡田立命館大学教授
ずれは起こしています。

○島﨑委員長代理
それが活断層かどうかについては、岡田先生はもう少し広く見たほうがよろしいという。

○岡田立命館大学教授
見たほうがいいし、まあ、それ……。

○島﨑委員長代理
ずれを起こしていることは間違いなくて、それは恐らく12万5000年以降。

○岡田立命館大学教授
以降、それが微妙なんですね。

○島﨑委員長代理
多少……。

○岡田立命館大学教授
そこが、そこのところの上を切っているか切っていないかという、D層と見れば切っていると。

○島﨑委員長代理
はい、D層は切っています。

○岡田立命館大学教授
うん。これは切っているんですね、この。ここのところが波食面なのかあれなのかで、あまりこれより上には続かないと。

○島﨑委員長代理
上は続かなくても結構ですけれども、12万5000年プラスマイナス何かあるかもしれないけれども、そのころにできた海岸の平らなところがずれを起こしている、これは事実ですね。

はい。

○渡辺東洋大学教授
すみません、ちょっと誤解があったかもしれないですけど、これは波食面ではないと思います。これはずっとこっちへ上がっていくので、波食面と言っているのはこれですね。

だから、これが、その周辺の地形から見ると、これはもう12万5000年ではないと言っているわけで、明らかにその後に動いているというのが私の見解です。43

○島﨑委員長代理
そうすると、そこまでは皆さん多分一致されると思うので、その動きが何によるかという、断層なのか、それとも地すべりなのか。それ以外の原因はありますか。ほかには考えつかない。

はい、わかりました。そこまで皆さんの意見が集約できたと思いますので、一つのオプションとしては、地すべりかどうかの判断をしかるべく権威にお願いして、見てもらうという。

そんなこと言わなくても、もうわかっているという方もいらっしゃるということですけれども、そうではなくて、もうちょっと広い範囲で見るという御意見もあるんですが、判断として、今何が役立つかということについて、何かコメントをいただければと。

地すべりなのか、活断層なのか。

○岡田立命館大学教授
私、地すべりそのものをやっているわけではないので、研究、学会まであるところで、ただ、見た感じが、そういうちょっと異様な変形をしていたと。この上の、この辺も、D層をずらしているというところは、まあ、これはみんな共通して見たんじゃないかと思いますけども。

だから、この上のずれの方向だとか、こういうくさびに落ち込むというのは、これが横ずれ断層ではもちろんよく見られます。こういう構造は。もしそうだったら、この礫の扁平れきの向きだとか、それから条線ですね、そういうものとか、いろんな……。

ここら辺の石ころはちょっと立っていますよね。こういう扁平れきが立つというのは、ずれ以外には普通は起こらないですね。水平に近い、こういうところでね。それから、そういう、いわばここの上にも粘土質のところがあったんですけど、ほぼ水平なすべりがあったのをちょっと言い忘れましたけれども、幾つかすべりはあったですね。

だから、このこういうちょっと粘土質な部分の中に、こういうものとか、もっと水平的なもの、それも面が見えました。それは北側のほうで明瞭だったですね。

○島﨑委員長代理
今御質問したいことは、年代的には12万5000年以降であろうものが、ずれを起こしていると。それで、一方は、これは活断層であろうということで、一方では、いや、それ以外の原因としては地すべりが考えられると。

ここまではよろしいですか。

○岡田立命館大学教授
はい。それで、これが12万年前かどうかは、今言ったように、この上の層なんですね、K-Tzが入っているというのは。だから、向こうの人は、これはもう一つ前だというようなことを言っていたので、この層がもっと古い可能性も、それはあると思います。

K-Tzと呼ばれる火山灰を含む層準は、もうちょっとこの辺の層準だそうですから、これそのものは、それより古いというのは確かですね。か、ほとんど同時期か、もう少し多いかという。

