2012年6月4日月曜日

東電会見 2012.6.4(月)18:00 ~ 安全委員会が東電(と関電に)全交流電源喪失事象検討WG 全電源喪失を安全指針から除外するための作文を求め、指針除外の要求が受け入れた件の経緯説明

東電会見 2012.6.4(月)18:00 ~

トラブル報告1件。指示値が落ち着きあった2号機格納容器温度計4つの指示値が再び異状値を示した旨の報告。早ければ本日開始予定だった2号機注水量0.5m3/h↓3号機0.5m3/h↑は明日以降に持ち越し。

1号機水素濃度は引き続き上昇傾向、様子見の段階。他、月一の水処理設備の放射能濃度測定結果報告。通気性の高い新型カバーオールは7月1日導入予定。6月の熱中症実績はゼロ報告。熱中症も実績扱いは去年と相も変わらず。

質疑は20年前の全交流電源喪失事象検討WGで安全委員会が東電、関電に作文を要求、班目委員長謝罪報道が中心。言うまでもなく安全委員会に要求したつもり無い説明。「あのう」を連発するわかりやすい松本氏。

安全委員会事務局のあった科学技術庁原子力安全調査室から電源喪失についての設置許可変更申請30分の根拠示せとの要求に外部電源、非常用DGの信頼性の高さをアピール、炉心損傷に至らないと説明、我々は要求、抵抗してない主張。


○プラント

○サンプリング・モニタリング

○報道
時事通信
安全委、業者に「作文」指示=電源喪失対策、不要の理由-20年前、指針改定見送り
国の原子力安全委員会の作業部会が1992年、原発の安全指針の見直しで、長時間の全電源喪失について考慮しなくて済むように、東京電力と関西電力に理由を「作文」するよう指示していたことが4日、分かった。
安全委は東電が作成した文書などを基に報告書をまとめ、結果として検討課題だった安全指針の改定は見送られた。安全コストの増大を嫌う電力業界の求めに沿った形で、安全委の班目春樹委員長は記者会見で「反省したい。明らかに不適切なことをやっていた」と述べた。(2012/06/04-18:58)

○原子力安全委員会




■福島第一の状況

○松本:
[原子炉および格納容器の状況] 1~3号機までCS系、給水系からの注水を継続中。

[圧力容器下部温度、格納容器圧力と水素ガス濃度]記載の表の通り。土曜日のブリーフィングで申し上げた通り、1号機の水素ガス濃度が若干上昇気味。こちらは5月の大型連休の際にも一時的な上昇が見られたが、それと同様ではないかと見ている。数日程度で下がってくるので様子を見ていきたいと思っている。

2号機だが格納容器の温度が週末から少し変化が見られている。以前伝えている4具の温度計。114A、114D、114F#1、114H#1の4つの温度計だが、元に戻っていたが、今週末から少しまた上昇している。

11時の段階で114Aが64℃、114Dが47℃、114F#1が34.9℃、114H#1が48.1℃という状況だ。この114Aに関しては約8℃、114Dは約5℃の上昇。それに釣られる形で114F#1が約5℃、114H#1が約7℃下がってきている状況だ。

17時の値を見ても略同じ値であり、また指示としては落ちついている状況。今後下がるのかどうかについてよく観察していければと思っている。

[使用済み燃料プール]★1~4号機まで循環冷却継続実施中。4号機に関しては欄外、昨日11時21分に循環冷却を再開。再開時のプール水温47.4℃、本日午前11時で38℃なので約10℃低下。4号機についてはモバイルROは流量計のフラッシングを実施して指示が戻ったことから運転を再開。

[タービン建屋地下溜り水の処理状況 ]1号機タービン建屋から2号機のタービン建屋への移送は6月1日~3日 9時50分まで移送を行なっている。2号機、3号機のタービン建屋から雑固体廃棄物減容処理建屋への移送は継続実施中。裏面。

[水処理設備および貯蔵設備の状況]キュリオンは運転停止してポンプスキッドの追設工事を行なっている。サリーは高濃度温泉水処理を継続実施中。

[その他]その他工事に大きな変化はない。手元にサンプリング資料を二種類配布。1~4号機の南放水口での海水サンプリング結果。(http://j.mp/M3ux9P )セシウム134/137、全βは検出限界未満という状況が続いている。

○サンプリング・モニタリング
★それから表の形式になっているが、水処理設備の放射能濃度の想定結果だ。(http://j.mp/M3uKK7 )5月22日に採取したものだが、左側①から⑩まで水処理設備の水の流れに従ってサンプリングを行った結果だ。

