2012年11月7日水曜日

平成24年11月7日(水) 第二回 大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 14時00分 ~ 17時00分

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平成24年11月7日(水)
第二回 発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム会合 14時0分 ~ 16時30分

議題
  1. 大飯発電所敷地内の破砕帯について


■第二回 発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム会合 14時00分 ~



【録画】大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合第二回評価会合


○議事録 / まとめ

○会議資料
追加配布資料

議事録 保管
○島﨑委員長代理
定刻になりましたので、ただいまから、大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合、第2回評価会合を開催します。まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。

○小林管理官
それでは、配付資料を確認させていただきます。まず、一番上に座席表がございまして、その次に名簿がございます。その次が本日の議事次第でございまして、議事次第には本日の配付資料一覧を記載してございます。

これに基づきまして確認させていただきます。まず、大飯・現調3-1でございますけれども、これが関西電力のほうからの資料でございまして、大飯発電所敷地内F-6破砕帯の追加調査についてでございます。

傍聴の方には申し訳ございません。傍聴の方のほうには、資料番号をちょっとつけ忘れてございますので、そこは、「大飯・現調3-1」としていただければと思います。お手数をおかけします。

それから、メインのテーブルのほうには、それに、ボーリングの写真をつけてございます。それ以外に、本日、参考資料としまして、前回、4日の日に先生方から御提出いただきました資料、これをとじたもの。

それから、もう一つの参考資料としまして、岡田先生から新たに資料提供をされております、台場浜のトレンチのすべりについての資料をお配りしてございます。それから、机上参考資料として、今までの議論に用いた資料、これをお手元に、机上配付してございます。

それから、前回の資料につきましては、審議の際に必要に応じてスクリーンに映し出せるように準備しておりますので、議論に当たっては、必要な場合はその旨お申しつけください。

それから、本日ちょっと、今日からマイクが変わってございます。これにつきましては、「要求」というところを押していただきますと、このように赤いランプがつきます。

発言が終わりましたら「終了」を押していただいて、切っていただければというふうに思います。私からは以上でございます。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。資料に不備などございましたら、事務局へお申しつけくださればと思います。なお、マイクは非常に指向性がありますので、横を向くとあまり入りませんので、その点、御注意をお願いいたします。

それでは、議事に入らせていただきます。まず、前回の会合ですけれども、簡単に、その要点といいましょうか、それをまず申し上げたいと思いますけれども、台場浜トレンチの破砕帯及びすべり面の成因について、断層運動によるものと考えても矛盾はないが、地すべりによる可能性もあるということで、皆様、一致した見解となったというふうに思っております。

この成因を特定できる情報が現在欲しいわけでございますが、それから、台場浜トレンチのすべり面で地層がずれているということが見えているわけですけれども、このずれは、12万年ないし13万年前以降につくられたものだと推定したということであります。

確定的な年代に関しては、ぜひ、そういう情報が欲しいというふうに考えております。以上、この2点に関しては、前回、皆さん、御意見が一致した点だというふうに思っております。

台場浜トレンチ、それから山頂のトレンチ、あるいは複数のボーリング等々で破砕帯がいろいろ推定されているわけですけれども、これらがどのように関連づけられるかという点に関しては、まだ一致した結論に至っていませんし、さらに十分整理ができていなくて、三次元的な分布もあまり明らかではないという現状ではないかと思いますので、ここら辺もきちんと把握したいというふうに考えております。

本日は、大きな資料がございますけれども、関西電力のほうから御説明をまずいただいて、それに対する質疑から始めたいと思います。前回も申し上げたのですけれども、御意見をいただく際には、ぜひ、非常に具体的に、どの点についての議論か、どういう論拠に基づいているのか、そしてどのように判断できるのかということをお示しいただきたいと思っております。

それから、判断できない場合でも、どういう情報があれば判断できるのかということも御議論いただきたいと思っておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。それでは、関西電力の方のほうから御説明をお願いいたします。

○事業者
関西電力の常務の橋本でございます。本日は、説明させていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、11月2日に現地調査をしていただいたときに御指摘をいただいた点、それから4日の日に会合を持たれたときに私どもが聞かせていただいた点を、できる限り御説明申し上げたいというふうに考えまして、昨日、6日までのデータも重ね合わせまして、本日御説明させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、説明させていただきます。

○事業者
関西電力の岩森と申します。それでは、資料のほうを説明させていただきたいと思います。めくっていただきまして、2ページを御覧いただきたいと思います。この地図は、従来F-6としてきた破砕帯の分布図を示してございます。

北から、この台場浜、それから、この1・2号炉背面付近の水平ボーリング、あるいは試掘抗、それからあとトレンチ調査、あと、この辺りのボーリング等で、こういったトレースを、従来F-6破砕帯として評価をしてまいりました。

3ページは、こういった従来のF-6破砕帯を、今回、追加調査で、どういった連続性、それから活動性を評価するのかという観点で、この赤字の部分、これを今回追加調査として実施してございます。

その結果、4ページにお示ししてございますが、青色のトレースが、この山の山頂で実施したトレンチ、ここではF-6破砕帯を認めたと。それから、その延長上の№13というボーリング、ここではなかったということで、緑で×をしております。

あと、南のほうにおりていきまして、№1、それから№3、これは既往トレンチのところでございますが、真下を掘ってあったということ。それから⑥という、こういったところでF-6を確認した。

ただし、この南方の陀羅山トンネルでは認められなかったということで、緑で×しておりまして、最大この緑と緑の間にF-6が分布するのではないかというふうに今回評価をしております。

あと、今回F-6破砕帯と評価したものの北側、台場浜トレンチのところに少し○印を書いてございます。ここが蛇紋岩中のすべり面として私どもが現時点で考えているすべり面でございます。

本日は、これらにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。5ページは、建設前の空中写真、これでございますが、今申し上げました、この台場浜トレンチ付近のところは、この一番敷地の北辺りに位置するわけですが、この辺りには中位段丘面、それから古期崖錐がたまっておると。

それから、その南側の山地には滑落崖が認められると。そういった地形的特徴がある、そういった部分でございます。6ページは、今、現時点でのレーザー測量の結果でございます。

同様に、地すべり地形がこの辺りに見られるというところでございます。地質図とか、7ページ、8ページは、バックチェックのときの地質情報ということで、参考でおつけしてございます。

それでは、9ページから、台場浜トレンチにおける蛇紋岩中のすべり面及び輝緑岩と蛇紋岩の境界の破砕帯について、御説明をさせていただきます。10ページは、台場浜トレンチの全体の概況でございます。

この写真は、向かって右側が南側ということで、山のほうに上がっていくというところでございます。11ページは、そのトレンチの全体の壁面の写真をおつけしてございます。

上段が南壁、下段が北壁というところでございます。それで、すべり面、あるいは、この、私どもがすべり面と判断しているところ、それから、この東端の輝緑岩と蛇紋岩の境界の破砕帯の辺り、これの拡大写真を、次の12ページにおつけしてございます。

上段が南側側面でございます。南側では、すべり面が一つ、それから二つ、2条、合計認められます。ただし、向かって西側のこの写真の切れているところでございますが、これは、このすべり面は、この底盤の底に近づくにつれて、非常に低角になって、途中でわからなくなっていると、そういう分布を示してございます。

あと、東端の部分はこういったところでございます。これのスケッチを13ページにおつけしてございます。この紫色で示したところというのが、超苦鉄質岩、そしてあと、この辺り、蛇紋岩、蛇紋岩化したところでございますが、こういったところの東端付近には、すぐ上位にD層というものが、この東端付近に分布しているというところでございます。

それらを覆うようにC層、それから、薄いB層、A層というふうに分布しているという状況でございます。これらのところで、例えば南壁面を御覧いただきますと、濃い緑色のところが4本、ラインを引いてございます。

ここは火山灰分析を実施したところでございまして、K-TzとかATが出現した位置を矢示してございます。その4本のところの代表例として、14ページにその分析結果を載せてございます。

S-13というのは、このD層が捉まえているところ。それから、S-16というところは、D層が分布していないというところでございます。火山灰を分析いたしましたところ、D層の部分というのは、その直上にK-Tz、βクオーツと、斜方輝石が認められるK-Tzの火山灰がここで認められました。

ただし、この直下、D層のところでは、そういったテフラというものは一切認められませんでした。一方、S-16というところは、このC層、この基盤岩の上面までがC層でございまして、やはりこの一番基底付近までK-Tzが出ておるという状況でございます。

ということで、S-13、16で少し様子が違うということでございます。こういった堆積層の分布状況ということでございますけれども、現地調査並びに4日の会合におきまして、岡田先生のほうからも、この辺りの中位段丘面の分布高度、こういったものについて検討をする必要があるのではないかというふうに御意見を賜っておりましたので、私どもは、今回、精緻なレーザー測量のデータを取得いたしましたので、そのDEMデータから起こした1m地形図と、それから空中写真の判読結果とあわせて、台場浜、このトレンチを掘っている辺り、それから、この半島の先端は鋸崎というところでございますが、この辺の中位段丘の分布状況、これにつきまして検討をいたしました。

ピンク色で図示しているのが中位段丘面でございます。この中位段丘面を、鋸崎から台場浜にかけて、これはそのまま投影した断面が上段に示したグラフとなります。概ね、この鋸崎から、この台場浜中央付近に至りましては、ほぼ13mというような分布構造が中位段丘面となっております。

ただし、台場浜トレンチのところにおきましては、このトレンチの基盤が、後ほど説明させていただきますが、波蝕棚と考えておりまして、この波蝕棚の高度というのは、およそ6mぐらいの標高でございます。

この中位段丘面のこの面と大きな乖離があるという実情がございます。そういった実情を踏まえて、この基盤上面のこの形成年代、これは一体どれぐらいの年代なのかといったことを検討いたしました。

16ページは、その年代の検討の前に、台場浜トレンチのところでございますけれども、ここの縦断図をおつけしてございます。a-a’断面ということで、左側が海、台場浜、海のほうです。

北です。それから、右のほうが山になってまいります。このトレンチのところでは基盤岩が出ていて、D層が出ておると。それからあと、C層というものが、これは台場浜のこの海岸も、この表層から黒ボク土を介して、A層、C層と区分できるのではないかと思っておりまして、そういった特徴がこのトレンチでも、黒ボク土を介して、やっぱりA層、C層というような分布をしておりますので、そういう海からトレンチにかけてはこういう分布をしておるのではないかと、そのように判断をしております。

ただ、D層はこの海岸までは出ていない、そういったような分布状況でございます。では、このD層というものが、いつごろの形成年代なのかといったことを、17ページで検討をいたしました。

中位段丘面の旧汀線高度を標高13mとした場合には、この汎地球的な海面高度変化から、MIS7.3とか、MIS7.5の予測旧汀線高度というものは、おおよそ6、7m程度になるというふうに考えております。

そして、このトレンチ内のこの基盤上面、非常にフラットでございますが、これを波蝕面とすると、この東端付近に、このくさび状に落ち込んだE層、円礫層でございますけれども、これはMIS7の高海面期の堆積物と考えております。

つまり、このE層起源の円礫を多く含むこのD層というものは、E層堆積直後の土石流堆積物と考えられ、時代は、このMIS7~6、より、どちらかというと7に近い、そういった時期の堆積物ではないかというふうに考えております。

こういったことは、このD層直下のこの基盤の風化部から一応採取した遊離鉄の結果を見ますと、この遊離鉄の結果は、高位段丘面の区分に位置するという、そういった結果もあわせて出てきているという状況と整合しておるなというふうに思っております。

こういった堆積物のD層というような年代感のもとに、では、御覧いただきましたこのすべり面とか、この東端部のここの地質境界のここの部分、これは一体どんな分布形状を示しているのかといったことを検討いたしました。

なお、20ページは、そのスケッチ、北側面の拡大スケッチ、この東端の部分でございますが、ここは礫が落ち込んでいて、そのD層以上の地層には覆われておるというふうに、私どもは考えております。