44

○島﨑委員長代理
はい、どうぞ。

○廣内信州大学准教授
ただ、もちろん僕もこういうところなので、どっちかといえばきちんと年代を出したほうがいいとは思っているんですけど、ただ、逆に地形学的な常識で考えれば、波蝕台の高さがずっと10メーターぐらいで続いてきているわけですから、それがK-Tzに覆われて12万5000年ぐらいということで考えると、そんなにその判断がめちゃくちゃおかしいんじゃないかということは、僕自身はないかなと思っています。

ただ、慎重を期すという意味では、やったほうがいいんじゃないかと思いますけども。そういう意見です。

○島﨑委員長代理
時代に関しては、確定ではないけれども、多分、地形屋さんの常識というものがあって、その常識に頼るならば12万5000年以降であろうと。でも、非常に重要なことなので、もう少しきちんと年代を求めたほうがいいという意見もあり得る。

○廣内信州大学准教授
はい。

○島﨑委員長代理
そのとおりだと思いますが、質問は、これが活断層起源による動きなのか、それとも、それ以外の原因なのか。それ以外の原因としては何が考えられるか。地すべりが一つある。

それ以外にありますか。地すべりの方向がどうかということもあって、そこら辺になると専門家の御意見をちゃんと聞いたほうがいいかなという感じがしますけれども、直観的には、やや難しいところかと思いますけれどもね、地すべりでつくるには。

しかし、それはちゃんと聞いたほうがいいという御意見もあるので、それは考慮したほうがいいかなと思いますけれども、先ほど地すべりではないだろうという御意見があったので、もう一回、そこのポイントをお願いできますか。

○廣内信州大学准教授
結局、どっちの原因にしても地盤が動くということには変わりはないので、そういう現象はどっちでも見られるんだということになのかもしれないんですけども、逆に活断層であるという条件を満たしていないわけではないだけですよね。

複数回動いているとか、第四紀後期の堆積物を変位させているとか。逆に、これは本当にわかりませんが、地すべりの人が活断層ではないという判断ができるんだろうかと考えたときには、僕は結局同じ答えで返ってくるんじゃないかと思っておりまして、どちらかわからないんだったら、それは非常にグレーとか、濃いグレーとかじゃなくて、黒に近くなってくるという話になるので、もちろんどういう特徴が見られるのかということをいろいろ聞いてみることは役立つと思いますが、恐らくそれを否定されることは活断層としてはない45だろうというふうに考えております。

○島﨑委員長代理
要するに地すべりかもしれないけれども、地すべりの専門家は活断層の専門家ではないので、活断層ではないという結論を地すべりの専門家が出すのは恐らく難しいだろうと、そういうことでございますか。

○廣内信州大学准教授
はい。

○島﨑委員長代理
はい、ありがとうございます。渡辺さん、どうぞ。

○渡辺東洋大学教授
関西電力さんは非常に詳しい調査で、二重で書いたF-6という破砕帯が連続しているという、非常に詳しい地質調査があるわけですね。それにほとんど並行しているところに出てきていて、厳密に言えば断層の可能性がある動きが見えているということは、非常に重要な点だと思うんですよね。

ぶつぶつに何かなっているんじゃなくて、かつての調査では、連続したものがそこに見えているということですね。

○島﨑委員長代理
判断のもう一つの根拠としては、局所的なものではなくて、南西方向に連続したものと考えられるということですね。ほかに何かございますか。

○岡田立命館大学教授
私は何回も言うようだけど、あのトレンチの中だけで見るんじゃなくて、もしあれだけの変位を12.何万年前に起こしているなら、ここら辺の両方をわたって分布する中位段丘面に、変位があるのか。

それから、旧汀線高度での違いがあるのか。それから、本当にあれは連続性があるものかどうか。北側の法面では、写真でお見せしたように、ほとんど破砕帯のようなものがないように見えた。

それは、今さっき、ここですね、この下なんです、問題は。ここのところはほとんど、私が見た限りでは、見えないですね。破砕帯というか、粘土帯はなかったし、「あれっ」と、きれいなすべりなのに見られない。

