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外部有識者会合 > 敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合
○議題
- 敦賀発電所敷地内破砕帯に係る現地調査にあたっての事前説明
【録画】敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合事前会合
主査:島崎委員 事務局担当:小林管理官 / 木下
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原子力規制委員会:
島﨑 邦彦(原子力規制委員会委員長代理)
外部有識者:
鈴木 康弘 (名古屋大学減災連携研究センター教授)
堤 浩之 (京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻地球物理学教室准教授)
藤本光一郎 (東京学芸大学教育学部准教授)
宮内 崇裕 (千葉大学理学部地球表層科学領域教授)
事務局:
名雪審議官
小林安全規制管理官(地震・津波安全対策担当)
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○議事録 / まとめ
○会議資料
(参考資料)
(机上参考資料)
- (過去の審議資料)日本原子力発電(株)敦賀発電所敷地の地質・地質構造関係資料【PDF:30MB】
- (表紙)(過去の審議資料)日本原子力発電(株)敦賀発電所敷地周辺の活断層、活断層の連動の評価等関係資料【PDF:73KB】
- 指針類関係資料集【PDF:8.3MB】
○議事録(保管)
○島﨑委員
それでは、定刻になりましたので、ただいまから敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合事前会合を開催します。まず、二つほど皆様にお願いしたいことがございます。
一つは、一般の方が傍聴されていらっしゃいますので、それから、ネット中継もされていて、その後、ネットでも見ることができる、そのような状況ですので、一般の方が御覧になっているということを想定してお話をしていただきたい。
なるべく専門用語を避けて、一般の方が聞いてもある程度は内容がわかるというような形で、ぜひお話をしていただきたいということが1点ございます。それから、もう1点は、この会合では科学的な判断が必要となります。
それのみが重要であります。再稼働だとか、エネルギーの問題だとか、経済あるいは社会的な問題とか、そういうことは一切考えずに、純粋に科学的な御判断、科学的な御意見をお願いしたいという点です。
今日、堤さんはいらしていませんけれども、堤さんを含めた5人がこの問題を担当して科学的に判断することになります。当然、科学者としては、そこに責任が生ずることになると思います。
万一でも科学的でないような判断をされた場合には、これは糾弾されると私は思います。当然、そういうことはないと思いますけれども、科学者としての責任が生じる御判断をいただくということを心にとめていただきたいと思います。
その判断を踏まえて、原子力規制委員会がいろいろな議論をして、判断をしていくことになりますので、行政的な責任はあくまでも原子力規制委員会にあります。皆様は科学者としての責任をとっていただくということになります。
以上2点、最初に申し上げたいことでございます。それから、この後、これまでの審議経過等についての御説明をいただきます。ただ、それはあくまでも経緯の説明であって、事業者がどのように細かい調査の設定をしているか等に関しては、必ずしもお答えができない場合もございます。
それから、よく質問の形で御意見を言われる方がいらっしゃいますけれども、そうではなくて、むしろ御意見としていただいたほうがよろしいかと思いますので、そのようにしていただければと思います。
ちょっと長くなりました。まず、メンバーを御紹介させていただきます。こちらから、鈴木康弘名古屋大学減災連携研究センター教授。それから、今日、御都合により御出席されておりませんけれども、堤浩之京都大学大学院理学研究科地球物理学教室准教授。
それから、こちらは藤本光一郎東京学芸大学教育学部准教授。こちらは宮内崇裕千葉大学大学院理学研究科教授。これに私を加えた5名が有識者会合のメンバーとなります。
この中では、さんづけで呼ばせていただきますので、よろしくお願いいたします。それでは、原子力規制庁のほうから配付資料の確認をお願いします。
○小林管理官
事務局のほうから配付資料の確認をさせていただきます。まず、一番上に座席表がございまして、次に、有識者会合の今紹介のありましたメンバーリスト、次に本日の議事次第がございまして、ここには配付資料一覧がございますので、これに基づきまして確認させていただきます。
まず、敦賀現地調査の現調1-1でございますけれども、これは敦賀発電所の敷地内破砕帯に係る追加調査の状況についてということで、私ども規制委員会として、事前に追加調査の状況について確認してまいりました。
その結果を写真等でおさめてございます。それから、A4の1枚紙でございますけれども、これは本日の有識者会合のメンバーでございます、鈴木先生の御提出されました御要望を配付させていただいております。
そのほかに机上資料としまして3種類用意してございます。一つが、このファイルでとじたものでございます。敷地の地質構造についての今までの審議資料でございます。それから、もう1冊が敷地周辺の活断層、活断層の連動の評価等の審議資料、そしてもう一つ、机上資料としまして指針類の関係資料集、この三つをお手元に用意してございます。
これらの資料につきましては、傍聴の方にも配付させていただいております。同様の資料については、これまでの審議会のホームページ上で確認することができますので、よろしくお願いします。
それから、配付資料は以上でございますけれども、あと、マイクの使い方でございますけれども、机上に書いてございますように、発言の際には「要求」というボタンを押していただければと思います。
そうすると、この赤いランプがマイクにつきますので、これで発言していただきたいと。発言が終わりましたら「終了」ボタンを押していただきたいと思います。なお、このマイクについては、非常に音を拾う範囲が狭うございますので、できるだけ近づいて発言していただくようお願いします。
事務方のほうからは以上でございます。
○島﨑委員
配付資料に何か不備がありましたら、規制庁の職員のほうにお申し出ください。それでは、議事に入らせていただきます。初めに、日本原子力発電(株)敦賀発電所の敷地内破砕帯について、過去の審議の経緯について、机上資料を使って規制庁から説明をお願いします。
○説明者(木下)
それでは、地震・津波担当管理官付の木下と申します。よろしくお願いいたします。それでは、今、机上資料として御用意しております紙ファイルの資料のうち、背表紙のほうを見ていただきますと、「日本原子力発電(株)敦賀発電所 敷地の地質・地質構造関係資料」という資料を御覧いただきながら、御説明をさせていただきたいと思います。
あと、同じものを前面のスクリーンのほうにも映しておりますので、そちらを御覧いただいても結構でございます。それでは、お開きいただきまして、ここに、最初に用意しております資料を全て書いてございます。
過去、実施しました審議会、それらの資料等をこちらのほうに入れているような状況でございます。まず一番最初に、若干経緯がある話でございますので、大まかな流れについて御説明させていただきたいと思っていまして、インデックスの①番のところに、先日、原子力規制委員会のほうで、この敦賀発電所の調査に関する有識者会合についてお諮りしたわけですけれども、そのときに御用意した資料の中に簡単な経緯と今後の予定というものを入れてございましたので、そちらのほうについて、まず簡単な流れを御説明したいと思います。
それでは、①のところの資料の2枚目のところですが、参考1というふうに書いてございます、「敦賀原子力発電所敷地内の破砕帯の調査に関する経緯と今後の予定」ということでございまして、まず、経緯でございますけれども、少し遡りますけれども、平成16年3月、これは敦賀発電所3・4号機の増設の許可申請の話から入ってございます。
まず、これを説明する前に、敦賀半島、この浦底湾付近の原子炉の設置状況について、すみません、口頭で簡単に御紹介させていただきますと、今現在、3機の原子力発電所がございます。
一つは日本原子力発電所が設置しております敦賀の1号機、これは若干古うございまして、昭和45年に運転開始をしているような原子炉でございます。これは沸騰水型の原子炉というものを設置してございます。
それから、同じく日本原子力発電所の2号機でございますけれども、こちらは加圧水型の原子炉で、これは昭和62年に運転開始をした原子炉でございます。一番奥まったところに日本原子力研究開発機構というところが設置しております研究炉がございまして、新型転換炉という、「ふげん」というふうな名前でございましたけれども、こちらは昭和54年に運転を開始しておりますけれども、平成15年には運転を終了して、今、廃止措置をしているというような状況でございます。
浦底湾の奥のところにはその3機がございまして、これに加えて日本原子力発電は、敦賀半島のもう少し突端のほうになりますけれども、敦賀発電所の3号機、4号機の増設ということで今計画をしているところでございます。
まだ工事は開始していないような状況でございますけれども、その場所は整地をしているというような状況でございます。設置の状況については、そういう状況ということでまず御理解いただきまして、まず最初、この「経緯」に書いてございます敦賀3・4号の増設許可申請があってからの経緯でございます。
この中で安全審査をやってございましたけれども、平成17年2月に、これらの審査の中で、当時の原子力安全・保安院から原電に対して敦賀半島の断層に関する追加調査をしなさいというような指示をしてございます。
これを踏まえて追加調査をやってございまして、その後、三つ目の丸ですが、平成18年9月、耐震指針の改訂がございましたので、これ以降、耐震バックチェックという形で指示をしてございます。
このバックチェックの指示に基づきまして、日本原子力発電は平成20年3月にバックチェックの中間報告書というものを旧保安院に提出してございます。このバックチェックの中間報告書の中に、先ほどの追加調査の結果を踏まえて、もともと1号、2号を設置したときには、活断層という認定には当時の知識ではなっていなかったのですけれども、この追加調査等を踏まえまして、浦底断層については活断層であると。
直近の活動時期は約4,000年前というような形で報告書を提出しているということがございました。こういったバックチェックの中間報告書について、保安院として一応その妥当性について評価をするということで、専門家の意見を聞きつつ審議してまいってございます。
その中で何度か審議してございますけれども、平成22年9月14日、次の丸でございますけれども、このバックチェックの審議の中で、主査、そのほかの委員から、敦賀半島敷地内の破砕帯については、浦底断層が非常に近い位置にあるということで、さらにその破砕帯の変位、そういったものをきちんと検討する必要があるよということで事業者に対して宿題が課せられたということで、これを踏まえて、日本原子力発電はさらに追加調査をするということに至ってございます。