この東端付近の様子、少し写真を用意いたしました。右上が少し全体像がわかりやすいかと思うんですが、これは、この底盤で、真正面に見えているのが法面でございます。

現地調査のときに下りていただいたこの階段が写ってございます。したがって、向かって左側が北側、北壁、それから向かって右側が南壁という、そういう位置関係になります。

この左側の写真、これは、向かって左側のこちらが東側法面になります。北側からこの底盤方向を写し込んでおるという状況でございます。それで、ここの左下の写真というのは、この北側側面のこの東端部分の根っこの辺りでございますけれども、ここには、明瞭に連続するような粘土と断層ガウジといったものは認められないといったことで、こういったのは、その地質境界における破砕部ではないかなというふうに考えております。

礫層はこういった形で分布しておるというところでございます。なお、これは上から見ていただいてもわかりますように、ここの底盤のところが非常に、これが蛇紋岩と輝緑岩との境界でございますが、非常に湾曲しておるといったような状況でございます。

こういった地質境界における破砕部というようなものにつきましては、2日の現地調査の際に、トレンチの後、海岸に下りていただきましたところを少し御紹介しておりますが、この上の左側にはしごが写っております。

こちらから下りていただいて、海岸を御覧いただきました。その下りるところというのが、黒い部分、これは頁岩と、茶色い部分が超苦鉄質岩でございまして、ここの拡大の写真をおつけしてございますけれども、ここも地質境界が接している、そういった程度の破砕部ではないかなというふうに考えております。

それから、この地質境界でございますけれども、これは階段を下りるほう、海に向かって下りる方向の写真でございますが、この地質境界が真っすぐ延びるとすると、この頁岩の辺りに破砕部が出てくるわけですが、そういったものはないということで、地質境界というものは、少し西側のほうへ振れていくような、そういう分布を呈してございます。

そういった状況、今御覧いただきましたのは、トレンチの東端、それから台場浜の海岸の露頭といったものでございますけれども、あとは、トレンチの中で実施した16、17というボーリング、それから、少し山手側のほうで実施した10番、14番、15番、あと11番、こういったボーリング調査の結果から、超苦鉄質岩、まずは超苦鉄質岩がどういった分布を呈しているのか。

これはトレンチの東端で認められたところは、やはり地質境界だと私どもは考えておりますので、こういったカーブを呈していると。これは、後ほどこの断面図を御覧いただきながら、こういったふうになっていっているという様子を御覧いただきたいと思います。

この地質境界の中に、先ほど、トレンチの、どちらかといいますと、この輝緑岩と接している部分が蛇紋岩化している部分でございます。小さい点でハッチングしている部分、ここがその蛇紋岩化した部分というふうに考えております。

それから、トレンチの、どちらかというと西側半分というのは、そこまで蛇紋岩化、変質していない、マッシブな超苦鉄質岩でございまして、すべり面がトレンチで認められたのは、この蛇紋岩化した弱いゾーンでございました。

こういったものが、では、周りのこのボーリングで、どういった位置で、どういうふうな向きで分布しているのかといったものを図示してございます。これは、なお、標高3mで図示してございますけれども、こういった超苦鉄質岩が、この周りの輝緑岩に取り込まれている、こういった器の中を、蛇紋岩化のゾーンがあって、その中をこの青い線で引いておりますが、蛇紋岩中のすべり面が分布しているといったふうに私どもは考えております。

25ページ、これは断面図。トレンチのこの長軸のところにおける断面図でございます。この上のほうに見えている超苦鉄質岩の少し盛り上がったところ、これはトレンチの北側の部分でございます。

ここから45度ぐらいの角度で下のほうへ行っていると。この断層から約2m離れと4m離れのところでボーリングを実施いたしました。そうしますと、こういった深度ですべり面がこのように認められました。

それから、4m離れのところでは、輝緑岩と蛇紋岩がこういった関係で接しており、この蛇紋岩化した上には、マッシブな塊状の超苦鉄質岩がこちらに分布しておるといったことを、周辺のボーリングともあわせて確認しております。

それから、一つ山側の断面でございます。向かって、これは、図の右側が東方向に掘っている10番と、鉛直は14番、西側に掘ったのは15番でございます。ここに来ますと、この超苦鉄質岩、蛇紋岩化した超苦鉄質岩が少し薄くなってくるとともに、こういった輝緑岩との位置関係が、まずなってくると。

その蛇紋岩化したところに、輝緑岩の上にこのすべり面が見えるといったところを確認しております。あと、27ページは、トレンチのこの中央部を山のほうにかけて断面を切ってございますけれども、ここでは、トレンチがここでございますが、やはり蛇紋岩化したところが、こういったところでございまして、トレンチで認められたところ、それから超苦鉄質岩、蛇紋岩、それから輝緑岩が接しているというボーリング、トレンチのこういう層相の出現状況、その中で、蛇紋岩の中にすべり面がある、そういった位置関係から見て、私どもは、これらは一連のすべり面であるというふうに考えております。

では、現地調査や評価会合でも、ここでは地すべりが起きる要素はないんだという、どうやったらそういうイベントなんかが起こり得るのかという、そういう御意見もあったやに思いますので、では、この辺りが、台場浜のトレンチが一体どういうところに位置しているのかといったことを整理いたしました。

これは、5ページにこの空中写真を載せてございますが、この台場浜のトレンチ、これのすぐ南側には、こういった滑落崖がございまして、そういった滑落崖のところをピックアップしてございます。

それで、滑落崖のところから、こういったすべり方向の地すべりの運動が想定されます。これは、左下は地すべりの模式図でございますが、滑落して、それでこうすべってくるわけですが、このすべるこの両サイド、側方のところでございますが、側方にかけて、この側方リッジというものが形成されます。

したがって、この側方の部分というのは、この圧縮領域に相当するということから、こういった背後の斜面からの地すべりにより、このトレンチ東端付近というのは、側方圧縮領域に相当することが考えられるのではないかというふうに考えております。

また、こちらの29ページは、地すべりの模式図、また実例でございますけれども、例えば右側の写真、これは地すべりの側方のすべり面の写真をお示ししてございますが、こちらが滑っている土塊でありまして、これがすべっていないところ、ここの境界には、高角なこのすべり面がありながら、だんだんだんだん離れるに従って、低角な、こういった剪断面があるんだという、そういったような模式図がございます。

30ページは、これは神戸の阪神・淡路大震災のときの地すべりの事例でございますけれども、おおよそ、この地すべりのこの辺りから見ているようでございまして、こちらの手前の道路は何も移動域ではないと。

向こう側が、側方の部分がこういうふうに盛り上がっておる、そういったような特徴が報告されてございます。私どもは、では、台場浜のトレンチといったものが、側方圧縮領域に相当するのではないかというふうに想定いたしまして、こういった地層短縮模型実験というものを実施いたしました。

こちらは砂堆積層でございますが、これを横から、側方から単にゆっくりと押すというものでございます。押し始めますと、まずこういった低角度、45度程度のこういったすべり面が発生いたします。

さらに押し続けますと、こういった45度の最初に発生したすべり面とは、さらに低角な、およそ30度程度の、そういった角度のすべり面が、この押しつけられたほうから共役方向に発生してくる、そういったような実験結果が得られました。

こういった実験の結果の様子というものは、18ページにおつけしてございますこのスケッチ、これは南側壁面でございますが、これがまず側方圧縮実験のすべり面、最初に入るすべり面と私どもは考えておりまして、そして、徐々に徐々に押されていくとともに、こちらはマッシブな輝緑岩でございますので、ここに押されて、そしてこの堆積層中に低角な30度程度の、こういう条線を有する剪断面がここに認められるのではないかというふうに考えております。

なお、ここにもし横ずれ断層等があるのであれば、横ずれ断層に特有のこの剪断面というものがここに入るはずであるというふうに、パームツリー状のそういった剪断面が入るはずだと思っておりますが、そういったものはないというふうに私どもは考えております。

以上が地すべりに関する検討でございまして、そういう理由で私どもは、この台場浜トレンチに認められる蛇紋岩中の面というものはすべり面であるというふうに考えております。

次に、ちょっとテーマが変わりまして、トレンチはここですが、台場浜のこの沖合の海岸の岩礁の付近について、少し御紹介したいと思います。これは36ページに、今回、海底地形調査を実施いたしました。

そうした際に、少しNS系の溝状の、こういったS字状の地形も見えるけれども、こういったのはちょっとどういうものだろうかという、そういった御意見もいただきましたので、その辺の検討に少し参考にならないかなと思って、この岩礁のルートマップ、それからあと、この1番から10番にかけて番号を打っております、ここのポイントにおける破砕帯の露頭を、少し整理をしてございます。

ルートマップを御覧いただきますと、全体が、この岩礁は頁岩が分布しておりまして、NS系のこういった筋、それから、少しNE系に振れたような筋、こういったものが認められてございます。

こういった筋が一つ一つ、どんなものかといったことを写真で33ページからおつけしてございます。例えば、この1、2、3という辺り、これは非常にもう固結したかちかちの露頭がこのように分布している頁岩中の破砕帯であるというところでございます。

それから、34ページは、4、5、6、7と四つ露頭を載せてございますが、これも頁岩中の破砕帯というところでございます。固結している破砕帯でございます。同様に、8から10番、こういったものが、この海岸の辺りでは同様に認められておりまして、こういった溝状の筋のようなものが、沖合では、ああいう地形の調査結果として見えているのではないかなというふうに考えております。

その海底地形調査をやった沖合では、海上音波探査を実施してございますが、このFo-1と書いたのは、FO-A断層というのが、ここから北西側にずっと35kmほど延びている断層がございますが、今回の調査でも、その断層の南端部に相当するFo-1という断層、このFO-A断層の南端しか認められませんで、こちらのほうには、問題となるような構造は認められませんでした。

では、38ページからでございますけれども、今回評価したF-6破砕帯の連続性・活動性について御説明させていただきたいと思います。F-6破砕帯の特徴といたしましては、走向がNNE~NNWで、傾斜が70度以上の高角度といった結果が今回得られてございます。

それから、破砕帯の幅も、1㎜から数十cm程度、それから角礫を主体として、湾曲しておる。変位センスも、破砕帯の変形構造からは右横ずれ変位成分が認められて、延長は、今のところ最大600m程度という情報でございます。

39ページが、その平面図に青線でF-6破砕帯をお示ししてございます。この山頂トレンチで認められた断層、これを13番ではなかったということ。それから、1番、3番、6番、ここでは認められたけれども、この延長後の陀羅山トンネルではなかったということで、最大、この緑の×と×の間の約600m程度というふうに考えております。

40ページは、このトレンチの全景でございまして、御覧いただいたF-6は、このやや東側のほうに位置するというところでございます。41ページが、その破砕帯の様子で、これは南側から北に向かって示しております。

破砕帯の幅が、非常に幅が広いところから狭いところに、こういうふうに幅が大きく変わるということ。それからあとは、この輝緑岩が向かって西側にあって、頁岩が東側にあるんですが、頁岩中には、こういったところに輝緑岩が少し取り込まれているところもあるというところでございます。

スケッチはこのようにお示ししてございますが、現地でも先生方に御覧いただきましたように、ほぼ水平方向の条線が認められました。最も直線性が比較的高いこの最新面の部分でブロックサンプリングを行って、薄片、変形組織の観察を行いましたら、やはり同様に右横ずれ成分の変形構造が認められました。

縦ずれは、参考程度かと思うのですが、逆断層となっております。ここで、エックス線分析を実施いたしました結果でございます。これを御覧いただきますと、これは不定方位の結果でございますけれども、エックス線回折の結果、高温下で形成される、中温から高温程度で形成される規則型スメクタイト/緑泥石の混合層粘土、それからあと緑泥石、あとPrehniteとか、こういったものが粘土鉱物として認められたという情報でございます。

47ページも同様に、不定方位で、これは同じような結果でございます。48ページは、定方位で一応やったということで、結論としては、同じ結論でございます。49ページでございますけれども、これは先生方に御覧いただきました陀羅山トンネルのところでございまして、50ページに、この4カ所の破砕帯を御覧いただきました。

この中で、43m付近が比較的直線性がまだ高いのではないかなというふうに考え、ここの粘土鉱物分析をやってみたところ、少しスメクタイトがそこそこ含まれるという結果が出てまいりました。

53ページは、DT-3というのは、陀羅山トンネルの試料、それからS1-1というのは、山頂トレンチの地質境界の破砕帯でございますけれども、非常に古いDT-3であってもスメクタイトは出てくる場合もあるなということで、S1-1というのは、それに比べては少し中温から高温程度のところで形成される鉱物が出てきたという結果でございます。