破砕帯と言われるほどのものではないと。これは岩質の境界でもあるんですね。だから、その辺では、もう、ちょっと今までのあれで言うと、普通に言っている断層、活断層みたいなあれとは違うぞという直観でしたね。

○渡辺東洋大学教授
よろしいですか。

○島﨑委員長代理
どうぞ。

○渡辺東洋大学教授
岡田先生は、中央構造線のような大断層を調査をされているから、それは正しいんですけど、これは大断層ではないんですよ。多分、地質時代、非常に古い時代にできたものが、最近、1回や2回動いたと、そういう話なんですよ。

だから、それ46を中央構造線に見られる、あるいは跡津川断層の大破砕帯と比べるのは、ちょっとおかしな話かなというふうに思いますが。

○岡田立命館大学教授
いいえ、私はそういう大断層を調査してきているけれども、割と規模の小さい三河の地震断層だとか、ああいうのも見ているし、それは見ているんです、それは。それで、そういう経験から、それはもちろん私のあれから言っているわけですけどね。

ここで見ている破砕帯と、尾根の上で見たものとは、これまた違う、私のあれでは。それは、だから……。

○渡辺東洋大学教授
すみません、だから尾根の上に見えているのは、トレースが曲がって非常に厚くなっているところなんですよ。あれは今できたと僕は思っていないですよ、これはもう。それが過去にできたものであって、これが最近の応力場で、応力場でと言っていいかわからないけど、つられて1回か2回動いたと、そういう話をしているわけで、そこに大断層のような構造がなくてもいいのではないかというのが私の意見です。

○岡田立命館大学教授
これ、今、堂々めぐりになっているんですけども、だから、そのときのずれがどれぐらいのものなのか、それが私が言っている条線とか、ああいうすべりの方向だとか、あるいは、もう少しそれは学術的に、科学的に冷静に見てほしいということを言っているわけですよ。

○島﨑委員長代理
見方というよりかは、どうしたらその二つのことが分解できるかという方向に議論を進めていただきたいんですけれども、一つは、条痕といいましょうか、条線といいましょうか、要するに、すべったものがどうなっているかということですね。

ただ、それはあくまでもこの端っこの話であって。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
少なくともこの図で見ると、右ずれのようにこれは描かれているんですけれども、ちょっと先ほど伺った話では、ここのずれのセンスというのは決まっていないというふうな話をされていたんですよね。

本当にこれがつながるのであれば、やはりここも同じように右ずれを示していないと、これはおかしいであろうと。これ、条線で、私、詳しいことは説明しなかったんですけれども、条線を使ってずれのセンスを判断するということは、これは可能なので、それで、条線なり、ここで関電さんは大体ブロックサンプリングという形でやっているんですけれども、何でもいいからとにかくここのずれのセンスを出していただくと。

それが上と同じかどうかということは、きちんと検証するべきかなというふうに思います。もしこれが逆だというふうなことになってくると、岡田先生がおっしゃられるように、地すべりの可能性というふうなものは考慮す47べきかなとは思います。

○渡辺東洋大学教授
どういうふうに進むかわかりませんけど、これ、左ずれになったら地すべりはあり得ないですよ。

○岡田立命館大学教授
うん、そうそう。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
そうですね。おっしゃるとおりですね。そうすると、条線では判断ができないということですかね、そうなってくると。ずれのセンスは、地すべりであろうが、活断層が続くというふうな仮説であろうが、同じこと。

だから、判断はそれでは不可能だということですね。

○島﨑委員長代理
あと、連続性ということは確かにあるかと思いますね。地すべりだったら、そんなに連続するはずはないので。しかし、連続しているかどうかというのを判断するのは、実はそんなに容易ではないでしょう、恐らく。

あそこを掘りまくったとしても。ほかに何かいい判断の方法はありますか。じゃあ、こうしましょうか。とにかくすべりがあって、それは恐らく12万5000年前以降のものと見られる。

ただし、そこの表現をどうしたらいいのかわかりませんけれども、活断層によるものと考えても矛盾はないが、地すべりの可能性が全く否定されているわけではない。そんなところですか、皆さんの御意見は。