その後、若干間が空いておりますけれども、この間、3月11日の地震等がございまして、若干そのバックチェックの審議が少しとまっていたというような状況でございまして、その後、次の丸に書いてございますが、平成23年11月11日に、耐震バックチェックの再開に当たって、特に敦賀についてはそういった浦底断層の付近の破砕帯の活動性、こういったものが宿題事項になっていたので、これをきちんと検討して報告をしなさいという指示文書を改めてこの11月11日に出しているという状況でございます。
これ以前から現地の調査を原電はやってございましたけれども、そういった現地調査の状況について、その後、地震後に意見聴取会というものを立ち上げてございますけれども、そういった意見聴取会の先生方にその現場を見ていただこうということで、次の丸、平成24年4月24日でございますけれども、そういった専門の先生方とともに敦賀発電所のほうに現地調査に行ってございます。
そのときに専門家の先生方からは、破砕帯の性状からはその年代というのは特定はできないのだけれども、浦底断層の動きに引きずられた可能性があるというような御指摘がございました。
こういった御指摘等を踏まえて、これまで原電がやっている追加調査に加えて、さらに調査内容を充実するということで、調査項目を増やした形で追加調査計画が定められて、その下、24年5月14日と書いてございますけれども、こちらの意見聴取会でその計画を紹介をして、先生方から概ね御了解いただいたということで、この調査内容でこれまで調査を実施してきているという状況でございます。
これらの調査結果につきましては、当初は24年11月下旬には報告書を出すというような、今後の予定というところに書いてございますけれども、11月の予定でございましたが、この資料は11月14日の原子力規制委員会のほうに提出してございますが、これの2日後、11月16日に、日本原子力発電所のほうから、これらの調査については若干掘削が予定よりも遅れているというようなことで、その報告時期については、11月末と言っていたものを25年1月末に変更しますというような形で延長の報告をいただいているというような状況でございます。
大まかな流れにつきましては、こういった流れで来てございまして、もう少し詳しい内容につきましては、その後に入れてございます資料で御説明をさせていただきたいと思います。
それでは、②のほうでございますけれども、これは少し、耐震バックチェックの審議のときに原電のほうから提出されております資料でございます。こちらについて、原電のほうがどういうふうな形でこの評価をしているかというものを御説明させていただきたいと思います。
平成22年4月28日の合同C25-4という資料のほうを御覧ください。こちらを開いていただきますと、敷地の調査ということで、1ページには、ちょうど敦賀半島の先端部分でございますけれども、こういう配置で敦賀1号、2号、それから3・4号機の予定地、こういった位置関係になってございます。
もう少し1・2号の部分を拡大したところが2ページのところでございまして、若干見づろうございますけれども、ここに青い点々が描いてございますが、この青い点々のところがボーリングをした位置でございます。
これは設置当時、かなり古いものも含まれてございまして、バックチェックでさらに追加でボーリングしたところについては、ちょっと見づろうございますけれども、少し紫色といいますか、ピンク色で点々を描いてございますが、そこはさらに追加してボーリングをしたというところをプロットさせていただいております。
ちょっと印刷が甘くて見づろうございますけれども、こういう形で数多くボーリング、それから、線状に記載しているものは試掘坑、そういったものをここには図化してございます。
あと、この緑色で描いてあるところがいわゆる浦底断層と呼ばれている断層でございますけれども、ここの近くにトレンチを掘ったり、斜めボーリングをしたり、そういったボーリング、トレンチ、試掘坑、そういった調査結果を踏まえて原電として評価をしたということでございます。
3ページには、3・4号機の予定地のところのボーリング調査、これは海域も含めてですけれども、線状に赤い線で描いてあるのは試掘坑でございますが、ボーリング、試掘坑と、そういった調査をやってきているということでございます。
それから、4ページでございますけれども、敷地の地形ということで、こちらを見ていただきますと、ほとんどはもう山地でございます。海側――浦底湾というのがちょうど下のほうに書いてございますが、このちょうど奥まったところに堆積層がございまして、この平坦部分に敦賀1号、2号が立地されているということでございます。
3・4号の予定地は、上のほうの「若狭湾」と書いてある側に設置を予定しているというような状況でございます。それから、5ページでございますが、敷地の地質ということで、表層につきましては、江若花崗岩と呼ばれる花崗岩質のものでほとんどができているということで、この江若花崗岩の中に貫入するドレライト、それから、その上にかぶっている第四系が少し――端っこのほうに第四系のものがかぶっているというような状況でございまして、江若花崗岩、それから、ドレライトに入っている破砕帯、そういったものは熱水の変質作用をしているというふうに考えているというような説明をしているということでございます。
この赤い色、それからピンク色、それから少しオレンジ気味のところが、いわゆる江若花崗岩というふうに書いてございますけれども、この中でも、凡例のほうの下のほうに書いてございますが、黒雲母花崗岩、それから花崗斑岩、アプライトと、これら三つを全て総称して「江若花崗岩」というふうな言い方をしてございます。
それから、6ページのほうでございますが、これらの江若花崗岩のボーリングコアの写真を御参考までにつけさせていただいております。それから、一番下はドレライトの写真、こういったものがこの辺りを覆っているということでございます。
それから、7ページは、その中の破砕帯の性状ということで、まずは江若花崗岩中に入っている破砕帯の構成ということで、上段のほうは白色の粘土状部ということで、これは熱水の変質作用を被って軟質化しているというような、白い色あるいは灰色、そういった色の粘土状のものというようなものでございます。
それから、その下は軟質劣化部ということで、こちらも熱水変質作用を被ってある程度軟質化しているというような、これもやはり白い色から灰色を帯びている粘土、そういったものを含むような中身になってございます。
それから、その下のドレライト中にも破砕帯を確認してございまして、こちらもやはり熱水変質作用を被って軟質化しているということで、こちらは若干灰色、それから黒色、そういった色のものが確認されているということでございます。
それで、8ページのほうでございますが、こちらは地質の平面図ということで、1・2号機のものを示してございます。やや下側に1号機、やや上側に2号機の原子炉設置位置を描いてございますけれども、これらの比較的右側のほうにちょっと太目の赤い色の線がございますが、こちらが浦底断層と呼ばれている断層でございます。
あと、斜めに入っております線の一つ一つが破砕帯ということで、全部で150以上の破砕帯を確認しているという状況でございます。こちらのA-A’断面というもの、9ページのほうを御覧いただきますと、1号機のほうの断面ということで、こちらも赤い色で示してございますけれども、この一つ一つの線が破砕帯ということでございます。
このうち浦底断層というのは、やや右側に少し太めの幅を持って描いているものがございますけれども、上層側で少し左側に曲がっている線があるかと思うのですが、これが浦底断層というふうに見てございます。
それから、次のページでございますが、B-B’断面ということで2号機の断面図をお示ししております。こちらも1号機とほぼ同様な状況で、ここに描いてございます赤い線が破砕帯ということで一応確認をしているというものでございます。
それから、11ページは3・4号機の予定地のほうでございます。こちらもやはり1・2号機と同様、破砕帯が敷地内を走っているというようなことで、青い色でお示ししているものがドレライト、これが貫入しているというのが確認をされていると。
これのB1-B1’断面が――ごめんなさい、A1-A1’ですね。縦のほうでございますが、この断面図を12ページにお示ししてございます。赤い線で示しておるのが破砕帯、それから、青い線で示しておりますのがドレライトが貫入しているところと、こういう関係であるというようにお示ししております。
それから、同様に13ページはA2-A2’断面をお示ししております。それから、14ページはB1-B1’の断面をお示ししたものでございます。それぞれこういった状況であるというふうに認識してございます。
15ページのほうは、この中で、節理及び破砕帯の走向と傾斜をそれぞれ比較してみましたということで、上段のほうに節理の走向、それから傾斜、そういったものをお示ししてございます。
下は破砕帯の走向・傾斜を示しておりますけれども、上下を見比べていただきますと、節理と破砕帯というのは同様な走向・傾斜になっておるということで、もともとは節理があって、それが熱水変質作用から破砕帯になったのではないかというような考察をしているということでございます。
それから、16ページでございますけれども、こちらのほうから破砕帯の活動性に関する調査ということで、この当時に行った現地調査の結果について、簡単に説明をしているということでございます。
見たところは、この16ページの右上のほうのちょうど赤い線で浦底断層というのをお示ししておりますけれども、これの若干上側に青い丸でお示ししておりますけれども、浦底断層トレンチという、ここのトレンチの観察結果、それから、そのちょっと左上のほうにD-14と呼ばれる破砕帯の延長部になっておりますB-3というところの露頭の調査、それから、ちょっと左上のほうに3・4号機の位置を示してございますけれども、ここの「トレンチ」と書いてあるところで、これもf-19という破砕帯の延長部になりますけれども、その破砕帯のトレンチの観察等、そういったものの結果について示してございます。
17ページのほうにこの浦底断層のトレンチの写真をお載せしております。こちら、17ページのほうが写真でございまして、それのスケッチをしたものが18ページのほうにお示ししたものです。
少し継ぎ目のあるところは犬走りがあるところでございますので、少しここは見えないところでございますけれども、やや右側のほうの薄いピンク色のところでございますけれども、ここと下のほうの青い部分、それから黄色い部分の間にある少し黒い線をお示ししておりますけれども、この部分が浦底断層というようなことで観察してございます。
原電としては、ここの観察で、若干見づろうございますけれども、幾つか層を分けて観察してございます。ちょっと見づろうございますが、このA層というものは、この全体――ちょっとスクリーンのほうを見ていただきますと、ここら辺からずっと乗っているもの、ここら辺をA層というふうに区分してございまして、この下の部分、この辺りをB層、それから、この辺りをC・D層、この辺りをE層というふうに区分をして考えてございます。