あと、その山頂トレンチの頁岩と輝緑岩の境界の破砕帯の部分につきましては、電子顕微鏡観察結果、電子顕微鏡観察も行いまして、最新面と思われる、このAというところを電子顕微鏡観察を行いました。

そうしましたところ、スメクタイト、緑泥石の混合粘土鉱物でございますけれども、この結晶が途切れずに、切られずに、こういった形で分布しておるというところを確認いたしました。

あとは、55ページからは、これは山頂トレンチで認められた破砕帯が、では北側はどうなのかといったところでございますが、13番というのは、100m掘っておって、出現深度は、およそ84mぐらいのところに出てくるかなというところでございますが、そういったところでは出てこなかったというところでございます。

南に下がって、№1、ここからは、11月2日の現地調査資料集と少し重なりますので、大体簡単に御説明させていただきますが、№1では、こういった120m程度のところに破砕帯が出てきて、ここで薄片観察を実施した結果、ここは右横ずれ成分、正断層成分というものが検出されたというところでございます。

それから№3、これは既往のトレンチの調査位置の真下を掘ったところでございまして、79m付近で破砕帯が出てきたということで、これも、右横ずれと正断層成分が読み取れるという結果が得られました。

それから、ここの部分については、既往のトレンチの部分でございますので、もう少しこの薄片観察を拡大した状況を、60ページから61ページにかけてお示ししてございますが、この最新面のところに緑泥石の脈が入り込みまして、その脈から、この最新面を貫くような、そういう横断するような脈が認められたというところを御報告させていただいております。

62ページも一緒でございます。№6のところに来ますと、この固結した状態になるというところで、陀羅山では認められないという、そういうことで評価をしてございます。

64ページは、これまで御説明した内容から、一つ一つの項目を整理し、したがってF-6破砕帯は最近の時代において変位を起こしていない、そういったものであるというふうに考えております。

あと、最後、その他というのを66ページにおつけしております。これは、私どもが3・4号の設置許可申請書につけているトレンチの展開図とか、あと、この全体のスケッチ、それからあと、北西側側壁のこのスケッチでございます。

私どもは、こういった、左上、右上、左下のスケッチでございます。前回の評価会合におきまして、渡辺委員のほうから、当社が作成したこのスケッチの部分につきまして、砂礫層のところ、ここに粘土があるんだと。

断層粘土がここまで延びておるというふうに示されておりましたが、これは、私どもは、この地層のちゃんと凡例で、ここはシルトであるということを記載して、図示しておりますので、これは断層粘土ではございません。

それで、あとは、だから砂礫層にまたこういった色、何か色をこういうふうに塗られているんですが、こういった状況が着色されておりますけれども、今後、当社のデータを用いて、独自に解釈される場合には、やはり私どもの原図と一緒にあわせて御検討いただければ幸いかというふうに思っております。

なお、私どもは、基盤岩上面の分布状況、これは拡大なんですけれども、ここの拡大部分というのは、ここの部分だけでございまして、ここの基盤岩上面というのは、挟んで大きな高度差はない。

そういったところから、私どもは、侵食地形によるものというふうに評価しております。以上で御説明を終わらせていただきます。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。それでは、まず、御質問があろうかと思いますので、あるいは、確認したい点等がございましたら。では、どうぞ。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
F-6断層の連続性というふうな点について幾つか聞きたいんですけれども、まず、40ページのところで、東に位置するという、トレースに比べて東に位置するというふうなことをおっしゃられていたかと思うんですよね。

ここで、トレースの位置から東にずれるということなんですけれども、このトレースというのは、さっき口頭でそういうふうにおっしゃられたかと思うんですけれども、多分そのトレースというのは、例えば4ページのところにある青線のトレースとかが多分それに該当するのかなと思うのですけれども、これって海抜3mのところでのトレースだから、ここの尾根の上でのトレースが、このトレースの場所とずれるというのは、全く不思議ではないのかなというふうに思ったんですよ。

それを含めて、実際にこのF-6がどういうふうに連続しているのかというふうなところが、まだ私の中ではイメージが湧かなくて、三次元的に。そこを教えていただきたいなというのがあるんですよね。

あと、幾つか、たくさんあるんですけれども、例えばボーリングの掘削の中で、№1かな、№1のボーリングと出てくるんですけれども……。

○島﨑委員長代理
すみません。何か御指摘の場合はページを言っていただけるとありがたい。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
すみません。ページ番号をメモっていなかったので。№1のボーリングってたしか、何ページでしたかね。56ページですね。すみません。56ページの№1というふうなボーリングがあるんですけれども、これの深度が120.1m~121.3mのところでボーリングで出てくると。

それで、掘削角度が70度というふうな形で書かれているので、どこであるかというふうなことは、これを計算すれば多分出てくると思うんですよ。同じようにして、№3とか№6でも、どこの深度で断層が出てくるかというふうなことはわかると思うんですけれども、その断層を何でF-6というふうに判断したのかということと、もう一つは、これ、掘進長135mと書かれているんですけど、なんでこの135mなのかということですね。

同じことは、多分№13というボーリングがあって、そこのところって、ボーリングコアの中で断層が見つからなかったというふうなことが書かれているんですよ。№13のこれは、このもともとの青線というか、もともとのこの海抜3mのところのトレースをそのまま延ばして引いちゃえば、多分これは出てこないだろうというふうに思うんですけれども、三次元的な形を考えたときに、この№13の掘削深度が、本当にそのトレースを検証する上で十分な掘削深度なのかどうかというふうな、そこがすごく疑問なんですよね。

その三次元的な形態を把握する上で、ボーリングの計画というふうなものをどういうふうに考えられたのかということをちょっと教えていただきたいなと思うんですけれども。

○事業者
今、先生のほうから御質問いただいたのは、まず、今回のこのボーリングの配置がどういう狙いでというところ、そこの基本的な考え方というところを御質問されているやに理解いたしました。

それで、私どもは、まず2ページにお示ししてございます。これが今回の調査をやる前の段階のF-6と称していた破砕帯でございます。このF-6破砕帯、従来、F-6としていた破砕帯につきまして、連続性及び活動性に関する調査を実施するようにという御指示を私どもは頂戴いたしました。

そういう意味で、まず、これが基本となるF-6のトレースということになります。これがここで出てくるのか、出てこないのか、そういったことをまずつかめるのか、つかめないのか。

つかんだ場合は、それが活動的なものなのか否なのかと。それを把握するために、今回、少し、これと重ね合わせはしておりませんが、通過を想定していたこのライン上にトレンチ、それからあと、電気探査やらボーリング調査、そして、通過する範囲が想定される山の山頂では、端から端までおよそ180mぐらいのトレンチを実施して、あるのかないのか。

それから、南のほうにおりてまいりますと、この辺りになってまいりますと、かなり既設の構造物が多うございまして、既に構造物があって、もう掘れないという箇所が多々ございます。

そういう構造物との干渉を避けながら、このF-6があるのかないのか。あった場合には、つかまえて、活動的かどうかということを確認するために、こういった№1、それから2、それから5や3、ここに3ページでお示ししているような斜めボーリングを実施させていただいております。

ほぼこの、例えば3番と4番なんかですと、これで合わされ、もう三次元的に直になっても抜けがない、ラップさせて投影すると抜けがないような、そういう配置は一応確認の上、必要な掘削延長というものは個々に設定してございます。

それからあと、そういう観点でF-6を何とかつかまえるということをまずは主眼に置いたボーリングの計画位置、長さとしてございます。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
ありがとうございます。なんでそんなことを思ったかというと、一応、今回、11月2日の段階で提出していただいた資料で、どこに来るのかという、その三次元的な何か座標とかを自分なりにちょっと計算してみて、本当にこれ、平面で、1枚の断層面で説明できるのかなということをちょっと計算してみたんですよ。

計算した感想としては、今の段階では、例えば、よく統計とかでブートストラップとかと言っているやり方で、データを1個抜いたらモデルがどれだけずれるかとかというふうなものがあるんですけれども、それの観点からすると、もうデータのとり方次第でいかようにも曲がって、断層面、任意の形になってしまうので、まだその押さえるという意味からいったら、三次元的なデータは不足しているなというふうなことが、まず一つですね。

それで、この中で、私、№1というふうなボーリングで出てきた破砕帯があるんですけれども、№1の破砕帯だけ、何かほかのボーリングのところから平面がえらくずれているなというふうな印象を持ったんですよ。

№1が入った形でデータを計算で求めてみると、何かそれだけすごく変な方向の結果が出てくるんですよね。そうすると、特にこの№1はそうだと思うんですけれども、ボーリングをもっと深く掘るべきじゃないかと。

実際、これ、そういうふうに考えてみると、№1のところで今見えている破砕帯というふうなものは、別途、F-6破砕帯に相当するようなものがあって、実はその破砕帯自体が、F-6だけじゃなくて複数あるのではないかというふうな、そういうふうな印象を持ったんですよね。

今後の調査の、それは№13でもそうなんですけれども、№13の中で、そこでボーリングコアの中から断層が見つからなかったから、そこには断層がないというふうなおっしゃられ方をしたんだけれども、それはちゃんとほかのデータと、多分これ、原発の敷地内でどういうふうに三次元的な形態が把握できているのかということをきちんと延ばした上でやらないと、掘削計画としてはちょっと不十分な掘削計画じゃないかなというふうな印象を持ったんですよね。

ちょっと今も多分、調査は進行中だと思いますので、そこはきちんとした調査をしていただきたいというふうなことです。あと、2点ちょっと教えていただきたいんですけれども、まず、この2ページとかに示されている、これまでの調査でのF-6のトレースというふうなものが、このデータがどういうデータに基づいてこのトレースを引かれたのか、どの程度このトレースを信用していいのかというふうなことが、ちょっとこのボーリングのデータと合わせたときにイメージが湧かなかったんですよ。

だから、どういう根拠でこのF-6のトレースというのが引かれているのかということですね。それから、もう1点は、最後にその他というところで出されたトレンチの中で、その断層の位置というのが押さえられているんですけれども、これ、三次元的に落とす場合には、今、多分これは敷地を造成するために全部削っちゃって、なくなっていると思うんですけれども、それが海抜何mのところにあったのかという、そこだけちょっと教えていただけますか。

○事業者
非常に貴重な御意見、ありがとうございました。私どもは、まだ引き続き中間報告をさせていただいた段階ですので、最終報告に向けてまだボーリング調査なんかも実施しておりますので、そういう御意見を踏まえながら、また少し必要な対応があるのかどうか、今のやつで十分なのかどうかは確認したいなとは思います。

それからあと、二つ目、どういう根拠でF-6は引かれたのかというようなのは、本日はこの2ページの、これは従来のF-6というところがやはりスタートになろうかと思うんですけども、従来のF-6で申し上げますと、やはり建設前でございますので、試掘坑、あるいはトレンチ調査、それから、多くのボーリング調査等を実施しておりまして、試掘坑ないしはトレンチなどですと、大体およそ走向・傾斜が、点情報ではございますが、一応、得られております。

そういったことと、あとは、この山の部分につきましては、この山の部分というのは、通過して、海岸沿いに我々が今までF-6と称していた破砕帯露頭がございました。今回やったトレンチの結果、あれがF-6ではなかったのかなというふうに考えているところですが、それは、当時はここに地すべりの地形があるということは、我々も考えておりまして、これが当時は、一応、何か断層運動の上盤がすべって下盤だけが残っているのではないかというところで、ここは通過する可能性があると称して、ここをずっと引いていたというのがこれまでのところでございました。

今回、やっぱり山の上で延長を幅広くトレンチをやらせていただきまして、出てきた破砕帯と考えますと、F-6というものは、こちらのトレンチの東側の付近だろうというふうに考えておりまして、ただ、これも今の現時点で得られているデータでございますので、今後、引き続きデータが日々集まっておりますので、この辺とあわせてまた検討したいとは思っております。

3番目の質問、すみません、ちょっともう一度お願いします。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
その他のところに示してあるトレンチの標高が何mかと。

○事業者
トレンチのこの肩が9.5とかですね。標高はおよそ9m程度でございました。そこから7~8m下がっておりますので、標高が恐らく0とか1とか、その程度のところがこの基盤上面じゃないかなと思っております。

