平成24年5月28日(月) 経産省 保安院 定例ブリーフィング 16時20分~
IWJ Independent Web Journal
冒頭 森山対策監の報告連投。福島第一報告のみ。
○森山対策監:
福島第一について。今週、本来今日からの予定だったが、原子炉中水流量の変更を行う。手元のパラメータ表を見て頂きたいが、現在、1号機 給水系 4.4m3/h、CS系2m3/h、2号機 給水系3,CS系6,3号機給水系1、CS系5。
おおよそだが1号機が現在6.5m3/h、2号機が約9m3/h、3号機が約7m3/hとなっているが、これから夏場に向けて注水そのものの温度が上昇していく、と言うことが考えられるので、炉心底部、圧力容器底部の欄にあるが、
比較的1号機、2号機について3号機が高いと言う事で、しばらく注水量変更していなかったので、1,2号機を少し減らして3号機を少し上げる計画を進めている。具体的には1号機の給水系 4.5→3.5m3/hに。2号機はCS系6→5.5m3/hに。
3号機が給水系を2→3→3.5m3/hにあげていくということだ。本来、本日1号機を減らして3号機を増やす操作に入る予定だったが、現地の天候がよくないという事で明日以降に。基本的には先ず1号機を減らして3号機を増やす。
6月にはいると2号機を2.5m3/h減らし3号機を2.5m3/h増やす。全体の注水量は今のところ変えないと言う事で1~3号のバランスを変更するとういことである。熱バランスでどのような温度になるかは評価が難しいが、
夏場の一番暑い時でも圧力容器底部温度は65℃ぐらいではないかと見ている。不確かさもあるので、早めに温度調整していくことで効果を見てみるということで5月から操作に入る。以前も申し上げたが、原子炉注水の温度そのものを冷やすということで、
バッファタンクから水を撮っているが、その冷却のための準備もしていく計画。ついでにこのパラメータ、他の点について紹介すると、格納容器水素濃度 1号機0%、2号機A系B系何れも0.24%、3号機A系0.15,B系0.14%。
# 注水する水の温度そのものを冷やそうという計画
使用済燃料プール温度 1~4号機順に 22.5℃ 22.8℃ 22.2℃ 32℃。その他作業、2号機タービン建屋滞留水を高温焼却炉建屋ヘ現在移送中。建屋内の遠隔除染のための調査、1号機から開始したが、
本日から2号機建屋内の線量測定をロボットでガンマカメラを持って測定するということだ。また、2号機については代替温度計設置のための現場調査、遮蔽作業を行なっているが、現在、遮蔽なり除染作業を実施している。順調に進んでいると聞いている。
★3号機は塩分除去装置が停止している。3号機の塩分除去装置は2つの設備からなっており、逆浸透膜、電気透析装置の2つを組み合わせている。このうち電気透析装置が昨日警報が出て停止。原因はまだわかっていない。RO装置単独で運転再開予定。
3号機タービン建屋の水は高温焼却炉建屋へ移送している。4号機塩分除去装置、こちらも26日に停止。入り口流量計の指示不良。流量計がゼロになっていたということのようであり、手動で停止している。
4号機はほぼ同じ時間帯にスキマサージタンクといっているが、資料済み燃料プールのあふれた水を戻してまた冷却をしてまたプールに戻すといういうタンクの部分だが、その推移の上昇があったということである。
その推移の上昇と塩分除去装置の不具合の因果関係はわかっていない。スキマサージタンクの水位上昇原因もわかっていない。水位を少し低くした上で現在冷却を継続しているということだ。
その他、3号機突出弁ピット、これは以前から水を抜いてセメント埋設作業をしているが、本日で埋設を終了する予定。水処理関係は現在サリーの一台運転。キュリオンは停止、補修中。私からの説明は以上。
■質疑
○毎日中西:
今日の中長期対策会議で4号機の使用済燃料プールにある新燃料について2体7月にサンプルで引き上げるということだが、安全性の評価は今の段階でどう見ているか?
○森山対策監:
基本的に新燃料なので特に問題無いと考えているが、一応、落下防止その他、どうなっているかはこれから良く確認していきたいと思う。
○NHK岡田:
この2体の引き上げだが、これにより保安院として事前に東電に何か求めたり、これを引き上げたことによりする作業は何か予定しているか?
○森山対策監:
何れにしても安全に引き上げ作業行う必要がある。基本的には新燃料なので大きな問題はないと考えているが、専門家の意見まで求めるかどうかという考えだと思うが、何れにしても実際には新燃料を移送するケースというか、
そういうものに入れて取り扱うわけであり、また、クレーンで吊り上げるわけだから、落下防止装置ができているかとか、そういったことを含めて確認はしていく。
○NHK岡田:
確認の仕方として報告聴取や指示といった形になるのか。
○森山対策監:
そこまで具体的にはまだ決めていない。専門家の意見を聞くことはありえると思う。まずは保安院の中でヒアリングして確認していきたいと思う。
○NHK岡田:
★新燃料なので特に問題無いというのは、まだ使ってないからという意味で捉えていいのか?細かく教えてほしい。
○森山対策監:
先ず使っていないので放射化していないというのがひとつ。それから新燃料出会っても使用済燃料プールに万一落下すれば、どういう問題があるかということは見なければいけないが、基本的に新燃料があるところでとり出すので、そこは大きな問題無いだろうと思う。
勿論、落下ということは決して新燃料であっても、ということではないので、基本的には新燃料を扱う時と同じような注意を持って取り扱うということ。東電がこれから具体的な報告するかはよく検討していきたいと思う。
○東京新聞 大村:
話が変わるが原子力委員会の方でこの間、事業所サイドの方とかを集めて技術検討小委員会とかの資料を作る際の作業部会をやっていた話が問題化しているわけだが、保安院でも意見聴取会とかやる際に、事業者だけを集めたような勉強会を事前に開いて、資料作成に役立てさせたとか、そういうことはあるか?
○森山対策監:
それは規制者と被規制者の関係だから、当然ヒアリングなどは行う。例えばストレステストであれば保安院がどういうことを聞いているか、これも含めてHPに公表しているが、当然、事業者から個別に様々な情報提供、ヒアリングというか、と言うことは通常の規制行政の中で行なっているということである。
○東京新聞 大村:
一度に介して皆さん集まって、そういう状況なのか?
○森山対策監:
同会しているかは、個別の審査は一社一社だから。それは個別になる。物によっては例えば電事連とかに声をかけて取組状況を聞くことはある。
以前から議論になっているが、耐震指針見直し後のいろんな対応について事業者、といってもまとめて説明すべき時は電気事業連合会ということを窓口に説明したり、状況確認したりすることはある。
~ 終了 16時36分(16分)