A層を見ていただくと、表層にかぶっているような状況でございまして、このA層がかぶったところにまでは変位は与えていないと。このA層とB層のちょうど境目辺りを見ますと、ちょっとこのコピーが悪くて恐縮ですけれども、鬼界アカホヤテフラが観察されているというようなところと、あと、放射性炭素の年代測定をこの辺――ちょっと見づろうございますが、小さい字で丸印をしてございまして、そこに測定結果の年代を記載してございます。
こういった放射性炭素の年代測定、それから、こういうテフラが見られるといったことから、ちょうどこの境界部分のところで約4,000年ぐらいの放射性炭素の年代測定結果が出ていますので、直近の活動時期は4,000年より古い時代であるというようなこと、それ以降は活動性があったのではないかというようなことで、活断層という判定をしているということでございます。
こういった浦底断層のトレンチ、これは恐らく現地でも見ていただけるかと思うのですが、こういったトレンチの調査結果でそういった判定をしているということでございます。
18ページの右上のほうに平面図をお示ししておりますが、このトレンチを掘る際にボーリングを幾つかしてございます。かなり並べてございますけれども、ちょうどその⑧番、断層の近くのところでございますけれども、⑧番のボーリングのところをさらに詳しく調査してございまして、それが19ページのほうに、そのボーリングの掘ったものの写真を載せてございます。
この一番右端、120m~130m辺りのところが赤い破線でちょっと囲ってございますけれども、この部分が浦底断層の部分ということで、ちょうど下側の130m~140mのちょっと上側でございますけれども、浦底断層とアプライト、これは黒雲母花崗岩とアプライトのちょうど境目のところを緑色で四角にしてございますけれども、この部分から試料をとって薄片観察、そういったものもやってございます。
薄片観察につきましては20ページのほうにお示ししておりますけれども、主に、ちょうど最新の活動面というところにつきましては、左ずれのセンスであるというような、そういった観察結果が出てございます。
20ページのほうは、これは水平方向に切った薄片でございますけれども、21ページのほうは、これは鉛直方向に切った薄片の観察をしてございます。こちらでも最新の活動面を見ると、逆断層センスというようなところが観察されているということでございます。
それから、22ページのほうは破砕帯の活動性について、露頭の調査をした結果でございます。こちらにつきましては、22ページに書いてございますとおり、左側にスケッチ、それから右側に写真をお示ししておりますけれども、左側のスケッチの少し上側の堆積している部分でございますけれども、この中に赤い破線で書いてございますATのテフラ、それから鬼界アカホヤのテフラ、そういったものは観察されてございますけれども、この下の赤い線でお示ししております破砕帯、これの変位がこの上のテフラのところまでは達していないということで、少なくともATのテフラより前の時代までしか動いてなかった、それ以降の動きはなかったであろうというような判定をしているということでございます。
こちらもサンプリングをとってございまして、23ページ、24ページには、それぞれ水平方向、鉛直方向の薄片観察をしてございます。こちらについても左ずれのセンスであるというようなことと、あと、こちら破砕帯につきましては、正断層センスであるというような観察がされているということでございます。
それから、25ページは、また別の破砕帯でございますけれども、f-19の破砕帯、下に写真、上にスケッチをお示ししておりますけれども、この少し茶色でお示ししているようなところがf-19と呼ばれる破砕帯の部分でございますけれども、この破砕帯のやはり上の部分、第四系の部分につきましては変位が見られないということで、この中にATのテフラが含まれているというようなことで、やはりATより前までしか動きはなかったというような判定をしているということでございます。
こちらもボーリング等をやってございまして、そのボーリングコアから薄片の試料をとってございます。27ページ、それから28ページにそれぞれ水平方向の薄片観察、それから、28ページのほうは鉛直方向の薄片観察をお示ししております。
こちらの破砕帯については右ずれのセンスであるというようなことと、やはりこちらのほうも正断層のセンスであるというような結果が出ているということでございます。それから、29ページ、30ページにつきましては、これは3・4号機付近の試掘坑の観察結果でございますけれども、こちらも、やはり正断層センスであるというような観察結果が得られているというようなことでございます。
それから、31ページは、またこちらも3・4号機のほうになりますが、f-25の付近のボーリング調査の結果をお示ししているものでございます。あと、32ページ、33ページ、こちらf-25の破砕帯の走向と、それから破砕帯の関係というものをお示ししたような形になってございます。
こちらはちょっと3・4号機の側になりますので少し省略をさせていただいて、36ページに、こういうトレンチ調査の結果、それからボーリング調査、それから薄片観察、そういったものを踏まえて、浦底断層とそれ以外の破砕帯について、その比較というものを表にしたものがございます。
走向・傾斜につきましては似たようなものでございますけれども、変動地形の有無というところにつきましては、浦底断層については河谷の左の屈曲、それから急崖等、そういった変動地形が見られますけれども、破砕帯につきましては変動地形は認められないということで、変位センスにつきましても、浦底断層につきましては逆断層、破砕帯については大体、正断層センスであるというような観察結果が得られていると。
水平方向のずれにつきましては、浦底断層については左横ずれでございますけれども、それ以外の破砕帯については、その破砕帯によって左横ずれであったり、右横ずれであったりというようなことでございます。
それから、最新活動時期につきましては、浦底断層については約4,000年前以降ということと、それ以外の破砕帯につきましては後期更新世よりも古い時代というような判定をしているということで説明をしてきてございます。
37ページは今まで御説明したものをまとめたものでございます。こういった説明を審議会のほうで御説明した結果、その先生方からいろいろと御意見をいただいておりまして、その次に議事録をつけさせていただいております。
この中で、少しページが飛びますけれども、33ページ、御覧ください。ちょうど上から5行目ぐらいですが、宇根委員からの御意見ございまして、こういった破砕帯について、全部走向が違うと、あと傾斜も違うと、あとセンスも違うというような説明があったんだけれども、この図を見ると、みんな浦底断層以外はすごく定規で引いたみたいに、どこまでちゃんと調べてこういう線を引いているのかというのは非常に疑問でリアリティがないと。
どういう調査をして、こういう破砕帯の線を引いたのか、そういう根拠を示してほしいというような御意見をいただいております。こういった御意見を踏まえて、その次の③の資料でございます。
インデックスをつけさせていただいておりますが、③の資料を御覧ください。平成22年9月14日にこちらの審議会で御説明した資料でございます。こちらに先ほど委員からいただいたコメントについて回答してございまして、このときの会合二つ、次のページ、1ページのほうにいただいたコメントを書いてございます。
一つは、f-19のスケッチのところが少しわからないというような御意見がございましたので、それに対する答えでございまして、もう一つが、先ほど御紹介した、どういうデータに基づいて、この破砕帯という線を引いているのかということについて説明をした資料でございます。
f-19のほうはちょっと省略をさせていただいて、少しページが飛びますけれども、7ページをお開きください。こちらがその回答でございますけれども、8ページ、9ページ、10ページは、先ほど御紹介した資料とほぼ同じものでございますので少し飛ばしまして、12ページを御覧ください。
12ページに書いてある、この非常に小さくて、見づらくて恐縮でございますけれども、これがその150以上ある、確認されてございます破砕帯のどういった調査結果に基づいて引いたかというものでございまして、それぞれボーリングの結果あるいは試掘坑での観察結果、そういったものをもとにそれぞれの破砕帯の位置をこういう形で引いたというものでございます。
それぞれの破砕帯に対応するボーリングがこれですよというものをお示ししてございまして、例えば11ページのほう、これは2号機の地質断面図をお示ししておりますけれども、こちら赤い線で引いてあるのが破砕帯でございますけれども、このすぐ近くに破線で書いてある点々が書いてございますが、№17とか16とか⑥-3-2とか、そういった破線を書いてございますが、これがボーリング調査の結果でございます。
こういった形でボーリングを掘ったり、ちょうど真ん中に2号機原子炉建屋というものが書いてございますが、その下に青い色でお示ししてございますが、ちょうど基盤部分のところに2号機の試掘の調査坑がございますが、こういった試掘坑での観察結果、こういったボーリングと試掘等調査結果、こういったものを踏まえて、ここに書いてある破砕帯は引いてありますというような説明をしてございます。
これに加えまして、この会の審議会には、計算解析でその断層の活動に伴う地盤の変位・傾斜に関する検討というものの資料をお示ししてございまして、その資料のもう少し、その一覧表の次の次のページでございますが、右肩に合同C28-3というふうにお示ししてございますが、こういった資料、計算解析の結果というものも示されております。
2ページのほうに評価の流れということでフローを書いてございますけれども、浦底断層の性状の把握ということで、まずは検討条件の整理ということで、断層の位置でありますとか断層の長さ、それから断層の傾斜角、変位センス、それから単位変位量、あと地盤物性、こういったものについては地質調査、そういったものの結果、あと試験等の結果、そういったもので設定はしておりますけれども、直接得られないものもありますので、ある程度不確かさを考慮した形で検討するということで、基礎地盤の変形評価ということで、具体的には下から2番目の箱に書いてございますが、食い違い弾性論というものを使って検討するということと、あと2次元のFEM解析、こういった手法を使って解析をするということで、それぞれ敷地の傾斜に対する評価、それから、敷地のせん断ひずみに対する評価ということの計算解析をやりましたという報告がされてございます。
その次の3ページには、浦底-内池見断層の性状ということで、先ほどまでは敷地内の浦底断層の状況を御説明したわけですけれども、浦底断層については、もう少し北の海域のほうからずっと連続してございまして、浦底湾を通って敦賀湾のほうにまで達していると。
その下に内池見断層というものがございまして、敦賀湾から敦賀市内のほうまでこういった断層が続いているということで、浦底-内池見断層というような形で評価をしていると。