○島﨑委員長代理
よろしいですか。正確な数字は後で御報告いただきたいと思います。それから、多分、要望としては、もともとのF-6と言われていた破砕帯を求めるのに用いられたデータの三次元的な位置と、今回の調査で得られた三次元的な位置を全部明らかにしていただきたいという、そういうことですよね。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
はい、そのとおりです。

○島﨑委員長代理
ほかに何かございますか。既に用意していらっしゃるので。

○渡辺東洋大学教授
ついでに、今の延長上で質問が幾つかあるんですが、昔のF-6の位置ですが、2号炉の西というんですかね、2号炉と3号炉の間のところも、ここのところは剥いで調べているはずだと思うんですけど、それも違うということなんですかね。

それで、意図は、そこまで違うとなると、そのほかの断層の位置も本当にいいんですかという疑問がどうしても出てきてしまうので、教えてください。

○事業者
もともと、ここのトレースでございますが、この部分は、現地調査のときにも山のこの谷筋を階段で上がっていただいたところでございますが、ここをぎりぎり、この切り取りがかかっているか、かかっていないかはちょっと微妙なところかと思っております。

基本的にここの谷筋というのは、建設当時というのは、ここで破砕帯があったとか、そういったところは情報としては記録はありませんで、まず、ここの試掘坑、それから、この水平ボーリングで破砕帯があったと、そういったような情報がこれまでの情報でございます。

ただ、今回御指摘がありましたように、この谷筋のところというのは、全部カバーするようにトレンチを掘っております。ですから、そこにあるのか、ないのかといったことは、今回の情報を踏まえて、我々は、今、青の、次のページですかね、次の4ページに示した、現時点におけるF-6破砕帯というふうに図示をしているところでございます。

○渡辺東洋大学教授
そこではなくて、谷ではなくて、2号炉の真西の辺りです。そこのところは、試掘ではなくて、全部剥いで調べているはずなんですが、そこの位置まで変わってしまっているというのを今問題にしているんですが。

○事業者
おっしゃられているここというのは、現時点でもそうなんですが、盛り土の部分でございます。剥いですぐ岩盤が出てくるようなところではございません。

○渡辺東洋大学教授
盛り土をしたということは、工事したんですよね。

○事業者
杭基礎です。

○渡辺東洋大学教授
えっ。

○事業者
杭基礎。

○渡辺東洋大学教授
杭基礎って何ですか。

○事業者
建物の下に杭を削るんですね。

○事業者
だから、剥いで工事を実施したということはございません。

○島﨑委員長代理
多分、どの部分で上面を剥いで岩盤を見ているかという範囲を、簡単でいいから、今言っていただければ、多分、その問題は解決すると思うんですが。

○事業者
この炉の周りの基盤検査を行うのに、この炉の周りを剥いで、岩盤をむき出しにして検査をしておりますので、そこは剥いでおります。

○渡辺東洋大学教授
すみません、渡辺でしたけど。何て言えばいいんですかね、39ページの2号炉の左に本坑という文字がありますね、小さい。その左側は、これ、絶対に剥いでいると思うんです。

これ、80年代の空中写真で、これを剥いでいるところだと思うんですけども、ここの位置まで変わってしまっているというのはなぜかということなんです、こういうところの位置まで。

ここも剥いではいないんですか。

○事業者
この試掘坑のところですか。

○渡辺東洋大学教授
そうです。この辺のことです。

○事業者
ここは試掘坑で、この位置は変えておりませんけれども。

○渡辺東洋大学教授
いや、変わっているんじゃないですか。

○事業者
いえいえ、変わってございません。

○渡辺東洋大学教授
全然ラインが違いますけど、39ページと2ページでは。2ページのほうは相当激しく屈曲した形で描いておられますけど、39ページのほうは何か滑らかにすーっと描いていますよね。

○事業者
おっしゃっているのは、この試掘坑の南の付近ということですか。

○渡辺東洋大学教授
この辺全体にトレースが動いているんですけども、そこは剥いで調べたところではなかったのですかということです。剥いでいないのであれば簡単ですけども、ここは剥いでいると思うんですが、写真を見る限りは。

○事業者
剥いだところというので、岩盤を直接確認しているのは、やっぱり炉の周りになります。

○渡辺東洋大学教授
しかし、写真にはちゃんと、剥いで岩盤が出ている写真が残っていますけど、80年代のカラー写真に。

○事業者
それは工事中の一時的なものなんですよね。

○渡辺東洋大学教授
一時的なもの。

○事業者
工事中の。一時的に白く見えていると思うんですけれども。

○渡辺東洋大学教授
白くないですよ。茶色とか、いろいろなしま模様が見えていましたけど。

○島﨑委員長代理
お名前を。

○事業者
電力中央研究所の佐々木と言います。先生がおっしゃっている空中写真と、私が見た空中写真と、ちょっと今、資料がないので同一かどうかわかりませんが、確かに工事中のカラー写真はあります。

それは私も見たことがあります。そこでは、その写真を600dpiでダウンロードして、物凄く拡大して見ますと、確かにしま模様には見えるんですけれども、その工事中の切り盛りの様々な、そんな工事で出てくるズリとか、そういったものの模様のように見えます。

○渡辺東洋大学教授
ということは、お答えとして、2ページと39ページは、トレースは違うのは確かであって、それは剥いだところではなかったので、今、詳しくわかって直したということでよろしいんですね。

○事業者
それも含めて、現在、2番ですとか、5番ですとか、そういったところでボーリングを行って、この今、破線でつないでいるトレースを確かめようとしているところです。

○渡辺東洋大学教授
では、2番目の質問ですけども、どうしても直線を描いて、そのまま地下につながっていく形で、どこかの水平面で投影しているわけですが、本当にそれでいいのかどうかということなんです。

先ほども似たような質問があったかもしれませんが、例えば、№13は、55ページでしたか、これはそこにあるはずだという形で掘っているわけですけども、そういう推定でいいのかですね。

ここに出てくるはずだという推定ですよね。それでいいのかというのが二つ目。それで、三つ目が、どうしてもかつてのすーっと続いたトレースに引きずられて、多少位置は変えておられますけども、ステップするという発想が全くないんですよね。

本当に、だから、このトレースで限定していいのか、どうもよくわからなくなってきたんですけども、これが違っていましたと言われると、もともとの出発点がどうも何か変なことになってくるので、教えてください。

○事業者
ステップということは、右横ずれですと、少しこちら側にステップしてくると思うので、よりこのボーリングにつかまえやすいんじゃないかなというふうに思っています。

○渡辺東洋大学教授
その図でいうと、№13より左側に行っちゃうことはないんですか。

○事業者
破砕帯そのものが、今、約600mとか、それぐらいの程度のものであって、この№13を飛び越えるような左横にいくのであれば、そういうようなステップというのは基本的にないんじゃないかなというふうに思っております。

○渡辺東洋大学教授
それは、理論的にないということでしょうか。調べたけど、ないということでしょうか。

○事業者
ですので、私どもは、これでそういう、この破砕帯の性状、規模、そういったものから、これで必要な範囲は調査しておるというふうに考えております。

○渡辺東洋大学教授
いやいや、関西電力さんがそのようにお考えなのはよくわかったけれども、本当はちょっと足りないんじゃないですかという質問なんですが。

○事業者
申し訳ありません。どこがどのように足りないのか、もう少し具体的に教えていただけると助かります。

○渡辺東洋大学教授
私も構造地質学的なことはよく知りませんけど、本当にここにあるものが、一つはこれでいいのかという話、これはおわかりだと思いますが、例えば、もっとこうなって、こうなるんじゃないかとか、いろいろなパターンがある。

もっとここに出てくる可能性はないのですかと聞いているんです。

○事業者
これはあくまで私の個人的な考えですけれども、数百m離れて、あの規模の破砕帯が№13を越えて、さらに西側に分布するということは、それは恐らく別の破砕帯と区別がつかなくなって、F-6破砕帯の延長と言えるかどうかという議論のほうが難しくなると思います。

○渡辺東洋大学教授
いや、わかっているんですけど、F-6がもう大分位置が変わっちゃっているわけですから、その辺に幾つか並走しているものがあって、それを全部含めてF-6と言うべきであるのであると。

もしかしたら、それがもう存在しているのではないかと。だから、全部押さえているのですかという質問なんです。

○事業者
現実問題、全てを丸裸に岩盤を出すわけにはいきませんので、全く外していないかと言われると、それは不可能です。ですので、現在、今問題となっているF-6の特徴というものを、これまでのデータなど、今回行っているデータで整理をして、F-6の特徴はつかんでいます。

その延長というのを考える上で、今、青線で引っ張っているというのが、最もリーズナブルでというふうな考えのもと引いておりますので、ほかの破砕帯全てを明らかにせよというのは、少なくとも科学的ではありません。

○渡辺東洋大学教授
僕は敷地内の全部をやれと言っているわけではなくて、もともとF-6はここにありますよという図があるわけですよ。そこの位置をどうして調べていないのかと聞いているんです。

まさに55ページの№13、それですよね。もともとのトレースは、どこかこの辺に引いてあるんじゃないですか。

○事業者
もともとのF-6に対しては、電気探査とか、あと、その電気探査の結果を踏まえた斜めボーリング、そういったもので必要な範囲はカバーしていると思っております。

○渡辺東洋大学教授
わかりました。関西電力さんはやったと思っているということですよね。

○事業者
もともとのF-6に対しては、やっておるというふうに考えております。

○渡辺東洋大学教授
ボーリングでちゃんと調べているという理解でよろしいですか。電気探査でカバーしているという意味ですか。

○事業者
電気探査、ボーリング、それから、御覧いただいた山頂のトレンチ、そういったもので私どもは十分だと思っております。

○渡辺東洋大学教授
関西電力さんは十分だとお考えということですね。

○事業者
そのように思っていただいて結構です。

○渡辺東洋大学教授
とりあえずは。

○島﨑委員長代理
失礼しました、島崎です。廣内さん。

○廣内信州大学准教授
地すべりについて、ちょっとお伺いしたいんですけれども、例えば、25ページとか26ページにその解釈図を出されていると思うんですが、まず、台場浜トレンチの一番東側で、輝緑岩と蛇紋岩の境界の部分についてもすべっていると。

これについては、すべっているということはいいと思うんですけれども、その延長ですね、45度ぐらいの断層については、ボーリングの16、17で押さえられているんですけども、その下の蛇紋岩と輝緑岩の境界についても、そのボーリングで幾つかの線で押さえられていますよね。

ここについて、どういうふうな地層の設置関係になっているかは記載されていないんですけど、これは断層関係なのか、それとも何か重なっているだけなのか、この辺はいかがかということをまずちょっと聞きたいなということです。

○事業者
電力中央研究所の上田と申します。まず、ボーリングのほうに関しましてですが、ボーリングにおきまして、例えば、ここにあります。ここに、先生がおっしゃる蛇紋岩と輝緑岩との境界が見られます。

基本的にこのゾーンが細片化しているということで、こちら側がかなりしっかりとした、まだ堅岩の状況で残っております。ですから、これ全体がせん断帯というふうに捉えることもできますが、特にこちらの部分ですね、そこの部分では徐々にせん断構造が激しくなっていると。

せん断の程度は激しいということは言えるというふうに思います。

○廣内信州大学准教授
せん断しているということですね。

○事業者
そうです。

○廣内信州大学准教授
それは、ほかの10、14、15のほうでも同じように見えているということでしょうか。

○事業者
ええ、基本的な構造は同じです。

○廣内信州大学准教授
そうすると、ここでトレンチの東端に見えたすべりがここへずっとつながっていて、ここもすべっているというふうにお考えということですか。

○事業者
ええ、連続していると考えています。

○廣内信州大学准教授
地すべりとして連続してここも動いたと。

○事業者
そうです。

○廣内信州大学准教授
そうですか。それから――まだちょっと、すみません、あるんですけれども、5ページ目のところで地形の写真が出ていると思うんですけれども、今のお話も含めて、地すべりが――先ほども地すべりの模式図なんかも出されたと思うんですけども、どの範囲からその地すべりがずれたというふうにお考えになっているのかというのをちょっとお聞かせ願いたいんですが。