殆ど状況としては変わらない。①、③が水処理を行う前の元の水であり、大体10E+4~10E+5Bq/cm3程度のセシウムが含まれており、それをキュリオン、サリーで水処理したのが④、⑤以降ということになる。

⑥,⑦のところは淡水化装置の出入口の状況になる。こちらは引き続き、毎月一度のサンプリングを継続実施していく。


○その他報告
★作業関係で1点連絡。熱中症の実績についてはこれまで伝えてるが、6月を迎え本格的な夏対策ということで、昨年と同様、クールベスト、休憩所の設置、水分の補給等を作業員に呼びかけていきたいと考えている。

以前知らせているとおり、現在、通気性の良いカバーオールの装着の導入検討を進めており、7月からはその運用が開始できるようにしたいと思っている。

なお、4月、5月における熱中症の発生件数は0件だった。私からは以上だ。



■質疑

○共同樋口:
2点ある。水素濃度が1号機で若干上昇気味で前にもあったということだが、その時の原因はわかっているのかどうか。温度計の値が上がったり下がったりしているのはどういう要因、原因なのかわかれば教えてほしい。

○松本:
水素ガス濃度の原因だが、現在の所まだハッキリしたことはわかっていない。格納容器の中が均質ではないと見ているので、窒素の流れとかが若干変わると水素ガス濃度の高い所の部分のエリアの気体を吸っているのではないかと見ている。

こちらに関しては5月4日にも同じような現象があり、その後、水素ガス濃度は0%に下がってきた状況だ。従って引き続きどういったことが考えられるのかという原因については調査しているが、今のところ、まだはっきりしたところまではわかっていない。

2号機の格納容器温度だが、こちらも先週発生したのと同様であり、手元の表で見ると左側の2つが同じ時期に上がってきて、右側の2つが同じ時期に下がってきて、ほぼ安定した状態を継続した後、また元の温度に戻ってくる事象だ。

こちらも注水量変更とか、窒素ガス封入量変更等を行なっていないので、プラントに対する外乱というよりも、なにかこの温度計の計測器に関する電気的な混色というか、ご信号が入っているのではないかと考えている。

こちらも継続監視をしていきたいと思っている。今週予定している2号機への原子炉注水量を下げて3号機を注水量を上げる件だが、この関係があり、注水量変更に関しては少し様子を見ている状況だ。

○共同樋口:
それは先延ばしにするかもしれないということで?

○松本:
ハイ。少しパラメータが動いている段階で、そういった注水量の経高をすることで、更に原因、あるいは状況がよくわからなくなることが懸念されるので、一旦、注水量の変更作業に関してはホールドしているということである。

○共同樋口:
水素と温度の件だが、今の段階では様子を見るということで、特別なことをするということではない?

○松本:
ハイ。過去にも例があるので、特段対応が必要と考えていない。温度に関しても他の所のパラメータは動いていない状況だし、水素ガス濃度に関しても Xe-135 といった短半減期各種の増加量も認められていないので、今のところは様子見という形で考えている。

○朝日杉本:
国の原子力安全委員会の方で(http://j.mp/JG8stB)1992年に全電源喪失について議論があった時に、東電のほうが何やら資料というか、報告書が出たという話があったが、この事実関係をさせてほしい。


○松本:
ハイ。原子力安全委員会の事務局があった科学技術庁原子力安全調査室から、短時間の電源喪失について、設置許可変更申請における30分程度としている根拠とか、それで問題ない旨、問題あるかどうかということを資料として提出するよう要請があった。

それに対して私どもの方からいわゆるSBO(全交流電源喪失)の位置づけに関しては外部電源、非常用ディーゼル発電機の信頼性の高さ、手順書の整備、適切なメンテナンス等により、突出した炉心損傷をおこすものではないということを返事を出したことは事実だ。

○朝日杉本:
これは安全委員会から要請があったもので、それに対して東電が報告を出したということで良いか?

○松本:
安全委員会本体と言うよりも、私どもが受け取ったのは、その事務局があった科学技術庁原子力安全調査室の方から文書を頂いている。

○朝日杉本:
はい。わかりました。ありがとうございます。

○NHK花田:
2号機の温度計だが傾向としては前と同じように114Tと114F#1がだいたい同じような上下になって、残り2つも同じような幅で上下してんですけど、これは電気的にどういう関係にある捉えればいいのか?