断層の長さについては18km、それから、傾斜角についてはほぼ鉛直という形で考えております。変位センスにつきましても左横ずれ、そういったことで設定してございますけれども、あと、変位量につきましては、累積の変位量が10mから最大でも60mというようなことで考えているということでございます。
4ページにつきましては、これも先ほど示したボーリング、青い点がちょっと古いもののボーリングの位置です。そういった、先ほどお示ししたものと同様でございます。それから、5ページ、6ページも平面図、それから断面図、7ページも断面図をお示ししてございます。
8ページのほうには、こういった形で浦底断層と内池見断層、こういう形でモデル化をしたということで、さらに9ページのほうは、それぞれの、どういったパラメータの数字を入れたかというようなことを9ページのほうではお示ししてございます。
こういったパラメータで基本モデルをつくって、さらに断層長さの不確かさ、傾斜角の不確かさ、地盤モデルの不確かさ、すべり量の不確かさでありますとか、そういった不確かさ等も勘案して、こういう変位量というものを検討してございます。
その食い違い弾性論で評価した結果につきましては、大きな変位量はないというような結果が出ているということでございます。それから、少しページは飛びますけれども、もう一つ、2次元のFEMを使った解析というものをやってございまして、少しページは飛びますけれども、30ページのほうに、これから2次元のFEMを使った検討というものをしてございます。
31ページのほうには、1号機の断面図をお示ししておりますけれども、こういった岩級の違いを示しておりまして、こういった岩級の違いを踏まえて、1号機・2号機、2次元FEMのモデル化をしてございます。
33ページのほうは、それぞれ物性についてどういった試験結果から導き出しているのかということで、こういった密度試験でありますとか三軸圧縮試験、そういったそれぞれの試験結果を踏まえて数値の設定はしていると。
ただ、全て試験結果から出てくるわけではございませんので、こういった学会の規格、そういったものも使った上でパラメータの設定をしているということで、34ページのほうには、こういった数字でそれぞれの密度でありますとか弾性係数、あとポアソン比、そういったものを設定をしているということでございます。
35ページのほうは、その要素分割図ということで、こういう形で要素分割をして、2次元FEMの解析をしたということでございます。36ページのほうは、2号機の要素分割図。
それから、37ページは、その要素分割図の境界のところには、基本ケースのすべり量として設定してございます1.66mというようなすべりを入力して解析をしたということでございます。
その結果が39ページのほうにお示ししておりますけれども、こちら39ページは1号機のほうの相対変位、それから傾斜量をお示ししてございます。先に御紹介した食い違い弾性論の結果を上段のほうに、2次元のFEM解析のほうを下段にお示ししてございまして、それぞれ大きく変わらないぐらいの結果が得られているということでございます。
40ページのほうには2号機を示してございますけれども、やはりこちらも食い違い弾性論、それから2次元FEM解析を使った解析結果というのは、それぞれ大きく違いはないというような結果が出てございまして、変位を、それから傾斜量、どちらも非常に小さいというような計算結果が出ているということでございます。
41ページは、その解析結果で増分の応力というものを示しておりますけれども、41ページのほうの1号機の浦底断層に近いところに少し増分が出ている程度であるということでございます。
それから、42ページのほうは2号機の断面ですが、こちらのほうはあまり増分は見られていないということでございます。それから、43ページは、破砕帯の安全率ということで、破砕帯の安全率をちょっと色でお示ししておりますけれども、それぞれ斜めに線を引いてございますが、それに色をつけてございまして、右上のほうに色で書いてございますが、水色であるとかグレーの色、そういった色になってございますが、これは安全率ということで、この凡例に書いてございますとおり、小さくても10倍程度の安全率があるというようなことをこれで示しているということでございます。
それから、44ページのほうも黒い線で斜めで書いてございますけれども、破砕帯書いてございますが、ほとんど黒色ということで100倍ぐらいの安全率があるというような計算解析の結果を示しているということでございます。
こういった説明を踏まえて、先生方のほうからは、その少し後のほうに、やはり議事録を載せさせていただいておりますけれども、議事録のほうの少し飛びまして、15ページでございます。
こちらのやや下側、下から6行目のところに、やはりこちらも宇根先生からの御意見でございますけれども、これだけ近いところで本当に食い違い弾性論を適用していいのかというような御指摘をいただいております。
それらについてはきちんと文献でチェックをするべきではないかというような御意見、それから、その下から2行目の最後からございますけれども、地表まで切れているというような評価結果はしているけれども、地表まで来ていない場合も考えられると。
そういう切れないほうが傾斜としては大きくなるんじゃないかというような御指摘をいただいております。それから、その次の16ページの上のほうでございますけれども、岩盤の破壊とひずみというようなことを比較しているけれども、本当にそういうやり方でいいのかと。
本当に破壊するようなことがあれば非常に大変なことがあると。この評価のやり方が適切かどうかというようなところについて御指摘いただいております。それから、その次の17ページのやや中ほどですが、山中委員のほうから、断層上面深さ0kmのところまで変位があるというようなことで評価をしているけれども、本当にそういう評価でいいのかと。
ここで示された評価というのは静的な評価だけれども、動的な変位というものを評価すると、非常にこれとは違った、大分変わった結果が出てくるんじゃないかと。本当にそういう0kmの背景領域のところまで変位を与えるというのがいいのかどうかというような御指摘をいただいておりまして、最終的に19ページでございますけれども、その当時の主査からは、ちょうど上から9行目辺りでございますけれども、いろいろと御意見があって、主査としても同じ意見であると。
非常に近傍にあるので、従来の審査のやり方よりももう一歩踏み込んでやるべきというような強い御指摘をいただいております。こういった御指摘を踏まえて、原電はさらに追加調査をやってきているということで、先ほど少し申し上げましたが、これを契機に原電は追加調査をしてございまして、その間、先ほど申し上げた3月11日の地震等ございまして少し中断をしてございますけれども、地震後、意見聴取会という形でさらに先生方集めてやってございまして、そちらでも、やはりこの破砕帯の活動性について御意見をいただいております。
こちらについては④の資料のほうで御説明させていただきますけれども、地震・津波15-6という資料、④のインデックスのところに入ってございますけれども、ここでは原電がやってきた追加調査というのはどういうことかということについて説明をしてございますが、中身については冒頭説明した原電の資料がそのまま書いてあるというふうに御理解いただければと思います。
少しページは飛びますが、11ページのところで破砕帯に関する追加調査の概要ということで、さきの主査の御指摘等を踏まえて、さらに追加調査をしているというようなことでございます。
主に露頭の調査、それから、試掘坑内の観察ということで追加調査をしていたということでございます。12ページのほうに、その露頭調査、それから、こういうドレライトが切られているかというふうな、そういったことで試掘坑内での調査、そういったものをやっているということで、その状況が13ページ、14ページ、15ページに示されてございます。
こういう調査をやっているところについて、先ほど申し上げたとおり、今年の4月24日に専門家の先生方をお連れして現地調査をしてございます。それの結果というものが⑤のインデックスをつけているところにお示ししておりますが、地震・津波16-2-1ということで調査結果・報告を書いてございます。
こちら、いろいろと御意見をいただいておりますけれども、先ほど冒頭でも御説明したとおり、活動した年代というのは特定はできないんですが、浦底断層の活動に影響を受けて活動した可能性があるというような御指摘等いただいております。
そういった現地調査における専門家の先生方からさまざまな御意見をいただいておりますので、そういった意見を踏まえて、さらに追加での調査計画というものを使ってございまして、その資料のもう少し5ページ後ですが、右肩に地震・津波16-2-2という資料で追加調査計画案というものをお示ししております。
委員から御指摘いただいたところを踏まえて、1ページのほうに追加した項目をお示ししております。1ページのほうに御指摘を踏まえた形でいろいろとトレンチ調査でありますとかボーリング調査、それからOSL、ESR、そういった測定をするというような調査結果等を踏まえて、を追加してやりますというようなことを意見聴取会の場で御紹介したところ、専門家の先生方からは少し時間はかかってもいいので、きちんと調査をして、みんなが納得するような形でデータを提供してくださいというような御指摘をいただいております。
その後、⑥のインデックスのところでございますけれども、この調査計画を踏まえて、実施状況ということで同じく意見聴取会のほうで今、進捗状況はどうなっているかというような状況を御紹介した資料でございます。
こちら、今やっている状況かどうかというところを3ページ、4ページ、それぞれ線表が書いてございますが、黒く塗り潰したところまで進んでいますというようなところで御紹介をしたというところでございます。
こういう御説明をしたところ、先生方からは、せっかくボーリングとか掘るので試料をとって、力学試験、そういったものはやったほうがいいんじゃないかというような御指摘等をいただいているという状況でございます。
非常に長くなりましたが、説明は以上でございます。
○島﨑委員
ありがとうございました。何か経緯についての御質問がございましたらお願いします。では、よろしければ、引き続き現在行われている追加調査のお話に移りたいと思いますが、はい。
○小林管理官
管理官の小林でございます。では、私のほうから現在の状況について、追加調査の状況について御説明させていただきます。このお手元の資料の1-1でございますけど、これの2ページが今、画面に映させていただいていますけれども、先ほどちょっと説明が足りなかったのですけれども、先ほどの資料の耳たぶの5を開いていただきたいと思います。
5番の耳たぶのところでございますけれども、ちょうどその4月24日の日に、現地調査、旧保安院のほうで、意見聴取会の先生方と見ていただきましたけれども、このときのコメントが、この耳たぶの5のところに書いてございます。