○事業者
この滑落崖は、空中写真を見る限り、最近動いたような新しい地すべりではないので、物凄く古い地すべりのように見えます。そういったことから、はっきりと、ここからここまでのものがここにすべったというのはなかなか言いにくいものなんですけれども、少なくとも、今、滑落崖がこう円弧状に、馬蹄形に引いてありますが、その縁辺部には尾根が張り出していまして、そこはすべっていないように見えますので、この範囲の中のどこかというふうに思っております。

○廣内信州大学准教授
全体が一番、一番というか、その活動したものを直接反映しているのではなくて、一部分というふうに解釈されているということですかね。

○事業者
そのように解釈しております。

○廣内信州大学准教授
わかりました。ちょっとすみません、まだあるんですが。先ほどトレンチの中の波蝕面というふうに考えられているのが、ステージ7じゃないかというふうに考えられていたというふうにおっしゃっていたんですけども、一方で、この5ページのところでは、海成段丘面というふうに赤く囲われていますよね、トレンチのところ。

この地形面はいつの時代にできたものとお考えなんですか。

○事業者
地形面としては5eです。

○廣内信州大学准教授
トレンチの中の堆積物を観察すると、7に相当するとお考えになられている、だから、D層になると思うんですけども、D層はちゃんと波蝕面と、それに対応して海成層があったと。

それに対して、そうすると、その上位にあるはずであるステージ5eの堆積物はないにもかかわらず、地形は5eに対応されると考えられるというのは、ちょっと矛盾するんじゃないかと思うんですけど、その辺はどうでしょうか。

○事業者
確かに理想的な海成段丘であれば、地形の下に風成層があって、その下に海成層があって、波蝕面に来るという構造になると思うんですけれども、ここは背後から常にK-Tzの時代、つまり10万年前ぐらいから、ATの時代、3万年前ぐらいにかけて、常に土砂が供給されているような環境だと。

そういう中で、海岸沿いを見ましても、基盤の上面が削られている状況ですとか、そういった状況が確認できますので、そのもともとの大もとの地形面というのは5eの時代にできたんですけれども、その後の10万年~3万年にかけての堆積や侵食の影響でわかりにくくなっているといった地形面であるという特徴があります。

○廣内信州大学准教授
もちろんそういう解釈も考えられることはわかるんですが、一方で、海成段丘であるという地形をマッピングしているということは、その形状を認定しているということですよね。

だから、それは認定しているにもかかわらず、堆積物はなくて、それでしたら、もうほとんど斜面性のものの地形を認定するのが普通だと思うんですけど、僕も見ましたけど、確かに上に崖錐はかぶっていますが、一方で、海成段丘の形状を維持しているわけですよね。

海成段丘の形状を維持しているにもかかわらず、堆積物はなくて、その下の堆積物が認定されているというのは、これはちょっと論理としてはかなり飛躍するんじゃないかというふうに思うんですが、どのようにお考えでしょうか。

○事業者
現在、ピンクの形でここに一応塗ってはいますが、この水色が上に覆われているのが、現地でも御覧になられたように、何といいますか、もともと平らな面があったというのはわかるんですけれども、それをあえて認識して描くと、今、このように、ピンクのように相対的に平らな面ということで描けるということです。

○廣内信州大学准教授
ちょっとまだ何か苦しいかなと思うんですけど、あとは、実際、ステージ7のほうが6mで波蝕崖が出ているとおっしゃっているんですけど、それがステージ5eが一方で10メートル近いところに出ているわけですよね。

当然、隆起の傾向が一様に続いていれば、ステージ7のほうが高くなるのが常識的な判断ですけど、それが低い理由は何かありますか。

○事業者
そうですね。今、この絵で御説明しますが、確かに5eよりも7のほうが古いので、そういったことも考えられますが、今現在、この海面変動というのは、世界的にやられているものを考えると、5eと7とを比べると、一般的には7のほうが低いというふうに言われています。

海面が低い時期がある影響で、その隆起速度を差っ引いた分の6mに波蝕崖ができる可能性があるというのをこれは示しています。

○廣内信州大学准教授
仮にそうなれば、日本のほかの地域も同じ傾向になるんじゃないかと思うんですけど、そういうところって、別に日本のほかの地域では報告されていないですよね、ステージ7のほうが低いという。

○事業者
いや、例えば関東盆地ですね、ステージ5の海進の線を描いて、ステージ7の海進の線を描くと、7のほうが今の海寄りに来ます。そういったデータはあります。なおかつ、標高30数mぐらいの南関東での5eの段丘の背後には、比高数mでMIS7の段丘があるということもわかっていますし、宮崎平野でも同様なことが言われています。

これは別に決して特殊なことではありません。

○廣内信州大学准教授
MIS7のほうが低いということですか、関東でも、5eよりも。

○事業者
これはすごく簡単な計算なので、これ、計算していただくとわかるんですけれども、おおよそ、大ざっぱに言いますと、下末吉が30mを超えるとMIS7も段丘化するという速度、この速度になります。

それ以下ですと、MIS7が埋没してしまう。MIS7と5がオーバーラップしてしまうというのが、この海面変動曲線から得られる結果になります。

○廣内信州大学准教授
ここは隆起速度が小さいから、出てこないんじゃないかというふうに解釈されているということですか。そうですか。一応、わかりました。それから、そうすると、先ほど、どんどん背後から堆積物が供給されているということをおっしゃっていたんですけど、一方で、MIS7でもいいんですけど、そのD層がたまった以降に、トレンチ内での断層を動かすような大規模な地すべりがあったというふうに考えられているわけですよね。

やっぱりそれに対応するような堆積物ですとか、そういうものが一切残っていないですよね。もちろん背後から土砂が来たから削られたという解釈だということなんじゃないかと思うんですけど、お考えなのは。

だけど、そういうのが一切なくて、地形だけはしっかり残っているということについては、ちょっと矛盾を感じるんですが、その辺はどうでしょうか。

○事業者
解釈ではなくて、トレンチの中でも、実際にC層がD層を削り込んでいる様子も見られますし、あるいは、今――ちょっと現地できちっと御説明する時間がなくて申し訳ないんですけれども、D層の主部は切れていて、D層の一番上の土層に分けているシルト層には変位を与えていない。

それはちょっとスケッチを見ていただいてもわかるんですけれども、すみません、18ページです。D層の一番下に大きい円礫を含む堆積物があって、その上にちょっと細粒になって、さらに上に主にシルトからなる堆積物、これはD1-1層というふうに呼んでいるんですけども、これには変位を及ぼしていない。

つまり、このすべりというのは、D層堆積中に起こったものと。全てのすべり面がこのシルト層に覆われていますので、D層堆積中に起こったイベントというふうに考えていますので、これそのものが、もしかしたら、こういったすべり面に影響を及ぼす土石流の堆積物の証拠なのではないかというふうに考えています。

○廣内信州大学准教授
D1がですか。どれがでしょうか。よく見えなかったんですが。

○事業者
とりあえず、今、層相だけで、D1-1というこの一番上のシルトの層ですね。その下は砂っぽくなるのでD1-2、礫が明らかに円礫が入るのをD2と呼んでいるんですけども、D2からD1-2にかけて堆積中にこのすべり面がすべって、このシルト、D1-1と今呼んでいるやつに覆われていると。

○廣内信州大学准教授
D1とD2はほとんど時間間隙がないというふうに考えられているということですか。

○事業者
そのように考えています。

○廣内信州大学准教授
それは、直接その変位とあまり関係ないような気がするんですけど。

○事業者
今おっしゃった変位というのは、何の意味ですか。

○廣内信州大学准教授
変位というか、何ていうんですかね、まあ、いいや、ちょっと……。

○島﨑委員長代理
多分、今のお答えは、堆積物がないということに対するお答えですよね。

○事業者
堆積物がない……。

○島﨑委員長代理
要するに、いや、ごめんなさい。廣内さんが、地すべりだか何かを起こしたときの堆積物がないんじゃないかという御質問に対して、これがそうであると言われたと。そういう理解でよろしいんですよね。

○事業者
そうです。

○島﨑委員長代理
ごめんなさい。ちょっとお休みをしようかと思ったんですけど、やりますか。あと5分ほど、ちょっとお休みをいただいてよろしいでしょうか。すみません。4時までお休みということにしたいと思います。

午後3時55分 休憩午後4時02分 再開

○島﨑委員長代理
失礼しました。とっくに時間が過ぎているのを失念しまして、失礼しました。それでは、続けたいと思いますので、廣内さん、御質問はよろしいですか。

○廣内信州大学准教授
先ほどのMIS7の話だったんですけど、関東平野とかについては、ちょっと僕は事例をあまり把握していなかったものですから、また今後、ちょっとそういうデータをまた提供していただければいいかなとちょっと思っています。

それから……。

○島﨑委員長代理
お名前を。

○廣内信州大学准教授
廣内です。すみません。先ほどちょっと言ったことなんですけども、地形として海成段丘の形状があるにもかかわらず、そこに、例えば、地すべり性のものがないとか、それから、上から崖錐性のものが供給されているものが単純に覆っているように僕には見えるんですけど、そこのところをちょっともう少し、なぜその形状が残っているにもかかわらず、そこには物がないのかという説明をもう一度ちょっとしていただきたいんですけど。

○事業者
電力中央研究所の佐々木です。もちろん廣内先生も御存じだとは思うんですけれども、例えば、中位段丘をくくる場合に、この鋸崎の先端のように立派な波蝕台ですね、こういったものができ上がっていれば、それほど高度がなく、断面状にしゃきっと、この高度で波蝕台があったというふうに書けるんですけれども、例えば、背後に山がある場合ですとか、その斜面から出てきた崖錐などによって、若干背面が高く表現されたりする場合も、段丘面としてはこの背後までくくるというふうに思うんですね。

それが、今、この高い、低いの帯、桃色で示したこの帯になって現れるんですけれども、例えば、この高いところというのは、やはりこの背後に急斜面があって、背後からの、崖錐とはくくれないんですけれども、うっすらと乗っていて高くなっている様子がレーザーの精緻な標高データから得られますし、なおかつ、この低いところというのは、よく見ますと、ここの背後に地すべりがあって、ここから浅い谷がこう出ているんですね。

この浅い谷の部分は、やはり低く出ている。その浅い谷のところで侵食されていて、低くなっているという様子がよくわかります。同じ目でここを見ますと、確かにちょっと無理やりぎみなんですけれども、ここに中位面としてちゃんと、もともとは中位面だったんだろうなという平たんな地形がここにあります。

それをくくるときに、今のような背後からの物の供給ですとか、侵食ですとか、そういったものを全て鑑みて、分布の範囲としてはこういった範囲なんだろうなという意味で平面図上では示しています。

なので、それがこちらから、鋸崎のほうから追ってくると、一連の地形面に見えますから、中位段丘というふうにくくるのが普通だというふうに考えます。

○廣内信州大学准教授
もちろんそうなんですけど、そこに、ここでは結構大きな地すべりが起こったというふうに考えているわけですよね。しかも、それが面の離水以降に、ということですよね。

○事業者
面の離水前です。

○廣内信州大学准教授
離水前ですか。そうか、面は5eだからか。そうか、離水前にか。

○事業者
そうです。

○廣内信州大学准教授
なるほど、そうか。でも、ただ、そうすると、先ほどの問題に戻るんですけど、やっぱり5eの堆積物がないところにどうしても戻っちゃうんですよね。

○事業者
そうですね。もしかしたら、この今ピンクで塗っている面を詳しく調査すると、5eの堆積物が残っているかもしれません。それはもう否定しません。

○廣内信州大学准教授
トレンチのところだけ、局所的にそれがとられてしまったというふうに考えているわけですか。

○事業者
局所的にではなくて、ボーリング結果を見ますと、この11番のコアのところまで波蝕台が続きますから、おおよそ数十m、50mぐらい奥まで今のトレンチから入ることになります。

これだけ立派な波蝕面ですので、何といいますか、部分的にこういうのが削られたとかじゃなくて、やはりこの谷の流心の部分ではなくなったというふうに考えて、その脇で探せば、もしかして運がよければあるかもしれない。

