東電会見 2012.7.26(木)18:00 ~
トラブル報告なし。原子炉に注水している水を冷凍機で冷やしている関係で格納容器の温度が下がったため、汚染水増加量を減らす観点で明日から1号機 0.5、2,3号機 1m3/h 給水系から注水量を減らす旨の報告。
本日のメインは福島県の自治体と通報連絡に関する協定の新たな締結と従来の協定の改訂に関して。新たな締結は、田村市、南相馬市、川俣町、川内村、葛尾村、飯舘村。改訂は再稼働時の通報など必要のない条項を削除する等。
質疑 東京新聞:通報連絡協定*→ファクタ:通報連絡協定*→NHK:通報連絡協定*&1号機バルーン調査→朝日新聞:APD偽装&違法請負→ニコニコ:吉田所長取材&ビデオ会議映像公開(*は冒頭報告)
○プラント
○環境モニタリング・サンプリング
○その他
○報道
■福島第一の状況
○松本:
[原子炉および格納容器の状況]
1~3号機までCS系、給水系からの注水を継続中。
[圧力容器下部温度、格納容器圧力と水素ガス濃度]
記載の表の通り。なお、原子炉注水、格納容器の状況について2点ほど連絡がある。格納容器の窒素ガス封入だが、本日、窒素ガス供給装置PSA4号があるが、そちらのフィルター清掃のために11時10分~50分の40分間、装置を停止している。
この間、PSA3号による窒素ガス封入は出来ているので、窒素ガス封入は今止まっていない。原子炉への注水だが、7月17日に水源としているバッファタンクに冷却設備をつけて注水温度の低下作業を行なっているが、その結果、圧力容器の温度が順調に下がってきたので、明日から注水量の変更操作を行う。
先ず1号機については0.5m3/h、2号機、3号機についてはそれぞれ 1m3/hずつ、給水系からの注水量を減少させる予定だ。
その後、温度の制定状態をよく観察したあと、2号機と3号機についてはさらに、CS系からの注水量を0.5m3/h程低下させる予定だ。従って現在の予定だと1号機は0.5、2号機、3号機はトータルで1.5m3/hほど注水量を減少させていく。
こちらに関しては、温度が下がってきたこともあり、高濃度温泉水を発生させる量を低減させる効果を狙いたいと思っている。
[使用済み燃料プール]
1~4号機まで循環冷却継続実施中。プール温度は記載の表の通り。
[タービン建屋地下溜り水の処理状況 ]2
号機から雑固体廃棄物減容処理建屋への移送は24日に停止移行中断中。3号機の雑固体廃棄物減容処理建屋への移送に関しては継続実施中。6号機タービン建屋溜り水屋外仮設タンクへの移送は、本日10時から16時の間で実施した。
[水処理設備および貯蔵設備の状況]
については変化ない。サリーでの高濃度汚染水処理を続けている。
[その他]
その他の工事状況に大きな変更はない。
■環境モニタリング・サンプリング
南放水口での海水サンプリング結果、毎日実施しているが用意できている。(http://j.mp/Qa6TqB)セシウム134/137、全βに関しては検出限界未満という状況。
■福島県の自治体と通報連絡に関する協定の新たな締結と従来協定の改訂
プラント状況に少し関連するが、★福島県の自治体と通報連絡に関する協定の締結があったので連絡させていただく。これまで何かトラブル、事故等があった際には、福島県、地元自治体に通報連絡協定を結んで連絡していたが、
これまでの対象になっていない8市町村とも今後、こういった通報連絡協定を結び、事故、トラブルがあった際には連絡させて頂きたいと思っている。追加される市町村についてはプレス分(http://j.mp/Qa5FMg)一番下の所に、
8市町村と書いている。田村市、南相馬市、川俣町、川内村、葛尾村、飯舘村に関しては、今回、新規締結させて頂くという事と、広野町と浪江町に関しては、原稿の通報連絡協定の改定ということで対応させて頂きたいとおもっている。
★★なお、福島県と立地4町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町の各町とは、これまで結んでいた通報連絡要項の見直しという形で対応させて頂いている。こちらに関しては福島県、立地4町に関しては、昨日改訂、本日より施行させて頂いた。
いわき市とは、昨日協定の締結、本日から施行となっている。残り市町村とは準備ができ次第、締結し、施工していきたいと考えている。2ページ目以降に添付資料で協定書案をつけている。ここのところの冒頭の市町村名のところに、
当該の市町村名が入る状況だ。プラント状況については以上だ。
■宿題回答
昨日の会見でテレビ朝日(松井記者)から質問があった2号機におけるこれまでの最大炉注水量だが、こちらに関しては2月中旬に温度計のトラブルがあった際に、
注水量を増加させたことがあり、CS系と給水系のトータル総量として17.7m3/hで注水した実績が過去最大だ。本日私からは以上だ。(7分)
■質疑
○東京新聞 みやお:
通報連絡協定だが、いわき市とは別に8市町村在るという意味だよね?