まず1枚目を見ますと、これは杉山委員からの指摘でございまして、一つ目の○にございますように、浦底断層の活動の影響を受けて、何万年に1回かの頻度で動く可能性があるのではないかということと、それから、特に浦底断層に近いところ、「今日見た露頭よりも浦底断層に近いところ」とございますけれども、当日見たのは、ちょうどこのD-14破砕帯の露頭、「拡張」と書いてある、ここの部分と、あと、それからH-3a破砕帯の露頭、「拡張」と書いてありますけれども、この部分。
それから、ここにはちょっと小さくてわかりませんけれども、D-1破砕帯の自然露頭ですけれども、この3カ所を見させていただいています。杉山委員のコメントですと、今日見た露頭よりも浦底断層に近いところで注意深く見なければいけないということで、今般、特に、浦底断層がここに走ってございますけれども、これに近い位置でのトレンチを実施する計画を立てております。
それから、露頭でK-TzとかDKP、これが確認されていますけれども、そのテフラが新しくて、データとしては不十分だということで、それから試料の採取法も、10cm間隔では不十分だということで、もっと高密度にそのテフラを取るべきだというような意見もございました。
それから、今の耳たぶの5の次のページでございますけれども、裏のページですね。一番上に書いてございます。浦底断層が屈曲している箇所付近において、D-5の活動性を確認するべきということで、これはちょうどここの、浦底断層がここで屈曲しております。
ここでD-5のこの破砕帯と交わっていますけれども、ここの部分ですね。この部分において活動性を確認すべきじゃないかということで、現在、この部分については立坑を掘って、地下深くでこれを確認しているという最中でございます。
言い忘れましたけれども、浦底断層については、南へ行けば行くほど深くなっております。ですから、こちらの北の部分では割合露頭として出ておりますけれども、こちらの南へ行けば行くほど深い場所に位置してございますので、非常に立坑を深く掘って、そこから横坑を掘って観察するということになると、今計画しているところでございます。
それから、今御覧いただいた耳たぶの5の次に、遠田先生の意見のところの四つ目の○でございます。D-14の北方延長が気になるということで、③地点より、これは見た位置はここでございますけれども、ここよりもさらに南のところです。
これには鞍部がありますよということで、D-14に対応した変動地形がないとは言えないということと、それからD-14の北方ですね。当時ここで確認しておりますけれども、さらに北方の位置は非常に気になるということで、この位置でのトレンチ調査は非常に重要ですよというふうな位置づけになっております。
それから、この耳たぶの5の一番最後の山本委員の意見でございますけれども、ここでは、上載地層法による検討は不十分ではないかと。先ほど見ていただいたB-3露頭という露頭がありますけれども、そこで上載地層を、いわゆるDKPとか、それからK-Tzを確認してございますけれども、これはちょうど急傾斜部に位置してございまして、非常に、再堆積とか、そういったものがあると。
地崩れでこういうような形状になっているのではないかというようなことも気になるので、こういった急傾斜部では非常に上載地層法では年代を決めるのは難しいのではないかというようなコメントもございました。
それでは、耳たぶの6を見ていただきます。耳たぶの6に、こういったいろいろな先生方の意見を踏まえまして、私ども保安院として、こういった形で調査をすべきというようものをまとめたのが、このコメントを踏まえた対応についてでございます。
耳たぶ6の1ページ目でございます。表紙から1枚めくっていただきたいと思います。ここでは、項目として、変動地形の有無の再確認、そういったものや、上載地層法による評価の信頼性向上ということで、例えばCTスキャンの実施とか、それから浦底断層の南方では、大深度調査坑による調査。
それから4番目として、断層内部物質に着目した破砕帯の活動年代の検討。これはESR、エレクトロン・スピンでございますけれども、こういったものの評価法で評価してみてはどうかというようなことと、それから破砕帯の変動センスの評価、条線方向の測定、こういったものを実施したらどうかと、こういうようなことで追加調査項目を決定してございます。
現在の進捗状況でございますけれども、資料1-1、A3判に戻っていただきますと、1-1の3ページ目でございます。これがD-14の破砕帯露頭の拡張したもの。これは、自然露頭を、下の部分、ちょっとこれは日陰ができているのでわかりづろうございますけれども、下の部分を拡張してございます。
当時、旧保安院のこの現地調査時では、今年の4月の現地調査のときには、非常に、この上の部分では直線的な連続性もあると。それから、還元状態であるように見えるということで、活断層であることが否定できないではないかというようなコメントもございました。
今回、下の部分をずっと掘り込んでおります。それから、次のページでございます。次のページは、この同じD-14破砕帯の南への、先ほどの自然露頭の南への延長でございます。
今これは現在掘削中でございまして、このトレンチではまだ出てきておりません。これをさらに横に拡張して、D-14破砕帯を確認しようとしているところでございます。
次をお願いします。これも同じでございまして、D-14のさらに南方、ここではD-14破砕帯と思われるような破砕帯が出てきてございますけれども、これは先ほどの最初の自然露頭よりも、そんなに直線性はないのですけれども、こういったD-14の破砕帯が出ているという状況でございます。
次のページです。これが浦底断層の既往のトレンチ、法面保護のためにちょっとブルーシートをかけてございますけれども、現地調査の当日はこれを剥がして見ていただきますけれども、これは先ほどの紹介いたしましたスケッチ図を、まさにそれを表したトレンチでございます。
今回、この少し下ったところでブロックサンプルがありまして、条線方向の確認、こういったものを今実施しているところでございます。次の、これが今回新たに掘っておりますD-1破砕帯トレンチと、それから浦底断層の関係をつかもうではないかというようなトレンチでございます。
非常に大規模にやってございます。上端のほうには、浦底断層の破砕部が見えます。この下の部分で、トレンチ1、2と称しまして、破砕帯を確認してございます。その様子が次のページにございます。
これが、トレンチ1内におけます破砕帯でございまして、非常に細い破砕帯でございますけれども、一応D-1らしきものは確認できたと。それからもう一つ、トレンチ2のほうでは、D-1破砕帯が若干、破砕部が非常に小そうございますけれども、確認したということになっております。
その次のページ、これは浦底断層の全景といいますか、南のほうから撮った図でございまして、ちょっとこれは写真が悪うございますけれども、左側には大体の地図がございます。
上盤側と下盤側で、横ずれと称しながら、やっぱり逆断層センスが非常に強いということで、右側には拡大図がございます。破砕帯を挟んで、上盤側の基盤岩が非常に破砕されているというような様子と、それから下はこれは堆積物でございます。
このように逆断層センスを持つ横ずれというようなものが確認できております。次のページをお願いします。これが、もう一つの自然露頭をもう少し今回拡張したものでございます。
前回は一部分露出したものでございます。ここでも、K-TzとかDKP、これは確認できてございますけれども、これについては、ここも非常に急傾斜ということで、意見聴取会の先生からは、こういったところでの上載地層法での確認は難しいのではないかというコメントをいただいてございます。
今の進捗状況の説明については以上でございます。
○島﨑委員
ありがとうございます。経緯と、その後、追加調査の様子の資料がございました。何か御質問、御意見がありましたらお願いします。
○鈴木教授
詳細な御説明をいただいて、ありがとうございました。旧保安院の意見聴取会でも、大変重要な御意見が、特に宇根委員あたりから出ていたということがよくわかりまして、その辺りの御意見も踏まえて、総合的に考えていかなくてはいけないということをよく理解したつもりです。
1点伺いたいのですけれども、1号機、2号機の周辺だけ数えても、破砕帯自身は40本ぐらいありますよね。そのうちの5本のものを赤で塗って、それを追加対象にしたという、その選び方の経緯について、何か追加で教えていただけることがあれば、お知らせいただきたいと思います。
○小林管理官
これについても、ちょっと耳たぶの、先ほどの机上資料の地質・地質構造の関係資料の耳たぶの5の、というよりも、耳たぶの6の少し前のページ、1枚前のページですね。
耳たぶの6の左側の13ページと書いてあるところですね。ここで、私どもとしては、特に注目したのは、原子炉建屋の地下に走る破砕帯、これに特に注目したわけでございますけれども、その中で、遠田委員のほうから、中ほどに、上から8行目辺りから遠田委員の意見がございます。
ここの遠田委員の意見の4行目でございますけれども、たくさん破砕帯が記載されているわけですねと。その中で、物理的に結局全部調べるというのは無理なんですけれども、代表的にここで幾つか選んでやっているというところをちゃんと整理して、この幾つかが、その中でも一番、要するに今までの調査では活動的に動いている可能性があるというところ辺りはちゃんと整理していただきたいというコメントがございました。
これで、私どもとしては、整理をしていた最中で、こういった規制庁のほうに移ったということでございますので、これは事業者のほうも含めて、私どもで整理しなければいけないというふうに考えてございます。
一つは、やっぱり原子炉建屋の下に入っている破砕帯をまず選んだというところでございます。特にD-5破砕帯なんかは、特に浦底断層の屈曲部に位置していますので、これは非常に重要ではないかというふうなこともございましたので、選ばせていただきました。
ただ、こういった整理は必要ではないかというふうに考えてございます。
○鈴木教授
これからそういうデータもこの場でつくっていくという、そういうことですね。
○小林管理官
はい。
○鈴木教授
わかりました。追加でですけれども、よろしいでしょうか。破砕帯の分布図が非常に直線的で、いわゆる不自然に思うという宇根委員の意見がありましたが、工事の最中とかに完全に露岩させて、その破砕帯がしっかり見えて、もうここに間違いないというところと、点で見つかって、それをつないでいるところと、恐らくあると思うんですね。
そういう意味で、本当に確実なところは実線で分布図を描いて、推定のところは破線にするというような、そういう扱いのものもここでつくっていく必要があるのかなというふうに思っておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○説明者(木下)
御指摘のとおり、全て目で見て確認したものではございませんで、ボーリングの点の部分をつなげて、それを直線的につなげているというような描き方で描いてございますので、それは確実性がどの程度あるかということは、少し整理をしていきたいと思います。
○藤本准教授
藤本です。今の鈴木さんの質問と全く同感なのですけれども、やはりこの破砕帯の切った切られたという関係が非常に重要だと思うのですけれども、例えば古い資料で見ますと、fとかいうのは、井戸(ボーリング)の1本で把握しているとか、数本で把握しているものが、それを結構大胆に延ばしているようなところが見られます。