もともと鋸崎のピットの結果を見ますと、5eの堆積物は50cmぐらいしかないものですから、なかなか見つけるのは大変だと思います。

○廣内信州大学准教授
ないものを言っても、堂々めぐりになっちゃうかもしれないんですけど、先ほどのお話だと、むしろ、5eの海進のほうがずっと大きいんだという話ですよね。大きいというか、ステージ7を覆ってしまうような海進があったわけで、当然、その堆積物がぴしっと入ってくるはずなんですけど、やっぱりそれが見えないことの説明をどうしてもそういうふうにつけることに、どうしても苦しい説明に聞こえてしまうんですけど。

○事業者
今の話は、私の頭の中で想像したわけじゃなくて、トレンチの中を見ても、このC層というのがK-Tzを含む層準、つまり、5eの海進の後の崖錐なんですけれども、この崖錐がそれなりに広く分布して、なおかつ、D層を明らかに不整合に覆っていて、この海岸露頭でも基盤岩までも覆っている。

つまり、この間に5eの海進があったんですけれども、このC層によって、このトレンチで見えているものというのは失われたというふうに考えても、何ら矛盾はないと思います。

○廣内信州大学准教授
ですから、トレンチ周辺だけ、局所的にとられてしまったと考えられているということですよね。

○事業者
この面の広さから、このトレンチの中が局所的かどうかというのは、これはちょっと……。

○廣内信州大学准教授
そうですね。局所的という言い方はちょっとあれですけれども、水色の範囲ぐらいではないということですか。

○事業者
全て調べたわけではないので、わからないんですけれども、地形からはそのように見えます。

○島﨑委員長代理
いいですか、この議論、終えていただいて。

○廣内信州大学准教授
はい。すみません。

○島﨑委員長代理
岡田さん、どうぞ。

○岡田立命館大学教授
岡田です。この図、きれいな等高線図を出されたんですが、全体に、私も写真判読をしてみて、こちらがちょっと高くて、こちらが低いかなという感じはしたんですが、意味があるのはこういうところですね。

旧汀線、こういうところ、これの分布、それから、ここだと新しい堆積物が覆っていますから、ここの旧汀線と思われるところですね。それが結構意味があって、ここら辺を比較するときに、そういう旧汀線の高さをずっと追うというかな、それはちょっとこの間、そういう指摘をしていたんですけど。

○事業者
ありがとうございます。旧汀線という意味では、こちら側の鋸崎に関しては、旧汀線と思われるところにプロットしてあります。それで、ここですが、旧汀線が残念ながら、後ろからの背後のものに覆われているので、下矢印でこれよりは低いだろうという意味で記しています。

この台場浜の付近では、辛うじてここで旧汀線かなというところで、今、13mぐらいの標高を得ていますけれども、値が、もしかしたらちょっと、もう分布が狭いもので、大分推論は入りますけども、13mぐらい、これは汀線っぽいなというのは、そこで落としてあります。

○岡田立命館大学教授
それで一番問題は、それから18ページですか、20ページの図ですね、先ほども出ていたんですけれども、最初、見たときに、もうきっとこれは気がついて、おおっと思ったんですが、不思議なことに、これ口があいているんですね、ここのところ、ちょっとね。

これは、普通の逆断層だと、ちょっと不思議だなという感じです。これが断層が、断層というか、すべり面がこういうふうに湾曲して、ほとんど水平になったということですね。

で、わからなくなる。それから、ここ、後で、一番これはコーナーで見にくいところだ、しかも雨が降っていたという条件下で、ここのすべり面ですね、意味があると思ったんです。

それは、きれいに、前の図ではちょっときれいじゃなかったので、それがきれいになってきて、実は現場で見たら、ここが非常にきれいな、鏡肌という、てかてかしたようなあれに見えたんで、そういう鏡肌の入り方ですね、ここの中へ、こういう、それは20ページの図でもそうです。

ここの、渡辺さんはここのところ、こういうふうに、すごく、何というのかな、くさび形のたくさんの面を、前のときに描いておられたんですが、私もここのところは、気がついて、上がきれいにくさび形に落ち込んでいる、だから普通に言えば、断層、くさび形に落ち込む断層なんですが、下を見てみると、ほとんど破砕部というか、粘土部がない、この辺のスケッチが非常に重要だと思います。

ここの下ですね、もうちょっと下部と、その上。で、現場で確かにここのところ、下のほうにほとんど、きれいな鏡肌は見えたけど、上のほうにあれっと思って、この辺のスケッチが、前回あまりきれいじゃなかったのが、きれいになったので、まあ、この図は非常に貴重というか、重要な決め手になると思っています。

ちょっと、コメントに近いんですけど、一番ここで断層らしく見えたのは、ここの部分で、私がA、B、Cと名前つけたら、Cの部分ですね。この辺の解釈のところが結構重要だと思いますけどね。

○島﨑委員長代理
ありがとうございます。前回は、ここのスケッチが出ていないということで今回出していただいて、大変よかったと思うんですけれども、実際、見に行って、もう少し調べたいというような御意見もあったんですけれども、その点はいかがなものなんでしょうか、皆さん。

○岡田立命館大学教授
それはもう、その確認、一番重要な、例えば、渡辺さんも断層というふうに言われてたのは、ここの部分だと思いますよ、ここと、先ほどの、南側のところね。

○島﨑委員長代理
私の質問は、さらに現地調査をする必要があるかどうかという御質問なんですが。

○岡田立命館大学教授
確認というか、もうちょっときれいに。この間、2日のあれは、雨が降っている、しかも何というか、汚れた条件下で、その辺の確認はできていなかったという……。

○島﨑委員長代理
さらに、もう少し掘っていただきたいというような御意見もあったかと思いますが。

○岡田立命館大学教授
それは、この下の、ここの部分ですね。地質の境界で、こっちが輝緑岩で、こっちが蛇紋岩というあれだから、その部分が本当に、こういう境界部がすべりやすい、地すべりでもすべりやすいし、いろんなあれで、すべりやすいんで、この部分は結構決め手だと思いますけど。

○島﨑委員長代理
御質問は、調査班の方は、もうこれでいいというのか、それとももう一度見たいというのかという、そういう質問だったんですが。

○岡田立命館大学教授
ああ、そうですか。ほかの方に聞いてください。

○島﨑委員長代理
島崎です。特になさそうなので、この間の調査で、いろいろ足りないところがあった、その一つは、今のスケッチなんですけれども、それ以外に、三次元的な位置というのは聞きました。

それから、火山灰のデータがちゃんとしていないというのは、一部出てきましたけれども、これはこの後出てくると期待すると。それ以外に何かありましたっけ、いろいろ廣内さんも言われていたような気がしたんですが。

そこら辺が、もしありましたら、整理して、少し、事業者の方にお願いというか、要求というか、どちらか知りませんけれども、いい機会じゃないかと思いますので、どうぞ。

○廣内信州大学准教授
僕が申し上げたのは、この、今のスケッチのところで、もう少し南東側かな、南東側に、もうぎりぎりのところだったもんですから、もう少し掘り込んでしっかり観察したいと。

上のところも、多分、ちょっと投影して出されたのか、ちょっとわからないんですけど、もう少し掘り込んでみたほうがいいんじゃないかなというふうに思いました。それからあと、申し上げたD層のテフラで、やっぱり今の海洋酸素同位体のコードの話だけで決着させるというのは、ちょっと乱暴な気もしますので、何かしら、テフラなんかでデータを出してほしいなというふうに思っています。

それからもう一つは、海岸沿いで、一つは頁岩と苦鉄質のところの上の上載層との関係については、ちゃんと見られていないというふうにおっしゃっていたので、それも見てほしいのと。

もう1個ありまして、前回、私自身、ちょっとよく見なかったんですけども、台場浜海岸のところで、一番北側というんですかね、これでいうと⑧という断層があったと思うんですけど、そこで上田さんと一緒にちょっと見ていて、地すべり性のものなんでということで、さっと過ぎてしまったんですけど、そこであとちょっと、スケッチを見まして、確かに正断層性のものが見えるんですけど、下のほうに見える、ここでは苦鉄と書いてありましたが、断層の走行というのは、トレンチで見ると断層の走行と結構近いものがあるし、なおかつ上載層を巻き込んでいる部分というのが観察できるスケッチになっていましたので、そこについて、もう少し、もし行く機会があれば見たいなと……。

○島﨑委員長代理
ごめんなさい、ページか何かを言っていただかないと、皆さん……。

○廣内信州大学准教授
これは今日の資料に、すみません、入っていないです。前回の資料ですと、42ページになるんですけど、これは誰もお持ちじゃないと思うので、この台場浜スケッチが入っている、海岸の資料、今日はないんですが、この場所について、もうちょっと……。

○島﨑委員長代理
すみません、前回の資料はどこかにあるんじゃないかと思いますが。ちょっとお待ちください、ありますので。

○廣内信州大学准教授
廣内です。ここで円弧状に、こういうふうにすべっていると描いてあるんですけど、一方で、この下にずっと断層が描かれていまして、よく見ると、これは途中、崖錐が入っていますけど、この基盤の高さというのがこの辺ですっと下がるようにも見える、ここにちょっとありますけど、これは非常に小さいもんですから。

こういう基盤の高さが本当に、ほかの先生もおっしゃっていましたけど、どうなっているのかという、そういうこととも関わってきますし、こいつが本当に単純な円弧状の地すべりだけなのか、こういうものが、断層活動を仮に起こしたとして、それに伴って、上が一緒にすべるということも考えられると思いますので、そこももう一回、ちょっと見ていただきたいというか、自分でも見れる機会があれば見たいというふうに考えています。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。ほかの方はよろしいでしょうか。どうぞ。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
調査をしたいというような意味でいうと、やはり、今現在、まだ自分の中でイメージが湧いていないというのがあるので、やはり現場に行って見たいというふうな気持ちはあります。

それで、ちょっと調査というか、ボーリング調査のほうのやり方で、ちょっと、先ほど深さが足りないんじゃないかというふうな話をしたんですけれども、破砕帯がどういうふうに連続していくのかというふうなことを、多分、今掘っている範囲内で、多分、こうだろうというふうなのは、ある程度抑えることは可能なのかなと思うんですよね、狭い範囲で。

それが狭い範囲で、隣に行ったら、ここに来るはずというふうなのを、これは今までのトレースとか、そういったものにとらわれずに、ちゃんと計算で多分ある程度出すことは可能だと思うので、その計算結果に基づいて、それをちゃんと求めてほしいなというふうなことと、あと、断層が三次元的にどういうふうに動いたのかというふうな情報が欲しいというふうに私自身は考えていて、F-6が、今、かなり台場浜のところに議論が集中していたという、前回もそうなんですけれども、やっぱり原発の敷地に影響を与える、与えないというふうな意味でいうと、やはりF-6がどう延びてくるのかというのがすごく重要だと思うんですよね。

実は、自分で計算――これ限られた情報で計算すると、計算の結果次第では、場合によっては、何か、2号炉の下のところに破砕帯の地表トレースが来てしまったりして、えっ、とかいうふうに自分では思った部分もあるんですよ。

だから、それが本当なのか、嘘なのかということが確信が持てなくて、それはきちんと、やはり計算で求めていただきたいということと、あとやっぱり条線の方向がどうなっているのかというのは、系統的な結果が出ているのかどうかということですね、あと多分、台場浜の東のへりのところで破砕帯が出ていて、私自身は、地すべりの可能性は否定できないというふうに思っていまして、古い断層面を、F-6自体が古い断層であるというふうな可能性も私はあるというふうに思っていて、それを利用して、それ自体が地すべり面になっているというふうな可能性もあるかなというふうな気がしているんですよね。

そうしたときに、断層面上に、どういう方向にすべったのか、それがほかのF-6のところで見られる条線と整合性があるのか、ないのかというところは確認していただきたいというふうに思っております。

あともう一点、すみません、たくさんあってすみませんけれども、これ、現場では、検層結果として、BHTV検層の結果を見させていただいたんですけれども、それ以外に掘削するときに、幾つか検層というのをやっているんじゃないかと思うんですよね。

例えば、電気検層だとか、あと、ガンマ線とか、いろんなことはやっていると思うんですけれども、そういった検層の結果というふうなものが、データとしてどうなっているのかという、まず一つは検層項目と結果がどうなっているのかというのも、ぜひ見させていただきたいなということです。