○松本:
その通りだ。
○東京新聞 みやお:
旧市町村と新規なり、改訂ということか?
○松本:
ハイ。順次、説明させていただくが、元々安全協定というものがあり、それに基づいて定める通報連絡要項の改訂をしたのが福島県と立地4町さん。それから、元々周辺自治体ということで、広野町と浪江町に関しては通報連絡協定がもともとあり、その改訂をさせていただいた。
# 立地4町が、どうしてもリッチ4町に変換されてしまう…。あながち間違いでもないよなと思いつつ。
それから、いわき市、田村市、南相馬市、川俣町、川内村、葛尾村、飯舘村の7市町村が今回新たに通報連絡協定を結んだ状況だ。
○東京新聞 みやお:
わかりました。後、改定の内容を説明して頂けるか?
○松本:
改定の内容については(http://j.mp/NWWRvL)通報連絡対象の整理ということで、★★第一条の所に連絡事項という形になっているが、個々に定期的に連絡する事項と、事前に連絡する事項という形で2つに分けたことが1点。
それからいわゆる原子力災害特別措置法に基づく十条通報、十五条通報に掲げる事態が発生した場合には、直ちに連絡することが2点目。それから使用済燃料プールの冷却の停止とか、廃止措置に伴う事項、
それから震災後、今回の事故以降の発電所の状況に関する通報連絡事項という形で追加している。★発電所の建設運転、原子炉の起動に関する事項に関してはこれまであったが、全て削除している。
# 未来永劫起動することはないし。こういうところで未来永劫使えばいいのに。ぶーちゃん。
★★連絡体制の強化ということで、今回問題になった連絡手段、通信手段が途絶えた際に、衛星携帯電話などの通信手段を携帯した連絡員を県、それから市町村に派遣するということと、もうひとつは災害時によるつながりにくい時には、★携帯電話のメールを活用することを今回付け加えている。
○東京新聞 みやお:
第一条の1と2を2つに分けたとうことだが、これに上がっている項目自体は元々あったものか?新たに入ったものはあるのか?
○松本:
★えっと、、新たに入ったものとの比較は、チョット確認させてくれ。
○東京新聞 みやお:
廃止措置は前からあるのか?これ。
○松本:
廃止措置は、、たしかコチラは、、今回はじめてだと思うが、ちょっと確認する。
○東京新聞 みやお:
あと、定期的というのはどういう頻度か?
○松本:
こちらはだな、、定期的というのは、2種類あり、見ていただくと(2)の発電所の定期検査の実績描くとか、実施結果というのは、いわゆる元々予定されていたものをその都度実行していくものとか、
あるいは発電所の工事計画の概要といったように、その都度、工事計画の認可申請を行う都度やるようなものとしてもある。それから5番目の放出管理とか、核燃料の保管状況というのは、こちらは年はじめか年度末のようなときに、これは時期が来れば必ず報告するものが定期的にっ、ってな形で整備されている。
○ファクタ宮嶋:★
この通報協定だが、いわゆるこれまで田村市以下、南相馬市とか、これら新規に結ぶことになったのは、旧経営陣のもとでは被災地に対して、トップが基本的にで向いていない。だから本来、もっととっくにやらないといけなかったが、
地元自治体のほうが、とても東電と話したくない状況があり、今回、新体制になり、すべての市町村にまわって、それを約1ヶ月経って、私はこれは大変よい方向だとはあおもうが、事実関係としては1年半経って、
例えば南相馬なんかと新橋亭を結ぶというのはね。どう考えたっておかしいんですよね。だから、要するにそういうところが新体制になって、地元との関係が良くなってきたと。いうことで、いいんですかねえ?