○松本:
(お絵かきタイム00:13~) グラフは… 6時間おきのデータがHPでグラフ化(http://j.mp/JG96ak)されているが… えっと… こういった形で114A,114D、114F1、114H1がこういった形で 同じタイミングでクっとあがってですな。

しばらく同じような温度をしたあと、元の通りに下がってくるのが前回みられた現象だ。実際に何かパラメータを動かすような窒素ガス封入とか、注水量の変更といった温度が変わるような要因は実際には起こっていないので、

ようは端子台の所の混色を一番の要因として考えている。電気的にはっきり模擬ができているわけではないが、基本的に抵抗が変化すると音素が変化するので、何か途中の端子台のところが渡りが出来たような形になると、こういった温度変化を同時に起こすことはありうると思っている。

○NHK花田:
わかりました。そういった端子台の原因、混触だと対策、復旧は出来るものなのか?

○松本:
物理的な復旧を完全にするには、格納容器の中に入らないと出来ないし、最終的に端子台そのものを交換することが必要だが出来ないので、こちらに関しては外からなにか手を打つことは難しいと思っている。

○松本:
従っていま、評価を最終的に詰めている段階だが、114A,D,F#1,H#1に関しては★監視用よりも参考扱いにする事を考えている。

○NHK花田:
わかりました。1号機の水素の関係だが、先日、注水量を変えた事による影響も考えられるのか?

○松本:
そうだな。先週の火曜日に注水量を1号機は1m3/h 減らしているが、実際に発生したのが先週末なので、直接的に関係はないのではないかと思っている。

GWの5月4日の時も特になにかいじったわけではなく、増加、減少をしたという事例なので、もう少し様子を見たいと思っている。前回の場合は水素ガス濃度で0.14%だったので、今、0.08%だから上がる可能性はある。

○NHK花田:
★4号機の原子炉ウェルの推移状況だが、これはどういった状況なのか、もうちょい詳しく教えてくれ。

○松本:
こちらはだな。欄外(http://j.mp/M3uquV)だがスキマーサージタンクの水位が上昇傾向にあることと、当時、塩分除去装置で使えていたモバイルROの入口の流量府庁が確認されたのがほぼ同時期だったので、何か因果関係があるのかということで調べていたが、

先ず、塩分除去装置関係は、単純に入口流量計の不調と判断し、今回フラッシングという形で掃除をして使えるように戻したということだ。

# 掃除をして戻るんなら計器の指示不良じゃないじゃん。

○松本:
スキマーサージタンクの水位が上昇傾向にあることは、まだハッキリした原因はわかっていないが、いわゆるプールゲート、プールとウェルを繋ぐゲートの所から、何か漏れ込み等があったのかというところも検討項目の一つとして今調査をしている。

○NHK花田:
夏場の熱中症対策だが、通気性の良いタイベックはどういったものなのか教えてほしい。去年も行ったと思うが、日中の時間帯、作業時間の短縮は今年はどう考えているのか方針を教えてほしい。

○松本:
通気性の良いタイベックに関しては25%ほど通気量の良いタイベックに変える。体の中に発生する蒸し暑い空気が外と行き来ができるものである。今、実際の引張試験とか、強度的に問題ないとか、

そもそも防塵用だから防塵性能が基準値以内に入っているか確認した上で調達を進めていきたいと思っている。夏場に関しては1時~4時の最も暑い時間帯に作業しない運用に関しては実施する予定だ。

○NHK花田:
何月ごろから実施するのか?タイベックは新たに開発されたものという位置づけで良いか。

○松本:
夏場の作業時間帯変更の実施時期は確認する。実際には温度を見ながら何時からやるよ、と言うことを決めると思っている。

タイベックは新たな研究開発品というより、既成品の中でそういった仕様のものがあるということで新たに調達を開始するものだ。

○読売 大山:
★先ほどの原子力安全委員会で公開された文書(http://j.mp/M3tRRK ・ http://j.mp/M3tJ4P)だが、当時の安全いい会のやり取りを示すメモ類は東電さまには残っていないのか?

○松本:
★当時、原子力委員会に回答した文書は残っている。

○読売 大山:
途中経過でどういったやり取りがあって、これこれこういう意図でというか、そういった文書を安全委員会が要請した意図がわかるようなものは特に残されていないのか?