あと、ちょっと、私も構造探査とかの専門ではないので、わからないですけれども、検層の一つで、VSP検層と言われている検層があるかと思うんですよ。これ、基本的には地震計を穴の中に入れてやって、それで地面をたたいてやると、地下の構造がわかるというふうな方法なんですけれども、そういったやり方で構造探査することで、原発のボーリングの穴の部分だけじゃなくて、その周囲の構造までわからないかなというふうなのがあるんですよね。

前回、11月2日にいただいた資料の中では、電気探査の結果というのは示していただいたんですけれども、電気探査だと、やはり空間分解能とかというのが非常に限られていて、どこが断層で、どこが断層じゃないかというふうなことを議論するというふうな意味では、やっぱり、限られた情報しか得られないかなというふうな印象を持っていると思うんですよね。

それはそれで重要な情報だとは思うんですけれど、ただ何か、その検層結果をうまく利用することで、どこに破砕帯が通っているのかというふうなことは、きちんとやっぱり情報として出していただきたいと思っています。

○島﨑委員長代理
重松さん、どうもありがとうございました。いろいろありますが、もう一回行きたいという方が何人かいらっしゃいますので、ただ、全員が行くような、多分日程はとれないと思いますので、個々に行って、対応していただければ、そのようにさせていただきたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。

事務局のほうからも行っていただけるかと思いますので、ぜひそのようなことを考えて、さらに検討を進めていただきたいと思っています。地図か何かありますか。地図というか、簡単な敷地図の絵を見せていただきたいんですが。

それから、この間のトレンチの東のところをもう少し掘り進めてみたいという御意見があるんですね。それでは、もう少し掘り進めていただけますでしょうか。

○事業者
橋本でございますが、ここは自然公園の中でございますので、掘ろうと思いますと、県の自然公園の手続を必要といたしますので、若干、早急に県のほうに申請いたしますが、まずは、どの辺りという形で、少し計画をつくって、また見ていただきたいというふうに思うんですが、その辺、時間おとりいただけますでしょうか。

○島﨑委員長代理
ありがとうございます。今、お話ししたのは、このトレンチの東のほう、1m、2mと、そんなオーダーですか、もっと、5mとか。

○岡田立命館大学教授
それは無理ですよね。そんな深く掘るのは。物凄く大きくしなきゃ。まあ、1m。

○島﨑委員長代理
まあ、1mという、そんな規模を考えていますが。

○事業者
県と相談して、できるだけ自然公園法を免除していただけるような形で、早くやりたいと思いますので、また御報告申し上げます。

○島﨑委員長代理
御協力ありがとうございます。それから、やはりここがどうつながっているかというのは、今、非常に問題でありまして、一つは、三次元的なデータをちゃんとしてほしいというのはあるんですけれども、もともと今、F-6をやっている理由はなぜかというと、この中で一番長い破砕帯であるということがあって、それより短い破砕帯に関しては、この長い破砕帯が問題なければ、問題ないだろうという、そういうことでやっているわけですね。

ところが、F-6がどれかという問題も、今、多少ありますので、そういうことを考えますと、もう少し慎重に調査をすべきではないかと私は考えております。結局、ここの議論、このもともとの議論は、トレンチの調査の不備から始まったわけでありまして、現在、それから500mほど離れたところの議論で、なかなか結論が出ないという、そういう状況なんですけれども、できたら、もっと近いところを掘ってほしいということですね。

例えば、これが正しいかどうかわかりませんけど、F-6がここに出ているのであれば、ここを掘っていただければ、道路のところは別として、道路の南のところに、実は上載層が残っていると聞いていますので、ぜひここを掘っていただきたいと。

それで、ここは一種、ターゲットではありますけれども、実際、本当にここを通るかどうかは、問題があろうと思います。結局、このトレンチをどう解釈するかで、例えば、渡辺さんはもっとこっちを通っていますし、トレンチの片一方の面をちゃんと岩盤まで掘ってくれなかったということであって、そのために、破砕帯が事業者さんの言うとおりなのかどうかに関しては、やはり疑問が残る、調査の不備があったと思います。

極端な場合を考えますと、逆向きでもいいぐらいなもんですので、できれば、ここを起点として、こちら側に150mほど、反対側にも150mほど掘っていただいて、ここの状況をまず明らかにするということが、一番重要ではないか、私としては、皆さんいろんな御意見がありますけれども、やはり皆さんが、ほとんど一致してこうであるという形が、ぜひ最終的には欲しいと思っておるんです。

これだけやっても、何も出なければ、本当にこういうものがあるのかどうかということになりますし、一方、ここでトレンチで何か出るのであれば、恐らく連続しているのではないかという蓋然性が増してくると思います。

それから、すみません、さらにできることなら、これは多分時間がかかると思いますので、ここのところの破砕帯、あるいはすべり面でもよろしいんですけれども、それがどちらについているかということを、恐らくこれが断層の場合と、地すべりの場合では、かなり方向が変わってくると思いますので、あまり無理はあれですけれども、とりあえず、この東の端を皆さんが観察した後で、少しずつ掘り進めていただければというふうに思っていますが。

すみません、私、勝手な意見を申し上げたんですけれども、まず、委員の皆様から、そこら辺のことで、御意見をまずいただきたいと思います。

○岡田立命館大学教授
岡田です。先ほどの18ページと20ページかな、それが、結局、非常に決め手というのか、そこの中のすべり、私はすべりは確かにあって、それがどこまで伸びているか、伸びていないかとか、その上の、条線の向きですね、非常にきれいな鏡肌に見えたんです、現場では。

だから、その鏡肌の上に、どういう条線がついているか、ここですね、こういうものも一つ一つ、そういう条線のほう、これは現場でも見えるんです。ただ、時間的に我々が見たのは短時間でね、そこまで確認できなかったんです。

だから、こういう条線がどういうふうについているか、もう本当に、私が見たら、ここへ書いてあるように1㎜、2㎜というオーダーだったと思いますが、こっちは、きれいな、これですね、ここの辺、この地質の境界のところですね、これ、この面、この面、こういうところですね、それの上の条線とか、それから上の、礫の配列、石ころがどういうふうに長軸が向いているかというのは、非常に重要なことなんですけど。

○島﨑委員長代理
岡田さん、ありがとうございます。どうぞ。

○重松産業技術総合研究所主任研究員
すみません、今言われた条線ですけど、私も非常に重要だと思っていまして、敷地内のF-6での条線の方向をきちんとはかるということと、今言われた条線の方向をきちんとはかるということもそうなんですけれども、どっち方向にずれたのかというふうな、その見方って、たしか朝倉書店から構造地質という教科書が出ていて、その中にはちゃんと書いてあった記憶があるんですよ。

だから、そういったものを参考にしながら、可能であれば、ちゃんとずれの方向というのも判断していただきたいと思っています。今まで、関西電力さんのほうから出てきたあれだと、いきなりブロックサンプルをつくるというふうなやり方でやっているんですけれども、ブロックサンプリングでやると、非常にこれ、手間かかるって、私もやったことあるのでわかるんですけれども、これは非常に手間かかりますよね。

で、本当に必要なところはブロックサンプリング必要だと思いますけれども、まずは、ちゃんと観察して、ちゃんと教科書に出ているようなやり方で、ずれの方向を判断していくというふうな形にしていただきたいと思います。

○事業者
電力中央研究所の上田です。条線の方向性につきましては、トレンチの中で、まず基本的なすべり面、それから剪断面につきまして、初期的な検討というか、情報のデータの収集は行っております。

こちらですけども、まず、この上の2列、これが、蛇紋岩の中の条線の方向性を示しております。例えば、ちょっと遠くて見えづらいんですけども、この大円ですね、この弧を描いているところ、これがすべり面の方向を表しています。

おおよそ西傾斜のものが多いということが言えます。さらに、小さくて申し訳ありませんけど、こういった、弧の中に、点を打っております、そして数字を書いておりますけども、これが条線のプロット、点でございます。

多くの場合、この西傾斜のすべり面に対しまして、このプロットする位置というのは、鉛直よりも、やや、この図でいきますと南側、すなわち、条線の方向性からいきますと、こういうような東北東・西南西方向の条線が多いということで、例えばここで逆断層的な変位を見られましたけども、こういった逆断層的なセンスを全部しているというふうに考えますと、逆断層センスプラス右横ずれ的な成分も有しているということが言えます。

それから、下のほうの条線でございますが、これは堆積物中の条線でございます。これにつきましては、例えば、壁から逆に東傾斜のせん断面がございましたし、水平に近いものもございました。

そういったものは、全てプロットしておりますけども、堆積物中ですと、逆の西傾斜を示すもの、東傾斜を示すもの、それから条線の方向も若干乱れてくるということで、やはり堆積物中のものに関しましては、動きはかなり複雑になっているんではないかなというふうに考えております。

以上です。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。ほかに何か。

○渡辺東洋大学教授
渡辺です。ちょっと、島﨑先生に質問ですが、今日、関電さんを呼ばれたのは、追加調査を依頼するために呼ばれたんでしょうか。

○島﨑委員長代理
今日、関電さんをお呼びしたのは、御説明を求めるためです。

○渡辺東洋大学教授
いつの間にか、希望を述べて、こういう調査をしてくださいという形になっていますが、それはいつまでやるんでしょうか。

○島﨑委員長代理
こういう調査をしてくださいということの一つは、前回の調査で不十分だった点ですね。それは皆様、いろいろ前回の後で言われていましたので、この機会にお願いしたらよろしいのではないかと思っています。

それはそういうことですね。

○渡辺東洋大学教授
テフラの年代その他はいいとして、あと、委員の方で現場をちゃんと見ていないという方が、もう一回行くのはいいとして、これ延々と希望を述べていって、いつまでにこの決着をつけるのでしょうか。

○島﨑委員長代理
最終的な決着をどういう形にするのか、私も頭の中にはございませんが、調査の途中で非常に重要なポイントが出た時点で、こういう会合を持つことができると思っています。

持ちたいと思っています。

○渡辺東洋大学教授
私は、やっぱり今、大飯が現実にもう稼働しているという状況で、その稼働に関して、活断層の面から危険性がないのか、それとも、ないとは言えないのかと、そこのところをスピード感を持って判断するのが、この委員会のミッションの一つだと私は思うんですが、それはいつまでやるのか、何か、ずるずるといきそうな気がして、非常に心配なんですけど。

○島﨑委員長代理
今、問題になっているのは、活断層であるかどうかという問題でありまして、それは共通の認識だと思っています。これまでいろいろ議論を聞いている限りでは、結局、その決着はいまだついていないというのが私の判断です。

○渡辺東洋大学教授
わかりました。しかし、例えば敷地の南のほうをやる意味がどこにあるのかとか、例えば、問題になっているのは台場浜のトレンチで、あれが断層なのか、地すべりなのかという議論かあって、活断層ではないと言った方は1人もいないわけですよね。

それで、あれがなぜ問題かというと、敷地内に入ってくることが問題、それは一番問題ですけども、それ以前に、あそこの緊急取水路を横切るというところが一番問題なわけで、そこのところを詰めればいいのではないかと思いますけど。

○島﨑委員長代理
もう一つの問題は、その延長がどこへ行くかということであって……。

○渡辺東洋大学教授
それも、もちろん問題ですが、現状で、台場浜に大きな、はっきりしたずれが見えていて、それが緊急取水路の下を通過する可能性があると、皆さん見ているわけですから、それは非常に重いんじゃないかと思いますが。

それとも、ほかの方は白だとおっしゃっているんでしょうか。

○島﨑委員長代理
申し上げたいことは、大飯が現在稼働しているということに関しては、むしろ規制委員会で議論すべき事項だと思っています。ここでは、科学的に観察できたことが活断層なのか、地すべりなのか、あるいは破砕帯がどこを通過しているのか、そういうことを評価する場であると考えていまして、その評価が今のところ決着していないというふうに私は考えていますので、それを決着するには、もっとはっきりした、恐らくこの調査は、保安院のほうから、追加調査という形でされているわけですけれども、そもそもその前提がF-6という破砕帯が一番大きい、長い破砕帯で、これを調べて問題なければ、あとは問題ないという、そういうスタンスから始まっているわけですけれども、そのスタンス自体が今や問題になっているというのは、私の認識です。