○岡田立命館大学教授
「全く」というのは要らないですね。

○島﨑委員長代理
「全く」は要らない。地すべりの可能性が否定できるわけではない、否定はされない。地すべりの可能性がある。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
ある。

○島﨑委員長代理
「ある」でもよろしいですか、渡辺さん。

○渡辺東洋大学教授
もういい。

○島﨑委員長代理
もういい。少し議論が堂々めぐりして疲れたみたいですので。多分ここが一番のポイントだと私は思うんですけれども、これ以外に大飯の原発の安全性に関わるという点に限って言って、ここでこれから取り上げるようなポイントがありますでしょうか。

○岡田立命館大学教授
いや、だから、先ほど言ったように、これを含む地域のところで海成段丘面に、あれが変位だとすると、こっちが落ち込んでいるわけですね、西側が。どれぐらいのあれかは知りませんが。

どれぐらいのメーターオーダーを超せば、それはわかると思いますけど、もう何十センチ……。48

○島﨑委員長代理
メーターオーダーはないんじゃないですか。あれ、50センチぐらいでしたね、段差が。

○岡田立命館大学教授
だから、それになってくると、そこまで、それはいろいろな旧汀線高度をはかるといったって、何十センチの議論は、それは無理ですよ。だけど、ここの上のあれに有意に差があるかどうかは、この段丘面の差とか、それから旧汀線高度だとか、そういうのを求めれば出る。

メーターオーダーだったら、わかる。

○島﨑委員長代理
ですが、先ほど見た限りでは50センチ程度ですよね、段差はね、と思いますので、それもやはり難しいだろうと思いますが。もっとほかにも断層があって、累積しているというようなことがあれば別ですけれども。

○岡田立命館大学教授
私がコメントしていたのは、この延長は結構今きれいに見えていたし、それから、ここのはしごのところをおりたところ、あそこには続かないというか、あれは地質の境界であるけれども、何かすべりのようなものはなかったし、この両脇のれき層には、現場で見た限り、有意な高度差はなかったと思いました。

だから、ここのところ、まず北西にこれが続くなら、この海底もそれは重要なあれでしょうね。ここだけで得られない。これがこっちまで続くほど非常に延長性の高いものなら、当然、この辺まであってもいいでしょう、この海底にも。

そういうデータがあるかどうか。ちょっとここのもととあれですね。

○島﨑委員長代理
海岸のところは別として、海底は配っていただいた図があります。私、音波探査の記録は見させていただきましたけれども、肝心の図が見えなくなってしまったんですけど、確かに南北走向の南北に延びるようなものは見えていますので、海岸の、要するに、岩のある、いわゆる岩礁の部分に関しては、ある長さ、南北方向に、色刷りのやつがありましたよね。

あれで見ることができると思います。ただ、それは単なる侵食によるものなのかどうか、それはわからないので、これも決定的な証拠ではないけれども、ないということにはならないので。

どれでしたっけ、これでしたっけ、あります。それから、それからさらに……。

○岡田立命館大学教授
これね、今、ここのこれ、ぴたっと今一致しているんでしょうか。ここの位置関係です、この貼りつけてある。これの延長というあれですか。

○島﨑委員長代理
はい。それは貼りつけてあるとの仮定ですね。それは関電さんがつくられた図なので、何とも言えないですが。

○岡田立命館大学教授
そうすると、この延長というのは。これは非常に明瞭――結構あ49りますね。

○島﨑委員長代理
これは非常に明瞭ですね。

○岡田立命館大学教授
これですね、こういうの。今言っているこれ、これのどこを言っておられるわけですか。

○島﨑委員長代理
これですね。これは非常に明瞭でしょう。

○岡田立命館大学教授
こっちは続かないような感じですね。

○島﨑委員長代理
いや、それはよく見えないですね、ここから先は。

○岡田立命館大学教授
これは明瞭ですね。これ、これ、こういう――これも。だから、ここに続くかどうかというのは。

○島﨑委員長代理
ここはないですからね。

○岡田立命館大学教授
ここは岩礁の、このまま行くと岩礁に行きますけどね。

○島﨑委員長代理
岩礁の脇を通るのか、中を通るのかわかりませんが、ここではちょっとデータがないので何とも言いようがないですけど、さらにその北のところは、この資料がありまして、音波探査を丁寧にやっていただいて、非常に明瞭に見えているのは、ここではFo-1と書いてある断層です。