○松本:
★あのう、まだ確認はしていないが、打ち合わせ等をやっているので、担当者レベルでこんな話があったというメモは残っている可能性はあるが、そちらに関してはまだ確認していない。

○読売 大山:
わかりました。ありがとうございました。

○東京新聞森本:
★今のSBOのワーキンググループの関係だが、今朝、一部報道(http://j.mp/JGaWYS)でワーキンググループの議論の中で長時間のSBOを私心に反映するのを反映されないように、

電力会社から参加している人から抵抗があったという指摘、記事の内容があるが、実際ワーキンググループの中でSBOを考慮する必要がないという主張を東電から出席された方がしたということはあるのか?

○松本:
★あのう、今回のWGに出世した、あのう、立場から先ず申し上げると、いわゆるその、いわゆる電気事業者、あのう、設備を維持管理しているものとしての、あのう、助言をする、情報提供させていただくということで、

あのう、今回の、何といいますか、ええ、30分になったような故障確率の話とか、実際に電源設備がどのように構成されているかというところをお話させて頂いて、30分の根拠、あるいは妥当性についてお話、といいますか、説明させていただいたものだ。

# 長時間のSBO対策が如何に不要であるかお話させていただいたわけね (・∀・)

★従って私心などの、何かこうやってくれといったような、あの、方針決定に関わるようなものについては、あくまであの、私どもは協力者の立場でございますから、そういったことに関わったことはありません。

# ほんとわかりやすい上、見苦しい。この件に限ったことじゃないけど、なんでマスゴミはこんな食い扶持スキャンダルをほっとくんだろうね。プラントだけの問題にして結論ありきの再稼動。本当に再生エネにシフト、ライフスタイル見直す方向で経済の舵を切るなら、電気ナイナイで追い込まないとこれまでどおり、事故おこした人たちが何の責任も取らずにズルズルと行くのは目に見えてる。

○東京新聞森本:
★つまりSBOを考慮すべきかどうかとうことを私心に反映したほうがいいとか、反映しなくてもいいとか、そういうことをWGの中で主張したり、意拳を述べたりするということはなかったはずだということか?

○松本:
ハイソウデス。ようはSBOというか、今回の場合は、30分、短時間の全交流電源喪失に関しての30分の根拠、それから30分程度で問題無いという根拠を教えて欲しいということで、あのう、お尋ねに対して答えたということだ。

○フリー木野:
先ほどのタイベックだが、これは支給をするとなると東電社員に対してだけになるのか?協力企業も含めてになるのか?

○松本:
全作業員だ。

○フリー木野:
構内に入る?

○松本:
ハイ。ただ、調達量も関係するので、最初から全員に行き渡るかどうかというのは、今調達を進めている段階だ。

○フリー木野:
実際には何時頃から切り替わる?

○松本:
7月1日を予定している。

○フリー木野:
7月1日からどれぐらいの量がというのは、、

○松本:
そうですな。従って今、最大1日3000人程度働いているので、3000着程度を供給できるように考えている。

○フリー木野:
7月1日から全員分か?

○松本:
基本的には全員。選べると思うが、全員着用で構わないと思う。

○フリー木野:
わかりました。

○寺澤:
原子炉への注水に関してだが、明日以降、2号機、及び3号機において原子炉への注水量を変更する予定だ。2号機だが原子炉注水量の最適な配分としてCS系を5.5m3/hに変更する予定だ。給水系からの注水量は変更ない。

# 単に監視対象から参考扱いにすれば済む話。

同様に3号機だが、こちらは給水系を3.5m3/hに変更する予定。(0.5m3/h↑↓)CS系からの注水量は変更予定ない。2号機、3号機は明日以降、窒素封入量と排気流量のバランス調整を行うため、排気流量を調整する予定だ。以上が明日の作業予定だ。

○フリー木野:
先ほどの説明で温度に2号機パラメータが動いているので、注水量は様子を見るという話しだったが、明日はもう動かすのか?

○松本:
様子見中であり、一段ここで落着いてしまえば、注水量の切り替えは可能と思っている。

○フリー木野:
最後に寺澤さんの話で明日… 

○寺澤:
明日以降なので、以降ということなので、すいません。ちょっと誤解を招いて。明日という場合もあるし、明後日になると場合もあるということでご理解いただきたいと思う。すいません。

○フリー木野:
わかりました。

○寺澤:
以上で夕刻の会見を終わる。


~ 終了 18時27分 ぶら下がり大盛況 (・∀・)

東電サイトを検索

政府・東電 統合会見議事録から検索

規制庁・経産省・文科省から検索