そういうことをつらつら考えますと、やはりもっと、もともと問題の発端であったトレンチに近いところでトレンチをすることが最良である。今、500mも北に離れているから、どのように続くのかという問題が出てくるわけですけれども、もっと近いところで掘れば、どのように角度を曲げても、その範囲には限りがありますので、必ず、この破砕帯、あるいは断層がもし現れるならば、それが発電所のどの部分に影響を与えるかは、非常に明瞭であると私は思っていますので、ぜひそういう形でこの問題を、恐らく誰が見てもそうであるという形で決着がつくと考えています。

○渡辺東洋大学教授
質問ですが、そうすると島﨑先生は、F-6に関して、あるいはF-6の近くにある断層に関して、白か黒かの決着をつけるんだということでしょうか。そこまでやるということでしょうか。

○島﨑委員長代理
今、言われているF-6というのは、どのF-6なのかがわからないのですが。

○渡辺東洋大学教授
だから、原子炉の近くに確実な活断層があるか、誰もが認める活断層があるのか、誰も活断層はないと認めるか、そこまでやるということなんでしょうか。

○島﨑委員長代理
そこまで必要だと私は考えています。

○渡辺東洋大学教授
グレーはあり得ないという形で、そこまで――すみません、ちょっと黙っていてください。グレーは認めない、白・黒ちゃんとつけると、そこまで時間をとってやるという、そういうおつもりでしょうか。

○島﨑委員長代理
白・黒というのは、やや情緒的なものになってしまいますけれども、今、ここに5人の委員がいるわけで、この5人の委員が一致して結論を出すということが僕は望ましいと思っていて、今のところ、その結論が得られていないわけですけれども、その原因の一番は、我々が非常に限られたデータで議論をしていることにあると思っています。

ですから、非常にすぐれた方は、限られたデータでも直感的というか、すぐれた能力によって正しい結論を得るかもしれませんけれども、一般的なレベルというと語弊がありますけれども、ここで学会で選ばれた方々が、みんなが納得するような、そういう結論が重要であると、私は思っておりますので。

○渡辺東洋大学教授
それが重要だということは、大変私もよくわかりますが、例えば、前回の地すべりかどうかで、大分紛糾、それが非常に目立ったわけですけども、実は活断層ではないとおっしゃった方は1人もおられなかったんですよ。

先生のまとめにもそう書いてありますけども、そこで、もう明らかに、それは本格的な調査に移すべきだと私はそういう悠長なことを言っている場合ではないんじゃないかと思うんですが、私はそう進むのかと思っていましたけども、今の島﨑先生の意見だと、はっきりするまでとことんやるんだと、そういう理解でよろしいですか。

○島﨑委員長代理
とことんやるというのは、あれですけれども、やはりはっきりさせたいと思います。この問題はね、そんなに本来、高級の、学術的に難しい問題ではないと私は思うんです。

要するに、ちゃんとしたデータがあれば、みんなが一致する結論になるんですよ。そのデータがないというのが私のこれまで見てきた、この会議の私なりの印象であって、限られたデータで議論するから、ある意味、決着がつかないのであって、ちゃんとしたデータが得られれば、みんながそうだっていう、非常に簡単な問題だと僕は思うんです。

○渡辺東洋大学教授
それが、今の状態で動かしたまま調査が可能だということでしょうか。

○島﨑委員長代理
動かす、動かさないは、今、ここの議題ではございません。

○渡辺東洋大学教授
実際に、南で掘るとおっしゃいましたけども、それが実際に掘れるのかどうかですね、みんなが納得いかなかったら、どこまで掘るのか。

○島﨑委員長代理
これは事業者に聞かないとわかりませんけれども、私としては、止めようが、止めまいが、それに関わらず、掘ってほしいということを申し上げています。

○渡辺東洋大学教授
一番最初の事前会合のときの話と大分違ってきたという印象を私は持っているんですが、要するに、先生は、はっきりしていないから、みんなが納得するところまで調査をやるんだと、そういう理解でよろしいですか。

○島﨑委員長代理
はい、そうです。

○渡辺東洋大学教授
わかりました。

○岡田立命館大学教授
一番最初に、二つあれが、何というか、今回の会議の取りまとめというか、あれがありましたよね。一つは、これはあくまでも科学的なあれを求めているだけであると。それもう簡単に言って。

だから、今のような、野次がいっぱい飛んでいる議論は、ここの議論のあれではなかったんです、最初から。2番目は……。

○島﨑委員長代理
すみません、雑音には関わらず御発言をお願いします。

○岡田立命館大学教授
はい。それで2番目は、透明性とかあれとか、前にいろんな自分の意見や何かをしていない人に、学会で選んでくださいということだったんですよね。だから、以前の、いろんなしがらみというか、あれをない人を学会に求めてこられた。

で、選ばれたと理解しています。

○島﨑委員長代理
そのとおりですが。何か御意見というか。何か、ちょっと白けてしまったようで、意見が続かないのですけれども、十分もう議論を尽くしたということであれば、これでおしまいにしたいと思っています。

よろしいでしょうか。ごめんなさい、岡田さんから何か、いただいていますけれども、あれは後で皆さんが確認すればよろしいというようなことでしょうか。

○岡田立命館大学教授
もう、ちょっと疲れたですね。えらい、いろんなあれで。これは私の理解で、こういう、いろんなマスコミなんかで報道があるんだけど、基礎的、共通認識は何だろうかということを、私はここら辺、共通認識だと思って、自分なりにまとめて、もし間違いだったら訂正してくださいというふうに思って出しました。

○島﨑委員長代理
ありがとうございます。どうぞ。

○渡辺東洋大学教授
岡田先生の参考資料に、最後に幾つかコメントさせていただきますが、一つ、ちょっと誤解がひょっとしたらあるかなと、私の説明が非常に悪かって、誤解があるかなと思ったのは、私は、地震発生層と呼ばれるような、非常に深いところから地面を切るような活断層があると言ったわけではありません。

したがって、ある意味、断層だけを見たときには、先生がおっしゃっているものと同等のものを私はイメージをしていると思っています。したがって、この変位が小さくて見られないとか、それから、10万年以降動いていなくて、最大間隔が10万年、その最大間隔の概念が当てはまるものではないと思っています。

あと、それを踏まえて質問が二つあります。一つは、露頭で見たときに、断層粘土がない、その他で、断層ではないと、地すべりであるというふうにおっしゃいましたけども、どうしてそのように言えるのかを教えていただきたい。

それからもう一つは、地すべりだとすると、70度以上の、非常に急な――70度ぐらいですかね、非常に急なすべり面なんですけども、それに対応する地すべり地形は、実は見えないんですね。

それは、どこにあるでしょうか。先ほど、関電さんの図にいろいろ地すべりが描いてありましたけども、あの中には該当するものはないはずなのです。それがどこにあるでしょうかと、二つ教えていただければと思います。

○岡田立命館大学教授
1番目は何でしたっけ。2番目は確かにあそこの、今、18ページとか、20ページに出ていたと思いますが、私も現場で確認して、あれが結構、高角度で、ちょうど地質の境界だったですね。

だから、東側は輝緑岩、西側は蛇紋岩、その地質境界。で、その地質境界がどういうふうに入っていくかは、だから、もう少し深いところをちょっと確認する必要があるということを言ったんです、先ほど。

○渡辺東洋大学教授
そういう質問ではなくて、あれを地すべりとされる場合に……。

○岡田立命館大学教授
今、ここに解釈は入れなかったつもりなんです。ここは共通認識はこういうことかというんで、解釈、規模とかいうのは、書いていないです。このメモには。それを抜いて、ここまでは共通認識じゃないですかと言った、現場で、こういうすべりの方向とか角度だとかその粘土幅はどれぐらいだとかいう、それを、だからここに解釈は書いていないと思いますけど。

○渡辺東洋大学教授
わかりました。すみませんでした。地すべりと断定されているわけではないという理解で……。

○岡田立命館大学教授
だから、こういう解釈で、共通認識はここら辺まででしょうという。だから、まずはそこのところは、これがもう一番基礎なんですが、これが間違っているなら、先に進まないですから。

○渡辺東洋大学教授
すみません、質問はこれはまあ、私もそう思っていますが、だから地すべりだと言っておられるわけではないということですね。

○岡田立命館大学教授
だから、私は地すべりの専門家じゃないから、そういう人も含めて、ちゃんと見てもらったほうがいいんじゃないですかと言っているんです。前回もそういうふうに冷静に、これはもう我々そのものが学会から推薦されたので、こういう専門家もいる、やっぱり餅は餅屋でね、いろんな見方、ここのところをこう見るとか、ここを見なきゃいけないんだとかいうあれは、やっぱりそれは地すべりの専門家だったら、指摘できたりできるから、そこのところまでは、私が言ったところで、渡辺さんは信用しないんでしょうね。

だから、専門家に、学会にすべきじゃないですかと言ったんですよ。

○渡辺東洋大学教授
わかりますが、要するに、2番目に関しては、ちょっとお答えが返ってこなかったと。1番目ですが……。

○岡田立命館大学教授
高角度の部分がどういうふうに入っているかということですか。それは、ボーリングとか、そこのところを掘ればすぐわかるんじゃないですか。だから、今、要望を出したということです。

○島﨑委員長代理
断層粘土の話だったと思いますが、違いましたか。

○岡田立命館大学教授
断層粘土がなかったら、すべっていないかということですか。基盤岩石の中で、ほとんど何もすべり面とか、粘土がないのは、私は今まで見たことがない。

○渡辺東洋大学教授
それは、しかし、前回も申し上げたんですけど、深溝断層が小さい断層だとおっしゃいましたが、あれは大きな断層であって、私がイメージしているのは、近くで褶曲したことによって、層面すべりを起こす、そういうものがここにあるのではないかということなんですよ。

ここでは層面すべりではなくて、古い断層を使ったすべりがあるから、その場合に、断層粘土がないその他が、だから断層とは考えにくいという、そういう判断にはならないのではないですかという質問です。

○岡田立命館大学教授
だから判断は、そこはしていなくて、そこのところへクエスチョンマーク、あれしているじゃないですか。だから、ここのところを書こうと思ったけど、書いちゃいけないと思ったから、解釈のところは書いていなくて、共通認識はここでしょうというところまでをメモとして出した。

○島﨑委員長代理
多分、このメモは皆さんの共通認識であって、事実に近いところを書いてあって、解釈は書いておりませんと。ただ、渡辺さんは、前回のその解釈を聞いているので、つい、それとの結びつきを質問したということだと思います。

○岡田立命館大学教授
こういうところとか、例えば蛇紋岩がどういう性質を持つとか、それから地すべりはどういう特徴があるとかなんかいうことは、私が言うよりも、いろんな、そっちの道の専門家がちゃんと説明してくれたり何かしたほうが、やっぱり説得力というか、あれがあると思います。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。それでは、先ほどお願いした件について、事務局のほうからお願いします。

○小林管理官
規制庁の管理官の小林でございます。私のほうから、先ほど島﨑委員が言われたように、現地調査でございますね、これは、全員揃わなくても、皆さんお忙しい先生ばかりなので、少人数に分けた現地調査の実施、これは特に、台場浜のトレンチのところですね、まさに断層か地すべりかといったところを、これは事業者のほうに、少し深掘りさせるとか、そういうところを少しあらわにしてから、それから見ていただくということで、これは至急対応したいというふうに思います。

これは、スケジュール調整の上、皆様宛てに御連絡したいというふうに考えてございます。私からは以上です。

○島﨑委員長代理
ありがとうございました。私からのお願いは、それが終わった後で破砕帯を掘り進めていただきたいということと、それから南側のトレンチ、これはすぐ着手していただきたいと、時間がかかると思いますので。

そのようなお願いを申し上げます。そして、次回の会合は調査次第、非常に重要な成果が得られた段階で開きたいと、このように思っております。事務局、これ以外に何かございますでしょうか。

○小林管理官
いつもどおり、資料につきましては、机上に置いたままで結構でございます。私どもから郵送させていただきます。今、島﨑委員がおっしゃいましたように、今後の日程については、調整の上、別途御連絡させていただきます。

委員会のホームページにも掲載させていただきます。事務局からは以上でございます。

○島﨑委員長代理
どうもありがとうございました。これで、第2回の評価会合を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

以上

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