これがだんだんずれの量が小さくなって、DB-2の測線のところで小さくなる様子がよく見えます。それで、これには続かないんですよ、もちろん。これには続かないけれども、変位がだんだん小さくなってここで終わっている様子はよく見えます。

要するに、ここは非常に立派な活断層と活断層に挟まれた地域に当たっていまして、非常に立派な活断層がないことは明らかです。それは皆さんも多分一致されている。ですから、もしあるとすれば、それは非常に立派ではない活断層しかないという地域なわけです。

それで、もう一回繰り返しますけれども、恐らく12万5000年前ごろにできたと思われる海岸ですか、海成面ですか、それがずれていると。

○岡田立命館大学教授
海成段丘面。

○島﨑委員長代理
海成段丘面。はい。海成段丘面がずれていると。ただ、その原因としては、活断層によるもの、あるいは、地すべりの可能性が考えられると。このことに関しては皆さんが一致されたと、一致された結論であると。

はい。ありがとうございました。今日はそれ以上のことはちょっと無理そうなので、さらに再調査をしてもらうのか、あるいは、ここで何らかのアクションをとるのか。いずれにしても、こちらの言いっ放しというわけにはいかないので、必ず事業者の方から御説明というか、反論というか、それを50していただかないことにはいけないと思います。

ということですので、大変お忙しい先生方には恐縮なんですけれども、11月7日に辛くもお時間があるということを伺っておりますので、もう一度集まっていただいて、より掘り下げた議論、あるいは、事業者のほうの御説明を聞いてもう一回考えるという機会をつくりたいと思っています。

○岡田立命館大学教授
島﨑先生、明後日ですか。

○島﨑委員長代理
水曜日です。

○岡田立命館大学教授
それは、今、調査しているものとかあれは出てこないですよね。

○島﨑委員長代理
水曜日です。

○岡田立命館大学教授
今出たようなものについて、向こうからのあれですか、説明というか……。

○島﨑委員長代理
今日、いろいろ疑問点が出たことについて早急に調査して、水曜日に結果を出すということは不可能だと思いますので、あくまでもこれまでの調査結果について、いや、我々はこう考えるという御意見が恐らくあると思いますので、それを伺いたいということ。

よろしいですか。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
すみません。ちょっと先ほどの渡辺先生の発表の中で、F-6断層が現在の応力によって動いたというふうな話をされているんですけれども、応力を考えたときには、F-6は動きにくい方向を向いていると。

そうすると、考えられることは、例えば、このFo-1とかと書いてある、これはもう明らかに今の応力を考えれば、動きやすい方向を向いている断層です。当然、Fo-1とかが動けば周りの応力場というのは変化するので、F-6が動くという状況は、当然、もしF-6がきちんと続いているということであれば、そういう状況というのは想定し得ることかなというふうには思っているんですけれども、先ほど渡辺先生がおっしゃられた、今の応力場で動いているというふうに言われたというのは、そういう考えで言われたということでしょうか。

○渡辺東洋大学教授
そのとおりです。

○島﨑委員長代理
そのとおりだということで、何かほかに御質問か何かがもしありましたら、今、お願いします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、事務局のほう、こういう形に進んでしまいましたけれども、何かよろしいでしょうか。

○小林管理官
最後に、私のほうから、今、島﨑委員のほうから御案内のとおり、11月7日水曜日、14時から規制委員会の会議室、事前会合と同じところでございますけど、13階51の会議室でございますけど、そこで開催させていただきます。

詳細につきましては、別途御連絡させていただくとともに、委員会のホームページで掲載させていただきます。それから、本日の資料は、私どものほうから郵送させていただきますので、机上に置いたままで結構でございます。