○松本:
あのう…、いわゆる先月の株主総会以降、経営陣が変わり、あの、まあ、締結に至ったという時期になっているが、こちらは、昨年の、まあ、いわき市の例でいうと、昨年9月以降、こういった通報連絡協定を結びたいという要請を頂いているので、
福島県と相談しながら協議を進めてきた状況だ。今回、福島県の立ち会いのもと、まあ、競艇だけ締結に至った状況だ。
○ファクタ宮嶋:★
それは新体制になって、やはり就任当初にちゃんと回ったことで地元との関係が、例えば南相馬とかねえ。あの、現在、仮の役場になっていないところについては、1年半、そういう競艇がないこと自体が、おおよそ信じられないことなんですね。
例えば南相馬の例を言うまでもなく。それというのは、やはり、旧体制は私にいわせますとねえ。こういう努力を行なっていたと。今、これ自体はいいんですけどねえ。そういう反省のもとにこれがヤッパリ地元に向けられたという認識でいいんですかねえ。
○松本:
あのう、まあ、地元の市町村がどう感じたかについては、まだ、私共としてはお答えしかねるが。まあ、以前から要望があったので、私どもとしてはきちんと福島県と相談しながらこの手続というか、協定を相談をした上で、本日、いわき市については締結させて頂いたし、残りの市町村とは引き続き協議した上で最終的に締結という形にさせて頂ければと思っている。
○NHK花田:
今の締結、協定の関係だが、いわき市の例では説明頂いたが、他の市町村の場合はどういった結ぶ前の経緯があったのか具体的に伺えるか。
○松本:
あのう、同様にだな。こういった通報連絡協定、或いは通報連絡要項の見直しという形で話を頂いており、ええ、まあ、福島県全体の話なので。福島県とよく相談しながら作業を進めてきた状況だ。
○NHK花田:
基本的には自治体側から結びたい話があったのか?それとも東電から結ぶということを話していった形なのか?
○松本:
あのう、私どもは立地町長と広野町、浪江町とは以前から結んでいたので今回の事故を踏まえると、その範囲の拡大については必要性は認識していた。ただ、★先方からも話があったので、福島県と併せて相談した状況だ。
○NHK花田:
来月の1号機プールのバルーン調査だが、手法としてバルーンを挙げてカメラで見るという説明を先日頂いていたと思うが、例えば、Tフォークとか、以前使っていた経緯もあると思うが。
そういった被ばく関係で考えるとバルーンじゃなくてもいいのかなという感じもしたが。例えばそういった小型ヘリを使った計画とか、そ言うのは検討されてないのか?
○松本:
今回はだな、建屋の中から見ようと考えている。1号機は写真で見ると建屋の天井部分が5階の床面に落ちている状況であり、上から小型ヘリとか、Tフォークで見ただけでは、なかなか内部の状況ではわからないと思っている。
従って機器ハッチの貫通孔を使ってそこにバルーンに取り付けたカメラであわよくば床面と落ちた天井の隙間から、プールの向こう越しが覗けるというか、見通せれば何らかの状況がわかるのではないかと思っている。
○NHK花田:
そうすると今回は具体的に何処を見たい、何を見たいというよりも先ず状況を把握したいといったところが先ず福島第一にあるのか?
○松本:
そうだな。指摘の通り被ばく線量の問題があるが、建屋1階の大物搬入口の下の所は、比較的線量の低いエリアがあるので、そこでトラックを横付けし、そのままバルーンで上の方に上がっていく状況だ。
途中途中の2階、3階、4階のフロアも見えるし、最上階の5階と、まあ、オペレーティングフロアに落ちた天井の間、隙間を縫ってみてみる状況だ。従って何かを取り敢えず見てみようという目標と言うよりも、全体どうなっているかっ、ってのは見る必要はあろうかと思っている。
○NHK花田:
前、ICの関係で調査したことがあったと思うが、5階の崩れた天井とプールの間というのは、これは今まで見たことないという理解で宜しいか?
○松本:
はい。5階のフロアには今まで行けていない。今回はじめてになるし、質問にあった4階のICがあったエリアは現場調査に入ったが、非常に線量が高いから、まあ、駆け足で確認してきた状況だった。今回、カメラでしっかり見ることは必要だろうとは思っている。
# にもかかわらず、この調査を根拠に小規模な配管破断なかったと繰り返し主張した昨年。
○朝日奥山:★★
鉛カバーの問題で現場で働いていた労働者たちの雇用のことについて伺えればと思うが。他の会社から違法に派遣された状態で働かされていた職業安定法、あるいは労働者派遣法に違反する偽装請負の状態で働かされていた事が報じられているが、それについて東電として何らかのコメントはあるか?
# 朝日に追随しないのか。他はだんまり。
○松本:★★
ハイ。私どもとしては、ええ、まあ、各企業と直接の契約関係にないが、そういった法令上、重視した上できちんと契約、それから、まあ、手続き等を進めて頂きたいということで 元請け企業を通じてお願いしているところだ。
# あくまで他人ごとを貫く東電。( ゚д゚)ポカーン 福島第一で働く労働者の状況には、直接の雇用関係に無いことを理由に一切関与しない。テロ対策皆無。福島事故直後の対応で明らかになった杜撰な作業員の線量管理の実態。40年来続く違法労働の実態を白日のもとに晒すべき。
○朝日奥山:★★
今回、個別の企業名も出た上で具体的なこの人という形で、特定できる形で違法派遣だったということが指摘されているわけだが、それについて東電としては把握しようとか、調べてみようとか、そういう事にはならないのか?