それで、特に切った切られたの関係は、本当にその場でないと見れないので、本当にこの切った切られたの関係が本当なのかというのが少し疑問に思いますので、できるだけ――今回の浦底断層とD-5の関係なんて多分そういうことだろうと思いますので、その辺はやはり、確実な押さえたところだけは実線で書くというような、先ほど鈴木委員のおっしゃったようなことをぜひ実行していただきたいということが一つあります。
それからあと、ボーリング、掘削孔から破砕帯の姿勢を、傾きとか走向とかを割り出すのはそんな簡単なことではないと思います。それはどのように測定をされたのか。コアでやるとすると、多分定方位のコアをとらなくてはいけない。
ボーリング、石を上げてくる途中でくるくる回りますから、きちんとした定方位のコアを上げなければいけないですし、そうでないならば、何らかの物理検層をやらないと、多分破砕帯の走向や傾斜というのは決まらないと思いますので、その辺りのもとデータですね。
この非常に詳細なデータが――何ページでしたか。
○島﨑委員
12ページ。
○藤本准教授
そうですね。12ページに非常に詳細なデータがありますけれども、この辺りをどういうふうにして測定したのか。あるいは、その確実性がどれくらいなのかということを、改めてチェックをしないと、とにかくこの12ページのデータと、それをもとにした、この破砕帯の分布というものが一番ベースになるデータだと思いますので、そこをきちっと押さえるというところを、まず本当にきちんとやっていただきたいと思います。
○説明者(木下)
御指摘ありがとうございました。ボーリングのコアだけではなくて、ボアホールカメラ等で確認をした上で、こういう傾き等は確認をしているというふうに聞いてございますけれども、全てそういう形でやっているかどうか、その後、どの程度確実性があるかというところは、少し調べさせていただきたいと思います。
○島﨑委員
ほかに何かございますか。どうぞ。
○宮内教授
2点ございます。敷地内の破砕帯については、今度の調査でどのくらい見せていただけるかでいろんな判定ができると思うのですが、これまでの調査の中で少し気になるところは、敷地内の地形分類図、地形区画図が、②の2ページですか――4ページです、失礼――などに描いてあるのですが、私もちょっと古い空中写真のほうで写真判読してみますと、この浦底断層の東側の半島沿いには、更新世の段丘なんかも分布しているように見受けられるのですが、ここに一切記載がございません。
それから、完新世の離水海岸地形も、微々たるものですが、東海岸などに若干見受けられるような気がする。つまり、浦底断層の本体の運動に伴って、東側、相対的に隆起する累積性の地形があるように思うのですね。
その辺が少し見落とされているか、検討されるべき課題だと思います。それから、浦底断層の断層モデリングをされているようですが、実際に上下変位が出た場合に、60cmがマキシマムだというようなモデルだと今拝見したのですが、もし、その東側の離水海岸地形などがメートルオーダーで存在している場合には、実際に地震時の東側の隆起成分というのはもう少し大きくなるのではないかと。
だから、断層そのもの、その断層沿いの情報だけではなくて、その周辺の離水海岸地形なども駆使して、本体の浦底断層の評価をちゃんとしなければいけないというのが感想といいますか、サゼスチョンですね。
○島﨑委員
ありがとうございます。どうぞ。
○藤本准教授
耳たぶの2の36ページですね。破砕帯の性質をまとめたテーブルになりますが、こういった浦底断層を除く破砕帯の最新活動期を一つの根拠として、破砕帯の粘土鉱物のK-Ar年代、放射年代を使って、18.9Maを示すということを根拠の一つにされているのですけれども、この破砕帯の粘土の年代でその活動時期を決めるというのは大変危険なことだと思います。
というのは、必ずしもその活動期に、その破砕帯の中の粘土鉱物が形成されたわけではないので、周りの母岩に入っている、周囲の岩石に入っている粘土がたまたま取り込まれて、そういうものを測定していることも大いにあります。
いろいろな論文が出ておりますけれども、非常に慎重に扱って、例えば粘土を細かく分けていくと、二つ年代が出るとか、そういう事例もありますので、そう簡単にこの年代が、18.9Maだから、それより新しいというようなことは言えないので、ぜひ、測定をされたのなら、その測定を、どういう方法で、その粘土を、例えばどういうふうに分類をしたのかとか、そういうところまで含めてちょっとチェックしないと、この年代は少し信じることは難しいのではないかと思います。
○島﨑委員
御意見ありがとうございます。私は、実は昨日現場を見てきたのですけれども、現場は非常に山の中で、狭くて、道もないようなところを歩いていただくようなことになりますので、昨日はあいにく雨が降っておりまして、非常にぬかるみの中を歩くようなことになりまして、天候によっては、さらにもうちょっと厳しい条件になるかと思いますので、御苦労をおかけすると思いますけれども、何とか十分調査していただけるようにしたいと思っております。
先般の大飯の調査では、静かな環境でじっくり調査をしていただくというような点から考えますと、幾つか課題がございました。ですから、事業者や、あるいは報道関係の方にもぜひ御協力をいただいて、透明性は確保しつつ、一方ではしっかりした調査ができるようにしていきたいと思っています。
例えば大飯の調査では、報道の取材ヘリが上空で非常にうるさくて、トレンチの中でお互いの声が聞き取りにくいような状況でございました。もともと原子力施設上の飛行はできるだけ避けるということになっているのではないかと思います。
調査の妨げにならないように配慮をお願いしたいと思っています。それから、トレンチの中や露頭の付近は非常に狭いものが多くて、皆さんに入念に見ていただきたいと思っていますので、事業者を含めて、立ち入る数を減らすようにしたい。
それから、取材もあるかと思いますけれども、その時間はなるべく少ない時間で、短い時間で終了していただくようにしていただきたいと思います。その点、ぜひとも工夫をお願いしたいと思います。
それから、今回は一応2日間見ていただけるように日程を確保しておりますけれども、1日目に全体を見ていただいて、必要があれば、あるいは気になるところがあれば2日目もというふうに考えておりますが、実際は、行っていただいて、見ていただいた様子で御希望を伺って調整したいと思っています。
1日目で、もうこれでいいということであれば、それはそれでも構いませんので、ぜひそのときの御都合次第ということで、御意見を伺って、実際の調査については決めたいと思っております。
鈴木先生から提出していただいた資料がございますので、御説明をお願いしたいと思います。
○鈴木教授
ありがとうございます。いろいろと事務局のほうでも御配慮いただいて、それから島﨑先生には、昨日も現場を事前に見ていただいたというようなことで、大変準備をしていただいているということはよくわかりました。
それから、今までの事前会合などもネット中継などをずっと拝見をいたしましたが、その中でいろいろと考え方などについても整理がされていて、改めて申し上げるべくもないのかもしれませんが、やはりその辺りで確認された事項というのを引き継いでいくということも重要だと思いましたので、改めて1枚ものを書かせていただきました。
これから私どもがやらなくてはいけない調査というのは、敷地の中の調査ということで、非常に制約が大きいということで、通常の学術的な議論とは相当違うところがあって、本当はもっと調べたいのにという、それでもなかなか調べられない。
そういう中でどういうふうに判断をしていくかという難しさが非常に大きいと思います。そのために、まず、さまざまなブレーンストーミングと言いますか、そういう議論が調査団の中には必要かなというふうに思いまして、例えば、1点目は、調査内容の合理性ということですけれども、先ほども説明いただきましたように、破砕帯が非常にたくさんあって、そういう中で安全性の評価という意味で有効な調査、調査設計といいますか、そういうものが本当になされているかどうかという点について、これは、私どもにそれを点検する責任があると思っておりますので、その辺りについての情報整理が必要だろうと思います。
まずは、ここまでの計画をつくられた方から、現状の調査内容と、調査地点をなぜ選んだかということと、それから、そこでどういう結果が出ればどう判断できるのかという部分について、作業仮説的なことについて伺いつつ、それを点検して、この規制委員会の中で独自にそこをもう一度つくり直していくと。
必要に応じて修正していくということが必要だろうと思われます。それから、宮内さんから航空写真の判読をという御意見がございましたが、敷地の中の低地の部分も含めて、写真判読をもう一度、私どももしてみたい。
ざっとしてみると、若干気になる変動地形の可能性も否定できないのではないかと思われるようなものがないわけではないということも薄々感じておりますので、その辺りもこの場で御議論を今後いただきたいと思っております。
それから、2点目は調査と議論の進め方ということで、もう既に問題は解決していただけているかと思いますが、観察時間を十分確保していただきたいということと、それから、調査団の中での自由な議論ができるような環境の確保をお願いしたいというふうに私も思います。
現場ですと、さまざまに、こういう可能性もあるのではないかというような議論が必要で、ただ、それが未確定のままに報道されるということも非常に混乱を招きますので、なかなか自由な議論がこれまではしにくかったように見受けられましたので、ぜひそこは、報道関係の方にも御協力をいただきたいと私も思います。
それから、2点目は、予断を持たずに判断できるように、事業者からは、「解釈」を入れない「事実」のみを提示してほしいということで、これも今日の御説明が、そのようにしていただけていたということで、大変感謝をしております。
それから、3点目は、「活断層ではないとしても矛盾はない」という、こういう論理、例えば地すべりだと考えても矛盾はないというような、そういう論理をとりがちですけれども、私ども、ここでは、活断層であると考えると矛盾するのだというような、完全に否定できるかということを確認するということになりますから、そういう意味で、今までの原子力の場合の調査の説明論理とは大分違ってくるのだろうと思います。
もしかすると、今まで関わった方がお聞きになると、私が非常識なことを言っているように思われるかもしれませんが、やはりミッションが変わっておりますので、ここはぜひ気をつけたいというふうに思います。
それから、前回、東通の意見聴取会のときに確認がされましたが、耐震設計上考慮すべき活断層というのは、可能性が否定できないものなのだということ。それから、安全側の判断をせよというようなことが、指針や手引にも非常に強く書かれているということについては、意識をして、結論を出さないといけないというふうに思います。
続けて、裏面もよろしいでしょうか。
○島﨑委員
どうぞ。
○鈴木教授