事務局のほうからは以上でございます。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。今になってよくよく時間を調べたら、17時まで実は会合の予定があったのを、少し早目に終わってしまうことになりますけれども、いや、まだ言い足りないことがある、ぜひ言いたいということがありましたら、時間がありますので、どうぞ。

○岡田立命館大学教授
何というのかな、公開の原則というのは非常に結構なんですけれども、あまりにも大勢の人に囲まれた中のパフォーマンスで、こっちが疲れて、冷静に物を見ていくというか、あれを見たらこれを見てと、もう我々、何というのか、ああでもない、こうでもないと、いろいろ自分の中でも判断、反論、この場合はこう、あれはこうというふうに地質、地形は見るものなので、それを1時間見たとか、2時間見て早急に結論を出せというのが、もうこういうトレンチだと、もう我々は本当に長い間、時間をかけてじっくりいろいろなものを測定しながらあれするので、それで、こういう結論をすぐというのは、これはやり方として非常にまずいと思いますよ。

この間のあれだって物すごくたくさんのものを、山の上から海岸から、トンネルの中まで見せられて、それで何かと言われても、ちょっと私の能力を超えているような感じだったですね。

ちょっともう少し冷静に、科学的にじっくり考えさせてほしいというか、そういうあれをしてもらわないと、何かちょっとこの間はもう、それはもうほかの人もそうだと思いますが、どうでしょうか。

○島﨑委員長代理
うなずいている廣内さん、どうぞ。

○廣内信州大学准教授
どちらかといえば、今日はそれなりに言いたいことを言ったと思いますけども、やっぱり、例えば、研究者同士のディスカッションの中では、少しあやふやな仮定なんかについてお互い聞くようなこともできるんですが、そういうことが多少制限されるということはあるかなと、公開でやっている以上は。

その辺は難しいところだなと思います。ただ、そういう決定のプロセスを全て隠すということが問題だという意見もあると思いますので、今回のところは従うしかないと思いますが、難しいところがあるというのは事実だと僕も思っています。

○島﨑委員長代理
ありがとうございます。現場でもう少しやっぱりお互い同士の議論が52あるべきだという感じは私も持っておりまして、多少反省というか、今のあり方が本当にいいのか。

ただ、現場で我々が議論をしてしまうと、あそこで密談をしたのではないかというふうに逆にとられる、その部分が透明性を確保するのが非常に難しいという、そういう逆の側面があることも事実なので、今回は非常にやりにくい形でやらせていただいたというか、なってしまいまして、今後、そこら辺はまた検討して、透明性を確保しろと言われる皆様の御意見も伺いつつ、どのように進めたらいいのかを検討させていただければと思います。

ほかに。よろしいでしょうか。どうぞ。

○廣内信州大学准教授
それとはちょっと関係ないんですが、台場浜のトレンチの北側の拡大スケッチがないんですけど、それを7日には、あれば出していただきたいんですけど、それは関電さんにお願いできますでしょうか。

○小林管理官
わかりました。そのように取り計らいます。

○廣内信州大学准教授
今日、特に問題となっている一番東側の部分ですね、そこを拡大したスケッチをお持ちでしたら、それを出していただきたい。

○小林管理官
承りました。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
もしそれで、可能であるのだったら、関電さんのほうで、そこで断層がどういう方向を向いているのかとか、条線が見えるのか見えないのかとか、そのぐらいの情報はあると非常に助かると思います。

○島﨑委員長代理
本当は我々が見てチェックをすべきところなんですけれども、それができないのは残念なところがありますが。それで、水曜日、7日の日は、14時30分開始ということでお願いいたします。

なかなか、初めてのことで、どういうふうに議論が進むものやら私もわからず、多少右往左往した感じはありますけれども、皆様の共通の見解があるということは事実だと思いますので、その点についてまとめていただき、見解が分かれているところは、分かれているという形で一応まとめさせていただきました。

今日は本当にありがとうございました。これで閉会といたします。以上

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