○松本:★★
アノウ、今のところは、先ずは、現在、今回問題になっているビルドアップに関しては、東京エネシスを通じて調査をお願いしてるところだ。そこから事実関係をきちんと聞いた上で、対応は考えたいとは思っている。
# 今回、問題になっているビルドアップと松本氏。40年来の問題になっている東電はじめとした電力の原子力事業の被曝作業員、労働者の請負実態。
○朝日奥山:★★
鉛カバーの問題について、東京エネシスを通じて調査を依頼しているということは、以前伺っているが、この違法派遣のことについても調査の内容に含まれる理解でいいか?
○松本:★★
今のところは鉛カバーを取り付けた者に関して、先ず報告を求めているところだ。先ほど質問にあった請負関係ん関しても、これまで関係法令の順守に関しては、いわゆる私どもと相手先の企業との間の契約の中に、
順守事項をきちんと守ることに関して明記してあり、その後、機会を通じてそういったことのお願いはしているところだ。
○朝日奥山:★★
その話だと、違法派遣があったということになると、東京電力とエネシス、あるいはエネシスとビルドアップの契約に違反することになると思うが、
それは把握した上で契約の違反ということで、何らかの措置をとるとか、そういうことになるのか?もしそのようなことが確認できた場合は。
○松本:★★
事実関係としてきちんと確認が出来れば、私どもとしては元請け企業を通じて、適切な処置を取りたい。
○朝日奥山:
はい。ありがとうございました。
○ニコニコ七尾:★★
食道がんで療養中の吉田前所長がシンポジウムにビデオ出演されるようだが(http://j.mp/OJXHIq)湖の経緯について教えて欲しい。
○松本:★
あのう、そういった報道があることは私ども承知しているが、会社としては関与していない。
○ニコニコ七尾:★
あっ、そうなんすね。そうするともう、吉田前所長が単独でということになるのか?
○松本:★
吉田の判断だと思う。
○ニコニコ七尾:★
わかりました。東京新聞の記事(http://j.mp/SVzIdG)によると貴重な証言をされているようだが、約30分位渡る収録映像だということは、これは体調が良くなられているのか?復帰の予定等々について教えて欲しい。
○松本:★
復帰の予定はまだ決まってないが、現在自宅で療養中だと聞いている。
○ニコニコ七尾:★
わかりました。事実関係、これについてはコミットされていないということだが、会見は難しくともこのような対応をされるということであれば、各事故調を検証されるということですよね?東電としては。
それにあたって吉田前所長から話を聞きたいというのは、様々なメディアの肩下からも要望があったと思うが。こうした要望に答える考えはあるか?
○松本:★
今のところ吉田に関して会見をする予定はない。いかんせん、本人の体調等を医者とよく相談しながら、先ずは職場復帰のところから考えていきたいと思っている。
○ニコニコ七尾:
テレビ会議映像の公開についてだが、先日、朝日新聞の下河辺会長のインタビューで大体の考えはわかっているが、詳しい公開の範囲と仕様は決まっているのか?
○松本:
最終的な詰めを今やっている段階であり、近々皆さまに案内できると思う。
○ニコニコ七尾:
案内というのは公開?
○松本:★★
公開の方法を先ず案内できると思う。
○ニコニコ七尾:★
なるほど。公開に関して膨大な時間等々、あるいは編集作業があると思うが、これは現在、編集作業をされているということで良いか?
○松本:★
必要なプライバシーを確保するとか、そういった面での作業は進めているが、そういったことも踏まえてどういった公開をするのか踏まえて近々説明できると思う。
○ニコニコ七尾:★
前回もそのインタビューによると、2段階方式というとアレだが、先ず、公開にように編集された映像を先ずくれるという話と、あとは詳しい編集してないものは、閲覧するという下河辺会長の答だったと思うが、その大枠、基本線は変わらないということでいいか?
○松本:★★
具体的な公開方法については、現在、最終的な取りまとめの方法を行なっているので、近々皆さまにお伝えできると思う。
○ニコニコ七尾:
わかりました。
○一杉:
作業の案内をして終了とする。滞留水移送関連。明日、2号機タービン建屋地下から雑固体廃棄物減容処理建屋の移送を開始する予定。以上で終了する。
~終了 18時25分