裏面は、私、かつて原子力安全委員会の活断層評価の手引をつくる委員会におりました関係で、これまでの評価をいろいろ見てきながら、広島大学の中田先生などと一緒に、どういうことがこれまでの問題点なのかということを整理しておりましたので、その関係で少しコメントをさせていただきたいと思います。
まず第1点目は、浦底断層の問題であります。今日の御説明は、2008年以降に浦底断層が活断層であるということが確定した以降の経緯の御説明が主でしたけれども、振り返ってみますと、それ以前は、80年代ぐらいから活断層研究の分野では、浦底断層が活断層であるというような可能性が指摘されておりましたし、91年には、ほぼ確実視されているという状況の中で、新指針ができた2006年以降もかなり無理な解釈がされて、例えばボーリング調査によって、基盤岩が約2万8,000年前のAT火山灰を含む地層の上に乗り上げているような状況が見えても、なお、それは、基盤が乗り上げるようなオーバーハングした崖があって、その後で、その火山灰を含むような地層がたまったんだというような、非常に無理な解釈がされて、これは保安院の審査の場でも非常に問題になったというふうにお聞きしております。
やがて、2008年に、トレンチで明白な証拠が出て、決着したわけですけれども、このような、もう本当に動かし難い証拠、疑い難い証拠が出ないまでは活断層だと認めないということが、これまではあったということです。
それは、大いに反省すべきですし、その問題を繰り返さないということは重要だろうと思います。1点目は、なかなか、その活断層ではないという説明の可能性があると、そこにこだわってしまうということがあると思われますし、それから審査の側も、事業者に判断責任を委ねて、疑問があって、特に、ここ数年は非常に厳しい指摘もなされていましたけれども、追加調査をしなさいという、そこにとどまっているという、これはそういう評価ではいけないというふうにはなっていなかった。
それは意見聴取会という位置づけから仕方のなかったことだと思いますけれども、こういったことで活断層だということに決着するまでに、非常に時間を要したという問題があると思います。
そういう反省を受けて、今回、規制委員会では、安全評価はその国が責任を持って行うんだということ、事業者の解釈によらずに規制委員会が判断するということが整理されましたし、それからやはり調査にも限界があるんだということを考慮して、規制の安全判断をするんだということが決められております。
合意されておりますから、これは、非常に一歩前進だというふうに思いますけれども、一方で、意見聴取会などは、数年間にわたって何度も、非常に詳細な検討を会議の場で行って、さらに現地調査も行ってということをされてきた、それに対して、私どものこの検討がそこまでのことが本当にできるのかということについては、今の体制ではやや不安にも思うところがございます。
例えば、今日、先ほど申しましたように、破砕帯ごとのこれまでの観察結果などを、一覧表をつくり込むというような作業、それは申請時にも、設置許可申請書なんかにも書いてあったり、それから工事のときにも新たにわかったり、それからバックチェックのときにもわかってきたりというようなデータを、全て網羅的に、ここで資料を作成する必要があると思いますし、破砕帯の分布図についても、その分布の線も確実度に応じたものをつくり直す、それからもう1点、先ほど申し上げませんでしたが、上載層といいますか、新しい地層が、どこならありそうかということを、特に低地の中で可能性を確認する、これは工事のときに、どの程度掘り込んでしまったかということを調べれば、わかると思うんですけれども、さらに調査をしたら、いい成果が出る可能性のある場所はどこなのかというような、そういった資料づくりが必要だというふうに思われますので、例えば、規制委員会の中に、専属の検討チームをつくって、そういったことをまとめ上げるというような、もちろん私どもも調査団ですので、その責任があると思っておりますから、これまでの資料等をしっかりいただければ、それをまとめるということもいたしますので、ぜひそういったところを行って、今までの意見聴取会よりも、さらに一歩進めた調査をしなくてはいけないというふうに強く思っております。
それから、ちょっと長くなって恐縮ですが、今回のサイトについては、非常に近傍に、非常に大きな第1級の活断層があるという前提の中での判断ということが迫られるという、他のサイトとはやや違う特徴があると思います。
その場合、1点目は、通常以上に安全側の判断が求められるのではないか。それから、今回のような例だけではなくて、原発が断層線と隣り合っているというだけではなく、大きな断層面の上方にあるというような、そういう場合も同様だと思うんですけれども、そういった場合にどう判断するかということです。
例えば、火山、単に地割れと見えるようなものも、それが火山地帯にあるという前提があれば、見方が当然違うわけで、こういう点も、あまり安全だということだけを強調するのもバランスを欠くかもしれませんけれども、やはりこれも科学的な判断ということで求められることかと、私は思いました。
それから、どういう場合に活断層の可能性が否定できないかということの考え方の整理が必要だということと、それから何らか解釈する場合に、モデル依存に陥らないようにということも必要かなと思いました。
副次的な断層がそのサイト内にあった場合に、それは主断層と必ずしも連結するというか、分岐していくとも限らない、やや離れたところで動くということも十分ありそうですし、それから一つの破砕帯の一部のみが活断層という可能性も、これも否定はできないわけですから、重要施設の直近を評価するということがやはり非常に重要だろうと思いました。
それから、4点目は意見聴取会で活断層だとする見解が多かったことにも留意するということでございます。それから、今後、追加調査などが必要になってくる可能性もあると思うんですけれども、以下は私の希望ですが、追加調査は、規制委員会が独自に行うべきだというふうに思います。
もし、その体制が十分ではないという場合には事業者にお願いすることになるのかもしれませんが、その場合、規制委員会の代行で実施していただいているということの確認が必要ではないか。
事業者が見解をまとめるために、追加調査を行うわけではないんだということかと思います。例えば、規制庁は毎週観察結果を報告してもらって、それを調査団に連絡をして、事業者に対して追加指示を出すとか、あるいは調査団がもうこれで結論をまとめられると判断した時点で、追加調査の任務は終わるわけですから、そこで終了するということ。
これは、何を申し上げているかといいますと、追加調査自体に、またさらに何カ月も、半年もかかるというふうに言われてしまうと、それならもうここで決断せざるを得ないかなという、そういうふうに考えざるを得なかったりもしますので、ぜひこのあたりの進め方について、今後御検討をいただきたいと思います。
判断に直結しない、研究者はとにかくいろいろな武器を持っているというか、徹底的に調べるには、こうしたいというような希望がないわけではないわけですけれども、本当にそこまでやって結論を出すのか、どこまでで本当に判断するのかということが求められるという、非常に難しい立場に私自身が立たされているということを改めて感じております。
それから、事業者からの報告が、これまでの流れとして求められていると思いますけれども、ここから先は調査団の結論を受けて、規制委員会が結論を出されるというふうに伺っておりますので、事業者から報告がという、その報告の内容というものがどういう位置づけなのか、特に、追加調査の場合にも、さらなる報告や、それから私どもが現地調査を行った後で出てくる報告というものの位置づけがどういうふうになるのかということについて、疑問を感じているというところがございます。
そういった報告を待つと結論が遅れてしまうという、非常に強い問題意識も持っているということをお話をさせていただいて、ぜひこのあたりの位置づけについても、御検討をいただきたいというふうに思います。
以上、長くなって恐縮ですが、私の説明でございます。
○島﨑委員
御意見ありがとうございます。最後の点に関して言いますと、事業者が中間報告だとか、最終報告だとか、いろいろ予定はしておりますけれども、それはまさにこの場の判断で、この場でも既に判断ができるということであれば、それは例えば最終報告を待たずにこの場で判断を下すということは、当然あり得ると思いますので、それはまさにどこまで我々がこれまでの調査、あるいは実際、現地へ行ってみて、情報をどこまで得て、これでも判断できるというふうに考えるかによっておりますので、必ずしも、最終的な判断を待って決めるということではないと思っております。
その点はよろしいでしょうか。ほかにもいろいろ御意見がありますけれども、宮内さんと藤本さんから何かございましたら、この件に関して。よろしいですか。今、お答えできることはそういうことかなと思いますけれども、あとは検討がいろいろ必要だという点で、特に破砕帯の位置、それからもととなったデータの確からしさ等々で、これだけたくさんあるので整理したほうがいいという御意見をいただいていますので、これは事務局と相談して、こちらでも少しできるだけのことはやってみたいと考えておりますという答えでよろしいでしょうかね。
では、そういう形でやらせていただきたいと思います。あとは、よろしいですか。まだ、議題は実は残っておりますので、あとは事務局のほうから、審査に用いる指針類について御説明をお願いいたします。
○小林管理官
それとあと、御参考に、連動のほうも少し。
○島﨑委員
はい、連動の話がほとんどなかったもので、あわせて、それじゃあ、よろしくお願いします。
○小林管理官
これは机上資料のほうを見ていただきたいと思いますけども、まず敷地周辺の活断層、活断層の連動の評価という関係資料ございます。これをちょっと、簡単にかいつまんで御説明させていただきます。
管理官の小林でございます。これでいきますと、従来、3.11前の評価を見ていただきたいと思いますけども、耳たぶの№4というのがございます。平成21年3月26日でございます。
これを御覧いただきますと、このうちの、8ページを御覧いただきたいと思います。この敦賀発電所に関して申し上げますと、この8ページのウツロギ峠北方と池河内断層、浦底-内池見というところが、特に関与してくるわけでございまして、浦底-内池見断層と、ウツロギ北方-池河内断層の連動について、当時、震災前に議論したものでございます。
これについては、念のため、合計四つでございますけど、この断層の連動を考慮すべきということでございます。結果的に、ウツロギ峠北方と池河内が、これが23㎞、ここには書いてございませんけど23㎞、それから浦底-内池見が18㎞ということで、これを合わせたものを念のため連動考慮ということと、それから前のページ、7ページに戻っていただきますと、当時、ウツロギ峠北方-池河内と、さらに南方の柳ヶ瀬、鍛冶屋と移るわけですけど、こういったところの連動を考慮すべきという議論があったんですけど、このときは、地表地質調査で両者を連続させる活断層は認められないということで、考慮しないという結論でございました。
やはり、震災後、こういったものについて、再度、こちらでちょっと見直してございます。それが、今度耳たぶの後ろのほうになります。耳たぶの9でございます。耳たぶの9に、これは24年4月23日の資料でございます。
ここでは、この中の6ページを御覧いただきたいと思います。6ページにコメントの整理というのがございます。図が非常に見づろうございますけど、これは和布-干飯崎からずっと南の鍛冶屋までの連動についての評価のコメントでございます。
中ほどの先生方のコメントを見ていただきたいと思いますけど、かいつまんで申し上げますと、五つ目のポツですか、柳ヶ瀬断層が主断層であって、浦底-柳ヶ瀬山断層、これは柳ヶ瀬断層のすぐそばでございますけど、その柳ヶ瀬山断層が分岐断層という考え方であったが、今はむしろ、鍛冶屋、柳ヶ瀬南部からの破壊があるときには、柳ヶ瀬北部にいくが、AT降灰以降は柳ヶ瀬山、池河内、ウツロギを通って、浦底までいく可能性を考えなければならないということと、それから、その次のポツ、これは先ほど宮内先生も言われましたけど、浦底の単位変位量は、ネットで3mを超える可能性も出てきているというようなコメントもございました。
それから、そのさらに三つ後ぐらいに、ウツロギ峠北方と浦底断層間のポップアップと書いてございますけど、これについては、明らかに甲楽城沖までは一連の構造であるというコメントもございます。
その次のポツでございますけど、柳ヶ瀬北部の活動が低下していること、それから山中断層は調べてもはっきりと出てこないことから、柳ヶ瀬南部から池河内、ウツロギ峠北方に活動が西側へシフトし、敦賀湾内に入ってきていると考えるのが自然であるというようなコメントもございました。
こういったことを踏まえまして、私どもとしては、ずっと後ろに参ります。耳たぶの10でございます。耳たぶの10でございまして、耳たぶの10の1枚めくっていただきますと、保安院の見解が一番上に出てございます。
保安院の見解としては、甲楽城沖断層、浦底断層、池河内、それから柳ヶ瀬山断層を一連の構造とした上で、横ずれが卓越する構造が類似する和布-干飯崎沖断層、それから甲楽城断層、柳ヶ瀬断層南部、鍛冶屋断層と連動を考慮した検討を実施することと。
さらに、南の関ヶ原まで連動させる必要があるか否かは、検討が必要というような見解が出してございます。こういったことを踏まえまして、事業者のほうでは、そもそも浦底断層、まさに250mという、直近にある浦底断層の地震動評価、こういったものも見直してございまして、それも含め、事業者において再検討中ということでございます。
2ページには、ちょっと、後先になりますけど、図がつけてございます。この赤いところが、保安院のほうで連動させるべきというような指示した部分でございまして、最近になって、また和布-干飯崎の北部、これは御承知のとおり、産総研のほうで、さらに北方延長しているとの見解も出てございます。
こういったことを踏まえて、特に活動が敦賀湾内に入ってきているというような評価を実施すべきというような指示を出してございまして、地震動評価等も含め、再検討中でございますけど、事業者においては、一応、ここに、2ページに書いてございますように、これらの断層帯について、最新の活動時期等について、調査を実施しているところでございまして、一番最後のページに工程がございます。
一応、11月末ということで、当時出してございますけど、一応1月には、全ての調査がまとめられるということでございますので、今回、この会合のミッションは、一応、敷地内の破砕帯の活動性の評価ということでございますけど、ただ、こういった連動、付近の活断層の連動等については、何らかの形で原子力規制委員会のほうで検討すべきというふうに、私どもとしては考えてございます。
それからもう一つの資料の、机上参考資料の指針類の関係資料でございますけど、これについては、先ほど鈴木先生のほうから指針類の簡単な御説明があったので、これも簡単に御説明させていただきますと、まず、一つ目のタブのが、これは耐震設計審査指針でございまして、この中で、今回の敷地内破砕帯についての記述でございますけど、これが2ページ目の3行目でございます。
また、建物・構築物は、十分な支持性能をもつ地盤に設置されなければならないということと、それから、4ページ目でございます。これは基準地震動の策定のところで、考慮すべき活断層の定義でございます。
これについては、先ほど鈴木先生から御紹介があったので、割愛させていただきます。それから、指針の下に手引きというのがございます。安全審査の手引きというのがございます。
これが二つ目の耳たぶのところでございます。これは指針について、少し詳しく説明したものでございまして、その中で、二つ目のタブの9ページ目でございます。ここには、耐震設計上考慮する活断層の認定ということで、活断層の認定のチェック事項が書かれてございます。
(1)としまして、考慮すべき活断層の認定は、いろいろな調査手法によって可能性が推定される場合には、認定しなさいよというようなことと、(2)にございますように、後期更新世以降の累積的な地殻変動が否定できず、適切な地殻変動モデルによっても断層運動が原因であることが否定できない場合には、これらの原因となる耐震設計上考慮する活断層を適切に想定することと、こういうようなチェック事項がございます。
それから、敷地内の地盤については、19ページ目でございます。19ページ目の建物・構築物の地盤の支持性能のところに記載しております。この4行目のところに、ただし、耐震設計上考慮する活断層の露頭が確認された場合、その直上に耐震設計上の重要度分類Sクラスの建物・構築物を設置することは想定していないことから、本章に規定する事項については適用しないということと、その下の枠囲いの解説のところの、なお書きでございます。
なお、地震を発生させ得る断層と構造的に関係する副断層についても上記但し書きを適用するということで、こういったものの上にも、Sクラスの建物・構築物を設置することは想定していないということがこの手引きの中に書かれてございます。
簡単に指針類の紹介をさせていただきました。以上でございます。
○島﨑委員
ありがとうございました。何か、御質問、御意見ございましたら。よろしいですか。それじゃあ、机上資料の説明は以上です。ほかに何か御質問等ありましたら、どうぞ。
○藤本准教授
すみません、先ほどちょっと質問を、一番最初の資料のところで質問というか、意見を申し上げるべきだったんですけれども、破砕帯が、鈴木さんからの資料にもありますように、その断層の判断の一つとして、断層粘土の固結度が低い場合というのがあります。
それで、当初の事業者側の説明でも、古い節理と同じ方向であるということで、それが活断層ではないという、ただやはり非常に古い節理、あるいは弱面がそのうちに活動するということは非常にあるものです。
その破砕帯が弱面であるかどうかというのは、基本的には、そこがどういう鉱物で構成されているかということは非常に重要だと思うんですけれども、いただいた資料では、どういう鉱物で、鉱物がどういう、石英があるのか、粘土鉱物といっても、いろいろ粘土鉱物があります。
スメクタイト、膨潤性、水を含むと膨らむような粘土鉱物なのか、そうでない、比較的固結性のいい粘土鉱物なのかというような、そういうあたりもぜひ調べていただきたいと思います。
以上、すみません。
○島﨑委員
ありがとうございます。そういった調査はされているんですか。
○小林管理官
この中で、先ほどの経緯の説明の中の、⑥のところ、⑥のタブで、コメントを踏まえた対応についての中で、断層内物質に着目した破砕帯の活動年代の検討ということで、代表的なESRというのは、これもまだ確立されたものではないというふうなことを聞いておるんですけど、こういったもの等の破砕帯を構成する物質に着目した破砕帯の活動年代の評価ということで、いろいろな手法を用いて、そういった断層内の鉱物ですね、こういったものの分析して、その評価をしてみたいというようなことを考えてございます。
実際、これも今やっている途中でございまして、その結果も含めて今度の現地調査では説明させていただきたいというふうに考えてございます。
○島﨑委員
ありがとうございます。ほかにどうぞ。
○宮内教授
先ほどの破砕帯に関係するところは、ほかのサイトでも同じだと思うんですが、やはり破砕帯を幾ら見ても、結局、活かどうかの判定には使えないというのが我々の常識ですよね。
いろいろ事業者の方が調査されて、結局、上載層がどのぐらい見えて、そこにどのぐらいの変位があるかということがきちんとわからないと、我々のミッションは答えが出せないというのは率直な感想なんですね。
仮に、そういうものができたとして、無数にある破砕帯の中で幾つかは黒の判定ができると。じゃあ、今まで対象になっていなかった破砕帯は、大丈夫なのかと言われると、これだけの大断層、1級の活断層があって、それが活動するときには、その場合は黒と判定したのが動いたけれども、次回はそうじゃないところが動くということだってあり得るわけですよね。
そういう場合に、この委員会では、どういう判定をしていく、全体的な問題になるんだと思うんですけれども、そういうのはもう無視して捨てていくという方向なんでしょうか。
○島﨑委員
何といっても原子力施設の安全性に関わることですので、学術調査上では、無視して、捨ててもいいかもしれないけれども、そういうわけにはいきませんので、それなりに安全性については御判断をいただきたいと思っております。
○鈴木教授
やはり、今の御指摘のように、断層粘土がやわらかい場合には、なかなか可能性を否定し切れないということが残りますよね。グレーとしか言えないというものも当然出てくると思いますから、それも結論として残さなきゃいけないというふうに思うんです。
それで、一つお願いなんですが、設置許可申請書のレベルまで戻らないと、本当の現場確認のときの記載などにたどり着かなくて、今日のいただいた資料は、ある程度それが加工されたものでしたので、なるべく、原著に近いというか、報告書に近いレベルのものをどんどん送っていただきたいというふうに思います。
私どもも読みたいと思いますので、ひとつお願いしたいと思います。
○島﨑委員
ありがとうございます。もちろん、こちらから送らせていただきますので、御検討いただければと思います。何か、作業として、いろいろ大変なことをお願いして申し訳ないところがありますけれども、ぜひ重要なことですので、お時間割いてやっていただければ、ありがたいと思います。
よろしくお願いします。本日用意しました議事は、全て終了しましたが、何か最後にというか、まだ何か残っていれば。よろしいですか。それでは、規制庁のほうから、今後の予定等、事務的な御連絡をお願いします。
○小林管理官
長時間にわたり、御議論ありがとうございました。本日の資料につきましては、当方から郵送させていただきますので、机上に置いたままで結構でございます。それから、12月1日、2日の現地調査でございますけど、その詳細なスケジュールについては、別途御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
規制庁からは、以上でございます。
○島﨑委員
どうもありがとうございました。以上をもちまして、敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合事前会合を閉会いたします。以上